今年の天体ショー2大彗星の第一弾『ポン・ブルックス彗星』がこの春やってくる!
今週から期間限定で公開が始まった「CP+2024」のソニーブースでのスペシャルセミナーにて、沼澤茂美氏の「α+G Masterによる星空撮影の拡張性能を探る」も3月31日まで公開されています。
星景撮影をされる方にはとても面白いセミナーだったのですが、今回は星撮りをされていない方にもとても興味のある今年の2大天体ショーの話がありましたので、紹介したいと思います。
こんにちは、店員佐藤です。
沼澤茂美氏のセミナーは22日の開催当日にソニーブースにて生で拝聴させていただきました。毎年登壇されているカメラマンさんにとっては、この1年間にソニー”α”で撮影された作品の集大成の発表の場でもあるんですが、今回、非常にユニークな実験をされていて、その発表がありました。
高画素機”α7R V”には「ピクセルシフトマルチ撮影」というボディ内手振れ補正ユニットを使って1画素ずつずらして4枚、もしくは16枚撮影し、あとから合成することで写真の解像度を上げる機能が搭載されています。
それを使って星景撮影時の加算平均合成をすることができないか、というテストをされています。
結果から言うと効果がありランダムカラーノイズがグッと減り、偽色もなくなる効果があるとのこと。ピクセルシフトマルチ撮影には4枚と16枚の2パターンがあるんですが、さほど効果に差はないので4枚撮影で充分では、という結論です。
また、”α7R V”からピクセルシフトマルチの動体対応があり、星も動いているためそれに対応出来ないかという実験もされています。大きく明るい星や雲の流れは止められるものの、ごく小さな星の光には対応出来ず、これはまだ課題がある、という話でした。
ご興味ある方は、3月末までセミナー動画がアーカイブ配信されていますので下記にてご覧ください。
さて、今回紹介したいのは今年注目の天体ショー、2大彗星の接近という話です。上記のYouTube動画はちょうど、この彗星の話からスタートするように設定してあります。
そちらを見ていただくと沼澤氏の興奮も伝わってくるかと思います。(2024年3月31日まで視聴可能です)
簡単にご案内すると、今年、2つの彗星がやってきます。一つ目が3月末から4月始めにかけて見られる「ポン・ブルックス彗星」です。70年周期でやってくる彗星で今時点でもすでに観測されているとのこと。尾の長さは月の直径の10倍ほどはあり、夕方、日没から1時間ほど経ったところで西北西の空に見られるそうです。
レンズは200mmの望遠レンズから、尾の長さ全体を撮るのに50mm程度の大口径レンズが良いそうです。
そして、こちらが本番?になるようですが9月終わり頃になると「紫金山・アトラス彗星」というのがやってくるそうです。こちらは周期性はなく一度しかやってこない彗星なんですが、2020年以来の肉眼で見える大彗星になる可能性があるそうです。
こちらもレンズは望遠で撮るなら200mm程度。そして尾全体を撮るなら広角レンズでの撮影ができるとのこと。
写真は2020年のネオワイズ彗星を撮影したときのもので、35mm F1.4のG Masterレンズで撮影されたもの。なるほど、尾の長さがかなり長く標準レンズよりも広角なレンズで撮った方が風景も入るので良さそう。
肉眼で見えるくらいなので、大げさに言うとスマートフォンでも撮れるようになる可能性が高いそうです。24mmで20秒ほどの長時間露光で、記念写真まで撮れますよ、という話です。
こちらの紫金山・アトラス彗星は9月下旬から明け方の空で撮影ができるそうです。こちらが本番、という位置づけで、今回のポン・ブルックス彗星は練習にできる、というニュアンスでした。
そういえば、私も彗星撮影はチャレンジしたことがありません。滅多にないチャンスなので調べてみました。
沼澤氏の説明で、おおよそのことは分かります。チャートを見ると4月1日~4月10日頃までが見頃で、日没から1時間ほどしたところで西の空の低いところに見られるそうです。
皆既月食とか流星群と違って、彗星はこうして見られる期間が長いので時期が分かっていればその前後数日間がチャンスになるため、天候が良い日を探して撮影チャンスが何日か期待できる点が良いですね。
なお、彗星は明るさや形状が予想しづらく、やってきてみないとどういう見え方になるのかわからない、というところがロマンチックです。
ということで、さらに詳細を調査するなら「アストロアーツ」さんの特集記事が参考になります。
☆アストロアーツ特集ページ「ポン・ブルックス彗星はどこに見える?」
より詳しく彗星の見え方について案内があります。
