大変です。

いつからできるようになっていたのか分からないのですが、Xperia 1 Vに実装されていたLE Audioのブロードキャスト送信ができるようになっていました。手元のXperia 1 Vと、WF-1000XM5、Linkbuds Sで試したところ、2つのイヤホンに同時送信できました。

LE Audio時代が急にやってきた感があります！

 

こんにちは、店員佐藤です。

先ほど、Xperia 1 IVの本体ソフトウェアアップデートがあり、LE Audio周りの機能を調べていたのですが、比較のために使っていたXperia 1 Vのほうで、あれよあれよという間に、ブロードキャスト設定ができてしまい、あれれ？　いつからこれ、対応してたんだ！？と、ヘルプガイドを調べてみたら、しっかりと「ブロードキャストを楽しむ」という項目が出来上がっていました。

いつのまにかブロードキャストができるようになっていたようです。

「ブロードキャスト」というのは1台のスマートフォンから複数のワイヤレスイヤホンに音声信号を伝送する方法で、Bluetoothの新規格である「LE Audio」の新機能のひとつとなっています。

新規格となってはいるのですが、ソフトウェアの開発が進んでいなくて、いまのところは一部製品でLE Audioでの接続はできるものの、超低遅延以外の恩恵は特になかったのですが、ブロードキャストができるようになると話は別。対象のワイヤレスイヤホンをお持ちであれば、一緒に外出先でYouTubeを見て音声を共有したり、音楽データを一緒に聞いたりすることができます。

従来のBluetooth通信では1対1が基本ですが、LE Audioを使うと1対複数というのができるわけです。

設定の方法を紹介します。

 

まず、対象になる製品ですが本日時点ではソニーのワイヤレスイヤホンで対応しているモデルは「WF-1000XM5」と「LinkBuds S」それと「INZONE Buds」の3製品のみです。その他のワイヤレスイヤホンではまだLE Audioには対応をしていません。

「WF-1000XM5」と「Linkbuds S」は通常は「Classic Audio」という従来世代のBluetoothモードになっています。それをソニーのアプリ「Headphones Connect」につないで「LE Audio接続設定」を「LE Audio優先」に切り替えます。

これにより従来のLDACやAAC、SBCでの接続ができなくなり、LE Audio接続専用イヤホンに切り替わります。スマートフォン側は一度、Bluetoothの接続設定を削除してから、再度ペアリングをしなおします。

LE Audioモードにすると、いろいろ制約があり、マルチ接続（PCとスマホの同時接続）が出来なかったり、LDAC接続などができなくなったり、音声アシスタントが利用できなくなったりするのですが、それと引き換えにほぼ遅延のない接続ができるようになります。

従来Bluetooth接続だと音ゲーなどは遅延が大きすぎてゲームにならなかったのですが、LE Audioではほとんど気にせずにプレイすることができます。なので、今まではLE Audio接続のメリットはゲームプレイくらいしかなかったんですが、今日からは違います。ブロードキャスト接続ができます！

ブロードキャスト接続をするために、まずは対応ワイヤレスイヤホンをLE AudioでXperia 1 V、もしくはXperia 5 Vとペアリングするところから始めます。

接続したいワイヤレスイヤホンすべてをLE Audioモードでペアリングしたら、次に進みます。

ここでは「WF-1000XM5」を先にLE Audioで接続しています。

接続して音楽がWF-1000XM5から聞こえたら、ボリュームを操作してボリューム操作ウインドウを開きます。ボリュームの下に三点リーダーがあるので、これをタップ。

すると「音設定」というウインドウが開くので「メディアの音量」の右にあるアンテナマークをタップします。

するとブロードキャストのウインドウが開くので「ミュージックをブロードキャスト」をタップします。

これで見たことのない画面が開くと思います。

「メディア」と書かれている画面ですが、これがブロードキャストのコントロール画面になります。今は「WF-1000XM5」だけしかつながっていませんが、ここに「LinkBuds S」を追加してみたいと思います。一番下にある「デバイスを接続」を開きます。

これで「機器接続」という画面が開くのですが、この画面が出たところで、あらかじめペアリングしておいた「LinkBuds S」をイヤホンケースから取り出します。直前にLE Audioモードでペアリングしているのであれば、自動でメディアデバイスとしてLinkBuds Sがつながるはず。

つながったら、もう一度ボリューム操作をして「ブロードキャスト」の画面を表示します。上記画面の一番右の窓が開いたら、そこでLinkBuds Sのバーをタップしてみてください。

これで2台のワイヤレスイヤホンから音がなるはずです。

たった、これだけのことなんですが、たまにこの接続をしてもつながらないことがあり、どうやら設定の順番が大事みたいなんです。余計なことをすると接続できない機器があったりするんですが、最初からまたやり直せば上手く行きます。

メディアの画面からさらに「＋デバイスを接続」をして、あらかじめ接続しておいたLE Audio対応ワイヤレスイヤホンを使うと、メディアデバイスがまた増えていきます。

店頭展示している「WF-1000XM5」もLE Audioモードにして試してみたら、ちゃんと3機種目のワイヤレスイヤホンも接続ができました。

接続できる機器の数にきっと上限はあるんでしょうけど、とりあえず3台まではOKでした。

3台のワイヤレスイヤホンのボリュームは「メディア」画面に表示されている機器名のバーを操作すると音量変更が可能。接続設定はややこしいんですけど、何度か繰り返し設定すれば覚えられるかと思います。

 

ちなみにブロードキャス接続ができるのは本日時点では「Xperia 1 V」と「Xperia 5 V」の2機種だけです。「Xperia 1 IV」と「Xperia 5 V」もLE Audio対応にはなっているのですがブロードキャスト接続には非対応の様で設定項目が呼び出せませんでした。

	WF-1000XM5 LinkBuds S	Xperia 1 V Xperia 5 V	Xperia 1 IV Xperia 5 IV
LE Audio対応	〇	〇	〇
超低遅延接続	〇	〇	〇
ブロードキャスト接続	〇	〇	×

.
ということで、対応表は上記の通りとなります。「INZONE Buds」もおそらくブロードキャスト接続できると思うんですが、今回はテストしていないので、掲載していません。

2023年5月にLinkBuds Sが本体ソフトウェアアップデートでLE Audio対応になり、続々と対応製品が増えてきているLE Audio。

今回はブロードキャストの「オーディオ共有」機能の紹介でしたが、他にもライブ会場などの大人数でのブロードキャストなども可能となっています。徐々に広がっていく「LE Audio」機能です。これからの機器選びは「LE Audio」に対応しているかどうか、で選んでもよい時期になってきたかもしれません。

 

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