【Tips】「Ultra HDR」写真で遊ぶ『Xperia 1 VI』の話(この記事の掲載写真はUltra HDRを使っています)
先々週からドハマリしている「Ultra HDR」の続きの話です。イベントなどがあって、なかなか遊ぶ時間がなかったのですが今週はUltra HDR写真のためのRAW現像やファイル表示の方法をいろいろ調べてみました。WEBで調べてみても、なかなか解説されている記事がなかったのですが、大体の話をまとめてみましたので紹介したいと思います。
「Xperia 1 VI」や「Xperia 1 V」「Xperia 5 V」などをお持ちの方は必見だと思います。他にもHDR対応ディスプレイ搭載のスマートフォンをお使いの方は是非、最後までお付き合いください。
こんにちは、店員佐藤です。
このblogエントリーの写真を見て「あれ?なんか普通じゃないぞ」と、思われた方はおめでとうございます。Ultra HDRに対応した表示ディスプレイをお使いになっていることになります。
特に普通の写真と変わらないと思うんだけど、という方も身近にUltra HDRの写真を見る環境があるかもしれません。ちなみにUltra HDR対応の環境だとどういう風に見えるかと言うと、1枚目の2つのスマートフォンとカメラが写っている写真では右手前のXperia 1 VIの画面がキラキラと光って見えるはず。左奥にあるのは2024年発売の「Xperia 10 VI」ですがディスプレイがHDR対応ではないモデルなので、同じ画像を表示してもSDRの普通の写真になっている、という図なんです。
2枚目のイルカの写真は飛び上がった水しぶきに照明が当たっていてイルカの体よりも、かなり輝度が高く見えているはずです。
こちらの東京駅の夜景も照明が白くなっているだけではなく発光している様子が感じられるかと思います。Ultra HDR表示に対応していないディスプレイでは普通の夜景写真にしか見えないと思います。
ファイル自体はダウンロードしていただくとわかると思うのですが、普通のJPEGファイルになっています。厳密には「普通」ではなくて「ゲインマップ」というHDR用のレイヤーが重ねて記録されていて、Ultra HDR対応の環境ではゲインマップを表示して高輝度の部分を足すということをしています。非対応の環境ではゲインマップを表示せず、通常のJPEGファイルとして扱うのでSDR部分だけを表示するという仕組みです。
こちらのイルカショーの映像もUltra HDR対応の環境でしたら天井の照明部分と吹き抜けの空、奥にある看板などがキラキラした明るさになって見えているかと思います。非対応環境でも普通に圧縮した形でのHDR写真にはなっているので綺麗な写真に見えると思うんですが、Ultra HDRはそこからさらに高輝度の、見た目に近い写真表示を可能にしています。
この「Ultra HDR」というのはGoogleが推進している規格のようで、AdobeやMeta社が現在は共同ですすめているみたいです。
なんかあやふやな説明になってしまうんですが、なかなか正確なソースがなくて話を総合するとそういうことになるみたいです。
「HDR写真」として検索するといくらでも情報は出てくるんですが、従来の「HDR写真」というのは輝度差の大きなシーンで複数枚の写真を撮影して、輝度差の小さなSDRのデータに圧縮して合成して見せるもの。綺麗で精密な写真作品に見えるんですが、実際の見え方とは違っていて、言い方は悪いんですが塗り絵みたいなべたっとした質感になることもあります。
Ultra HDRではそうした圧縮をせずに高輝度の映像をそのまま表示する規格で、表示するディスプレイを選びます。HDR対応ディスプレイでないと表示はできず、Googleの説明によると1000nit以上の表示ができるディスプレイが必要となっています。
そして、表示するためのソフトウェアも対応している必要があるんですが、さすが、Googleが推進しているだけあって、現時点で「Google フォト」とブラウザの「Chrome」がUltra HDR対応になっています。
Android OS 14から対応するようになっているので、スマートフォンの場合はOS 14搭載のHDRディスプレイ対応モデルで、Chromeを使って記事を読まれている方がHDR表示になっているはず。
また、Windows 11もHDR対応になっています。HDR対応ディスプレイをお使いでOSでHDR表示をオンにしてChromeブラウザを使っている方はHDR表示ができます。【追記:Microsoft EdgeもHDR対応していました】
なので、今回のblogエントリーで表示している写真ですが、ULtra HDRで表示出来ている方は、上記の条件を満たしている方ということになります。
