【レビュー】スマホとPCで動画編集『Adobe Premiere Rush』初めて試用レポート これは理想の編集環境かも!
6月2日からソニーストアで先行予約販売が開始になるVlogcam ZV-1の購入特典で用意されている「Adobe Premiere Rush」ですが、スマートフォンとPCで相互に編集ができるなど、非常に興味のある内容になっています。
一足早く、有料版を購入して使い勝手を試してみました。本当にこれはPCとスマートフォンで行ったり来たりしながらの編集ができます。使い勝手を簡単にレポートしたいと思います。
こんにちは、店員佐藤です。
5月27日に発表になった新コンセプトの動画撮影向けコンパクトデジタルカメラ「ZV-1」ですが手軽な動画撮影&編集という新しい楽しみ方をソニーさんが提唱してくれています。
毎回、本当に演出が上手いというか「自分でもそれやってみたい!」と、思わせまくってくれます。
従来の一眼動画、4K動画というとデジタル一眼“α”の上位機種で撮影して、フルスペックのVAIOノートを用意して4K動画編集をガッツリ行って、というイメージでしたが「サイバーショットクラスのコンパクトカメラでスマートフォンを使って編集して、じゃんじゃんSNSにアップロードしちゃおうよ、簡単にさ」というのは、私もかなり心に刺さりました。
カメラ本体も気になるんですが、ソニーショールーム/ソニーストア銀座での実機展示でも紹介されていた購入特典で3ヶ月無料権がついてくる「Adobe Premiere Rush」も気になるところ。
スマートフォンで本格的な編集ができるのと、そのデータをPCと連携させることも可能という話で、それって理想の形ですよね。
動画撮影をして、その場でスマートフォンに読み込ませて移動中にスマートフォンで粗編集を行いとりあえずのカット編集だけでSNSにアップロード。自宅に着いたらPCでテロップ入れなどを行いちゃんとした映像を4K出力して永久保存版のデータにして保存。
なんて夢の様なことができるなら、月額980円(税別)でも全然、払い続けるんですけど、ただ、こういうのって「あれができない」「これができない」というのがあって思い通りのことができないこともあります。
実際にどこまでできるのが試してみました。
まずは編集素材をなにか用意したいのでサイバーショット「DSC-RX100M7」を持って、金曜日に荒川サイクリングロードまでサイクリングに行ってきました。
21:9画角のスマートフォン「Xperia 1」を手に入れてから一度やりたかったんですが、超横長ワイド画角のための動画作品を作ってみたくて、超横長画角で撮影をするものってなにかなー、と考えた時に、ちょうど良かったのが荒川にかかる「橋」でした。
これをサイクリングしながら超横長画角で撮影しておいて編集をしてみたかったんです。
旅はなにが起こるかわからないから楽しいんですが、今回も、途中で人がたくさん土手にあがってきていて、なにがあるのか聞いたらブルーインパルスの都内での展示飛行があるとのこと。
それもちょっと撮影してくることができました。
全部で15分くらいの30カットほどの動画撮影をしてきて、それを持ち帰って、いざ「Adobe Premiere Rush」で編集です。
まずはPC版で編集してみます。「Premiere Rush」は無料版で3回の書き出しテストができます。有料版は月額課金で980円(税別)がかかるのですが、書き出し制限がなくなるのと、もっとも肝心なスマートフォンとの連携機能ができるようになります。
まずは無料版をPCにインストールして基本的な流れを試してみます。
こちらが基本的な編集画面です。チュートリアルが用意されていて、それを読めば、大体の流れはわかります。「VEGAS Pro」を使ったことがある人ならすぐに使いこなせるようになると思います。
メイン画面があって下にタイムラインがあって、右側にエフェクト類が用意されています。シーンの切り替わりなどでクロスフェードさせたいときにVEGASだと素材を重ねるだけでOKなのですが、Premiereではパーツを置いていく感じになります。ちょっとした違いはありますが、基本的には同じ流れです。スペースキーで再生停止ができるのと、Sキーで素材カットができるのも同じです。この二つのショートカットキーを覚えるだけで、猛烈にスムーズな編集ができるようになるはずです。
できないこともいくつかあるんですが、たとえば1カットをちょっと拡大してスクロールさせたり、1シーンを編集でちょっとずつズームさせたりといった、編集でシーンに動きをつけることができなかったりするんですが、基本的な編集機能は操作数も少なく設定していけます。
無料の著作権フリーの音楽も33曲用意してくれていて、これらの音楽の品質がかなりいい感じなのはすごく良いですね。YouTubeであれば好きな洋楽が使えますがInstagramは著作権対応をしてくれていないので既存の曲をBGMに使うことができません。ショートムービーを作るのに、こうした質の良い音源が最初から用意されているのはとても便利です。
あとテロップ類もデザインの良いものが用意されています。
編集が終わった後の書き出しですが「共有」という項目で行います。素材が4Kであれば4K解像度での出力もできます。
残念ながらHDRなどのカラーグレーディング対応はありません。HDR動画を扱いたいなら別途グレードアップして編集してください、ということになります。
書き出しは3回までできるので、基本的な操作を試してどんな書き出しになるのかを試すことができます。
説明によると「Premiere Rush」は20分程度までの長さの動画編集に向いているとなっています。レンダリングは素材時間の数倍程度かかりますが、何時間もレンダリングする、という感じではなさそうです。完成品の3~4倍くらいの時間で書き出しができるでしょうか?(PCの性能によると思いますが)
こちらが完成した動画です。16:9での編集ですが、21:9画角になるように黒帯を入れています。この作業もPremiere Rushで行えます。
このあと、Xperia 1用に21:9(3840×1644ドット)にVEGAS Proを使って切り出しました。Premiere Rushを使ってできないことはVEGAS Proで補完するという使い方は良いかも。
書き出しについては16:9をはじめ、縦長動画や1:1動画などのスマートフォン視聴ならではの画角が用意されていて、編集が終わった後からでも変更できるところが良いですね。
こんどは1:1画角で同じ動画を書き出してInstagramへアップロードします。
すごいですね。同じ素材、編集プロジェクトでこんなにも簡単に16:9と1:1の出力ができるとは。
これをスマートフォンでも編集できることになっていますが、本当でしょうか?
