【レビュー】世界最高クラスノイキャン『WH-1000XM6』実機レポート
新プロセッサー「QN3」を搭載した世界最高クラスのノイズキャンセリング性能をさらにパワーアップした新型モデル「WH-1000XM6」がソニーから発表になりました。
7年ぶりに搭載プロセッサーが刷新されたのと、なんと12個のマイクを使ったマルチノイズセンサーテクノロジーに進化するなど、もはや無敵のノイズキャンセリングヘッドホンになっているのですが、その実機の様子をレポートします。
こんにちは、店員佐藤です。
出ましたねー! 新型のオーバーヘッドホン「WH-1000XM6」の登場です。3年前に発売された「WH-1000XM5」が大きなデザイン変更をしていて、見た目もドライバーユニットも変更され、さらにV1プロセッサーという音の処理回路まで新搭載。「世界最高性能」をメーカーとして公式に推してきたすごいモデルで、そこからの進化はもうないだろうと思っていたら、3年経って新型にバージョンアップしてきました。
大ヒットしたオーバーヘッドホンというと、当店ではミッドナイトブルーモデルが大人気だった2020年発売の「WH-1000XM4」が記憶に残っているのですが、そこからの進化を表にまとめたものがこちらです。
WH-1000XM6 | WH-1000XM5 | WH-1000XM4 | |
発売日 | 2025.5.30 | 2022.5.27 | 2020.9.4 |
ソニーストア価格 | 59,400円 | 56,100円 (5月15日値下げ) |
44,000円 (発売時価格) |
ノイズキャンセリング性能 | ★★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
外音取り込み | ★★★★★★ | ★★★★★ | ★★★★ |
搭載プロセッサー | V2 + QN3 | V1 + QN1 | QN1 |
搭載マイク | 12個 | 8個 | 5個 |
立体音響 | 360 Reality Audio 360 Upmix for Cinema |
360 Reality Audio ヘッドトラッキング |
360 Reality Audio |
通話品質 | 6つのマイクでの ビームフォーミングと AIによるボイスピックアップ |
4つのマイクでの ビームフォーミングと AIによるボイスピックアップ |
3つのマイクでの ビームフォーミングによる ボイスピックアップ |
最大バッテリー駆動時間 (音楽再生時) |
最大30時間(NC ON) 最大40時間(NC OFF) |
最大30時間(NC ON) 最大40時間(NC OFF) |
最大30時間(NC ON) 最大38時間(NC OFF) |
高速充電 | 3分で1時間 (クイック充電) 3分で3時間 (USB PD充電) |
3分で1時間 (クイック充電) 3分で3時間 (USB PD充電) |
10分で5時間 (クイック充電) |
ドライバーユニット | 30mm | 30mm | 40mm |
再生周波数帯域(有線) | 4-40000 Hz | 4-40000 Hz | 4-40000 Hz |
本体質量 | 254g | 250g | 254g |
Bluetooth通信 | ver.5.3 | ver.5.2 | ver.5.0 |
LE Audio | 〇 | 〇 (アップデート対応) |
× |
スーパーワイドバンド | 通話時 帯域が2倍 | × | × |
対応コーデック | SBC AAC LDAC LC3 | SBC AAC LDAC LC3 | SBC AAC LDAC |
折りたたみ形状 | スイーベル & 折りたたみ | スイーベル | スイーベル & 折りたたみ |
イコライザー | 10バンド | 5バンド | 5バンド |
セーフリスニング | Ver.2.0 | Ver.1.0 | × |
聞きながら充電 | 新対応 | × | × |
マルチデバイス切替 | マルチポイント接続 (後勝ち仕様) |
マルチポイント接続 (アプリで優先接続設定) |
マルチポイント接続 |
.
スペックで比較すると赤字のところが進化したポイントになります。5年前に発売されたWH-1000XM4と比較するとアプリ「Sound Connect」の進化もあって、機能面でも大幅なアップデートになっています。
ですが、今回はWH-1000XM5からのハードウェアの進化がかなりのものになっているのがわかります。
※マルチデバイス切替えの「後勝ち仕様」というのが目新しいのですが、これは有線接続する機器をアプリから選ぶのではなく、あとからでも再生動作をしたデバイスを有線して接続する機能です。ソニーのワイヤレスヘッドホン初の機能になります。
実機をご覧いただきながら紹介したいと思います。
さて、まずはこちらがWH-1000XM6の専用ケースになります。スペック表にはこういうところは記載がないのですが、個人的にはこれが一番の進化になっているかも!?
