【レビュー】『Xperia 1 V』実機レポート 発熱抑制と放熱性を徹底検証しました!
本日6月16日からソニーの新型スマートフォン「Xperia 1 V」のキャリアモデルが出荷開始になるのと、ソニーストアのSIMフリーモデルの店頭展示がスタートします。
今回のモデルでは当店ソニーショップでも店頭展示がスタート。今週末から当店店頭で好きにお使いいただくことができます。と、その前に私も気になるポイントをチェックすべく、ちょっとだけ好きに使わせてもらってきましたので実機の様子をレポートしたいと思います。
チェック項目はまずは二つ! 世界初の2層トランジスタ積層CMOS「Exmor T」の驚きのカメラ性能のチェックと、体験会で熱をもった個体がありませんでしたが、どれくらい発熱が抑えられるようになっているのか。短い時間でしたが一通り試してみましたので紹介いたします。
こんにちは、店員佐藤です。
Xperia 1 Vの店頭展示モデルがやってきました。展示開始前に少しだけ時間があったので自分で持ち歩いていろいろ使わせていただきました。
持ち歩きに際して、まだ専用カバーのスタイルカバー『XQZ-CBDQ1』が出荷になっていないので、間に合わせでamazonにてシリコンケースを買って使っているのですが、今回、なかなか良いデザインのモノを見つけて、気に入って使わせてもらっています。
シリコンケースの表面に、まるでスマートフォンの中身が見える様なスケルトン調のデザインが施されているケースです。
裏側にもプリントされていて、これで2層プリントになって奥行き感が出ているというか、見た目にスケルトンな感じになるみたいです。
なぜか中央部分にはSoCを表していそうなところに「XZ1」とかの文字が見えるんですがw とても面白いデザインだと思いませんか? せっかくのSIMフリー専用カラー「カーキグリーン」のボディカラーがこれだと全然映えないのが残念ではありますが、カーキグリーンでもブラックでも、これなら使えるかと思います。
ちなみにXperia純正のカバーケース『XQZ-CBDQ1』ですが、現在、人気絶好調になっています。先週末にソニーストアのメール誤配信があり出荷日が一瞬だけ未定になってしまったんですが、それをきっかけにオーダーが盛り上がっていて、ちゃんとした集計をまだ取っていませんが、おそらく6割に迫るくらいの勢いでカバーケースが購入されているんじゃないかと思われます。
銃仲介し当初から約4割の方がオーダーされていたのですが、あとからカバーケースだけオーダーされている方も多く、大人気になっています。
ちょっと特殊な作りになっていて、縦置きでも横置きでもスタンドになるのと、写真撮影時にグリップ部がデザインされていて、ちゃんと指がかかる設計になっています。
こちらも是非、ご検討ください。
さて、当店には2022年モデルのXperia 1 IVの展示機があるのと、2021年モデルのXperia PRO-Iを私物で持っています。
これら3機種での比較撮影を少しだけしてきました。
まず、最初に行ってきたのが東京駅です。あの感動のソニーシティ大崎の特別体験会でフォトグラファーの6151氏が魅せてくれた東京駅の撮影シーン。あれを自分でも撮ってみたいというか、6151氏の作例はXperia 1 Vのものだけでしたが、Xperia 1 VやXperia PRO-Iとどれくらい差があるものなのか試してきました。
ご存じの通り、この撮影はKITTEの屋上からのシーンになるんですが、ここは三脚などの使用ができないのですべて手持ちでの撮影になります。なので画角がちょっとずれてしまうんですが、3世代のXperiaで撮り比べてきました。
撮影設定はすべてPhotoGraphy ProのBASICモードです。いわゆるフルオートのJPEG撮影になります。撮影設定を3機種合わせる必要がなく、全部オートで撮れるので失敗無く撮れます。
それと、約2年近く使ってきたXperia PRO-Iなんですが、フォトグラファー 6151氏もおっしゃっていたんですがJPEGの方が綺麗に撮れるんじゃない?というのがXperiaにはあります。
