Vlog向け超広角APS-Cレンズ『SELP1020G』『SEL15F14G』『SEL11F18』ショールーム展示レポート
本日10時より予約販売がスタートした3本のAPS-C専用Eマウントレンズ『SELP1020G』『SEL15F14G』『SEL11F18』がソニーストア直営店にて特別先行展示をスタートしています。
早速、実機の様子を拝見させていただいてきましたのでレポートします。
こんにちは、店員佐藤です。
「SELP1635G」「SEL2470GM2」に続き、今度はAPS-Cレンズが3本まとめて発表&発売になります。2020年秋から始まった「ZV-1」「SEL1224GM」「α7S3」「α7C」「LA-EA5」「α1」「SEL50F12GM」「SEL14F18GM」「ZV-E10」という、怒濤の連続発売を彷彿されるようなハイペース発表に思えます。
あのときもコロナ感染拡大があり「CP+」の中止などで発表の機会を失った製品が後ろ倒しになって感覚を狭めて続々と登場した感じでした。今回も「CP+2022」のリアルイベント開催がなくなり、上海ロックダウンによる出荷停止などの影響があるはず。
本来は「CP+2022」で発表されて、続々と製品発表されていくはずだったものが、予定のスケジュールに載せるために間隔を狭めて発表されているんですかね!?
今回はAPS-Cセンサー用のEマウントレンズで、いかにもVlog撮影向けという超広角レンズ3本の登場となっています。
ソニーストア銀座での展示の様子はこちらです。ひとつのテーブルに3本のレンズがまとめて展示されており、クリームソーダ、パンケーキなどの新しい被写体が用意されています。
こちらが「SELP1020G」レンズです。通常のレンズ展示ではレンズフードは外して展示されているのですが、新製品ではこうしてレンズフードを装着した状態で展示することがあるそうです。
装着されているボディは“α6400”で、撮影データの持ち帰りなどは可能となっています。
広角単焦点レンズ「SEL11F18」はレンズ単品での展示になっていました。ボディを付け替えてお試しいただくスタイルになっています。
ソニーAPS-Cレンズで初の開放F値 1.4で登場した「SEL15F14G」はα6600に装着されて展示されています。
では、ざっと3本のレンズを見ていきたいと思います。
お客様からのお問い合わせで、海外YouTuberさんがSELP1020Gのレンズフードを割っていて、強度が足りないのでは?というのを確認してもらえないか、という話があったんですが、展示されている専用フードを見ると、プラスチック製ではありますが十分な厚さもあり強度はしっかりしているように思えます。
昨年末に発売になった「SEL70200GM2」などは花形フードから丸形フードに形状自体が変わっていて、これは強度をあげる効果もあるな、とは思いましたが、こうした超広角レンズでは丸形フードにするのは難しいですからね。海外YouTuberさんの動画は私も拝見しましたが、割った瞬間の映像はないので、どういう状況でなににぶつけたのかわからないのですが、こうして実物を見る限りは借り物でやらかした様な気がします。
APS-Cレンズの超広角ズームレンズといえば「SEL1018」(写真右)があり、私も気に入っていてフルサイズセンサーのカメラででも良く、これを持ち歩いて使っています。
イベントの取材などの時にはブース全体の写真を撮ったり、狭い展示コーナーの全景を撮影する必要があるんですが、そういうときにSEL1224Gなどの大型レンズを持っていくのは骨が折れるので、そういう広さが必要なカットだけAPS-C専用の「SEL1018」で割り切って撮影したりしています。
持ち歩く時間が長く、使うのはほんの短時間だけ、という使い方をするので、この小型軽量コンパクト差がすごい魅力だったんですが、それよりもさらに20%の軽量化をしたのが「SELP1020G」です。パワーズームになって、さらにGレンズにアップデートして登場しました。
現在、ソニーストアでは受注一時停止中になっているVlog用APS-Cセンサー搭載カメラ「ZV-E10」ですが、おそらくこれが本命の使い方ですよね。
レンズにボディ内手ぶれ補正機能が搭載されていないのですが、動画撮影時ならZV-E10で手ぶれ補正アクティブが利用可能。デジタルによる手ぶれ補正になるためクロップされる範囲がありますが、35mm判換算で焦点距離15mm相当という超広角フレーミングなら、そういうのも気にならなさそう。
ZV-E10の小型ボディとマッチします。
APS-Cセンサーサイズにクロップして使うこと前提で、フルサイズセンサーカメラの“α7 IV”に装着する、という使い方もあり。
4K 60P撮影時にはAPS-Cサイズにクロップされてしまう制約が元々あるので、4K 60P撮影時の広角撮影のために「SELP1020G」をあえて使うという選択肢はなかなか良いかも。
SELP1020G(178g)+GP-VPT2BT(215g)+ZV-E10(バッテリー、メモリカード込み 343g)=736gが計算値なんですが、ここにレンズフードを足した、実測重量が765gになります。盗難防止ワイヤーなどがありますが、これは持ち上げているので影響は少ないと思います。レンズフードが29gくらいあるかな?
