【レポート】ソニー“α”で撮ってきた皆既月食2021
昨夜は久々の天体ショー「皆既月食」があり、日本全国でカメラマンさんが腕を競い合うはずだったんですが、関東地方ではあいにくの天候で残念な結果になりました。
私も仕事を午前中だけして、久々の“α”を使っての撮影イベントに出かけてきました。残念ながら皆既月食は撮影出来ませんでしたが、その道中をレポートしたいと思います。
こんにちは、店員佐藤です。
今回は都内でもできる撮影対象でした。天体イベントは長期間準備していても、当日の天気一発で勝負が決まるところがあり、当日までドキドキが止まらないんですが、今回は天気予報に割と望みが持てました。
新発売のソニーフラッグシップモデル”α1”とSEL200600Gによる、長距離砲で皆既月食を撮影するチャンス。2013年以来、ちゃんと撮れていないので、今度こそ!という気持ちで準備をしていました。
毎回撮影しているタイムラプスも今回は6100万画素の“α7R4”があります。これにお気に入りの20mm単焦点レンズ「SEL20F18G」を装着してのGレンズコンビで準備。抑えでサイバーショット「DSC-RX100M7」も持って3台体制でした。
天体撮影だとサイバーショット「RX100M7」のインターバル撮影の場合、1/4秒までしかシャッターが開かないため、旧バージョンでCamera Appが使えるRX100M4とかRX100M5の方が都合が良いのですが、今回は月の撮影と言うことでシャッタースピードはやや早めに設定する予定。多枚数での撮影ができるRX100M7の方が有利かな?ということで出撃です。
当初、撮影場所に予定していたのはカレッタ汐留の展望台で、以前、スーパームーンの撮影などもここでしていたことがあります。三脚撮影も可能だったんですが、今回は三脚撮影はNGという注意を受けました。場所の占有が問題になるとのことでした。
早めに場所取りで行っていたおかげで早めに注意していただき、おかげで場所移動がすぐにできて助かりました。
予定ではこんなところで撮影するはずでした。下に見えるのは築地市場跡と浜離宮です。今だけの風景になるんですが、残念。
写真撮影だけで手持ちで撮る分には問題がないんですが、今回はタイムラプス撮影もしたかったですからね。
ということで、撮影地を移動します。
こういうときは予備の撮影候補地なども調べてあるというか、撮影場所選びをするときにいくつか候補を考えられると思うので、予備の撮影地についても一応シミュレーションをしておきます。浅草までは新橋から銀座線1本で30分ほどで移動ができます。
こうした天体撮影、星景撮影は「なに」と天体を組み合わせて撮影するかがキモになります。行き当たりばったりで撮れるものではありません。
今回の皆既月食は南東方向で仰角10~20度ほどのところでおこります。なので南東方向に被写体がある場所を選びます。
今回は大人気の東京スカイツリーと皆既月食の撮影に挑戦します。スカイツリーが南東方向に位置する場所、つまりスカイツリーの北西にあたる場所で撮影すればOKということになります。
Google Mapで場所を探すと上手い具合に隅田川が流れていて、ここで撮影ができそうです。
そして仰角10~20度の高さとのことですが、それもなかなか良さそうです。仰角10度で目一杯手を伸ばしたときの自分のこぶし1個分の高さになるそうです。ここなら仰角20度(こぶし2個分)くらいのところにスカイツリーの第1展望台がきます。あのあたりに月が来るんだな、というのをシミュレーション。
かなり早めに来ている(16時には来ています)ので、まだ場所は選び放題です。良い具合にベンチが使えました。ここに三脚を立ててカメラをセッティングします。
なんだか分からないけどここのところにだけ柵が二重になっているなー、と、思っていたら、これは街灯でした。ここのルートは夜になるとランナーさんが多数ジョギングするルートになっていて、ランナーさんの足下を照らす灯りがあちこちにあります。
これは失敗だったんですが、後の祭りです。次回からはこういうのは避けるようにしたいと思います。
あとはここで2時間待機して18時過ぎくらいからタイムラプス撮影開始。18時37分に月が出て、18時44分から部分食がスタート。20時9分から皆既食が始まって20時28分まで20分弱のクライマックスを迎えます。
スカイツリーと皆既月食が重なるドラマチックな風景を撮影したいと思います。
撮影終了は22時頃になるのでここで6時間くらい過ごすことになります。
本当は仲間がいると、トイレ休憩などもできるし、緊急で必要になったものが合った際も対処ができるんですが1人だとそういうのがまったく対処できません。飲み物などはあらかじめ用意できるんですが、トイレ利用はできなくなるので、到着直前に済ませるしか方法はなし。
