【レビュー】広角単焦点レンズ『SEL16F18G』で撮る「さいたまの桜」
新発売の「SEL16F18G」を持って、月曜日の定休日に埼玉県内の桜の名所を写真散歩してきました。月曜日の時点ですでにかなり散っていたので今週末の桜撮影の参考にはならないかと思いますが、どんなところだったのかを含めて紹介したいと思います。
待望の超広角単焦点レンズ「SEL16F18G」でどんな風景写真が撮れるのか、ご覧になってみてください。
こんにちは、店員佐藤です。
発売を楽しみにしていた「SEL16F18G」がいよいよ出荷になりました。思えば、ここ数年の”α”レンズで16mmの焦点域を含むレンズは多数発売されています。
小型軽量化されたG Masterレンズとして「SEL1635GM2」。パワーズームレンズとして「SELP1635G」。F2.8通しで使えるG Masterキラー「SEL1625G」。そして新製品の「SEL16F18G」です。
16mmの広角域は風景撮影や建築物の撮影で使われることが多く、諸条件で最適な画角を得るためにはズームレンズの方が都合がよい、というのはあると思いますが、これらのズームレンズ、使ってみると9割が16mmのワイド端で撮影するんですよね。(個人的な感想です)
16mm単焦点レンズでも良いんじゃないか?と、思えるところですが、そういう割り切りをして単焦点レンズで登場したのが「SEL16F18G」です。
SEL1635GM2 | SELP1635G | SEL1625G | SEL16F18G | |
ソニーストア価格 | 358,600円 | 185,900円 | 184,800円 | 136,400円 |
発売日 | 2023.9.22 | 2022.5.27 | 2024.5.17 | 2025.4.11 |
レンズ構成 | 12群15枚 | 12群13枚 | 13群16枚 | 12群15枚 |
開放絞り | F2.8 | F4.0 | F2.8 | F1.8 |
最小絞り | F22 | F22 | F22 | F22 |
絞り羽根 | 11枚 | 7枚 | 11枚 | 11枚 |
最短撮影距離(AF) | 0.22m | 0.28m(W) | 0.18m(W) | 0.15m |
フィルター径 | 82mm | 72mm | 67mm | 67mm |
全長 | 111.5mm | 88.1mm | 91.4mm | 75mm |
最大径 | 87.8mm | 80.5mm | 74.8mm | 73.8mm |
質量 | 547g | 353g | 409g | 304g |
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ズームレンズ3本のスペックと比較するというのも、なんかズルいんですがあえて比較するとご覧の様になり、圧倒的な小型スペックと、さらに最短撮影距離の短さ、開放絞りの圧倒的な明るさ、そして価格の安さが大きな魅力になります。
これらのズームレンズから買い換えるという選択はないにしても、16mmが使える超広角ズームレンズが買いたいんだけど、良い値段するからナー、という方には、非常にありがたい選択しになるかと思います。
私も今からソニーのデジタル一眼”α”、Vlogcamを購入して写真撮影とVlog撮影を始めようとするなら、このレンズは真っ先に買いたいレンズの1本になりそう。
こちらは「SEL2470GM2」とα1 IIに装着したSEL16F18Gを並べたところです。サイズ的にはこれほどの違いがあります。
24-70mmの標準ズームレンズよりも広い画角が必要なときに利用するのが16-35mmの広角ズームレンズなんですが、それをよりコンパクトなシステムにするために「SEL16F18G」と一緒に持ち歩くというのはありですよね。
こちらはSEL16F18GとSEL1635GM2のMTF曲線を比べたところです。絞り開放値はSEL16F18GはF1.8 にもなるので、かなり不利な比較になるところなんですが、F2.8の1635GM2に近い性能を出しています。
このレンズは絞り開放でもかなりの解像度が期待できます。
なお空間周波数10本と30本の比較ですが、10本の低周波解像度は夜景撮影や建築物の撮影で重要視する項目。30本の高周波は自然風景などの撮影に近い状態になります。
夜景撮影などでの暗いところでの撮影で絞り開放での撮影が増えるんですが、その際は10本の低周波解像度が参考になり、自然風景など明るいところで絞り込んで撮影するときは高周波のMTF曲線が参考になる、ということになります。
風景撮影では通常、絞り込んで撮影をしますので絞り開放よりもF8のグラフをみられる方がよいそうです。
レンズの特徴としては絞りリングが搭載されているのもメリットだと思っています。撮影時に電源を入れながら目視で絞り数値を確認して、撮影環境で絞り込む必要があるならすぐに絞り値を変更できます。
なので、私はカメラを絞り優先にして、絞りリングを使って操作することがほとんどなんですが、先週末に当店の撮影会にもっていき、お客様にお使いいただいた時は、多くの方が絞りリングを「A」の位置にして、カメラ側のダイヤル操作をされるケースが多かった、というのが印象的でした。
