『α7 IV』のフォーカスブリージング補正機能の話
ちょっと前に作ったネタなんですが、デジタル一眼カメラ”α7 IV”に搭載されている「フォーカスブリージング補正機能」についてご案内したいと思います。
この機能はなんとソニーの”α”シリーズでは初搭載の機能で、上位機種の“α1”や動画撮影に特化した“α7S3”にも搭載されていない、“α7 IV”だけの機能になっています。
こんにちは、店員佐藤です。
発売から時間が経っているのと、動画撮影を目的に購入されている方には今さらの話だと思いますが、写真撮影をメインで使われている方には「?」な方もまだいらっしゃるかも。
「動画撮影を考慮した設計になっている“α”レンズではフォーカスブリージングも抑えられています」という説明で耳にしたのが私も最初だったと思います。なにが「フォーカスブリージング」なのかは上記のYouTube動画をご覧いただくと「なるほど」とおわかりになるかと思います。
こちらの2枚の写真で違いがわかるでしょうか? 上の写真は手前にフォーカスが来ていて、画角はやや狭くなっているモノが、奥にフォーカスが行くと画角が若干ですが広くなっています。
画面奥のaiboをみると尻尾の部分が見えたり隠れたりします。
写真撮影の場合はフォーカスを合わせて画角を決めれば良いだけの話なんですが、動画撮影の場合はフォーカスの移動とともに画角が変わってしまうと言うのは非常に困った話。
シネマレンズや動画に特化したレンズ、ソニーの”α”レンズでいくと「SELP18110G」(ソニーストア価格:445,500円)などが、そうしたブリージングやズームによるフォーカスのズレが起こらないよう設計された特殊なレンズ、という位置づけでした。
また、単焦点レンズの「SEL24F14GM」あたりからそうしたブリージングの起きにくいレンズというのをアピールし始めています。
新発売の”α7 IV”ではそのブリージングを電子的に補正する機能を初めて搭載。プロフェッショナル向けカメラの「FX6」も今年1月のファームウェアアップデートによりブリージング補正機能を搭載しており、現時点では“α7 IV”と「FX6」の2台がブリージング補正に対応したカメラとなります。
で、こちらはちょっと悪い見本なんですが。。。
今年の1月に“α7 IV”を持って撮影に行ってきたときの動画です。フォーカスブリージング補正機能の存在は知っていたモノの自動で効くモノと思っていたらそうではなく、ブリージングがあちこちで出てしまっている動画になっています。
一度、ブリージングの存在がわかるともうだめで、ブロックノイズみたいな感じでどこでブリージングが起こっているか無意識に探し始めてしまいます。LEDのトンネルがありそこで寄った撮影をしている箇所があるんですが、そこなどはブワブワと画角が動いていてやや不安定な感じになります。
撮影直後に調べてみたら、ちゃんと設定項目があることがわかったんですが、これがややコツがいるんです。
設定項目はメニューの一番最初にある「画質」タブの中の「レンズ補正」にあります。
「画質」>「レンズ補正」を開くとそこに設定項目があるはずなんですが、あれ?ここにないですね。というのも、これは静止画撮影モードでは出てこないからなんです。
グレーアウトすらせず、設定項目自体が表示されなくなっているんです。
2段ダイヤルのモード変更で動画撮影、もしくはS&Qにするとご覧の通り「ブリージング補正」の項目が出てきます。でも、これグレーアウトしていますね。
設定を変更しようとすると「このレンズでは無効です」という表示になりました。
α7 IVに新搭載のフォーカスブリージング補正機能ですが、実は対応レンズが決まっていて、非対応レンズでは利用ができなくなっているんです。
対応するレンズはこちらになります。
SEL14F18GM
SEL20F18G
SEL24F14GM
SEL35F14GM
SEL50F12GM
SEL85F14GM
SEL100F28GM (マクロ切替リング使用時は補正不可)
SEL135F18GM
SEL1224GM
SEL1224G
SEL1635GM
SELP1635G
SEL2470GM
SEL24105G
SEL28135G
SEL70200GM (テレコン使用時は補正不可)
SEL70200GM2
割と高額レンズが多いというか、ツァイスは1本もありません。レンズ側である程度ブリージングについての対策をしていないと対応が難しいのかもしれませんね。
なお、後出しで登場した「FX6」の方が対応レンズは多く、上記に加えて「SEL24F28G」「SEL35F18F」「SEL40F25G」「SEL50F14Z」「SEL50F25G」「SEL85F18」「SELC1635G」の7本が加わります。比較的安価なレンズもラインナップされているしツァイスも1本だけですが対応しています。
☆ソニーサポート「ブリージング補正対応レンズ」のご案内はこちらから
α7 IVでも小型レンズ3兄弟「SEL24F28G」「SEL40F25G」「SEL50F25G」は使える様になって欲しいところ。いずれ、ファームウェアアップデートなどで対応レンズが増えると良いのですが、今のところ、そういう対応があるかどうかは不明です。
対応レンズを装着すると設定項目に「ブリージング補正」の項目が表示されます。他社製レンズでは対応はしませんし、上記のレンズだけでしか今のところは利用ができないのですが、α7 IVのレンズ選びで、これは重要なファクターだと思います。
ブリージング補正に対応したレンズ「SEL70200GM2」を装着して、ちゃんとブリージング補正をオンにして撮ってきたものがこちらになります。
あまりフォーカスが前後するシーンはないんですが、それでもフワフワした感じはまったくなくなっていると思います。
そして4月28日発売の新レンズ『SELP1635G』もブリージング補正対応レンズで、さらにレンズ自体もブリージングをかなり抑える設計がされています。