RAWで撮影して自分で現像するよりも、フルオートで重ね合わせ撮影までしてもらってXperiaに仕上げてもらった方が画が綺麗に思えるんですよね。
で、撮影したモノが上記で、それを拡大したモノが下記になります。
blog掲載の画像はリサイズされてしまっているのですが、画像をクリックorタップしていただけると倍くらいのサイズの画像でご覧になれます。
東京駅駅舎のこのレンガの写りを是非、拡大して見てみてください。「Exmor T」センサーの威力ってこんなにすごいのか!と、思えまくります。
レンガの描写がひとつひとつ、全部しっかりと描かれています。2年前のモデルとはいえ、Xperia PRO-Iは1型センサーを搭載したスペシャルモデルです。それを凌駕する、この暗所での描写力は桁外れです。
駅改札の天井のこのシーンも皆さん、ご存じだと思いますが、ここもスマートフォンを真上に向けてBASICモードで撮ったモノがこちら。中央部分を拡大してみると。。。
これはセンサーの違いだけでは無く映像処理のエンジンの違いもあるみたいですね。Xperia PRO-Iでは暗いところの描写はそれほどでもないんですが、Xperia 1 IV、Xperia 1 Vと世代が新しくなるにつれてセンター部分の描写がハッキリ見えてきます。たんに露出をあげているだけでは無く全体で白飛び黒つぶれしにくくなっていて、まさにこれが「フルサイズセンサー搭載”α”と同等の描写力」ということになります。
Exmor Tセンサー、すごーい。
こちらも決定的な差は見えないかもしれませんが、駅舎全体がはっきりとしていて、色のりも良く見えます。
この日は雨は降っていませんでしたが、東京駅でリクレクションなショットを楽しまれる方も多いと思います。そういえばXperia 1 Vは防水・防塵仕様になっているんでした。
以前、デジタル一眼”α”のサブカメラとしてRX100シリーズが大人気だったんですが、プロカメラマンさんに「これで防水仕様だったら完全なのになー」とか言われたことがあります。Exmor Tセンサー搭載のおかげで1インチセンサー搭載のRX100を超える描写力を手に入れたXperia 1 Vは”α”ユーザーのサブカメラにもっともふさわしいカメラになったかもしれません。
ソニーシティ大崎の特別体験会ではテントに入ったモデルさんを薄明かりの下で撮影する、というシチュエーションも用意してくれていました。それも自宅で同じ様にシミュレーションしてみました。
あいにくモデルさんだけは用意できなかったのでプーに相手してもらっています。
これもすべてBASICモードでの撮り比べですが、やはりXperia 1 Vだけ色が多いというか、照明が強めにあたっているような写りになります。
取り込める光の量が多い感じがします。Xperia 1 Vだけシャッタースピードが遅いんじゃないか?という疑念もあるので、それぞれの撮影データを調べてみたところ。。。
焦点距離 | シャッター | 絞り | ISO | |
Xperia 1 V | 6.1mm | 1/8 | F1.9 | 1000 |
Xperia 1 IV | 5.1mm | 1/8 | F1.7 | 800 |
Xperia PRO-I | 6.6mm | 1/6 | F2.0 | 800 |
.
というような結果になりました。
しかし、これ、モデルがプーさんではだめですね。肌の色がどれが正解なのかわかりませんね。w これが人物だと自然な肌色がイメージできるのでわかりやすいと。
それと、Xperia 1 Vの24mmレンズの歪みがどの程度ののものなのか気になる、という方がいらしたので、RAW + JPEGで撮影したカットをGIFファイルで重ねたものを用意しました。
これをみるとレンズ歪み補正をしていないであろうRAWからさほど大きな補正はしていないのがわかります。この程度であれば普段使いで歪みが気になることは無いんじゃないですかね?
