【レビュー】スマートフォンと一緒に使うウォークマン『A50』シリーズ 実機レポート
昨日発表になった2018年モデルの新型ウォークマン「A50」シリーズが本日よりソニーショールーム/ソニーストア銀座で早速展示開始になっています。
実機の展示の様子をレポートします。
こんにちは、店員佐藤です。
一昨日、ブラビアA9F、Z9Fを拝見させてもらいにお邪魔したばかりなのですが、たった2日で模様替えされていてオーディオコーナーは製品ジャンル毎にテーブルが新しくできていました。
128GBメモリーに増量した「NW-ZX300G」の展示はなかったものの、この秋のハイレゾ新製品が一気に全部展示開始になっていて、平日の昼間ではありますがソニーショールーム/ソニーストア銀座は今日は大盛況です。
一番の人気はスタジオモニターインナーイヤホンの「IER-M9/M7」で、私も一瞬しか触ることはできませんでした。
ウォークマンA50シリーズについては全色展示で台数も多いので、比較的自由に試聴することができましたので、詳しくご案内したいと思います。
■アドバンスモデル「A50」シリーズの進化ポイントをチェック
ウォークマンAシリーズのAはAdvanceの頭文字から取られています。このシリーズは常に先進のシステムを導入するのを運命づけられていて、今回のA50シリーズではスマートフォンとの連携を実現。
スマートフォンとBluetoothで接続するレシーバー機能を搭載しています。詳しく試してみようと思うのですが、その前にまずは2017年モデルのA40シリーズとの比較から。
長細いデザインでボタン操作をするA20から、タッチパネルモデルの現在のスタイルになったのがA30シリーズ。A40シリーズでは内部基板を見直して音質の進化を果たしていたのですが、今回のA50シリーズも見た目のデザインこそ変わらないモノの、ハンダ素材の改良とシャーシの変更など積極的な改良がされています。
A40シリーズではフレームとキャビネットが別体になっていましたが、A50シリーズではアルミの削り出しによりフレームとキャビネットを一体にしています。高い剛性を誇るモデルになっているのと、これにより若干ボディデザインが変更され、上位機種のNW-ZX300シリーズと同様のデザインになりました。
サイドボタンが長細いデザインだったモノ(写真上がA40)から丸いボタン主体(写真下)になっています。
これらのハードウェアボタンは画面オフの時にも操作ができるので、ポケットの中に入れたままで操作するときに利用するボタンになります。手触りでもどのボタンが再生停止ボタンなのか判別が付きやすくなったかもしれません。
角が落ちたデザインになっているのですが、これにより数値的には変化はないんですがボディの厚みが薄くなった印象になります。スマートフォンのラウンドデザインまでいきませんが、それに通ずるモノがあるかも。
さて、その新型モデル「A50」シリーズの操作画面をチェックしてみると、A30シリーズで搭載した最新UIをそのまま継続採用。ホーム画面上のリスト表示画面を出すと、上に5つのアイコンが並んでいるのが見えます。
右から2番目の「DAC」というのがA40シリーズから搭載された機能で、PCなどとUSB接続した状態でPCの音声をウォークマンを通してならす、ということができました。
実はこれを使ってスマートフォンの音声をウォークマンに入れてDACとして使う技もあったりします。
ちょっと特殊な接続の仕方になるのですが、USB type Cと、マイクロUSBの接続ケーブルを使い、現在は販売終了になってしまっているウォークマンのWMポート変換アダプター「WMP-NWM10」を使って、スマートフォンとウォークマンを接続するんです。
USB type Cを搭載しているのは2016年11月発売のXperia XZ以降のモデルになりますが、これでスマートフォンの音声をウォークマンにUSB経由で伝送し、ウォークマンに搭載されているDSEE HXを使って音声を再生することができるようになります。
やや手間なのと、スマートフォンとウォークマンを接続しっぱなしで利用しないといけないため、あまり実用的ではないんですが、これでスマートフォンの音声をハイレゾ相当にアップコンバートするDSEE HXを使う、ということができていたんです。
それが新型のA50シリーズでは、Bluetoothでの接続を可能にし、無線でスマートフォンとウォークマンを接続し、DSEE HXによるハイレゾコンバートをさせてくれるとなっています。
ウォークマンの高音質回路をすべて利用できるそうで、これを試してみたかった、というわけです。
USB DACの右にあるレシーバー機能ボタンを選択すると、Bluetoothレシーバー機能を開始するかどうかの確認表示があります。ここでOKを選択するとBluetoothのペアリングモードに入るため、ここでスマートフォン側からBluetooth接続するとペアリング終了。
スマートフォンの音声がウォークマンに伝送され、ウォークマンのヘッドホンからスマートフォンの音声が出力されます。
