【レビュー】トラベルハイズーム『DSC-HX99』実機展示レポート
11月9日発売のトラベルハイズームモデル、サイバーショット「DSC-HX99」がソニーショールーム/ソニーストア銀座にて実機展示を行っています。
時間を作ってお邪魔させてもらって、実機を見学させてもらってきました。実機の様子を実機作例付きでレポートします。
こんにちは、店員佐藤です。
10月26日に発表になり「DSC-HX99」「DSC-WX800」「DSC-WX700」の3機種が同時に先行予約販売スタートしています。当店のオーダーを見ると「DSC-HX99」が圧倒的な人気になっていてトラベルハイズームのニューウェイブはHX99で決まり!という雰囲気になってきています。
WX800とWX700はタッチパネルの有無だけの違いになっていますが、HX99とWX800はファインダーレスだったりRAW撮影対応だったり、コントロールリングの有無だったり、デジタル一眼“α”に近いテイストの部分があるかないか、という違いになっています。
デジタル一眼カメラ”α”のサブ機、という選び方をするとHX99一択になってきます。モデルの詳細を「DSC-HX99」から見ていきたいと思います。
■サイバーショット「DSC-HX99」実機レビューレポート
2018年モデルの「DSC-HX99」の前に2015年6月発売で「DSC-HX90」というモデルがありました。レンズやボディなどはほぼそのまま共通なのですが、画像処理エンジンが「新世代BIONZ X + フロントエンドLSI」に進化し、中身がごっそりと“α”最新モデルみたいになったモデルがHX99です。
光学ズームの倍率は以前は「30倍」という表記だったものがHX99では「28倍」となっていますが、こちらはCIPAの測定基準が変更になったためで、以前は撮影した画角から35mm判換算にした焦点距離で倍率を計算していたものが、2018年7月23日以降のモデルでは物理的なレンズの焦点距離から計算することになっています。それに伴い表記が変わっただけでレンズ性能としてはなにも変わっていません。
実際の機能などの違いをHX90VとHX99を並べて比較してみたいと思います。
外観の違いはなにもなくボディに「4K」の文字があるかないかくらいです。重量は3gほどHX99の方が軽量化されています。まず、個人的に一番の違いはこれかなー。RAW撮影ができるようになりました。
撮影モードを見ると「ファイル形式」問い項目が出来て、ここでRAWやRAW+JPEGの選択ができるようになっています。
兄弟機種になるWX800とWX700ではRAW撮影はできないのでHX99の魅力を語る上で、これは外せません。
2番目の違いが動画の記録形式で「XAVC S 4K」の選択ができるようになっています。XAVC S 4KはWX800でもwx700でも撮影ができるので、ソニーの4K撮影可能カメラの最安値モデルをこれで更新することになります。
ピクチャープロファイルは搭載していないためHDR(HLG)やS-Logでの撮影はできませんが、カラーグレーディングは普通の方にはまずできませんので、自宅の4Kブラビアで撮影した動画を4Kで見たい!という場合はこの方がわかりやすいかと思います。
4K映像を初めてみたときって感動したと思うんですが、それが自分で撮った4K映像だとまたまた感動が大きいんです。なんせ放送でもメディアでもかなり圧縮がかかった映像になるところが、ソニー“α”で撮影した4K動画は60Mbpsとか100Mbpsとかリッチなデータ量で再生しますからね。
そして、これもソニーのデジタルカメラ3年の進化を語る上で欠かせません。瞳AFがこんな小さなカメラにまで搭載されました。
従来モデルでも顔検出やスマイルシャッターは搭載されていましたが、瞳AFはプロカメラマンの技術以上のものを実現してくれる機能。
デフォルトでは十字キーの中央ボタンにアサインされています。撮影時に十字キーの中央ボタンを押すと発動します。
人に向けて瞳AFを使うとこうして瞳を検出してそこにピントを合わせてくれます。こんな小さなカメラでも動きに合わせて瞳を追いかけてくれる様は、なにかミニチュア“α”を見ているみたいで感動を超えて滑稽に思えてきてしまうほど。
すごい、こんな小さなカメラでも瞳を追いかけ回すんだ。
HX90(写真左)にあってHX99ではなくなってしまったものとしてGPS機能があります。HX90ではGPS機能を内蔵していたので撮影場所の位置情報を自動で入れる事や、自動時刻補正、さらには持ち歩いた軌跡を記録する「GPSログ記録」まで内蔵していました。トラベルカメラとして最強の機能を内蔵していたのですがHX99にはそれがありません。