こちらの写真もUltra HDRです。手前は雲の影になっているんですが、奥に見える雪渓のところには陽が当たっている様子がわかるはず。非対応ディスプレイでは単なる白い道にしか見えないと思いますが、かなり写真表現が変わってくるのがわかります。
iPhoneの場合もHDR表示が可能なようで、会社でiPhone 12 Pro Maxを持っている人に協力してもらって見てもらったら「Google フォト」アプリでUltra HDRの表示ができました。
ということで、いくつかのサンプル写真をGoogle フォトの共有アルバムにアップロードしてみました。
iPhoneでHDR表示に対応しているモデルであれば、Google フォトアプリをインストールし、こちらのアルバムにアクセスして、いただくと、SDRとUltra HDRの写真を表示することができます。Ultra HDRの写真に文字データを入れるコトが私の環境ではできない(PhotoShopがあればできます)ので、SDR写真にだけメモを入れてあります。テロップ表示がない写真はUltra HDRになっていますので、これでご覧になれるはずです。
Xperiaで試したところではサムネールはHDR表示にならないようなので、写真を1枚表示にしないとUltra HDRでは表示されません。
データが本当にUltra HDRなの?というのはGoogle フォトアプリで写真データの詳細を確認すると、ファイル詳細のところに「Ultra HDR」という表示がでます。
iPhoneのGoogleフォトアプリでも詳細を見ると「HDR」という表示は出ますので、これでUltra HDR表示ができるかと思います。
言葉だけで説明しようとするとなかなか表現が難しいんですが、雪だるまのイルミネーション写真では雪だるまのランプのツブツブした感じとか、SLのイルミネーションのツブツブ感が出てくると思います。
上の写真では画面左がUltra HDRで、画面右がSDR表示です。だいぶ雰囲気がかわります。イルミネーション撮影とか夜景撮影ではkなりの威力を発揮すると思います。
なお、Ultra HDRの表現ですが、ディスプレイの最大輝度が高ければ高いほどキラキラ感が出ます。こちらの写真、左から「Xperia 1 VI」「Xperia 1 V」「Xperia 10 VI」です。一番右のXperia 10 VIはそもそもHDRに対応していないのでUltra HDRでの表示にはなっていないのですが、従来モデルから最大輝度1.5倍となっている「Xperia 1 VI」(画面一番左)の輝度は確かに真ん中のXperia 1 Vよりも明るく表示されていて、一番キラキラした感じになっています。
iPhone 12 Pro Maxや、お客様がお持ちになったPixel 9 Pro XLと比べてもXperia 1 VIの輝度の高さはずば抜けていて、もしかして私が2週間前からこんなに感動しているのはXperia 1 VIのおかげなのかもしれません。他の機種でのHDR表示はややわかりにくいかも。
さて、そのUltra HDR写真の作り方なんですけど、残念ながらUltra HDRでのカメラ撮影がスマートフォンで出来るのは現時点ではGoogle Pixelシリーズと、Galaxy S24シリーズだけみたいです。OS14になっているのが条件になるそうですが、Xperiaのカメラ機能では静止画撮影に、まだHDRモードとかないですもんね。
ということで、今回のUltra HDR写真はどうしているかというと、以前、ソニーのデジタル一眼カメラ“α”で撮影したRAWデータからHDR写真に現像して作成しています。
規格策定にはAdobeさんが協力しているようで、現時点でPhotoshop(サブスク版)と、Lightroomが必要になります。Lightroomはスマートフォン向けのモバイル版も対応しています。
現像方法は簡単でRAWデータを読み込ませて編集モードに入ったら、画面右上の「HDR」ボタンをクリックするだけです。これで編集がHDRモードに切り替わり、トーンカーブが4倍領域に切り替わり、SDRとHDRの領域表示が出ます。ここでHDR領域に入る信号が多いと、キラキラ感の強い写真データになります。
ちなみに、上記の編集中の画面で白飛びしまくっていますが、キャプチャーソフトがHDR対応になっていないので、実際に見える画面と違って白飛びしまくっていますが、HDR対応ディスプレイでは正確に表示されています。
今月から販売終了したINOZNE M9をPCモニターとして使わせてもらっているんですけど、めっちゃくちゃ綺麗です。
で、ゲインマップに記録されるHDR成分がどんな感じなのかは「HDRを可視化」というオプションにチェックを入れると確認できます。色がついた部分がゲインマップに記録されるところで、ここがキラッキラになるわけです。これができるのでSDRモニターでもある程度、イメージできるRAW現像ができます。
