【実写レビュー】新発売『SEL1625G』の風景写真撮影レポート このレンズはこうして使うんです
5月17日発売の新レンズ「SEL1625G」の実写レビューレポートです。今回はいつもの店員佐藤のヘロヘロレビューではなく、がっつりと硬派の風景撮影での作例レポートです。購入を検討されている方、またはすでに「SEL1625G」を購入いただいた方にも参考になるかと思います。
是非、今回も最後までおつきあいください。
こんにちは、店員佐藤です。
販売店などで「当社社員が撮影しました」という写真撮影の作例をご覧になったことはありませんか? プロカメラマンに依頼したものではなく素人のソニー社員が撮影した作例などがクリアファイルに入って展示されていることがあると思います。
その「ソニー社員」と書かれている人のほとんどのものを実は1人の社員さんが撮影されていて、その方が当店の4月からの担当セールスさんになってくださっています。4月にソニーさんの人事異動があり当店の担当セールスさんが変わっている(この4月の人事異動は今までで一番異動される方が多く、当店担当の方々はほとんど変わってしまいました)のですが、カメラ系の”α”については、もしかしたらソニーさんでも最強クラスの方が当店をお世話してくださることになっています。
で、その方が全国のショップさん向けにデータを配信するわけですが、その生データをいただくことができて、さらにそれらの撮影作例の1枚1枚を解説していただきました。
今後、発売されるレンズについては当店から一番詳しい?作例解説でご覧いただけるかも。今回、紹介する作例も全国のお店の「SEL1625G」の作例としてご覧いただくことがあるかもしれません。
レンズの特徴については当店の過去記事でご案内をしていますので「SEL1625G」ってどんなレンズなの?という方は先にそちらをご覧いただくとわかりやすいかと思います。
ざっくり言うと、GレンズのズームレンズとしてははじめてF2.8を実現するレンズで16-25とズーム倍率は狭くなるものの、SEL1635GM2と比較してサイズも重量も価格もコンパクトになったG Masterレンズのミニ版というレンズです。
写真左は”α7R V”+SEL1635GM2で、写真右が”α7C II”+SEL1625Gです。レンズを装着したときにレギュラーサイズの”α7”シリーズだとレンズ径が小さいのでテーブルに置いたときに前にお辞儀をしてしまうんですが、”α7C”シリーズだと高さもぴったり。
メーカーさんもコンパクトな超広角ズームレンズとして”α7C II”向けに企画されたのかな?と思えるレンズです。
実際に持ち歩いてみると、とてもコンパクトで写真遠足の際に、なにかもう1本持っていこうかな?と、思わせてくれる超広角レンズになっています。このサイズでF2.8通しでズームが使えるなんて、夢の様なレンズです。
ということで、前置きが長くなってきてしまいましたが、こちらがSEL1625Gで撮影された作例になります。掲載されている写真はすべてFlickrにアップロードしており、クリックしていただくとオリジナルサイズで見ることもできます。
”α7R V”+SEL1625G F8.0 1/100 ISO100 焦点距離16mm
茶畑越しの富士山です。こうした風景写真を撮影する場合はF8まで絞ると被写界深度が深くなり手前から奥までフォーカスが合うようになるのと、レンズの解像度も最高レベルまであがります。
”α7R V”+SEL1625G F2.8 1/800 ISO100 焦点距離16mm
こちらは絞り開放のF2.8にしていて手前のお茶の葉っぱのフォーカスが甘くなりますが、それはそういうもの。
”α7R V”+SELP1635G F4.0 1/400 ISO100 焦点距離16mm
こちらは比較用に撮影されたSELP1635Gです。開放絞り値F4のレンズになります。レンズの隅ではありませんが右上にある富士山のところを等倍で拡大したものが↓こちらです。
画像をクリックしていただくと等倍切り出しの画像でご覧になれます。
こちらはSELP1635GとSEL1625G、SEL1635GM2のMTF曲線を比較したところです。グラフの緑色をしているのが高周波の解像度になるんですが赤い低周波と比べるとどのレンズも下がり気味。高周波の画像というのは、こうした自然の木々、葉っぱなどがそれにあたるそうです。
F2.8の写真がやや、木々の輪郭が甘く見えるのはこうしたMTF曲線での高周波の解像度特性による違いになります。
”α7R V”+SEL1625G F8.0 1/25 ISO100 焦点距離16mm
こちらもF8に絞った風景写真で、解像感を上げて撮影しています。手前にある木々の描写もこれならバッチリです。解像度の高さははじめて「SEL1635GM2」を使ったときに近い感動があります。すごい描写力です。
”α7R V”+SEL1625G F2.8 1秒 ISO100 焦点距離16mm
こちらは絞り開放のF2.8での夜景撮影です。こうしたビルなどの撮影の際は低周波にあたるので絞り開放にしても問題なし。ここはKITTEの屋上だと思います。三脚仕様ができないので手すりに乗せて固定して手持ち撮影をしているはずなんですが、こういうシーンではシャッター速度を速くするために絞り開放にしたくなるシチュエーションです。
夜景撮影を手持ちで撮りたい!というときは大口径F2.8 の威力を遺憾なく発揮できます。