従来はファスナーになっていて、この丸いケースの周りをジッパーで開いていましたが、WH-1000XM6ではマグネットロックを採用しています。
従来は両手でジッパーを操作しなくてはいけませんでしたが、これなら片手で開閉が可能なのと、開くときも閉じるときもワンタッチ。今回の試用レビューでもっとも違いを感じたのがマグネットロックだったかも♪
そして、WH-1000XM5ではスイーベルのみで折りたたむことができませんでしたがWH-1000XM6では根元を折りたたんで収納することができるようになり、ケースサイズも小さくなりました。
写真左がWH-1000XM5で写真右が新型のWH-1000XM6になります。ヘッドホンケーブルやUSBケーブルを収納するポケットがケースの中にあるんですが、先代モデルはかなりゆとりのある収納部だったものが、かなり小さなスペースになっていて、こうした点からもケースの小型化が行われているのがわかります。
なお、このミニポケットに入っているのは付属品のヘッドホンケーブルとUSB Type Cケーブルになります。
1000XM5ではスリット型の電源ボタンになっていてノイズキャンセリング機能の変更ボタンと同じ形状だったのですが、WF-1000XM6では電源ボタンが丸形になっていて、明らかにノイズキャンセリング機能の操作ボタンと違う形になっています。
使い慣れてくるとボタン操作を間違えることはないのですが、WF-1000XM6なら最初から間違いのない操作ができます。
ヘッドホンの機能をいろいろ使うためのアプリ「Sound Connect」は今回も対応しています。1000XM5ではイコライザーで調整できるのが5バンドでしたが1000XM6では10バンドになりより細かい設定ができるようになっています。
そしてシリーズ初の新機能になりますが使用中に給電しながら使うことができるようになりました。従来モデルではバッテリー切れの際は電源オフのままワイヤードヘッドホンとして使うしかありませんでしたが、長めのUSBケーブルを用意できれば、充電しながらの利用ができるようになっています。
そもそもスタミナ性能が30時間もありますので、長時間利用で給電しながら使わないといけない、というシチュエーションは少ないかと思いますが、うっかり充電を忘れたという時もこういう使い方ができます。
さらに新機能としてリスニングモードに「シネマ」が搭載されました。ソニーヘッドホンシリーズで初の機能になります。
昨年秋に発売されたLinkBuds Openから「BGM」モードが搭載されていて、遠くで音楽が鳴っているような距離のある音響効果を利用できるようにしていたのですが、プラスして「シネマ」モードを搭載。
これはソニーの立体音響技術「360 Reality Audio」の技術を応用したものの様で2chステレオの音声を映画館風の音響にしてくれるというものです。「360 Upmix」という技術が使われています。
実はこれ、Xperia 1 VIなどに搭載されていた技術で、オーディオエフェクトの中にそれがあります。知る人ぞ知る機能みたいになっているんですが、2chソースの音声フォーマットで使うと確かに奥行きのある立体音響が楽しめます。
今年になって、これを発見してXperiaでいろいろ遊んでみましたが、映画ソフトなどはドルビーデジタルのサラウンド音声信号でくるので、ドルビーサウンドのエフェクトで聴けばそれで効果を発揮するんですが、映画ばかりではなく、ドラマやテレビアニメなどは2chステレオになっています。こういうところで使うと威力を発揮します。
今シーズン放送されているアニメ「ジークアクス」を360 Upmixで聴くと立体的な音になり、テレビアニメから映画ソフトに格上げされた感じ。
単に音の聞こえてくるところが遠くになるとか、エコーが加えられて反響音がするというだけではなく、言い方が難しいんですが距離を取った音場にたくさんの音がちりばめられていて音を拡大鏡で大きく拡大して聴いている様な感じで、よりたくさんの音が聞こえるようになります。
かなり効果があります。
音楽ソフトでもマイケル・ジャクソンのスリラーとか、元々MTVを意識して音作りされているような音楽だと、これも立体的な音になって聞こえます。
なお、XperiaとWH-1000XM6を接続して使う場合、360 Upmixの二重掛けが出来てしまうんですが、それをやると、音質がややおかしいことになるみたいで、刺さる音になってしまうことがあるようです。
なので、この「リスニングモード」はプレーヤー側の音響効果は切って、Sound Connectだけの効果だけで楽しんだ方が良いかも。
そして「WH-1000XM6」のもうひとつの特徴が12個のマイクを使ったノイズキャンセリングと、6個のマイクを使ったAIビームフォーミングによる通話品質の向上です。