レンズによって操作感が変わるというのを嫌がって、カメラ側のダイヤル操作をしたい、というのが主な利用なんだそうです。
お持ちのレンズがSEL24105Gだったり、SEL100400GMだったり、絞りリングが搭載されていないレンズをお使いの場合はそういうことになるようです。
ここ数年発売されている新型レンズの多くが絞りリングを装備しているので、新しいレンズを多くお持ちの方は絞りリングの操作に移行していく感じなのかもしれません。いろいろ、勉強になります。
ということで、今回の写真遠足ですが、日中だけ晴れ間が出て朝と夕方は曇るという予報でした。都内では桜はかなり散ってしまっているという話でしたが、埼玉にはまだ桜がもっているというところがあるとAIツールの「Gemini」が教えてくれたので、いくつかピックアップしてくれた候補地から、まだ行ったことがなかった「幸手権現堂桜堤」というところへ行ってきました。
自宅から高速で1時間、一般道で2時間ということだったのですが、天気を見ながらまだ晴れてこないので一般道で現地に到着。前日までは桜祭りが開催されていたのですが、日曜日が最終日で、翌日の月曜日はお祭りは終了というタイミングでした。
桜祭りの会期中は駐車場料金が1000円かかっていたそうですが、すでに看板の撤去も始まっていて、この日は駐車料金は無料。
前日までは人出も多かったんでしょうね。
屋台もすべて閉まっているのと、場所によっては撤去が始まっています。そんな寂しい風景を見ながら桜堤に歩を進めます。
来てみて、幸手権現堂公園がどういうところなのかやっと理解。川沿いに広大な菜の花畑が作られていて、土手の堤に桜が植樹されている、という場所なんですね。
よくみる「幸手の桜」は菜の花畑越しに桜堤を見ている風景だったというのがわかります。
各種「インスタ映え」スポットを観光地では用意していますが、ここもそうで、場所によってネモフィラなども用意されています。
間もなく、予報通り晴れてくるかな?というタイミングで、その間に公園を一周。
見学している間に、狙い通り晴れてきてくれました。青空背景になると一気に風景写真は綺麗になりますね。
やけに空が青く見えるかもしれませんが、これはPLフィルター(円偏光フィルター)のおかげです。PLフィルターは反射光を遮ってくれるフィルターで、空中の水蒸気で反射した光も取り除いてくれます。
ガラスなどの写りこみを少なくして透過したガラスの撮影に使いますが、空に向かって使うと、より青い空になります。効果があるのは太陽のある側(逆光)、それと反対側の空(順光)ではなく太陽がサイド光になる位置になります。
そこでPLフィルターの枠を回転させて、反射光が一番少なくなる場所を探して使います。
α1 II+SEL16F18G F1.8 1/3200 ISO125
菜の花畑の真ん中に突然、どこでもドアがありました。
幸手の菜の花畑からどこにつながっているんでしょうね。
α1 II+SEL16F18G F1.8 1/3200 ISO125
これらの写真はすべて「SEL16F18G」とPLフィルターだけで撮影しています。PLフィルターを使って、RAW撮影し、あとからAdobe Lightroomで現像しているのですが、そのまま「自動」で補正をすると空の色がメタリックな質感になってしまうので、どうすれば良いのかわからなかったんですが、空の色だけ選択して自分で色味を変更することができました。見た目にと私のイメージの近い空の色になっていると思います。
絞り開放のF1.8で撮影すると、こんなに広角な撮影なのに単焦点レンズらしい、浮き出るような立体感のある写真になります。
α1 II+SEL16F18G F8.0 1/125 ISO125
絞りこんでF8.0にすると、バッチリ風景写真が撮れます。
922万ドットの高解像EVFを搭載しているα1 IIのおかげで、撮影しているその場で見ていてもかなりの解像感で撮れているのがわかります。
α1 II+SEL16F18G F8.0 1/30 ISO125
桜は、すでに半分くらいは散っている感じでしょうか。ソメイヨシノの葉っぱも出てきていて、桜風景もこの日が最後という感じですね。
α1 II+SEL16F18G F5.6 1/100 ISO125
撮影した写真をXperiaに送って、その写真をGeminiに見せて聞いてみたところ、この花は「アリウムトリケトラム」という花なんだそうです。
花壇が用意されていて、桜を背景にした撮影ができます。
α1 II+SEL16F18G F8.0 1/30 ISO125
タンポポの一群もありました。花の姿を図鑑のように画面いっぱいに撮影するならマクロレンズとかが得意ですが、こうして周りの風景を入れつつ花に寄った撮影をすることができるのは「SEL16F18G」ならではです。
登山の際に高山植物を撮影するのにも使えそうです。
こうした近接撮影の際に絞り開放で撮ってしまうと、背景がなんだかよくわからなくなってしまうので、多少絞って撮影するのが良いようです。
続いては車で1時間ほど移動して、埼玉で一番暑い街「熊谷」のお隣にある「行田」へ移動してきました。あ、今はそういう言い方をするよりも「翔んで埼玉II」に登場した行田タワーがある街、と言った方が伝わるんですかね?