その代わりにHX99にはスマートフォンとBluetoothで連動してスマートフォンの位置情報をもらって撮影データに位置情報を書き込むことができます。GPSログの記録はできないものの、Android OSを使っている方ならGoogle Mapのタイムラインを開けば移動軌跡はスマートフォンで見られますからね。
自動時刻補正はスマートフォン経由でも働きますのでスマートフォンを持ち歩いている方でしたら実質上、機能のドロップはないことになります。
カメラアプリがHX99では非搭載になっていますがHX90Vも元々対応しているアプリが極端に少なかったので、事実上、こちらもドロップ機能と説明しなくても良い感じですね。
あとはISO感度が変更になっています。HX90Vでは最高3200であとはマルチショット機能を使って感度を上げていたのですが、HX99では拡張ISO感度で6400まで使えます。
こうした小さなレンズでの1段の違いは大きいかもしれません。
ということで、ハイズーム機お得意のここ(画角24mm相当)からこんなに大きく(画角720mm相当)撮れますよ、企画です。今回は製品版の仕上がりに近い状態みたいで撮影したデータの持ち帰りをさせてもらうことができました。
DSC-HX99 F5.6 1/30 ISO125 画角24mm相当(35mm判換算)
こちらが24mm画角相当で撮影したワイド端の写真になります。ここからずーっとズームしていくと。。。
DSC-HX99 F6.4 1/250 ISO800 画角720mm相当(35mm判換算)
720mm相当でここまで映ります。撮ったのは受付カウンターの向こうにある“α”レンズの価格表です。Flickrでオリジナルサイズをみていただくと解像度がおわかりいただけると思いますが、これを切り出して拡大してみたものがこちらです。
室内撮影のためISO感度がかなり上がってしまってノイズが多いのですが、価格表がちゃんと読めるというのは恐るべしです。デジタルズームなどと違って映像がぼけないため価格はもとより「税」の文字が読めます。
DSC-HX99 F3.5 1/30 ISO80 画角24mm相当(35mm判換算)
こちらも広角24mm相当画角での撮影です。ここから画面下中央、やや左にある“α6000”を狙うと。。。
DSC-HX99 F6.4 1/160 ISO3200 画角720mm相当(35mm判換算)
ご覧の通り、レンズの刻印も楽勝で解像しています。ISO6400での撮影なので、ノイズはかなり目立ちますが、明るいところであれば、ここまで感度を上げなくても大丈夫。デジタルズームではなく光学ズームならではの写りの良さです。
こうした超高倍率ズーム機の場合、困ってしまうのは望遠側で撮っているときに目標を見失ってしまい、あれ? どこを撮っていたんだっけ?となってしまうこと。そういう時は慌てずにボディ右下にある「C」ボタンを押します。
これで「ズームアシスト機能」が呼び出されて望遠側だったレンズが一気にワイドになり周囲の風景をみせてくれるようになります。これで見失ってしまっていた被写体に再度フレーミングしてCボタンを離せばそこに寄っていってくれる、ということをします。
むむむ? ショールームにこんな看板あったっけ? というときもCボタンを押せばすぐにわかります。
なるほど、VAIOの看板だったみたいです。
サイバーショットHX99の使い勝手を試すならこんなところです。屋外で使えばもっと明るいところで撮影ができるのでこんなにISO感度も上がらずに済むと思います。
トラベルというか野外撮影に持って行くと野鳥がこれで撮れるのでサイバーショットと一緒に野鳥図鑑が欲しくなると思います。
2015年モデルのHX90Vとスペックを比較した物がこちらになります。
DSC-HX90V |
DSC-HX99 |
|
発売日 | 2015.6.5 | 2018.11.9 |
ソニーストア価格 | 54,880円 | 59,880円 |
光学センサー | 1820万画素 1/2.3型 裏面照射CMOSセンサー | |
画像処理エンジン | BIONZ X | 新世代BIONZ X + フロントエンドLSI |
レンズ | ZEISS 24-720mm レンズ | |
ISO感度 | ISO 3200 | ISO 6400(拡張) |
RAW記録 | × | ○ |
動画画質 | フルHD 60P | 4K 30P HD 120P |
AF性能 | 0.09秒 ファストインテリジェントAF | |
瞳AF | × | ○ |
連写性能 | 秒10コマ | 秒10コマで 最大155枚連続撮影 |
タッチパネル | × | タッチフォーカス対応 |
Bluetooth | × | ○ |
GPS内蔵 | ○ | × |
質量 | 245g | 242g |
.
