【レビュー】メモリー内蔵の完全ワイヤレスヘッドホン『WF-SP900』実機試用レポート
ソニーから左右完全独立ヘッドホンの第4弾モデルとして登場した「WF-SP900」を試用させていただくことができました。4GBの内蔵メモリーがあるとのことで、それだとこれはもうウォークマンになるんじゃないか?と、思えますがとりあえず実機の様子をレポートしたいと思います。
■完全独立ワイヤレスヘッドホン「WF-SP900」はこんなモデルです
こんにちは、店員佐藤です。
昨年秋にソニーから左右独立型ヘッドホンの第1弾として登場したのがWF-1000X(写真一番左)でした。私も購入させてもらっていて毎日通勤で使わせてもらっています。あれから1年で4機種にラインナップが増えたことにちょっと驚いています。
初代モデルはこうやってふり返って見るとハイレゾ対応にはなっていないものの音質を重視した高音質モデルという扱いになっていて、それに加えてスポーツタイプの「WF-SP700N(写真左から2番目)」が登場。今回新発売になる「WF-SP900(写真右から2番目)もスポーツタイプになるのですがどういう違いがあるでしょう。
写真一番右にある「Xperia Ear Duo」はやや性格の違うモデルということになりますが、こちらは最後に出たモデルということで遅延がほとんど感じられない伝送方式NFMI (Near Field Magnetic Induction/近距離電磁誘導) を採用しているモデルになります。新発売のWF-SP900もNFMIを採用しており低遅延なのと、これにより水中での利用ができるモデルとなっています。
機能比較を一覧にするとご覧の様になります。
比較して見ると一目瞭然ですが、WF-SP900は水泳に使えるスポーツイヤホンとなっています。防水性能があがっており水没させても大丈夫なのと、水中でも左右のユニットが通信できるように「NFMI」という通信方式を採用しています。
「NFMI」は補聴器向けに開発された通信方法なんですが10MHzという非常に低い周波数を使っているとのこと。音もそうですが周波数は高いと高いほど直進性があがり回り込んだ通信をするのが苦手になります。左右独立型ヘッドホンの場合、電波を通しにくい人体が間に挟まるため、高い周波数を使うとどうしても通信がしにくくなっていたんですね。低い周波数での通信をすることにより人体を回り込んでも安定した通信ができ、その威力が発揮されます。
人体が間に挟まると通信がしにくくなるのは人体は水分が多いからで水中ではさらにその傾向が高まるのですが、水中での通信ができることになりこういうモデルが実現したというわけです。
遅延が少ないというのも「NFMI」の特長になります。スマートフォンで再生するYouTube動画などはアプリ側でBluetooth通信をしていることを判別すると映像をわざと遅延させてズレを少なくする工夫をしているみたいで、通常は大幅な映像と音のズレは起こりません。ウォークマンA50シリーズに新搭載された「Bluetoothレシーバー」機能も音楽ゲームなどシビアにリズムを取らなければいけないもの以外はほとんど違和感がないかと思います。
左右独立型ヘッドホンの場合はスマートフォンとBluetooth通信をした上に、さらに左右のユニット間でも通信を行うため遅延が2重に起こり、そのためWF-1000XやWF-SP700Nは1秒弱の大幅な遅延が起こります。ここまで遅延が大きいと動画を見られるレベルではなく、事実上、動画音声には向かないヘッドホンとなってしまいます。(裏技として左のイヤホンだけ使って右側の電源をオフにすると遅延が少なくなります。どうしても動画再生に使いたいときは左側だけ使うという方法がオススメです。)
ドライバーユニットに「バランスド・アーマチュア」を採用したのも特徴です。ダイナミック型ドライバーと違ってこのドライバーユニットは負圧を抜く必要がなく完全に密閉した空間で音が鳴らせます。イヤホンのキャビネットを密閉した空間にできるため、遮音性が非常に高いヘッドホンとして作れます。
それがあるためノイズキャンセリング機能を搭載しなくても、同じ快適性で使える、というヘッドホンになっています。
オープンイヤースタイルのXperia Ear Duoでは常に外音が入ってくるため集中して動画再生をしたい、というのには向きません。遅延の少ない伝送で落ち着いて動画再生に使える左右独立型ヘッドホンが欲しい、という方にも「WF-SP900」はおすすめのモデルと言えます。
Xperia Ear Duoはやや特殊なモデルになりますので、ここではちょっと外しますが、それ以外のモデルを写真で比較してみたいと思います。
こちらがそれぞれの充電ケースになります。写真左からWF-1000X、WF-SP700N、WF-SP900のケースです。どのモデルもすべてケースにもバッテリーを内蔵しており、バッテリーを使いきったイヤホンをケースに収納することで2~3回の充電ができます。
WF-SP900は3回の充電ができるとなっていますので、他のモデルよりも1回長く使える計算です。
左右独立型ヘッドホンはケースに収納すると電源が切れて充電を開始します。ケースから取り外すと自動で電源が入って通信可能な機器を探し始めます。
