【レビュー】ワイヤレスヘッドホン『WF-1000XM4』バッテリーへの負荷を軽減するための本体ソフトウェアアップデートの検証
先月から当店で話題になっているワイヤレスヘッドホン「WF-1000XM4」のワイヤレス充電の件ですが、今週、ソニーさんからファームウェアのアップデートが発表になり『バッテリーへの負荷を軽減し、長期間ご使用によるバッテリー容量の減少を抑制するための本体ソフトウェア』の提供がはじまりました。
早速、当店でも店頭展示品、および私物のWF-1000XM4のソフトウェアアップデートを行い、実際の動作を検証してみましたのでレポートしたいと思います。
ちょっと大変なことになってしまいました。
こんにちは、店員佐藤です。
12月5日(月)にWF-1000XM4の本体ソフトウェアアップデートが公開になりました。
- バッテリーへの負荷を軽減し、長期間ご使用によるバッテリー容量の減少を抑制するための本体ソフトウェア
- 本アップデートにより、お客様のご使用状態によっては、1回の電池持続時間が若干短くなる場合がございます
この2点から推測するにバッテリーへの負荷軽減のため、充電による発熱時に充電量を抑制してバッテリーへのダメージを軽減すること、もしくは充電量を抑えてバッテリーへの負荷がかかりにくいようにコントロールする様なことをいしているのが予想されます。(詳細については特に販売店にも説明がきていません)
当店店頭でも数は少ないのですが片側だけ充電量が極端に減った、という修理相談があったものに関係する対策があったものと考えています。
本体ソフトウェアのアップデートですが、まずはスマートフォン側の「Headphones Connect」のアップデートを行い、その後、WF-1000XM4を接続すると本体ソフトウェアのデータ送信とアップデートが行われます。
データ送信には約60分かかるとなっていますが、実際には20~30分程度でデータ送信ができるかと思います。その後のソフトウェアおインストール自体は2~3分で終了します。
アップデートの際にはヘッドホン自体のバッテリー残量がある程度残っている必要があります。データ送信も落ち着いたところで行うのが理想ですので、通勤通学中とかではなく、ご自宅などで行うのが良いかと思います。
さて、バッテリー寿命を短くする原因ですが、直近でWF-1000XM4を修理に出すと、上記の案内用紙が同封されて返ってきます。
- 充電が完了し、本機のLEDが消灯したら、本機をワイヤレス充電器から外してください。
お使いのワイヤレス充電器によっては、充電が完了しても発熱し続ける場合があります。
充電完了後も本機を充電器の上に置いたままにすると、熱によって電池寿命が短くなります。 - 周囲の温度が高い環境で充電、保管しないでください。
高温環境に長時間さらされると電池寿命が短くなります。 - ワイヤレス充電器で充電する場合は、充電ケースに装着しているカバーなどは取り外してください。
熱がこもって電池寿命が短くなります。
これらの原因で電池寿命が短くなることがわかっています。ワイヤレス充電器すべてが問題なのではなく、発熱し続けているのが問題で、できる限り発熱をさせないように充電するのが良さそうです。
実際に当店でもシリコンケースと非接触型温度測定器を購入して検証をしてみました。温度測定器がやや誤差の大きいタイプのモノなんですが、それでも比較するとやはりシリコンケースに入れると、熱があがりやすいというのと、ワイヤレス充電の方が、USB充電よりも本体温度があがりやすいのがわかります。
シリコンケースに入れてワイヤレスチャージしたものが一番上の赤い線でオレンジのものがワイヤレス充電です。充電温度は非接触温度計で充電中のケースの中にあるイヤホン本体の温度を測っています。
温度がシリコンケース+ワイヤレス充電だと一気に温度があがります。
さらに言うと、バッテリーの充電スピードですが、ワイヤレス充電よりもUSB type Cによる有線接続の方が充電スピードが速いというのもわかりました。
こちらはシリコンケースに入れて、ワイヤレス充電したモノと、USB充電したモノの比較で、イヤホン&ケースの充電状況もモニターしたモノです。
温度計の誤差があるので実際に何度かはわかりませんがイヤホンの表面温度が39度を超えるとイヤホンとケースへの充電を一時的に停止する動作をしているのもわかりました。
表面温度が35度を超えるとイヤホンの充電も止めている可能性があります。これがアップデート前の充電時の動作なのですが、これがどうなったのか試してみました。
ちなみにXperia 1 IVには「おすそわけ充電」というスマートフォンのバッテリーからイヤホンへワイヤレス充電する機能も搭載されています。こちらも試してみたのですが、どうやら充電スピードはUSB接続のワイヤレスチャージとほぼ同等。
発熱もします。
USBからのワイヤレスチャージと比べて、Xperiaからのおすそわけ充電だったら、電流量も少なそうだし、大丈夫かな?というのはありません。普通にワイヤレス充電と同じ扱いです。
Xperia からのおすそわけ充電でも熱上昇があり赤色点滅になることがありました。
ワイヤレス充電の場合、大体50分以上の充電をすると点滅が始まるのでこれが始まったら充電台から下ろした方が良いようです。
そのまま載せていても、充電スピードは遅いのでバッテリーをいたわるつもりで充電終了にするか、もしくはイヤホンだけ取り外してバッテリーケースだけで充電するようにすると良いかも。
さて、テストの結果ですが、大変なことになってしまいました。
テスト中に私の私物の「WF-1000XM4」の方が例の「片方だけ残量が1%になってしまう」現象が発生してしまいました。
今回も店頭展示のブラックモデルと私物のシルバーモデルの2台を使って、放電させては充電温度&スピードの測定をしていたのですが、負荷のかかるシリコンケース入れのワイヤレス充電などは、私物の方で集中的に行っていました。
