【レビュー】『WH-1000XM6』を東海汽船「さるびあ丸」で長時間使用してきました
新発売のソニー最強ワイヤレスヘッドホン「WH-1000XM6」を先週の八丈島日帰り旅で長時間使用させてもらってきました。
片道十時間の船旅でこそ分かった、その世界最高クラスのワイヤレスヘッドホンの様子をレポートします。
こんにちは、転院佐藤です。
先週木曜日にスマートフォンの衛星通信のテストのために八丈島まで日帰りで船旅をさせてもらってきました。
とても綺麗な伊豆諸島の風景を楽しみつつ、au Smartlink Directの衛星通信にチャレンジしてきましたが、このテストができたのは朝の6時~12時までで、行きは寝ていたので良いのですが、帰りは12時から19時40分まで何もすることがなく、ただ船に揺られているだけ、という状態だったんです。
なにもすることがなく8時間近く、船で過ごすことになり、しかも電波はつながりはしますが微弱なので快適なインターネット通信はできずスマートフォンを普通に利用する事もできません。
ということで、用意したのがamazon プライムビデオで、あらかじめ映画をダウンロードしておき、それを新製品の「WH-1000XM6」で見倒そう!という作戦でした。
amazon プライムビデオはプライム会員の方でしたら誰でも利用ができるビデオオンデマンドサービスです。あらかじめ作品を選んでおいてダウンロードをWi-Fi環境下で行っておくと、ホーム画面下部の「ダウンロード」のリストの中に作品を貯め込むことができます。
これらの作品はオフライン状態でも再生可能。気分に合わせて観られる様に5作品ほどダウンロードしておきました。
出航前に、これらの準備をしています。
それと就航前にもうひとつ。
ソニーのヘッドホンアプリ「Sound Connect」ではおなじみの360 Reality Soundのための聴感特性データの作成です。
ソニーのヘッドホンは立体音響を個人用にカスタマイズできるシステムが用意されていて、ヘッドホン購入時にアプリの中で自分の耳を撮影して、そのデータをソニーに送信。自分用にカスタマイズされた聴感特性データをダウンロードして自分だけの立体音響エフェクトを利用できるように準備できます。
これも洋上に出てオフラインだとデータ送信に時間がかかりますので、出航前にやっておきます。
Xperiaを使っている場合は、Xperia側にも同様の機能があるので、ヘッドホンアプリ「Sonud Connect」と設定画面から「音設定」の中でも同様のデータ作成をしておきます。
いざ、バッテリーを満タンに充電して出航。衛星通信のテストが終わったら、私も自由時間です。三宅島から竹芝桟橋までの船旅を「WH-1000XM6」で楽しんでいこうと思います。
WH-1000XM6は折りたたみ機構を装備していて、コンパクトな専用ケースに降り立たんで収納することができます。できるだけコンパクトに収納できるように右耳ハウジングの内側に左側を巻き込んだ形で収納して、これで小さくしているわけですが、この折りたたみ方にもメーカーさんの工夫がされていました。
ケースの向かって下側に右ハウジングがあるんですが、これを右手で掴んで引き上げながら、折りたたみをばらしていくと。。。
なんと、そのままヘッドホンを右耳に装着する方向でもっていけば、装着出来るように設計されていたんです。これは目からウロコが落ちるようで、こんな仕掛けになっていたとは。
知らないと両手で持って、毎回「どうやって開くんだ?」と迷うところですけど、この展開の仕方を知っていれば迷うこと無しです。
「俺、左利きなんだけど」というのもあまり関係なく、どちらかというとヘッドホンを使う時には片手にスマートフォンを持っている可能性が高いので、右利きの人だと右手にスマホを持っているんですよね。左利きの方の方が使いやすいかも、とか思いました。
それと、ケースのロック方式なんですが、今回からマグネットフックになっています。WH-1000Xシリーズでは伝統的?にファスナーを採用していて、両手でケースを持ってファスナーを開く必要がありましたが、WH-1000XM6では片手でマグネットを外すだけです。ワンタッチというかワンアクションでケースの開閉ができます。
これも時短というか、使いやすくしてくれた工夫のひとつ。快適です。
それと、このケースなんですけど、スマートフォンで映画を観るときにはケース自体を台にしてスマートフォンを載せて使うことが可能。
高さを稼げるというか、スマートフォンの画面を近いところに持ってくることができて、これはこれで便利。
さらにいうと、WH-1000XM5では電源ボタンとノイキャンボタンが同じ形状の縦長ボタンだったんですが、WH-1000XM6では電源ボタンが丸形に変更されています。
WH-1000XM5も使っているうちにボタンの配置場所は覚えるんですが、WH-1000XM6は最初から手触りだけで操作ができます。使い始めたときの操作の慣れが早いですね。