なので使う時にはヘッドホンをケースから外すだけでスマートフォンと通信がスタート。音楽再生の操作をしてそのまま使えます。使い終わったときも音楽再生をしているままでヘッドホンを耳から外してケースに収納するだけで通信を終了して再生を停止します。
通常のBluetoothヘッドホンと違ってイヤホンのスイッチのオン・オフ操作が必要ないため、この操作感も普通のワイヤレスヘッドホンから左右独立型ヘッドホンに乗り換えたときの大きなメリットになると思います。
ケースに収納する時はイヤホンの収納場所に「カチッ」と言うまで押し込んで充電のための接点をケースに合わせてあげるのですが、これがなかなかはまりにくいというか「カチッ」ではなく「ムギュ」っとはめ込む感じなのが従来モデル。
WF-SP900では形状を工夫していて、これまでで一番「カチッ」という感触があります。たった1年後に発売されたモデルなのですがNFMI通信の件や、こうしたケースの収納方法についての改善など、こんなにも速く進化していくことにちょっと感動します。
NFCはケース部分に搭載されています。スマートフォンやウォークマンとの初回接続の際はこうしてケースからイヤホンを取り出して、ケース側のNFCマークとスマートフォン、もしくはウォークマンをタッチするとペアリングができます。
ケースの充電ですがWF-SP900からはUSB type Cに変更されています。WF-1000XやWF-SP700NはマイクロUSB端子でしたので、ここも進化ポイントです。
付属のケーブルはこんなに短くて可愛い長さのものになっています。これはポータブル電源と一緒に持ち歩いてスマートフォンを充電するのにも便利に使えそうです。
イヤホン本体の大きさを比較するとご覧の様になります。防水機能がついているスポーツタイプのモノの方がやや大きなサイズになりますが重量はそれほど大きく変わらず写真左からWF-1000Xの6.8g、WF-SP700Nの7.6g、WF–SP900の7.3gになります。体積が大きい分スポーツタイプのモノの方が手に持ったときの感触では軽く感じるくらいです。
こうしてイヤーピースを装着している状態だとわかりにくいのですがWF-SP900だけちょっとした工夫がされています。イヤーピースの挿し込み部分に2段の突起があり、イヤーピースの高さを自分で調整することができるようになっているんです。
こちらが高さ調整をすることができる音導管になります。手前のアークサポーターもサイズ別に3種類入っています。これで自分の耳に合わせてセットアップすることになります。
では、実際にスマートフォンと接続して操作を試してみます。
■WF-SP900の充実した機能と操作性
実際に自分のスマートフォン Xperia XZと接続して使わせてもらいました。利用できるコーデックはAACとSBCで音質優先で接続するとAAC、接続優先ではSBCになります。圧縮効率の良さと遅延の少なさからスマートフォン側が対応をしているのであればAACでの接続がオススメです。
実際に山手線車両内で試してきましたが、接続性がかなり良いです。通勤時間の混雑しているところで試してきましたがいつも途切れやすい(個人的な私感ですが秋葉原駅あたりがいつも途切れます)場所でも安定した接続をしてくれています。
WF-1000Xの場合、ウォークマンと接続している時はかなり安定した通信をしてくれるのですがスマートフォンでの利用だと通信の不安定さが割とあがる感じがします。スマートフォン自体が強力な電波の発生源になるので仕方がないのかな?と、思っていたんですが、WF-SP900の安定性はかなりのものです。
遮音性も良くてノイズキャンセリング機能がなくてもほぼ、それに近いくらいの遮音性に思えます。
私もたまにジョギングをするのでわかるのですが、ジョギング中にヘッドホンを使うと後ろから追い越していく人の気配が感じられないときが危ない、と、感じます。今回は実際のランニングで試すことはしていませんが、外音取り込み機能を使ったときの外の音の広い方はかなり良いです。
WF-SP700Nの様に、これだったら自転車のタイヤの音、周りの速いランナーさんの足音など聞き取れそうです。
外音取り込みの機能には「ボイス」と「ノーマル」があります。電車内でアナウンスだけ聞き取りたいときは「ボイス」でジョギング時は「ノーマル」がオススメです。
アプリは2つ使います。ワイヤレスヘッドホンとしての利用、外音取り込みの設定などは「Sony Headphones」アプリを使って設定をします。イコライザー設定や接続優先、音質優先などの設定もこちらです。
それともうひとつ「Music Center(SongPal)」アプリも利用します。こちらはWF-SP900での再生機能を利用するのと楽曲の転送にも使えるそうです。試用時点ではまだアプリ側が対応をしていないみたいで内蔵している4GBのメモリーへの曲転送は試せなかったのですがスマートフォンから転送ができるのは便利かも。
それと、これは製品版でももしかしたら同じかもしれませんが、最初、使っているとボリュームがやや小さいんです。
あれれ? バランスド・アーマチュアドライバーのせいなのか、NFMI通信のせいなのか、それともバッテリーのスタミナ性能を優先した結果なのか、音圧が低いのでスマートフォン側のボリュームを常に全開に近いくらいにして使う必要があるのかな?と、思っていたのですがMusic Centerアプリの中でWF-SP900の設定を開くと、そこに音量調整項目がありました。