α6400の場合は+60g、α6600の場合は+160gにすると近似値になると思います。
こちらはSEL1018での計測値ですが全重量で808gになっていました。
こうしてフルセットにしても1kgを軽く切っている、というのは魅力です。
なお、フルサイズレンズ&ボディで同じことをしようと思い、α7 IV+SELP1635Gでシステムを組んでみると、実撮影時の重量で1273gを記録しています。
ZV-E10+SELP1020Gの組み合わせと比較するとプラス508gもあるので、機動力のある撮影をお考えの方はAPS-Cでの撮影にシフトしたくなってしまうかも。
実際の撮影ショットでAPS-Cセンサーサイズでの10-20mmの撮影を比較してみます。
こちらがテレ側の20mmでの撮影です。35mm判換算で30mm画角相当になります。開放F値は4.0ですが、こうして最短撮影距離に近いところに被写体を置くと、背景はかなり大きくボケます。
こちらはワイド端の10mmで撮影。15mm相当の画角で撮影ができます。
これは模型のワンちゃんでの試し撮りですが、小型のペット犬などであれば、こうして寄った撮影で鼻デカショットとか撮れそうです。
今度は撮影距離を変えずに10mmのワイド端での撮影からパワーズームを使って20mmへズームしてみます。
パワーズームは非常になめらか。ズームレバーは可変スピード対応になっていて、少しだけレバーを動かすとゆっくり、全開で動かすと設定した最高スピードでのズームになります。
ズームリングを使って回したときの追従感も割と良い感じです。2013年発売のSELP18105Gでは、かなりもたついた感じがしましたが、移動量も多いというのがありますがSELP1020Gはダイレクト感が増している感じがします。
ここで試し撮りをしようにも私の腕では正確な距離も測れず、解像感のチェックにはならないのですが、周辺が流れてしまう感じもなく、ワイド側での周辺解像感は高いように思えます。
こちらは20mmテレ端での撮影。こちらもフォーカスがずれているところは見ても仕方がないんですが、フォーカスが合っているところを見ると十分な解像度があるかと思います。
シューティンググリップを着けて、実際に自撮りしたときの画角も撮影してくるはずだったんですが、忘れてしまいました。それはまた今度、製品版が当店にやってきたときに試してみようと思います。
続いては初のF1.4のAPS-Cレンズ「SEL15F14G」レンズです。35mm判換算では22.5mm相当の画角で撮影ができる、超広角の入り口にあるようなレンズになります。今まで24mmまでのズームレンズしかなかったので、もっと思い切り広角なレンズを使ってみたい、というのであれば「SEL11F18」の方が感動しそうですが、絞りF1.4 が使えるのが魅力。
フォーカスリングの手前に細い絞りリングも用意されているというのも「SEL11F18」との大きな違いです。これだと撮影前に電源を入れながらターゲットにする被写体の違いによる絞り値の設定がハードウェアで出来るので、カメラを使いこなしている感を簡単に得ることができます。
動画撮影に配慮して絞りリングのクリック感のオンオフができるようになっていて、これで動画撮影中に「カチカチ」という音が出ないようにできます。静止画の場合はこのカチカチがあるおかげで、音で絞り値を変更できているかチェックができるので便利は便利。
このクリックスイッチとは別に絞りF16とAの間に大きなクリック感が出るような作りになっています。「A」というのは絞りオートのところで、絞り込んだときに勢い余ってオートに行かないような仕掛けを用意している、というわけです。
SEL2470GM2などでは絞りのロックスイッチが搭載されていて、絞りのマニュアル部分とオート部分が行き来しないようにできるんですが、ロックスイッチの代わりにこうしたギミックを用意するのはさすが。
最短撮影距離は0.2mで撮影倍率は0.12倍となっています。スポットAFで最短撮影距離を狙うとこれくらいになります。ただ、トラッキングAFを使ってロックオンしてから追うと、なんかもうちょっと寄れるような気がするんですが、気のせいかもしれません。
MFに切り替えて最短撮影距離にセットしてカメラを寄せていくと0.17mまで寄れます。撮影倍率は0.15倍にもなり、画角でこれくらい変わってきます。
ここぞ!という思い切り寄りたい時があったらMF切り替えを忘れずに。
点光源を作ってみました。開放絞りF1.4 だとこんなに大きな丸ボケが出ます。これはSELP1020Gでは出せません。
なるほどー。使ってみるとわかりますが、この超広角単焦点レンズはとにかく寄りまくれるので、広角レンズにもかかわらず大きなボケをこんなに楽しめます。Vlog撮影でこんなコトが出来たら楽しそうです。
動画撮影時にはシャッタースピードを遅くする必要がある(30コマ/秒ならシャッタースピードは1/60程度)のでNDフィルターは必須になりそうです。フィルター系は55mmでSEL11F18と共通で使えるため、2本そろえると交換して使えるメリットがありそう。
これから夏に向けてキャンプ遊びなども増えてくると思いますが、そういうシーンでの撮影でも、今までとは違った画が撮れそうです。
なるほど広角単焦点レンズの世界ってあるんですね。
コントラストが高く、色のりが良いレンズという話を聞いているんですが、なるほど、そんな気がします。
レンズ内手ぶれ補正がないため、ZV-E10やα6400では静止画の手ぶれ補正が使えないのですが、開放F値1.4なのでシャッタースピードが稼げます。あまり気にしないで良いかも。
ショールームでは複数の照明が天井から当たるため、接写時にどうしても影が出来てしまうため、寄り切ることができないのですが、日常生活でのグルメ撮影でも具材にフォーカスした今までと違ったフォトが撮れそうです。
Vlog撮影用レンズ、だけではもったいないですね。
最後は「SEL11F18」です。APS-C専用Eマウントレンズの単焦点レンズでもっとも広角になるレンズです。焦点距離11mmは35mm判換算で16.5mm相当になります。