音質優先モードで接続すればLDACでの接続が可能。ウォークマンからの音声出力はウォークマンのヘッドホン端子からのみの出力となります。ウォークマンに別のBluetoothヘッドホンを同時に接続することはできないので、ウォークマン自体がBluetoothヘッドホンとして動作する感じになります。
音を聞き比べてみると、これは明らかな音質の違いを、付属のヘッドホンでも感じられます。
名誉のために言っておくと、Xperia XZ自体もハイレゾ音声対応のスマートフォンになっていてFLACファイルのハイレゾ再生に対応しており内蔵アンプもハイレゾ対応ということにはなっています。
ただアナログアンプということもあり、その音質はデジタルアンプS-Master HX搭載のウォークマンと比べると、やや寂しくなる感じ。全体にオーバードライブがかかった様な音で特に高域のキラキラした音が濁る感じがあるのですが、ウォークマンにBluetoothレシーバー機能を使って伝送し、ウォークマンのアンプで再生すると、これがちゃんとウォークマンの音になるんですね。
高域のキラキラした音も再現されドライブがかかった感じも薄れます。全体の音の透明感があがり、これならわざわざウォークマンを通して音楽を再生する価値があるように思えます。
しかし、本当に便利なのはそこではありません。
音楽を聴くのにウォークマンがあるならウォークマンに最初から楽曲を転送させておけば良いんです。ハイレゾ相当にアップコンバートするDSEE HXを使うよりも、もともとハイレゾ音源になっているファイルをウォークマンに入れておき、それを再生した方が音質も断然有利。
スマートフォンで再生するハイレゾ音源の音質を30点とすると、Bluetoothレシーバー機能を使ってウォークマンで鳴らすと60点くらい、最初からハイレゾ音源をウォークマンに入れておきウォークマン自体で再生すれば100点が取れる、というのが私の感覚です。
音楽ファイルの再生ではなく、スマートフォンならではの音楽再生方法というと、Spotifyやamazon musicなどのストリーミングサービスですよね。
通勤機能、アプリ機能を持たないウォークマンではストリーミングサービスを利用できませんが、スマートフォンと連携することで、ストリーミング再生を高音質で再生することができます。
音楽を聴きながらニュースサイトでニュースをチェックしたり、SNS投稿をしたり、通勤時間のスマートフォンの使い方ってそういうことですよね。
スマートフォンとウォークマンはワイヤレスでつながるので、胸ポケットにウォークマンを入れておいたままで、コードレスでスマートフォンを操作できます。音量操作もスマートフォンで行えますので、単純にBluetoothヘッドホン的にウォークマンを利用することが可能。
お気に入りの音楽を高音質で楽しみたいときはウォークマンに入っているハイレゾ音源の再生で、ということができます。
かなり昔の話になりますがウォークマン携帯So502iWMを使っていたことがあるんですが、音楽を聴いていたらそれだけでバッテリーがなくなり、肝心のときに電話もメールも使えなくなった、ということがたびたびありました。音楽再生と通信手段は切り分けておくとそういうことはおこりません。
他にも動画再生などにも使えます。Bluetoothでの伝送になるので遅延がまったくないわけではなくややずれるのは確かですが、左右独立型ヘッドホンみたいな1秒近い遅れがあるわけではなく、とても微妙な遅れなのでYouTubeやVideo & TV Sideviewでの録画番組再生なら大きな問題はなし。
DSEE HX機能を使って再生すると音楽番組の音質がぐっと良くなるのと、旅番組、バラエティ番組だとBGMがえらいデラックスな音質になって聞こえます。ウォークマンによる音質アップを一番感じられるコンテンツかもしれません。
そのDSEE HXの設定画面がこちらです。再生ホーム画面から下にスクロールすると各種音響設定画面が出てくるのですがそのうちの一つがこちらです。
MP3やCDなどのデータを、ハイレゾ相当の音にアップスケールする、となっています。仕組みとしてはソニーの方でハイレゾ音源をCD音質などに圧縮した音源と比較をさせて、ハイレゾの音が圧縮されるとどういう音質になるのかをデータベース化、その逆の効果をさせるエフェクトをデータベースとして搭載していて圧縮音源の再生をしたときにハイレゾ音源だったらこういう音になるだろう、ということをしています。
上位機種のZX300シリーズではアップスケールの方法をいくつかタイプ別に持っていて「男性ボーカル」「女性ボーカル」「パーカッション」「ストリングス」などを切り替えて使えるようにしてくれています。「男性ボーカル」の場合は男性ボーカル曲を中心にデータベースを作っていたり、覚えさせる曲によって効果が変わるため、それを複数作っているそうなのですが、今回の「A50」シリーズではAIを使って効果を変化させるとなっています。
おそらく自動的にこのDSEE HXのタイプを変更させているのかな?と予想。(違っていたらすみません)
効果のほどですが、やや小さめの音に反響音がついたりします。バッググランドで流れているピアノが艶やかな音に聞こえたりするのですが全体にエコーをかけているのとは違って、部分的な効果が感じられると思います。