デフォルトでは50%くらいになっていたのですが、これを最大にすると普通の音圧になります。
こちらが「Music Center」アプリの画面です。「マイライブラリー」というのはスマートフォン側に入っている曲の再生選択をする項目で、WF-SP900の中にある曲については「Music」という項目で選択ができます。
こちらのモデルは当店店頭で展示を予定していますので、製品版の実機が到着しましたらまた改めて紹介したいと思います。
音声操作という項目があるので使ってみました。「ユーエスエー」と入力するとここで選択できるアプリの候補を挙げてきます。YouTubeを選んでみると。。。
ご覧の様にYouTube検索をそのまましてくれました。
再生ボタン(右イヤホンのボタン)の長押しでボイスアシスタント機能を呼び出せますので、こうした音声操作ができる様になっています。
■WD-SP900の高度な防水・防塵性能
水が入り込まない接着剤や接合技術を使った止水構造に加え、腐食に強い端子を採用しており、海水でも使える防水(IPX5/8)防塵性能(IP6X)を実現。雨の中でも、水中でも音楽を楽しめるのがWF-SP900です。
水中で私も一度使ってみたいんですが、イヤホンをしながら泳いでも良いところってあるのかな?と、近所のコナミスポーツクラブさんに電話で聞いてみたのですが、意外にもコナミさんではOKなんだそうです。
ただし、混雑時や周りの注意の声が聞こえる範囲で使っていただきたいということでボリュームをあまり上げないで使ってくださいね、という案内もあったんですが、なるほど、今はOKなんですね。私も以前、トレーニングで水泳をしたことがありますが遠泳とかしているときってすごいヒマなんですよね。
ひたすら水中にあるラインを見ながら泳いで何往復したのか数を数えているだけで「泳ぐのがきつい」というよりも変化がなくて「つまらない」が先に来てしまいます。泳ぎながらイヤホンの使用ができるんなら、コナミスポーツさんに行かせてもらおうかと思いました。
入会金が1,000円ちょっとと、ビジターでの1回の利用料が2,000円ちょっとなんだそうです。3,000円くらいで1日施設が利用できるのか。製品版がやってきたら試してみます。
WF-SP900にはご覧のようなイヤーピースとアークサポーターが付属します。イヤーピースは4つのサイズのものがさらに2種類ずつ用意されています。
イヤーピースにフタがしてあるものとノーマルのものです。
以前、ウォークマンのWシリーズで防水対応をうたった製品があったんですが、そのまま水没させると音導管部分から中に水が浸水してしまい、ドライバーユニットが濡れてしまうと音が鳴りにくくなる、という問題がありました。すぐにモデルチェンジして、そのときに登場したのがこのフタ付きのイヤーピースでした。
スイミングの時に自分の耳に装着したままであればキャビネット内に浸水することはないと思うんですが、それがポロッと取れてしまったときの対策ですね。
フタ付きのものを装着すると、やはり音質に影響はあって音圧が下がる、やや籠もった音になる、という弊害はあります。最初のウチはフタ付きのものを使って、イヤホンが取れたりすることがないならばノーマルのものを使うようにしても良いような気がします。
さらにヘッドホンが外れたときになくならないように、リーシュコードも付属します。コナミスポーツさんの案内ではスイミングキャップをかぶってもらって、耳まで隠してくださいね、という話だったので、そういう使い方をするならこれも必要はなさそうな気がします。スイミングキャップを使わないときや、海で利用するときにあると便利そうです。
リーシュコードを装着する部分はこちらです。アークサポーターとイヤーピースの間にヒモを通します。
スイミング時の音楽利用、楽しみです。製品版の実機が到着したらすぐに試してきます!!
■期間限定!moraポイント1000円分のクーポンコードプレゼント!
ということで、短い案内になりましたが「WF-SP900」の実機レビューレポートでした。選択肢が増えてきて、今は4モデルから選べるソニーの左右独立型ヘッドホンですが、やっぱり最新モデルは良いですね。
WF-Sp900は10月27日発売予定でソニーストアにて先行予約販売を受付中です。
なお今なら、ソニーワイヤレスヘッドホン「ミュージックプレゼントキャンペーン」が行われており、応募することでもれなく「moraポイント1000円分のクーポンコード」がプレゼントされます。キャンペーン期間は2018年10月6日~2019年1月15日となっていますが、新発売のWF-SP900、WH-1000XM3に関しては、予約購入した方も応募対象となります。ぜひご応募下さい。
ワイヤレスステレオヘッドセット WF-SP900 |
ソニーストア価格: 29,880円+税 |
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発売日 | 2018年10月27日 | メーカー商品情報ページこちら | |||
延長保証 | 5年ワイド:3,000円 3年ワイド/5年ベーシック:2,000円 3年ベーシック:無償 |
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