さて、映画視聴の際には新搭載のリスニングモード「シネマ」を使いたいところです。これは「360 Upmix」というXperiaにも搭載されている機能でステレオ音源を360度立体音響にしてくれるエフェクトになっています。
WH-1000XM6では「360 Upmix for Cinema」という、Xperiaからさらに進化したモードを搭載しています。
今回は、この「360 Upmix for Cinema」と、Xperiaに搭載されている「360 Upmix」そして「Dolby Sound」との違いを自分なりに聴き比べてみるつもりだったんですが、映画を見始めて10分くらいで違いはわかるようになりました。
これ、だいぶ違いがあります。
画面はXperia 1 Vと、Xperia 1 VI、Xperia 1 VIIの3機種の再生音質設定の画面です。
使い比べてみないとわかりませんが、ハイレゾ相当の音にアップスケーリングする「DSEE Ultimate」と「360 Upmix」は排他使用になっていて、どちらかしか使えません。
Xperia搭載の「Dolby Sound」はXperia 1 VIでは「360 Upmix」と同時利用ができるんですが、最新モデルのXperia 1 VIIではどちらかの利用になっています。
ということで、これらの3種類を聴き比べてみましたが、なるほど、Xperiaの360 Upmixは音楽向けの立体音響エフェクトで、WH-1000XM6の「360 Upmix for Cinema」とは違うモノでした。主にセリフの音質が違ってくるんですが、セリフが映画館っぽい聞き取りやすい音になるのが「360 Upmix for Cinema」と「Dolby Sound」でした。
さらに、街の喧騒などの環境音についても「360 Upmix for Cinema」と「Dolby Sound」は持ち上げてくれているようで映画向けの音作りになっているんですね。
ただしXperiaの「360 Upmix」とWH-1000XM6の「360 Upmix for Cinema」は音の立体感というか、距離感がわかりやすくなっていて、「Dolby Sound」の平面的な音とは一線を画した感じがします。
なるほどー。こんなにも聞こえ方って変わるんですね。
ちなみにインナーイヤータイプの「WF-1000XM5」も持って行っているので、これも試してみましたが、この場合は「360 Upmix for Cinema」が利用できません。
Xperia 1 VIIに搭載されている「360 Upmix」と「Dolby Sound」の二択になります。音場を好むなら「360 Upmix」なんですが、音質を取ると正直言って「Dolby Sound」の方がそれっぽく聞こえます。「360 Upmix for Cinema」が使えないと物足りなく感じます。
現時点では「360 Upmix for Cinema」はWH-1000XM6でしか味わえません。今後、他の機種に搭載されるのかうかがったところ、WH-1000XM6の中で処理しているエフェクトなのでプロセッサーなどを揃える必要があり、他モデルに搭載できるのかはわからない、というのは開発者さんのお言葉でした。
いやー、しかし、こういう違いだったのかー。わかりやすいですねー。
Xperia 1 VII搭載 | 360 Upmix | 音楽向けの立体音響エフェクト 音に距離感が生まれ音源に広がりがでる 音質は基本に忠実 映画再生だとセリフが聞きにくい |
Dolby Sound | 映画向けの音響エフェクト 低域やセリフ音声が強調される感じ 環境音が聞きやすくなる 立体感はなく音は平面的 |
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WH-1000XM6搭載 | 360 Upmix For Cinema | 映画向けの立体音響エフェクト セリフが聞き取りやすく方向性がわかりやすい 環境音もより聞きやすく立体的に感じる ハッキリ言って映画見るならこれが一番 |
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私の素人な耳での感想なので、あまりアテにはならないかと思いますが、映画を1本、こうしたエフェクトを切替ながら観ると、おそらくブラインドテストでも100発100中で当てられるくらい、わかりやすく違いがあります。
簡単に言ってしまうとXperiaの360 UpmixとDoby Soundを足して2で割らない感じの音が「360 Upmix For Cinema」って感じです。Doby Soundもかなり良い感じの音質にしてくれるので、それが立体感満載になる感じです。
ということで、Xperia 1 VIIとWH-1000XM6を使う時のベストセッティングは私の場合はXperiaの再生音質はオーディオエフェクトオフで、Sound Connectのリスニングモードで「シネマ」をONにするのがベストセッティングでした。