飲み食いは我慢できるんですが、これからの季節、もうひとつ問題があって、こういう屋外だと暑さ、寒さもどうにもならなくなります。その対策のために、新製品を持ち込みました。
「REON POCKET 2」です。今週は火曜日から一気に気温があがったので、今シーズンの初使いが始まったんですが、この専用ネックバンド、いいですねー。
「ヤバい、ちょっと暑い」というときに、専用シャツに着替えなくても、ネックバンドひとつで背中に装着出来る手軽さは今までにないものでした。
日中、暑いときだけではなく、陽が暮れてから気温が下がってきたときには暖房に切り替える事で冷えピタが瞬時にホッカイロになるところも助かります。今回も重宝しましたが、夏本番はこれから。これからの季節、これもスマートフォンとセットで持ち運びたいアイテムになります。
α1+SEL200600G+SEL20TC F13 1/500 ISO640 焦点距離1200mm
早めに現場入りしているので、カメラのセッティングなどを事前に行っていきます。タイムラプス撮影では今回は2000枚前後の撮影をしたいと思っています。
完成動画が30Pのモノだとして30秒の動画に必要な撮影枚数は900枚になります。撮影時間は3時間程度あるので10秒間隔で撮影して1080枚。もうちょっと撮影間隔を狭めて6秒間隔にすれば1800枚の撮影ができます。それだけあれば1分近い動画が作れます。
128GBのSDカードを入れているので6100万画素の圧縮RAWであれば、ちょうどぴったりくらいのファイルサイズになります。
なにが起こるかわからないので、余裕があれば多めに撮影です。
それと望遠レンズの方は皆既月食自体を狙って「赤い月」とスカイツリーを同時に撮影しようと思います。20分前後の時間があるのでセッティングはそのときで大丈夫。Bluetoothリモコンと“α1”が動作するかのテストなどをして過ごします。
ついでに間近に見える東京スカイツリーをSEL200600Gでのぞきながらテスト撮影。“α1”の電子ビューファインダーのドット数が944万ドットもあるもので、使うレンズの改造度がまた上がった様な感じがします。望遠レンズを装着するのが一番楽しいかも。
ということで、あとは陽が暮れるのを待つばかりなんですが、時間と共に空がどんよりとしてきました。
ときおり頭上を通る飛行機の機影ははっきり見えるので、もっと上空に雲が出ているみたいです。
予報では18時には晴れマークが付いていたんですけどね。
18時頃になると、カメラマンさんも増えてきました。皆さん、ソーシャルディスタンスで一定間隔よりは近づかないようにされて、等間隔に並ばれています。
ソーシャルディスタンスの距離を取らなければ、もっと大勢の方が撮影出来そう。
夜のテレビニュースで各局がスカイツリーでの中継をされているほどの人気スポットなんですが、それでもこれだけの空き具合なので、ここは良いポイントですね。
α1+SEL200600G F8 1/500 ISO8000 焦点距離600mm
徐々に陽が暮れてきて、東京スカイツリーのライトアップが始まりました。東京スカイツリーのライトアップは日没時間に合わせて点灯しているため、決まった時間に点灯することはありません。
間近でみるスカイツリーは圧倒されます。こんなに綺麗なものなんですね。
望遠600mmで高さ634mのてっぺんを狙ってみました。こんなところにも手すりがあるので、ここで作業される方がいらっしゃるんですね。
第1展望台には東京●●●●●●2020のメッセージが表示されるようになりました。現在、47都道府県を聖火がリレーして回っていて、今日は京都府です。ライトアップは京都ををテーマにしたライトアップに19:15から切り替わりました。
すでに月は昇っているはずなんですが、全然、見えません。アプリ「Sky Map」を使うとリアルタイムに星の位置がわかるんですが、月も表示されているモノの見えませんね。19時15分を過ぎていれば仰角10度くらいまではあがっているはずなのでこぶし1個分くらいの高さまで来ているはずなんですけどね。
で、そのまま皆既月食が始まる20時9分を迎えます。誰も帰ることなく、みんなでスカイツリーに視線を送ります。
満月なのでうっすらでも明るく空が見えればいいものなんですが、皆既食なので月は真っ暗になっているはず。
そのまま皆既食が終わる20時28分を迎えてしまい、パラパラと人が帰りはじめました。
まー、なんにも星が見えない曇天ですからね。私も諦めて、望遠レンズ+“α1”のセットから片付けをはじめて、サイバーショットもばらしてカバンに収納。最後までタイムラプス撮影カメラは片付けずに撮影を続けていましたが、それも撤収。
全部片付け終わったところで、隣で撮影していた高校生が「あれ、月じゃね?」というので見ると、皆既月食から部分月食に戻ってきた月が見えました!
