ソニー“α”で撮影してきた『ふたご座流星群 2020』
今夜は木星と土星の超大接近という今年一番の天体イベントがありますが、先週の12月13日(日)の夜から14日(月)の未明にかけて、3大流星群のひとつ「ふたご座流星群」のピークがありました。
今年は14日夜が新月ということもあり、月明かりのない絶好のコンディション。しかも天気予報によると埼玉を中心とした関東圏は晴れ予報と、すべての条件をクリアした夜になっていました。
そこでなんと、奇跡的に堂平山にある天文台の宿泊予約ができて、ここでふたご座流星群の撮影をしてくることができました。撮影してきた写真などを紹介したいと思います。
こんにちは、店員佐藤です。
堂平山は埼玉県のときがわ町にある標高876mの山で、近くにある白石峠はロードバイクのヒルクライムのメッカ。場所的には秩父のちょっと手前にあるのですが、昔、東大が使っていた天文台が建てられているなど、星の観測に向いた土地になっている場所です。
ここの山頂近くにキャンプ場があり、通常のキャンプができるのと、天文台の施設自体の宿泊施設を1日1組だけ利用ができるスペシャルな宿泊施設にもなっています。当然、通常であればものすごい人気で半年前から予約受付をしているものの、こうした天体イベントのある時は予約がとても難しい場所になっています。
ですが、今回は予約がスカッと取れて泊まれることになりました。ちなみに予約を入れたのは7月頃です。これは大撮影イベントになるぞ!と、思っていたのですが、それには理由があったのです。
宿泊は5名まで可能となっていましたが、残念ながらこのコロナ禍の中での営業です。家族以外でのグループの利用はできなくなっているそうで、今回は私一人での宿泊となりました。
また、若干ルールも変わっていて3年前に泊まった時には天文台の広場は誰でも自由に入ることができたのですが、現在は門を完全に閉めてしまい、宿泊者のみの利用となっているそうです。
ちょっと前にトラブルがあったとかで宿泊者からのリクエストでそうなってしまったとのこと。
天文台広場は利用ができなくても、柵で区切られたすぐ隣の堂平山山頂広場は開放されているので、ここの場所での天体観測は可能となっています。
ただ、宿泊者がエリア内から出られないわけではないので、その気になれば区画内に入ることもでき、何組かの方は入ってこられていましたが、特に騒ぎを起こすわけでもないので、そこは緩く運用されているみたいです。(施設には管理の方が常駐しているので、トラブルがあれば駆けつけてこられるとは思いますが)
と、いうことで2017年にグループで撮影会をしたときとは違って、それほどにぎやかな感じにはなっていませんでしたが、その分、じっくりと腰を据えて撮影に臨みます。
到着したのは13日の日曜日の15時頃でした。
薄く雲が空一面にかかっている状況ではあったのですが予報では夜8時から晴れるとなっていました。ここ最近の天気予報は本当に外れることがないというか、本当に時間通りに天候が回復するから不思議です。
夜になってからはしっかりと雲が取れて、バッチリと星が見えるようになりました。
流れ星が出始めるのは夜10時頃からで本格化するのが12時頃。ピークになるのは明け方の3時ごろとのことで、夜の8時はまだ序の口です。ここから本気で撮って夜の12時頃にバッテリーやメモリーを使い切ってしまうというのは避けたいので、夜10時くらいまではウォーミングアップです。
持ってきたカメラは“α7R4”と、“α7S3”、そして“α7C”の3台でそれぞれにSEL1224G、SEL24F14GM、SEL20F18Gを装着して撮ってきました。
α7R4はポータブル赤道儀をつけてドームがある東から山頂のある西に向けて、オリオン座とふたご座を追いかけるようにセットしてきました。これで流星群が空から降ってくるような映像を撮ってみたいんですよね。
ポータブル赤道儀にSEL1224Gを装着してぐるっと東から西へ動くように撮影してきました。外部給電もさせていて、これが最初から最後まで撮影するカメラになりました。
α7R4で撮れた写真は7時間半で約1800枚です。6100万画素で1800枚をRAW撮影してきているので、これの現像処理にもっとも時間を費やしてしまうことになるのですが、半分成功で半分失敗でした。
シャッタースピードを13秒でISOを4000まで上げているんですが、感度が低いと暗い流星は映らず、感度をあげて撮影した“α7S3”と比べると映っている流星の数がかなり少なくなっています。また、狙っているのがふたご座とオリオン座で、噴射点に近いため流星がすべて短めになっています。(噴射点という流星の出どころから近いと近いほど流星は短く、遠く離れると離れるほど長くなります)
ここはもっとシャッタースピードを短くしてISO感度を10000近くまで上げて撮るべきでした。そうすると撮影枚数がさらに増えてRAW現像がもっと大変なことになるんですが、そこはもうVAIOをパワーアップするしかないですね。w
α7C+SEL20F18G F1.8 8秒 ISO2000 タイムラプス
α7CはR4とは反対の方向を取るようにしてインターバル撮影をしています。今年大人気の組み合わせでSEL20F18Gを使って撮影しています。この20mm単焦点はかなり広角だし開放F値が1.8とかなり明るいし星の撮影にももってこいです。
α7S3は4K動画で流れ星の撮影に挑戦しました。結果、“α7S3”の動画撮影が一番流れ星が映っているという驚きの結果になるのですが、“α7S3”だけシャッタースピードを1/25まで(24P動画撮影なので)速める必要があり、ISO感度が40000くらいまで上がっている状態だったです。ISO感度が上がると暗い星まで撮れるようで、この撮影方法でタイムラプスするのが良かったみたいです。
α7S3+SEL24F14GM XAVC S 4K 24P F1.4 1/25秒 ISO40000
ポータブル赤道儀を使った撮影もこの方法でISO感度をあげて撮るともっとたくさん写っていたのかも。後からですが、いろいろ勉強になります。こういうのは自分で経験して失敗しないと身につかないですからね。
12時を過ぎてピークを迎える時間にはドームをはさんでカシオペア座と北斗七星が位置する北極星を中心としたインターバル撮影に“α7S3”は切り替えています。
0:48~2:42までの約2時間で1300枚を撮影。途中でメモリーカードの入れ替えをしたため若干、画角がくるってしまっため、半分の約600枚を比較明合成したものが上記のものになります。合成には「ステライメージ7」という有償のソフトを利用しており、簡単に合成をしています。