HXシリーズではありませんがおなじみのRX100シリーズと比較するとファインダーなどがちょっと違ってきます。
最新のRX100M6では手前にファインダーを引き出さなくても自動でポップアップしてすぐに使える様な仕様になっていますが、HX99では手前に引き出す必要があり、しまうときも押し込むことになります。ツーアクションになります。
またそもそもの解像度も違っていてRX100M6では0.39型235万ドットの有機ELファインダーになっていますが、HX99では0.2型64万ドットの有機ELファインダーになっています。ファインダー像はやや小さくなります。
ファインダー像全域が見やすいのでこれはこれでフレーミングはしやすいかも。RX100シリーズの高解像ファインダーを期待するとちょっとガッカリするかもしれません。
そして、実は記録メディアが「microSD」に変更されています。先代のHX90Vでは普通にSDカードが使えたしボディサイズも大きく変わっていないので、そのままSDカードでも良かった様に思えるんですが、もしかするとスマートフォンとの親和性を優先した結果なのかもしれませんね。
ご覧の通り、メディアスロットはmicroSD or M2仕様となっています。撮影したデータはWi-Fi経由でスマートフォンにPlayMemories Mobileで転送できるのですが、物理的にmicroSDカードをスマートフォンに挿した方が手っ取り早いのは間違いありません。
うーん、やるなー、サイバーショット。
■兄弟モデル サイバーショット「DSC-WX800」実機レビューレポート
HX99と一緒に兄弟モデルのWX800も並んで展示されています。こちらも24mm~720mmのハイズームレンズを搭載したモデルになっています。
HX99との違いですが有機ELファインダーがWX800には搭載されていない他、RAW撮影ができないなどの制約もあります。
仕様には記載されませんがグリップ部も違っていてHX90VやHX99には右手で持ったときに指に引っかかりがあるように突起があるのですが、WX800とWX700ではつるんとスリムなデザインになっています。
それでも4K動画撮影機能は搭載されていてタッチパネル仕様ではないDSC-WX700についてはソニーカメラの中でも4K撮影ができる最安価のカメラになったんだと思います。
当初、4Kが撮れるカメラとしては”α7R2”が438,880円(税別)で登場し、うわー4K撮影高ーい!と、なっていましたがあれから3年で47,880円です。この価格差を考えるそれだけで記念にWX700を買いたくなってしまうくらいです。
3モデルの違いをまとめると下記の通りとなります。
DSC-HX99 |
DSC-WX800 |
DSC-WX700 |
|
発売日 | 2018.11.9 | ||
ソニーストア価格 | 59,880円 | 49,880円 | 47,880円 |
光学センサー | 1820万画素 1/2.3型 裏面照射CMOSセンサー | ||
画像処理エンジン | 新世代BIONZ X +フロントエンドLSI | ||
レンズ | ZEISS 24-720mm レンズ | ||
ISO感度 | ISO6400(拡張) | ||
RAW記録 | ○ | × | |
4K動画記録 | ○ | ||
瞳AF | ○ | ||
ファインダー | 63万画素OLED | × | |
グリップ& コントロールリング |
○ | × | |
タッチパネル | ○ | × | |
質量 | 242g | 233g | 233g |
.
タッチパネルがあるといそいでスポットAFにしたいときに超便利なんですが、知らないうちに触ってしまってワイドエリアのつもりがスポットAF(しかもすみっこの方)になってしまっていることがあります。
価格差はたった2,000円ですがタッチパネルは必要ないんだよな、という方はWX700という選択肢があります。WX700は店舗では販売していないWEB限定モデルになるので、ソニーストアでしか購入ができません。
さて、ここからはちょっとした裏技です。背面液晶なんですがRXシリーズなどと違ってHXシリーズはこうして上にしか向きません。地面近くにカメラの位置を下げて上から液晶をのぞき込んでローポジションでの撮影はできるのですが、液晶を下向きに出来ないためハイポジションでの撮影が普通だったらできません。
ですが、そういうときはカメラの上下を反対にして逆さまにして持ち上げるんです。
こうすることで液晶を下からのぞき込むことができてハイポジションの撮影が可能になります。
しかも撮影した画像ですがちゃんと上下反転して撮影している、というのをカメラが記録してくれています。
再生すると180度反転して表示してくれます。知っておくと、この技はいざと言うときに使えますので覚えておいてくださいませ。これも“α5100”に搭載されていた技で、こんなところにも“α”の技術が息づいているんだと思えます。
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ソニーストア価格: 59,880円+税 |
|||
発売日 | 2018年11月9日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
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発売日 | 2018年11月9日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
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デジタルスチルカメラ DSC-WX700 |
ソニーストア価格: 47,880円+税前後 |
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発売日 | 2018年11月9日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
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5年ワイド:4,000円+税
3年ワイド/5年ベーシック:2,000円+税 3年ベーシック:無償 |
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心如
2018年11月7日 @ PM 9:40
>以前は撮影した画角から30mm判換算にした焦点距離で倍率を計算していたものが、
とあるが、35mm判換算の間違いだと思うが。、、
tecstaffŔ
2018年11月8日 @ AM 7:29
こんにちは。
ご指摘ありがとうございます。
お詫びして訂正させていただきます。
今後もよろしくお願いします。