やってみましょう。
アップグレードしてAdobe Premiere Rushを有料版にしました。するとAdobe IDの取得を行い、Creative Cloudというアドビのクラウドサービスにも加入することになります。いきなり100GBの容量がもらえて、そこにPremiere Rushで行った編集のプロジェクトと素材が自動でアップロードされるという仕組みになっています。
特になんの意識もなく編集に使った素材が全部クラウドにコピーされるので意識せずに共有作業ができます。
そして、ここで問題発生です。
Android版のPremiere Rushアプリなんですが厳しく対応機種が制限されていて、なんと「Xperia 1」は対応していません。Xperiaで対応しているのはXZ1、XZ2、XZ3、10だけとのことです。Xperia 1には正式版もベータ版もインストールができませんでした。
Xperia XZ1はまだ使っているので、こちらで今回は試しました。あっさりとインストールができてAdobe IDでログインすると、先ほどPCで編集していたプロジェクトファイルが出てきました。
プロジェクトを開いてみると、ほんとだ、PCで編集していたものと同じものがスマートフォンで開けます。素材なども全部スマートフォンに持ってきてくれています。すげー!
ただし、ソニーショールーム/ソニーストア銀座のスタイリストさんもおっしゃっていましたが、スマートフォンで編集するのはちょっと骨が折れます。ショートカットキーが使えないし、すべて画面一番下にあるボタンで操作をするのですが、大変すぎ。
でも、やってやれないことはありません。プレビューもかくるんですが編集できないことはないですね。
では、ちょっと最初から編集できるかやってみましょう。
デジタル一眼“α7R4”を使って、ウォークマンA100の動画撮影をしてみました。1分程度の5カットほどの作品を作ろうと思います。1カット20秒程度のものを5つ撮って、それをImaging Edge Mobileを使って転送します。
撮影はXAVC S 4K 100Mbpsの最高画質フォーマットです。スマートフォンにもそのまま転送されます。
はい、これでスマートフォンに5つの4K動画ファイルが取り込まれました。これ、本当にPCに転送されるんですかね?
アプリ版からでもRushのサウンドトラックが使えます。良い感じの「Dive」という曲を使って編集します。素材を5カット選択して、あとはちょこちょことスマートフォンで長さを合わせて編集します。
Instagram用の1分の動画にしたいので曲は59秒に切って撮影動画を並べます。不要な前後のシーンを切ってもまだ長いので再生スピードを150%ほどにあげて全体の長さを揃えました。
また、カットによって暗く見えてしまうところがあったので、そこは露出補正もしています。
操作はすごく手間なんですがやってやれないことはありません。
ということで、1:1画角にしたものをレンダリングしてInstagramにアップロードしました。ここまでの流れ、PCで作業の手助けをしたりはしていません。スマートフォンXperia XZ1だけで編集してXperia XZ1だけでアップロードしました。
本当は1カットごとにズームする動きを入れたかったんですがPremiere Rushではできないので諦めました。
すごい、ここまで、本当にスマートフォンだけでできました。
その後、PCでPuremiere Rushを開いてみると、スマートフォンで編集したプロジェクトが見られて、4Kで収録している素材もすべてそろっているのを確認。
旅先でインスタ用にお手軽編集をしてアップロードしておき、自宅へ帰ったら同じファイルを4K出力してブラビア観賞用動画にしたり、Youtubeへ高画質版をアップロードしたりすることができます。
出力した4Kの16:9動画をYouTubeにアップロードしたものがこちらです。
なるほどー、これはVlogcamのZV-1のためだけに使うのはもったいないかも。デジタル一眼“α”で撮影した動画ファイルもこうしてスマートフォンだけで編集できるし、一気にVlogデビューする機会かも!
☆Adobe Premiere Rushの詳細についてはこちらでご覧いただけます。(Adobeサイト)
「VLOGCAM ZV-1」はソニーストアにて2020年6月2日(火) 10時より予約販売開始となっています。ソニーストアでの販売価格は税別で91,000円前後になる見込みです。
最新サイバーショットの技術を動画撮影に特化させて新機能を載せまくった新ジャンルのカメラになります。これを手にして動画を公開するVlog生活にデビューしてみてはいかがでしょう?
デジタルカメラ VLOGCAM ZV-1/ZV-1G |
ソニーストア価格: 90,819円+税~ |
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発売日 | 2020年6月19日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
延長保証 | 5年ワイド:10,000円+税 3年ワイド/5年ベーシック:5,000円+税 3年ベーシック:無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
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テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
10%オフクーポン(併用不可)プレゼント中 3年ワイド保証半額クーポンプレゼント ☆テックスタッフ店頭ご利用特典 |
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坂口尚司
2020年5月31日 @ AM 11:56
YouTubeでもコメントさせて頂きましたが、4Kの16:9動画を再生すると、BGMの音が割れて聞けたもんじゃありません。BGMの見直しを、お願い出来ませんか?よろしくお願いします。
tecstaff
2020年5月31日 @ PM 12:19
ご指摘ありがとうございます。
レンダリングをやり直してアップロードしました。こちらでお楽しみいただければ幸いです。