元々ハイレゾ音源のファイルと比べると情報量の違いは埋めることができませんが、聞こえ方はハイレゾに結構近い感じになります。
そして、こちらは新機能の「バイナルプロセッサー」です。日本ではアナログレコードという呼び方をしますが海外では塩化ビニールを素材としたレコードを「バイナル」と呼ぶそうで、わかりやすく言うと「アナログレコードプロセッサー」というレコードっぽく聞こえるためのエフェクトの一種になるようです。
入っている曲でいろいろ試してみましたがセンターチャンネルがやや盛られた感じで厚い音になって聞こえるというか、ボーカル音声を中心にぐっとパワフルになって聞こえる感覚がします。
好みの問題なのでオンにしてもオフにして使ってもOK。昔のアルバムを聴くときだけオンにしてみる、とかいう使い方もありかもしれません。
スマートフォンと接続してインターネットラジオをBluetoothレシーバー機能で聴くこともできますが、FMラジオ機能も搭載しています。しかも周波数はワイドFM対応になっていてAM放送のFM補完放送も入ります。
ショールームでは電波状況が悪いのでうまくプリセットができませんでしたが、電波状況の良いところで「オートプリセット」機能を使って局を取り込むと14局くらいのプリセットができるそうです。
やっぱり音楽再生にはウォークマンがあると最強環境になりますね。
以上、ウォークマンA50シリーズのショールーム展示機のレビューレポート&進化ポイントチェックでした。
■ウォークマン「A50」ラインナップ
ウォークマンA50シリーズの製品ラインナップですが本体のメモリー容量は16GB、32GB、64GBの3種類用意され、外音取り込み機能搭載のヘッドホンがセットになっているもの、なっていないもの、そして、ワイヤレスステレオヘッドセットh.ear in 2 Wireless(WI-H700)がセットになっているもの、全部で5つの製品が用意されています。
モデル | 容量 | ヘッドホン有無 | ソニーストア価格 |
NW-A55 | 16GB | 無 | 21,880円 |
NW-A55HN | 16GB | 有 | 28,880円 |
NW-A55WI | 16GB | WI-H700同梱 | 39,880円 |
NW-A56HN | 32GB | 有 | 33,880円 |
NW-A57 | 64GB | 無 | 36,880円 |
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以前はカラーバリエーションがモデルによって多かったり少なかったりしていましたが、A40シリーズからは全モデル全色展開をしていますので、好みのカラーによってモデルを選ばなければならない制約はありません。(A30までは上位モデルになるとブラックとシルバーしか選べない、などの制約がありました)
付属するインナーイヤホンはノイズキャンセリング機能と外音取り込み機能が利用できる最新モデルです。本体メモリー容量64GBのモデルでは音質にこだわるユーザーさんが多いことから自由にヘッドホンが選べる様、付属ヘッドホン無しのモデルになっています。
A50シリーズから新たに設定されるようになったのがワイヤレスイヤホンの「WI-H700」をセットにしたパッケージです。
「WI-H700」は装着時の快適さやと使い勝手を考慮したネックバンドスタイルが特徴で、ワイヤレスでもハイレゾ相当の高音質が楽しめるモデルです。最近ワイヤレスで音楽を聴いている方が増えてきていますが、なんでもBluetoothヘッドホンを利用する方の7割近くがインナーイヤータイプを使っているのだそう。
WI-H700は新型ウォークマンA50と同色のカラーバリエーションなので相性も抜群。ウォークマンとの同梱タイプはウォークマンA50とヘッドホンを別々に購入するより2,800円お得に購入できるようになっています。届いたその日からワイヤレスで音楽を楽しみたい方はぜひWI-H700同梱版もご検討下さい。
本体メモリーの他にmicroSDカードスロットも装備していて、当店でA40シリーズの動作確認をしたところ手持ちの256GBカードまでは動作することを確認しています。
1年ちょっと前までは2万円くらいしていたこれらの大容量micro SDカードですが今はこんな価格です。これをウォークマンA55に入れてしまえば容量は一気に10倍以上になります。ものすごいパワーアップができます。
あとはソニーストアで3年ワイド保証をつけて購入すれば完璧です。
お気に入りの音楽を持ち歩くスマートフォンの相棒として1台いかがでしょうか!
ウォークマンAシリーズ NW-A50シリーズ |
ソニーストア価格: 21,880 円+税~ |
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発売日 | 2018年10月6日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
延長保証 | 3年ワイド:3,000円+税~ 3年ワイド/5年ベーシック:2,000円+税~ 3年ベーシック:無償 |
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