「SDRディスプレイのプレビュー」というオプションもあって、これにチェックを入れるとゲインマップをのぞいた、通常のSDRレイヤーの画像が確認できます。非常にわかりやすい作りになっていて、楽しく現像できます。
先週開催した当店の大井競馬場&羽田空港撮影会でも、この作業があったので、楽しくRAW撮影をしてきました。Ultra HDRでの現像をしまくって楽しんでいます。
なお、今回のblogエントリーに掲載しているUltra HDR写真もLightroomで現像した“α7S III”のRAWデータを使っています。出力する際に当店blogの規定値である長編640ドットに縮小することで、Blogの管理ソフトでの画像変換がされず、Ultra HDRデータのままのJPEGで表示掲載できています。
Chromeで表示すると対応ディスプレイがあればHDR表示ができます。
さて、Xperia 1 VI本体だけでUltra HDR写真の作成ができないか、ということですが、出来ます。Lightroomモバイルを使います。
まず、撮影についてですがカメラアプリのプロモード、もしくはXperia 1 V以前のモデルであればPhotography Proアプリを使って撮影します。
ファイル形式をRAWにすればOKです。
ちなみに暗所での撮影ではJPEG撮影にすると重ね撮りなどを自動でしてくれるモードがあります。RAWではそれがないのでノイズが盛大にでます。そういうシーンでの撮影の時は普通にJPEGで撮影するのも可です。
LightroomはJPEGファイルでも編集可能です。輝度差の大きそうなシーンで明るいところでだけRAW撮影です。
こちらはLightroomモバイルの編集画面です。調整>ライトの画面に入ると一番下に「HDRモードで編集」というスイッチがあるので、これをオンにするとUltra HDRでの編集になります。
画面右上にもHDRのマークが表示されていて、ここをタップするとトーンカーブが表示されます。やはり、ここにもSDRとHDRの枠が出ますので、HDRにたくさん信号が入るようにするとキラキラ写真になります。
最後は「デバイスにコピーを保存」でJPEGファイルでの書き出しができて、それがUltra HDRになります。
こちらはXperia 1 VでRAW撮影したものをLightroomモバイルで編集して、blogへのアップロードのためPCで指定サイズに出力したJPEGファイルになります。
Xperiaでの撮影でも、かなりのキラキラ感を得ることができます。
Android OS14でUltra HDRが対応になり、Google フォトとChromeがUltra HDR対応になっています。10月にはOS15が登場するそうですので、それをきっかけに対応アプリなども増えてくるかも。
ちなみにLightroomモバイルですが、編集中のHDR表示に対応しているのはGoogle Pixel 7の1機種のみだそうです。まだPixel 8などの他の機種での対応はしていないとなっていました。(実機が手元にないのでWEBで検索した情報だけしかないんですが)
Andorid OS 15が登場することでUltra HDR対応アプリの対象機種が増えると良いのですが、どこにもそうした案内はありません。
またXperia 1 VIについても、現時点でわかっているのは「プロ動画」モードが追加される予定だけで、Ultra HDRの対応については一切情報がありません。ですが、こうしてLightroomを使うことで画像生成、表示が出来るし、いずれは対応するようになるんでしょうね。
Xperia で撮影した写真データが全部Ultra HDRになったら、写真文化にも大きな違いがでてきそう。今まで撮影したRAWファイルを全部現像しなおしです。
当面は、デジタル一眼“α”で撮影したRAWデータをLightroomで現像する際にUltra HDRにしておくと、後々楽しめそう、という話だけなんですが、なんせ、Xperia 1 VIの表示画質がすごすぎて、これに痺れてしまっています。
2週間前に紹介した記事ではInstagramきっかけでUltra HDRを知ったという話をしていますが、こちらも現時点でアップロードに対応しているのがGoogle Pixel 7以降の一部機種のみという話で、Ultra HDRの表示についてはAndroid OS 14搭載のHDR対応機種でなら表示が可能。iPhone 12 Pro MaxでもインスタのHDR表示ができたので、普及するのは時間の問題の様に思えます。
以上、今週の「Ultra HDR」考察でした。
Lightroomアプリは月額1,078円のサブスクでの利用になりますが、お試し期間もありますので、Xperia 1 VIやXperia 1 Vをご利用の方は是非、お試しになってみてください。
人に見せるとビックリしてもらえる写真が作れますよ。
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