今回もシリコンケース入りでの充電テストなどをしているのですが、これがとどめを刺してしまった感じですかね!? ちなみにワイヤレスチャージやUSB接続をせず、ケース内バッテリーからのイヤホン充電時も、シリコンケースをつけていたら熱停止したことがありました。
シリコンケースは持ち歩きの時だけ使う、というのも、しない方が良いかもしれません。(ちなみに当店でテストしているのはかなり肉厚なシリコンケースです)
ということで、バッテリー寿命直前のモデルでテストしても仕方がないので、今回のシルバーモデルでのテストデータはすべて破棄しています。
サンプルが少なくなりますが、正常に稼働しているブラックモデルでのアップデート前後での充電状況の違いがこちらです。
テストは各1回ずつのデータになってしまうんですが、充電時間によるイヤホン本体の温度と、イヤホン、ケースそれぞれの充電状況をモニターしたモノがこちらです。温度測定はかなりアバウトなので参考程度にしかなりませんが、大体は合っていると思います。
上記はUSB充電をしている時の様子になるのですが、明らかな違いがありました。イヤホンの温度があがったところでイヤホンへの充電はストップさせているのがわかります。ケース側のバッテリー充電はそのまま続けていて90分ほどで満タンになっていますが、イヤホンのバッテリー充電は、アップデート前は温度が上がっても少しずつチャージしているのに対して、アップデート後はほぼ止めてしまっています。
こうした温度上昇によるイヤホンの充電スピードの調整を行っているようです。
シリコンケースに入れた充電実験も、壊れてしまったシルバーモデルで行っていますが、シリコンケースに入れてワイヤレスチャージしても熱が出ないようになっている、とかはありませんでした。
従来通り、盛大に発熱していたのでシリコンケース+ワイヤレスチャージは避けた方が良いかと思います。
それと、左右のヘッドホンのバッテリー残量が異なる、というケースですが、故障になるのは店頭で相談を見ているとかなり極端な場合です。一見するだけで「これはおかしい」という状況になります。
私も私物のWF-1000XM4が同様の状況になったので、これで様子が詳しくわかりました。
左右で40%と55%とかは今までもよくあることだったのですが、故障の場合は片方が70~90%あるのに、片方は一桁、とかそういう状況になります。
これは今朝の私のWF-1000XM4の状況です。
ちなみに、この1%の後に切れてしまうんですが、一度ケースに入れて再び使おうとすると今度は50%くらいまでバッテリーが復活していて、またしばらく使うことができました。で、また同様の状況になっていたので、バッテリーが消耗して充放電が出来なくなった、というよりは、それをうまくコントロールできなくなっている感じがします。
左右、どちらかに傾向がある、ということもなく、お客様によって右だけというのもあれば、左だけというのもありました。ソニーさんの案内を読むと、メインになるのがどちらかというのがあるみたいなので、もしかすると癖で、左側から装着するとか、右側から装着する、とかでメインになる頻度が高い方があると、そういう片減りのケースが増えるのかもしれません。
言われてみると私も右利きなんですが右手でケースをもっていて、左手からイヤホンを取り出して装着する癖があるみたいです。
あくまでもこれは推測ですが、前回、右から装着したから今度は左から、とか使い分けるとバッテリー寿命が延びたりするかも。
そして、バッテリーの不具合があるかどうかの判断ですが、下記の案内がありました。
ボリュームを中央の50%出力にして、再生する音楽ファイルのコーデックがAACのものを用意。その曲をリピート再生します。DSEE Extreamはオフにしてノイズキャンセリングはオン。それ以外のイコライザーやスピークトゥチャットなどの機能はすべてオフにして、それで満タン充電から3時間再生ができるかどうかで判断できるそうです。
私も実際にためしてみました。というか、これをやったおかげで不具合が私物のWF-1000XM4にあったことがわかったんですが、昨夜23時30分からテストしたものが上記です。
設定が面倒だったのですが、イコライザーやDSEE Extreamをオフにして、AACコーデックの曲を用意して(Media Goで変換ができます)、それを1曲リピートで一晩中流しておくつもりが。。。
Headphones Connectアプリのログ記録が残るのでそれでチェックすると、ブラックモデル(グラフ左)は6時間の再生ができているのに、シルバーモデルは1時間10分ほどで再生が終了していました。どうやら左イヤホンだけではなく右イヤホンの動作も怪しいみたいです。
念のため、3時間の再生チェックをもう一度してみたのですが、店頭展示のブラックモデルは85%残量からのテストでも3時間半の再生ができました。シルバーモデルは1時間もたなかったので、そのまま修理行きになりました。
なお、ソニーさんでは原因解明のため修理ではなく交換対応を行っています。交換するとHeadphones Connect上は別のモデルという認識になるため、これまでの使用時間ログは別モデルとして記録が始まります。今までの使用歴に追加して加えることはできませんので、ご注意ください。
「WF-1000XM4」ユーザーさんは早めにソフトウェアアップデートを行い、できるだけワイヤレスチャージ、シリコンケース入れなどは避けて、発熱に注意しながらお使いになると永く利用できると思います。
★ソニーサポート「WF-1000XM4」本体ソフトウェアアップデートのお知らせはこちらから
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ソニーストア 購入特典 |
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