カールツァイス「SEL1635Z」と新型パワーズーム「SELP1635G」のブリージング比較、そしてα7 IVボディによるブリージング補正まで行って比較した動画がこちらになります。
「SELP1635G」だけで補正無しでも充分ブリージングは抑えられているんですが、そこにα7 IVのブリージング補正が入るともう最強です。
α7 IVと組み合わせで使うワイドズームレンズは「SELP1635G」が最強っぽいですね。
ここまで店頭でご案内をすると「α1でもこれは使えないと」「α7S3にこそこの機能が必要だ」という話になってしまうんですが「FX6」がファームウェアアップデートであとから実装していますので、α1も、α7S3もそのうちファームウェアアップデートで搭載されると、個人的には信じています。(メーカーさんからはこの件についてなんのコメントも出ていませんので、問い合わせたりしないでください)
フォーカスブリージング補正は当店店頭でもお試しいただけます。α7 IVをお持ちの方は、レンズの組み合わせで是非お試しになってみてください。
デジタル一眼カメラ 『α7IV』 ILCE-7M4 |
ソニーストア価格: 328,900円 税込 |
|||
発売日 | 2021年12月17日 | メーカー商品情報ページはこちら | ||
延長保証 |
5年ワイド:33,000円(税込)
3年ワイド/5年ベーシック:16,500円(税込) 3年ベーシック:無償 |
|||
金利0% クレジット |
24回分割手数料0%+10%オフクーポン 月々12,300円 残価設定24回分割+10%オフクーポン 月々7,500円 (残価額:115,000円設定) |
|||
ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ 24回払いまで分割払手数料【0%】 残価設定クレジットの分割払手数料が【0%】 |
|||
テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
【4月28日発売の新型ワイドズームレンズのご案内】
16-35mm パワーズームレンズ SELP1635G |
ソニーストア価格: 165,000円 税込 |
|||
発売日 | 2022年4月28日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
長期保証 サービス |
5年ワイド:16,500円(税込) 3年ワイド/5年ベーシック:8,800円(税込) 3年ベーシック:無償 |
|||
ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
|||
テックスタッフ 店頭入特典 |
発売後 当店店頭にて展示予定 テックスタッフ店頭ご利用特典のご案内 |
☆ソニーストアの提携カード「Sony Bank Wallet」のご案内はこちらから
【レビュー】“α7 IV”で写真と動画の撮り分けに便利な『フレキシブル露出』
“α7 IV”の撮影テクニックネタです。発売からすでに10ヶ月が経とうとしていますが、今さらながら写真と動画撮影の撮り分けに便利なテクニックをお客様から教えていただき、これが目からウロコが落ちる様な技でした。 まだご存じ […]
『α7 IV』のフォーカスブリージング補正機能の話
ちょっと前に作ったネタなんですが、デジタル一眼カメラ”α7 IV”に搭載されている「フォーカスブリージング補正機能」についてご案内したいと思います。 この機能はなんとソニーの”α”シリーズでは初搭載の機能で、上位機種の“ […]
【これを読めば全てわかる!】α1の機能を多数搭載!『Beyond Basic』次世代の新基準ミラーレス一眼『α7 IV』総まとめレビュー!
ミラーレス一眼”α7 IV”に関する当店の記事をまとめたページになります。機能や実機の様子、実際に”α7 IV”で撮影した店員による作例などをご覧いただけます。 1.α7 […]
【レビュー】これがハイブリッドカメラだ!『α7 IV』実機レビューレポート in アクアパーク品川
発売以来、数回にわたりお届けしているニュースタンダードフルサイズ“α7 IV”の実機レポート記事ですが、今回は「静止画/動画独立設定」の機能を使ってきました。 「動画は4K HDRで撮って4Kブラビアで観たいんだけど、写 […]
【Tips】ソニー”α7 IV”でFTP転送を使ってみよう
ちょっと「今さら」感があるかもしれませんが、昨年末に店頭でお客様からα7シリーズのFTP転送の技を教わって、この年末にαとXperiaを接続していろいろ試していました。 さらっと年末の写真遠足のときに紹介しましたが、その […]
【レビュー】“α7 IV”で撮る 世界一幸せな動物『クオッカ』
2021年も大変お世話になりました。今日は大晦日。このblogエントリーが2021年の今年最後の当店記事になります。 今年最後の記事は2021年の最後を華々しく飾った新型ミラーレス一眼“α7 IV”の記事で締めくくりたい […]
【レビュー】ミラーレス一眼最新モデル“α7 IV”と行く『角川武蔵野ミュージアム』
待望の新型ミラーレス一眼“α7 IV”が到着して最初の週末を迎えました。どこか写真を撮りに出かけたいなー、あ、そうだ、コロナ禍もあって近所だったのにまだお邪魔していなかったサクラタウン・角川武蔵野ミュージアムに出かけてみ […]
【レビュー】新型モデル“α7 IV”のメモリーカードはSDカードでも大丈夫? CFexpress type Aカードと比較レポート
先週の土曜日に発売された、新型デジタル一眼カメラ「α7 IV」の実機レビューレポート第一弾です。 もう各所でメモリーカードのことが話題になっていると思いますが、当店でもご質問が多いので、実機レビューレポート第一弾はCFe […]