ノイズリダクションAIによるノイズ低減もあるのと、LEオーディオ接続時にはスーパーワイドバンドに対応して従来の7kHzまでではなく2倍の14kHzまでの音声収録が可能になっています。
LEオーディオのスーパーワイドバンドの音声は試していません(すみません、収録に失敗しました)が、AIビームフォーミング&ノイズリダクションAIは実際に試してみました。工事現場近くの鉄道路線近くの公園でわざわざ電車が通過する時にテストしています。爆音状態でも音声が伝わる様子がわかるかと思います。
ちょっとやり過ぎな状況でのテストになっていて、普通、こんな爆音環境で使うことはないと思うんですが、通話音声のノイズ除去はスゴいです。
昔、コロナ禍の際にオンライン飲み会をやったことがあるんですが、ベランダで通話しようと思ったら、ベランダの外の電車の音声がマイクを通してみんなに伝わってしまい、なくなく音声を切って参加することになってしまいました。あのときに「WH-1000XM6」があったらなー、と、今頃思うところでした。w
他にLE Audioでの接続の際に「スーパーワイドバンド」接続という機能があります。従来は通話時のマイクの音声帯域は7kHzまでしか伝送できないのですが、スーパーワイドばンドでは2倍の14kHzまでの音声信号を伝送してくれます。通話時の自分の音声のさらなる高音質化が実現します。
レビューで違いをお伝えしたかったのですが、LE Audioでの収音に失敗してしまいました。展示機がやってきましたら、改めてテストしたいと思います。
音楽を聴くためのヘッドホン、だけではなく、このモデルは映画視聴などにも威力を発揮します。
また、オンライン会議などでモニター越しに通話をする機会の多いという方には高音質でお話しを聞いてもらえる高音質マイクとしても利用可能。
今回のモデルチェンジでもかなりのパワーアップをしています。
著名な音楽制作スタジオのサウンドエンジニアと商品共創を行っているとのことですが、そちらのストーリーについては、また次の機会にお伝えするとして、まずは実機の様子をレポートさせていただきました。
販売方法が今回は変わっていて、どこで購入しても同じ価格になるというメーカーとしてもチャレンジした販売を行います。
ソニーストアではいつもご利用いただいているAV商品10%オフクーポンや株主優待クーポンなどは利用できない販売形態になります。また量販店などでのポイント付与も対象外になり、どこで購入しても原則、同じ価格になります。
3年ワイド保証の無料クーポンなどは利用できるのと、お手持ちの買い物券などの利用は可能となっています。送料無料クーポンについても利用ができました。同じソニー製品ではありますが、社外製品扱いになっているPlayStation製品と同じ扱いになっている感じですね。
ソニー提携カードによる3%オフ特典も利用ができますので、ソニーカード、Sony Bank WALLETをお持ちの方は提携カードでのお買い物がオトクです。
どこで購入しても価格が同じでしたら、是非、メーカー直販のソニーストアでご検討になってみてはいかがでしょうか?
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ワイヤレスノイズキャンセリング ステレオヘッドホン WH-1000XM6 |
ソニーストア価格: 59,400円 税込 |
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発売日 | 2022年5月30日 |
メーカー商品情報ページこちら | ||
延長保証 | 5年ワイド:5,500円 3年ワイド/5年ベーシック:3,300円 3年ベーシック:無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
一部をのぞきクーポン対象外製品になります | |||
テックスタッフ 店頭入特典 |
発売日以降 当店店頭展示予定 3年ワイド保証半額クーポンプレゼント他 テックスタッフ店頭ご利用特典のご案内 |

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海外にてソニーの新型ヘッドホン「WH-1000XM6」が発表になりました。

ソニーヘッドホン公式サイトにティザーページ登場『第6章、始まる~サウンドエンジニアとの共創~』
一昨日に続き、今度は日本のソニーサイトのヘッドホンページにティザーページが出現しました。「第6章、始まる」でサウンドエンジニアとの共創というコピーがあります。 発表は日本時間の5月16日(金)午前9時です。