ここには「さきたま古墳公園」があり、たくさんの古墳を見学することができます。
α1 II+SEL16F18G F8.0 1/60 ISO125
こちらは駐車場近くにある「愛宕山古墳」です。作られたのは1000年以上昔の話になりますが、作られたときは桜の木とかは植えられていなかったんだと思います。今は桜がいくつも植えられていて、春には綺麗な風景を見せてくれます。
α1 II+SEL16F18G F8.0 1/80 ISO125
「石田堤」です。豊臣秀吉が石田三成に命じて忍城を落とすことになったときに荒川と利根川をつなげて堰を作り、水攻めで落とそうとしたときに作られた土手の一部と言われています。
今はその両脇に桜が植樹されています。
α1 II+SEL16F18G F8.0 1/80 ISO125
そして、こちらが「丸墓山古墳」という直径105mの日本最大の円墳です。離れたところから撮影しているので大きさがわからないと思います画、桜の木のサイズから推測してください。
α1 II+SEL16F18G F8.0 1/100 ISO125
円墳なので、周りから360度好きな角度で撮影が可能。桜の見える大きさが角度によって違うのでグルグル回ってベストアングルを探すことが可能。
東方向からみると、こんな風に丘の上の桜みたいに見えます。
α1 II+SEL16F18G F8.0 1/80 ISO125
西側に回ると桜の木々が多いので、桜に囲まれた感じに。
この円墳は南北に通路が整備されているので登ることもできます。これは北側から見たところになるんですが登ってみます。
α1 II+SEL16F18G F1.8 1/1600 ISO125
こちらが山頂の様子です。ある程度の広さがあるのと、行田市の周りの景色が一望できます。
α1 II+SEL16F18G F1.8 1/1600 ISO125
ここから行田市役所の近くにある忍城が見えるという案内があります。持ってきているのはSEL16F18Gだけなんですが、絞り開放で撮影したものをα1 IIの等倍拡大したモノが↓こちら。
5010万画素からVGAサイズに切り出しても、ほら、忍城が見えますよ。さすがの解像度です。
なお、こちらはXperia 1 VIの170mm望遠ズームから3倍の超解像ズームをしているところ。510mm相当になります。SEL400800Gレンズを持ってくると、良い感じで撮れるかも。
最後に車で20分移動して忍城までやってきました。こちらも、まだ少しだけ桜が残っていました。
ドラマ「陸王」の舞台がここ。行田市でランニング足袋を作って、マラソンで活躍するというお話しでしたが、もうあれって8年も前の話になるですねー。
α1 II+SEL16F18G F8.0 1/60 ISO125
小さなお城ですが忍城も綺麗に収めて、これでこの日の「さいたま桜の旅」は終了。
説明用のカットでXperiaにて撮影した写真以外はすべて「SEL16F18G」で撮影してきましたが、16-35mmの写真を撮り慣れている方からするとあまり不自然さはないかも!?
この日もメモリーカードが16GBしかなかったので、節約撮影だったんですが少しだけ動画撮影もしてきました。XperiaのVideo Creatorアプリで編集した簡易ムービーですが、その様子はこちらです。
α1 IIのダイナミックアクティブ手振れ補正を使っているので歩行中のシーンもジンバルを使って撮影したみたいな安定した映像が撮影出来ます。
自撮りVlogも撮りたかったんですが、それはまた今度挑戦してきます。
ゴールデンウイーク前に発売になってくれて、これは嬉しいレンズですよ。
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G レンズ 超広角単焦点レンズ SEL16F18G |
ソニーストア価格: 136,400 円 税込 |
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発売日 | 2025年4月11日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
長期保証 サービス |
5年ワイド:14,300円 3年ワイド/5年ベーシック:7,700円 3年ベーシック: 無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
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