α1+SEL200600G F5.6 2秒 ISO800 焦点距離205mm
再び、“α1”+SEL200600Gと三脚を組み立てて撮影再開。
なるほどー、ここに出てきましたか、大体狙い通りの場所で撮影は出来ていたけど、遊歩道の上のところで撮影した方が展望台に近かったかも。
でも、皆既月食になっていれば、ちょうど良い感じで撮れるポジションでした。答え合わせがちょっとだけ出来てラッキーです。
ということで、肝心の月は映っていませんが「皆既月食2021」のタイムラプス動画です。約1800枚の写真をRAW現像してXAVC S 4Kで書き出しました。
撮影時は露出を-0.7EVにしていたんですが、もっと暗くして良かったようです。
こうやって経験値を増やして、行くのが楽しいんですよね。
ちなみに、こうした撮影中のスナップですが、ついにスマートフォンで済ませるようにしてしまいました。今回のレポートはほとんどが「Xperia 5 II」による撮影フォトのものです。
撮影が楽、というのもありますが画質が充分あがってきていて、さらにレンズが16mm、24mm、70mmと3種類ついていて、これでほとんど事足りてしまいます。特に16mmはサイバーショットRX100シリーズにもついていないほどの超広角画角で、Xperia 5 IIの方が便利、と感じるようになっています。
いざというときの動画カメラにもなるので、スマートフォンを三脚固定するためのホルダーとか用意しようかな。
さて、今回は北海道、沖縄地区以外の方は残念な感じになってしまった皆既月食ですが、今年はもう一度チャンスがあります。
次は11月19日にチャンスがあります。
11月19日の月食は皆既月食ではないので真っ暗にはならないのですが、食分が0.98とほぼ全部隠れるほどの部分月食になります。(ちなみに今回のは食分1.02だそうです。)
次回は東の空で仰角20度弱のところで最大食を迎えるので、今回よりも低い位置になります。もう一度チャンスがあります。そこまでに作戦を立てて準備をしておきましょうね。
天文イベントは当日の天気に思い切り左右されますが、一度機材を用意すれば、それを長期間にわたって何度も利用ができます。次こそチャンスがあることを信じて準備にとりかかりましょう!
Twitter、Facebook、Instagramなどでお付き合いくださった皆様、ありがとうございました。また次回お会いしましょう♪
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11月8日(火)18時すぎから天体イベント『皆既月食 & 天王星食』
11月1日の“α7R V”の予約開始イベントが終わったら、次のカメライベントは11月8日(火)の「皆既月食」です。今回は長時間の月食でたっぷり時間をかけて楽しむことができそうです。
11月19日に「ほぼ皆既月食」の天体ショー
毎度おなじみテックスタッフ天文部からのお知らせです。来週の金曜日の夕方、約98%隠れる「ほぼ皆既」な部分月食があります。“α”をお持ちで、まだ天体撮影をしたことがない、という方にもチャンスです。
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5月26日は”α”で皆既月食撮影に挑戦してみよう!
“α7S” LA-EA3+SAL70400G2 F5.6 1/8秒 ISO3200 焦点距離400mm(トリミング) 2014年10月8日撮影 そろそろ、各所で話題になってくると思いますが、今月は挑戦しやすい天体イベント […]
2014年の皆既月食
3年ぶりの皆既月食。せっかくなので新橋界隈で当店も撮影に臨んできました。
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