撮影間隔は5秒、シャッター速度も5秒設定ですが切れ目なくつながっています。
そしてこちらはちょっと大変だったんですが、1300枚の写真の中から明るく見えた流星だけを30枚ほどピックアップして手作業で合成したものになります。フォトショップで写真を重ねては星の位置を比較して合わせて流星だけを比較明合成しています。
なんとかこれを自動化するソフトがないか探していたんですが見つけられず、今年も手作業での作業になってしまったのですが、ちゃんと合わせてみると、放射点であるふたご座方面を中心にして雨の様に星が降ってくる画が作れました。
α7S3では、他にもこんな写真も撮って遊んでいました。10月に当店イベントで開催した「横浜みあとみらいプレミアムフォトイベント」で講演をしてくださった、ソニー永井さんの真似です。
これも本当はインターバル撮影でやってみたかったのですが、現地で撮影しているときに、どこにフォーカスを合わせれば良いのか、よくわからず、試し撮りをしてくるだけにしました。結果、ボンネットというか車にフォーカスを合わせて星はぼかして撮るのが良さそうです。
軽自動車ワゴンRの50cmくらいしかないような短いボンネットでも映り込みが作れたのでどんな車でもOK、ただ、黒い車だとあまり映り込みは期待ができず、ソニー永井さんの話によるとシルバーメタリックのボンネットが一番よく映るとの話でした。
複数台のカメラがあると、こういう遊びもすることができます。
ということで、これらのタイムラプス動画などをまとめて編集したものがこちらになります。
公開するまで時間がかかったのは撮影枚数が多く、その処理に時間がかかったためです。ここまでほぼ毎日のように自宅のVAIOは完徹状態で毎日レンダリングばかりさせられていました。
そろそろGPUボックスが使える新型VAIO S15に乗り換えないといけないかも♪
さて、流星群の話ですが毎年時期は変わらず3大流星群がやってきます。次は1月3日の夜から4日の未明にやってくる「しぶんぎ座流星群」ということになります。
多くの会社が1月4日を仕事初めにしていると思いますので、初出勤の前夜か!?というところですが、天気が良ければ挑戦してみてはいかがでしょう?
今年はそれほど条件のよい年ではない(月の満月が近く80%くらいの輝度になっています)のですが、流星群撮影練習の大チャンスです。ピーク時間は日本時間の0時頃になります。
☆アストロアーツ「2021年1月3日 しぶんぎ座流星群が極大」
今回の「しぶんぎ座流星群」をはさんで、次の大きな流星群「ペルセウス座流星群」がやってきます。このペルセウス座流星群も月明かりがほとんどなく好条件。8月12日~8月13日にピークがやってきます。このときのための撮影練習ができる最後のチャンスになります。
☆流星電波観測国際プロジェクト「2021年 流星群観測展望(眼視観測用)=ペルセウス座流星群が好条件=」
流星撮影は惑星の撮影と違って超望遠レンズなどは必要ありません。広角レンズがあれば撮影可能。できるだけ開放F値が明るいものの方が有利に撮影ができますので「SEL20F18G」「SEL24F14GM」「SEL1224GM」「SEL1224G」「SEL1635G」「SEL1635GM」などをお持ちの方は是非チャレンジをどうぞ。
自宅のベランダからでもチャレンジできるし、公害の少ない場所へキャンプしに行くのも良いかもしれませんね。(ちなみに東京●●●●●●2020が8月8日まで開催されている予定です)
2021年の広角レンズ遊びのパワーアップをするなら「しぶんぎ座流星群」撮影からどうぞ♪
デジタル一眼カメラα [Eマウント]用レンズ SEL20F18G |
ソニーストア価格: 116,273 円+税 |
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発売日 | 2020年3月13日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
長期保証 サービス |
5年ワイド:12,000円+税 3年ワイド/5年ベーシック:6,000円+税 3年ベーシック:無償 |
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24mm単焦点レンズ SEL24F14GM |
ソニーストア価格: 179,630円+税 |
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発売日 | 2018年10月26日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
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5年ワイド:18,000円+税 3年ワイド/5年ベーシック:9,000円+税 3年ベーシック:無償 |
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デジタル一眼カメラα [Eマウント]用レンズ SEL1224GM |
ソニーストア販売価格: 345,364 円+税円 |
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発売日 | 2020年8月7日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
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5年ワイド:35,000円 3年ワイド/5年ベーシック:18,000円 3年ベーシック:無償 |
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デジタル一眼カメラα [Eマウント]用レンズ SEL1224G |
ソニーストア価格: 199,630 円+税 |
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発売日 | 2017年7月7日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
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5年ワイド:20,000円 3年ワイド/5年ベーシック:10,000円 3年ベーシック:無償 |
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