映画「オッペンハイマー」ではシーンによって、いろいろな街の音が聞こえてくるんですが、シーンごとに研究室だったり、屋外だったりというシーンごとの音の違いがとてもわかりやすく感じられました。
WH-1000XM6で音楽を聴くときに「360 Upmix For Cinema」を使うと、ごってりしすぎるのでリスニングモードはスタンダードにして楽しむとよいかと思います。(もしくはXperia側で360 UpmixをONにしても良いかも)
「360 Upmix for Cinema」はこんなにも音質に違いがあるですね。
それと、最後に「ノイズキャンセリング」の話ですが、甲板デッキでも効果絶大でした。以前、飛行機に乗って試させてもらったりしたことがありますが、船上というのもかなり騒音の嵐です。
つねに甲板デッキにいたので、すっかり耳が慣れてしまっていたんですが、風の音もするし、あとエンジン音が常にしていたんですね。
ヘッドホンを装着した時の静粛さには驚きました。あらら、これは効果ありますね。そして、台風並みとまでは言いませんが、時速40kmで海の上を航行しているので、気温28~29度あっても涼しいくらいの風をずっと浴び続けています。ウインドブレイカーを持っていて、それを来て過ごしていましたが、それくらいの風を受けても、ノイズキャンセリングでマイクが「ゴボゴボ」ということはありませんでした。
風の音にもこんなに強くなっているんですね。
「Sound Connect」アプリには使用したヘッドホンのログを表示することができます。画面左はこの日の使用ログで午後からずっとヘッドホンを使い続けているのがわかります。
そして、画面右なんですが「ノイズキャンセリングによる聴覚影響低減」というのがあり、これはノイズキャンセリングヘッドホンを装着することによりどれくらいの時間、耳への大音量の負担が軽減されたのかが表示されます。
普段、私が利用しているJR線では、この軽減値はほとんど出ないんですが、この日の甲板デッキの音量の大きさがスゴかったのを表しているというか、この日だけかなり大きく振れているのがわかります。
比較するヘッドホンを持っていって、聴覚比較とかをしているわけではないんですが、船上でこれだけの効果を味わえたのは驚きでした。
■ソニーストアで購入するメリット
販売方法が今回は変わっていて、どこで購入しても同じ価格になるというメーカーとしてもチャレンジした販売を行います。
ソニーストアではいつもご利用いただいているAV商品10%オフクーポンや株主優待クーポンなどは利用できない販売形態になります。また量販店などでのポイント付与も対象外になり、どこで購入しても原則、同じ価格になります。
その代わり、ソニーストアで購入すると有償になりますがメーカー保証書範囲外の破損・水ぬれ等にも対応して貰える「ワイド保障」がつけられます。
「ベーシック」の補償内容が故障だけなのに対し、「ワイド」は故障、破損、水ぬれ、火災、水害、落雷など様々な事故に対応し、「無料」で修理をしてもらえます。これはソニーストアならではの施策です。期間は3年・5年からお選びいただけますが、この製品はモデルチェンジサイクルが3年ほどとなっています。ワイド保証3年だとギリギリなので5年にしておいた方がよいかもしれないですね。
なお、発売以来、こちらの製品のオーダーは多く、ソニーストアでの購入メリットをお感じになっている方も大勢いらっしゃるようです。
カラーバリエーションはブラック:プラチナシルバーで4:1ほどとなっています。プラチナシルバーの方が指紋跡などは目立たないのですが、長く使っていると使用感が出てくる感じがします。このモデルを買い換えで購入される方も多く、おそらくそうした使用経験からブラックを選ばれている方が多い様な気がします。
映画や動画再生にワイヤレスヘッドホンを使われる方に強くオススメしたいと思います。
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ワイヤレスノイズキャンセリング ステレオヘッドホン WH-1000XM6 |
ソニーストア価格: 59,400円 税込 |
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発売日 | 2022年5月30日 |
メーカー商品情報ページこちら | ||
延長保証 | 5年ワイド:5,500円 3年ワイド/5年ベーシック:3,300円 3年ベーシック:無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ 一部をのぞきクーポン対象外製品になります |
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テックスタッフ 店頭入特典 |
発売日以降 当店店頭展示予定 3年ワイド保証半額クーポンプレゼント他 テックスタッフ店頭ご利用特典のご案内 |

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