さて、ここからはまた別のテストです。
CPUの電力効率をXperia 1 IV比で40%改善、さらにカメラ動作時の消費電力を20%改善し、本体の熱拡散シートの体積を60%拡大して放熱にも配慮したというXperia 1 Vですが、それでどれくらい熱をもたなくなったのか、調べてみたいと思います。
あるもので実験しているのでセットが貧相なのはお許しください。できるだけ同条件にしてXperia 1 VとXperia 1 IVとXperia PRO-Iの3機種でVideography PROを使って、4K 60P動画を30分の連続撮影してみて、どれくらい熱を出すモノなのかテストしてみます。
場所は我が家のベランダで気温は26度。風はほとんどない状態です。本当はもうちょっと気温の高いところで試したかったのですが、冬場でカチンカチンに寒いとかの状況ではありません。ある程度参考にしていただけると思います。
これで一斉に録画スタートして様子を見ていると、最初に根を上げてしまったのが「Xperia PRO-I」でした。1型センサー搭載でもフルボードで放熱対策されているはずのモデルなんですが4K 60P撮影は厳しかったですかね。
本体温度の上昇で録画がストップしてしまいました。
こちらはXperia 1 IVです。20分過ぎくらいのところで気がついたんですが高熱警告が出ていて、一部機能が利用できなくなっている旨のメッセージが表示されています。バッテリー温度は40度を超えています。
こちらはXperia 1 Vで最後まで高熱警告は出ませんでした。なんか、やらせみたいになりますがバッテリー温度は39.9度をマーク。どうやら40度を超えると高熱警告が出て、50度を超えると撮影が停止するみたいです。
今回は「Takostats」というアプリを使って記録をしていて、これでプロセッサーの使用率やFPS、バッテリー温度などのログを取ることができます。
設定がやや難しいアプリなんですがこういうベンチマークをするのに便利です。
このアプリによる記録を見ると、消費電力がXperia 1 IVと比較して、本当に20%ほど電飾消費が少なくなっているのがわかります。
Xperia 1 V | Xperia 1 IV | Xperia PRO-I | |
平均消費電力 | 4074mW | 5194mW | 6354mW |
平均フレーム消費電力 | 163mW | 202mW | 298mW |
逆にXperia PRO-Iは消費電力もかなり多め。自慢の1型センサー搭載モデルですが、2世代変わると、これだけカメラ周りの機能の進化があるんですね。
こちらは私の方でグラフを時間軸と温度を見た目でわかるように変形させたバッテリー温度のグラフです。青い線は撮影が止まってしまうライン。赤い線が警告が出るラインになるんですが、なるほど、これを見てもXperia 1 Vは撮影時の熱発生がかなり抑えられているのがわかります。
60P撮影では無く、シネマティックな24P撮影とかであれば熱上昇のグラフラインはもっと穏やかになると思います。
メーカーさんを疑っていたわけではありませんが、本当にヒートマネジメントがしっかりされていて、プレゼンの通りの数値が出ています。Xperia 1 Vは熱が出にくいボディになっていました。
そして熱といえばゲームプレイしているときの発熱とかはどうなの?ということで、そちらも試してみました。ちょっとずつ私も進めている「原神」のプレイでXperia 1 Vの進化具合を測定してみます。
「原神」はiPhoneだと120fpsまでプレイができるようですが、Androidでは現時点では60fpsまでのフレームレート設定しかできません。その他の項目はすべて「高」に設定して最も負荷がかかる状態でプレイしてみました。
1回につき20分のプレイを「Takostats」で記録したものがこちらになります。
記録した数値の縦軸の単位が統一されていないため見にくいとは思いますが、一番上にある「FPS」というのが表示出来た実際に表示されたフレームレートです。60fps設定にしていますが、バッテリー温度(≒CPU温度)が高くなるとプロセッサーの出力が抑えられるためフレームレートが時間と共に落ちてくるのがわかります。特に「Xperia PRO-I」については後半で30~40fpsくらいまで落ちています。(バッテリー温度は比較のため40度のところに赤のラインを入れておきました)
Xperia 1 IVも5分くらいしたところからフレームレートが落ち始めているのがわかるのですが、さすが、Xperia 1 Vは20分付近までほぼ60fpsのままで動作しています。バッテリー温度の上昇もXperia 1 IVやXperia PRO-Iと比較すると緩やかになっています。
これにゲーミングギア「Xperia Stream」を追加するとどうなるのか、Xperia 1 VとXperia 1 IVは空冷ファンを装着出来るので、それを試してみたのが下記のグラフです。
さすがですね。空冷ファンで強烈に本体を冷やしてくれるゲームギアですがXperia 1 IVでも最後の方までfpsが落ちてこないし、バッテリー温度も40度に達しないところでとどまってくれています。
Xperia 1 IV+Xperia Streamよりも素のXperia 1 Vの方がパフォーマンス的には上になる、というのは聞いていましたが、なるほど、確かにXperia 1 Vの場合はXperia Streamが無くてもXperia 1 IV+Xperia Stream並みの動作をしてくれます。
今回は原神の60fpsでのテストですが、120fps対応のゲームとかだともっと差が付くのかも。
どんなに負荷をかけても発熱しない、というわけではありませんが、事前の噂通り、確かにXperia 1 Vのヒートマネジメントは進化していました。
ということで、当店店頭では本日よりXperia 1 Vの実機展示をスタートします。
まだSIMフリーモデルの出荷開始まで1ヶ月近くありますが、その間に調べて見たいことなどがありましたら是非、店頭までどうぞ。
購入検討中の方も店頭で自由に機能をお試しいただけます。Xperia Streamや急速充電器、スタイルカバーも用意していますので、好きにお試しください。
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