”α7R V”+SEL1625G F2.8 10秒 ISO6400 焦点距離16mm
メーカーさんの公式作例には星景写真がなく、サジタルコマフレアが出たりするの?星撮影には不向きなの?という心配をされている方がいらっしゃるかもしれませんが、ご覧の通り、全然問題なしです。
画面左上を切り出したところですが、サジタルコマフレアのあの鳥が羽ばたいているような形の収差はまったく見られません。
以前、聞いたところでは最近発売されているレンズでサジタルコマフレアが出るレンズなんてそうそうないんだよ、という風に教えてもらっていたのですが、実際には最近発売されているレンズでも出るものは出るらしく星景撮影に使うのであれば、それは要チェックな項目なんだとか。
SEL1625Gは星景撮影にも使えます。
”α7R V”+SEL1625G F2.8 10秒 ISO6400 焦点距離16mm
なお、現像前の生データは↑こちら。ご興味ある方は生データの方もFlickrでダウンロードして画像をご覧ください。サジタルコマフレアは出てません。大丈夫です。
”α7R V”+SEL1625G F11 1/160秒 ISO100 焦点距離20mm
そして、私が使ったときも思ったんですが、広角ズームレンズなのに逆光耐性はかなり強いです。このときも太陽光が画角に入るような厳しい撮影シーンですけどどこにもゴーストは出ていません。
ソニーの最高技術を使っているG Masterレンズで採用されるナノARコーティングIIこそ使っていませんが、元々のレンズの設計がよいんでしょうね。
焦点距離は少しだけ望遠側にふった20mmになっています。単焦点レンズと違ってズームレンズの場合は邪魔なものがあればズームしてそれを画角に入れないような微調整ができます。16-35の方がその調整幅があるわけですが、16mmレンズで狙うシーンというのは元々広い視野を狙っているわけで25mmまでズームできれば大抵のシーンでは調整ができそうです。
”α7R V”+SEL1625G F5.6 1/640秒 ISO100 焦点距離16mm
こちらはワイド端の16mm画角でのF5.6での撮影。
”α7R V”+SEL1625G F8.0 1/160秒 ISO100 焦点距離25mm
テレ端の25mmでの撮影です。右の方に雲がかかっているのは富士山です。本当だったらここに富士山が映っているはずなんですが、そこは心の目で配置してください。w
”α7R V”+SEL1625G F8.0 1/250秒 ISO100 焦点距離16mm(APS-C撮影のため24mm画角相当)
こちらはAPS-Cサイズにクロップして撮影したところです。レンズが小さいのでAPS-Cセンサー搭載ボディの”α6700”などで使ってもバランスが良いかもしれません。”α6700”で使う際は24-37.5mm画角相当のレンズとして使えます。
以上、いつもの私のヘロヘロ作例とは違う、きっちり撮られた作例でのSEL1625Gの紹介でした。
写真撮影での作例ばかりになってしまっていますが、このレンズはソニー”α”の手振れ補正アクティブなどにも対応しているので動画撮影に使うとさらに威力があります。手振れ補正の効きが他社製レンズと比べると10倍くらいよく効くし、フォーカスブリージングも配慮された設計になっているのでフォーカス位置が変わったときの画角の変化なども最小に抑えられています。
さらに、このコンパクトさが最大の武器です。SEL1635GM2も軽量化されて大人気ですが、さらに小さく、SEL20F18Gくらいの小型単焦点レンズ並みのサイズです。山岳写真とかの撮影にG Masterレンズの代わりに持っていけるレベルのレンズです。
是非、ご検討をどうぞ。私も夏休みにこのレンズを持って、どこかの山に登りに行きたいと思います。
G レンズ 大口径コンパクト広角ズーム SEL1625G |
ソニーストア価格: 184,800 円 |
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発売日 | 2024年5月17日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
長期保証 サービス |
5年ワイド:18,700 円 3年ワイド/5年ベーシック:9,900 円 3年ベーシック: 無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
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テックスタッフ 店頭入特典 |
実機を当店店頭にて展示中 テックスタッフ店頭ご利用特典のご案内 |
【兄弟レンズのこちらもお勧め】
G レンズ 標準ズームレンズ SEL2450G |
ソニーストア価格: 180,400円 |
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発売日 | 2024年4月19日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
長期保証 サービス |
5年ワイド:18,700 円 3年ワイド/5年ベーシック: 9,900 円 3年ベーシック: 無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
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