3月の初め頃は日没後60分の時点で20度くらいのところ。4月10日頃に10度くらいのところまで下がり徐々に見えなくなっていきます。10度というのは手を思い切り伸ばしたところでこぶしを作り、そのこぶしの高さひとつで10度、ふたつで20度というのが目安。地平線から握りこぶし2個分くらいの高さのところに、今日時点では見えるはずとなっています。
※アストロアーツさんホームページより
明るさは一番明るい4月中旬頃で4等級くらいまでという予想になっているため、肉眼でみるのは難しい様子。双眼鏡や望遠レンズを使った写真撮影などで映るかどうかを試すことになります。
※アストロアーツさんホームページより
こちらは背景になる星座の位置です。日没後1時間程度なのでまだたくさんの星が見える時間ではないのですが、彗星探しの際の目印になるかと思います。
サイトではiOS/Android用アプリ「星空ナビ」などの紹介もしています。アプリを使うと彗星が見える方向までナビゲーションしてくれるとか。私もXperiaにインストールしてみました。無料で使えます。
彗星の撮影方法についてはケンコートキナーさんの特集コンテンツに説明があります。通常の星景撮影と一緒でマニュアルフォーカス、マニュアル露出が基本です。絞り開放でISO400~3200くらいに設定。望遠レンズでは長時間露光をすると星が流れてしまうのですが、広角レンズなら10秒くらいまで露光してもさほど目立ちません。
赤道儀を使って天体の動きにカメラを追従させられれば、より長時間露光も可能になります。
スマートフォンでの撮影方法まで掲載されているのでご興味ある方は三脚とスマートフォンホルダーを用意して挑戦してみるというのもアリですね。
#今日の星景写真 2024年3月6日
12P/Pons-Brooks and Andromeda Galaxy III
撮影:2024/03/04#戸隠周期70年のポン・ブルックス彗星、
アンドロメダ銀河(M31)の下、M33と共に輝く。
fl~50mm, F=2.8,ISO6400, 15sec#彗星#ポンブルックス彗星#12P/Pons-Brooks#アンドロメダ銀河#長野県は宇宙県 pic.twitter.com/1xrHTFUgCJ— Kouji Ohnishi 大西浩次 (@koujiohnishi) March 6, 2024
あとはSNSで「ポン・ブルックス彗星」を検索して見ると、現在の状態、見え方がリアルタイムに知られると思います。
沼澤氏のオススメでは50mm~200mmで開放絞り値の小さな大口径レンズがオススメとなっています。お手持ちのレンズで50mm F1.4や85mm F1.4、70-200mm F2.8のレンズがあればこれらでチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
これから1か月、天気の良い日の夕暮れ過ぎには西の空をチェックです。
それと9月の「紫金山・アトラス彗星」楽しみですね。映画「君の名は」みたいな彗星が撮れるかもしれませんよ。どこで撮影するか含めて『ポン・ブルックス彗星』でテストしてみましょう。
G Master 望遠ズームレンズ SEL70200GM2 |
ソニーストア価格: 363,000円 税込 |
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発売日 | 2022年11月26日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
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5年ワイド:33,000円 3年ワイド/5年ベーシック:16,500円 3年ベーシック:無償 |
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ソニーストア価格: 206,800円 税込 |
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発売日 | 2023年4月21日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
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5年ワイド:20,900円(税込) 3年ワイド/5年ベーシック:11,000円(税込) 3年ベーシック:無償 |
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発売日 | 2016年4月28日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
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