従来製品で同じようなことをしようとすると、単焦点レンズ「SEL16F28」にウルトラワイドコンバーターレンズ「VCL-ECU2」を装着する、という方法がありました。
一眼レフカメラでコンバーターレンズを使うなんて聞いたことがないんですけど!?というところですが、これはビデオカメラをやってきたソニーさんならではのアイデアかも。レンズにワイコンを装着して広角撮影ができるようにしてしまうわけです。
SEL16F28にVCL-ECU2を装着することで12mmの焦点距離にします。これで35mm判換算で18mm相当の画角にすることが可能で、同様に使えるフィッシュアイコンバーターレンズと一緒にセットで用意されています。
考えようによっては「SEL16F28」+「VCL-ECU2」をセットにしたものを1本のレンズにして発売する感じです。ちなみにワイコンを使った状態でもF値は2.8で使えるんですが、新発売の「SEL11F18」は開放F値は1.8になります。こちらの方が当然有利。
シューティンググリップとZV-E10を装着しての全装備重量は約764gでした。SELP1020Gとほぼ一緒です。
AFでの最短撮影距離は0.15mとなっていますが、これもトラッキングAFを使うともっと寄れるような。。。製品版のレンズがお店にきたらちゃんと距離計測をしてみたいと思います。
MFでの最短撮影距離は0.12mで撮影倍率は0.2倍になります。今回発売された3本の中ではもっとも最短撮影距離が短く、撮影倍率も高いレンズになります。
最短撮影距離が短いので、こうしてあおった撮影でも自由度が高い撮影ができそうです。
最短撮影距離が短いのと、開放F値 1.8のおかげでマクロ撮影時に大きなボケを作れます。
ちなみに、こちらがSEL16F28にワイドコンバーターレンズを使った時のものになります。最大撮影倍率は0.059倍になるので、寄るのも難しく、背景のボケもあまり綺麗な感じにはならないかも。
あの、NEX-5で遊んでいたときの、ここぞというときのウルトラワイコン!を、パワーアップした形で復活させてきた様なレンズになっています。これも面白そう。
以上、3本の新型APS-Cレンズのまとめレポートでした。
全然、Vlog用の取材をしてきていないのですが、Vlogで使うのも便利そうだし、写真遊びで使うのにも楽しそうです。
装着するカメラボディもないんだけど。。。という方も、おそらくですが、先月末にはα6400の受注再開がアナウンスされていますし、間もなくVlogカメラ「ZV-E10」なども受注再開になるかと予想されます。APS-Cレンズ&カメラも購入検討はソニーショップテックスタッフ&ソニーストアでどうぞ。
APS-C超広角パワーズームGレンズ SELP1020G |
ソニーストア価格: 99,000円 税込 |
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発売日 | 2022年6月24日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
長期保証 サービス |
5年ワイド:9,900円(税込) 3年ワイド/5年ベーシック:5,500円(税込 3年ベーシック:無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
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テックスタッフ 店頭入特典 |
当店店頭にて実機展示予定 テックスタッフ店頭ご利用特典のご案内 |
APS-C単焦点レンズ SEL15F14G |
ソニーストア価格: 99,000円 税込 |
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発売日 | 2022年6月24日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
長期保証 サービス |
5年ワイド:9,900円(税込) 3年ワイド/5年ベーシック:5,500円(税込 3年ベーシック:無償 |
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テックスタッフ 店頭入特典 |
当店店頭にて実機展示予定 テックスタッフ店頭ご利用特典のご案内 |
APS-C単焦点レンズ SEL11F18 |
ソニーストア価格: 69,300円 税込 |
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発売日 | 2022年6月24日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
長期保証 サービス |
5年ワイド:7,700円(税込) 3年ワイド/5年ベーシック:4,400円(税込) 3年ベーシック:無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
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■受注再開!APS-Cミラーレス一眼『α6400シリーズ』
APS-Cセンサー搭載 デジタル一眼カメラ α6400 ILCE-6400 |
ソニーストア価格: 130,900 円税込~ |
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発売日 | 2019年2月22日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
延長保証 | 5年ワイド:12,100円(税込) 3年ワイド/5年ベーシック:6,600円(税込) 3年ベーシック:無償 |
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