【これを読めば全てわかる!】α1の機能を多数搭載!『Beyond Basic』次世代の新基準ミラーレス一眼『α7 IV』総まとめレビュー!
ミラーレス一眼”α7 IV”に関する当店の記事をまとめたページになります。機能や実機の様子、実際に”α7 IV”で撮影した店員による作例などをご覧いただけます。
■α7 IVの機能まとめ
「Beyond basic 次代の、新基準へ」というキャッチコピーで登場した「α7 IV」は、静止画と動画の撮影性能や操作性、共有・配信機能を一新。
有効約3300万画素の35mmフルサイズ裏面照射型CMOSイメージセンサーExmor Rを搭載し、高解像とともに拡張ISO204800の高感度を実現しています。
また、αシリーズのフラッグシップ機である「α1」にも搭載されている従来比最大約8倍の高速処理が可能な画像処理エンジンBIONZ XRや、AIを活用して高速・高精度・高追従に被写体をとらえるAF技術など、ソニーの最先端のカメラ技術を凝縮した新世代のベーシックモデルとなっています。
特長をざっと書き出すと以下の通りです。
- 有効約3300万画素の新開発イメージセンサーと最新世代の画像処理エンジン
- 高速処理や高画質撮影を実現する有効約3300万画素の新開発フルサイズ裏面照射型CMOSセンサー Exmor R
- 従来比最大約8倍の高速処理が可能、将来を見据えた革新的な新アーキテクチャー採用
- 写真も動画も、カメラ単体で思い通りの表現が可能なクリエイティブルック
- 5.5段光学式5軸ボディ内手ブレ補正
- 4D FOCUS 像面位相差方式に対応、広範囲・高速高精度・高追随AF
- より粘り強く被写体を追尾するリアルタイムトラッキング
- リアルタイム瞳AF(人物/動物/鳥)
- 最大約10コマ/秒のAF/AE追随高速連写
- 大容量バッファメモリーによる連続記録
- CFexpress Type Aメモリーカードに対応
- マウントアダプターLA-EA5を装着したAマウントレンズでも像面位相差AFに対応
- 画素加算のない全画素読み出し4K 60p動画記録
- 画素加算のない全画素読み出し7Kオーバーサンプリング(フルサイズ時)による高解像4K動画記録
- 4K解像度での最大2.5倍のスロー動画記録
- シネマティックな表現を実現するルック S-Cinetone
- 業務用カメラとの親和性を高めたS-Log撮影
- ハンドヘルド動画撮影を強力にサポートする高性能手ブレ補正「アクティブモード」
- 動画撮影時にもリアルタイム瞳AFの動物・鳥対応
- 効率的な動画編集をサポートする「プロキシー記録」
- 撮影の自由度を高めるバリアングル液晶モニター
- AF中のフォーカストランジションをサポートするAFアシスト
- 映像の被写界深度を可視化、フォーカシング設定の負荷を軽減するクリエイター待望のフォーカスマップ
■ポイントとなる機能
“α7 IV”はフルサイズセンサー搭載の標準機として4世代目のモデルになるので、α7 IIIからのアップデート項目が気になるところですが、長年、ソニーαと付き合っていらっしゃる方はご存じの通り、別にα7 IIIから機能を改造してα7 IVが開発されているわけではありません。
ソニーでは常に新機能の開発を行っており、それを発売されるモデルのタイミングごとに載せていき、クラス分けされている感があります。そのため、α7 IIIはタイミング的にいってα9の開発後に登場したベーシックモデルとなり、今回のα7 IVはフラッグシップモデルα1から派生したモデル、という見方ができます。
α7S3で画像処理エンジンが「BIONZ XR」になり、UIが新デザインのものに刷新されています。その後、α1がそれを踏襲し、α7IVは「BIONZ XR」と搭載する3代目のモデルとなります。
α7 IIIと比較してα7 IVが最も魅力的に思えるのが「リアルタイムトラッキングAF」だと思います。
「リアルタイムトラッキングAF」は色や模様だけではなく、空間情報のリアルタイム高速処理を行って被写体を追い続けてくれる機能です。
これを使い始めると、静物の撮影でもAF-S&スポットAFでフォーカスを合わせるのではなく、AF-C&トラッキングAFで被写体を認識させて、あとは自由に構図を作る、という撮影方法に切り替わってしまうほどの、大革命を起こしてくれます。
そのトラッキングAFを実現してくれる像面位相差AFは撮像領域のほぼ全域を占める759点という測距点になっています。これはα1と同等。BIONZ XRでの高速処理と合わせて、動体追随性能はα7 IIIに比べて、さらに向上しています。
α1で初搭載された鳥瞳AFもα7 IVで使えます。しかもフラグシップモデルであるα1にしても、静止画では人物、動物、鳥瞳AFが使えますが、動画撮影では人物瞳AFのみとなっていました。
しかしα7 IVでは、人物も動物も鳥も動画撮影で瞳AFが使えるという進化を果たしています。これができるのは現時点ではα7 IVのみ。α1でもまだ実現していません。
同じBIONZ XRを搭載しているのでα1も後日、ファームウェアアップデートがあるかもしれませんが、野鳥撮影を動画でも!と、考えている方はα7 IVをそろえてもよいのでは!?
操作系でも新しいものが登場しています。モードダイヤルが2階層になり、静止画/動画/スローの3モードでの切り替えがモードダイヤルの下に入りました。ZV-E10では、これをボタンで切り替えて使っていたのですが、α7 IVでは新たな方式で切り替えができます。
その上にあるモードダイヤルにはメモリー1、2、3が用意されていて、これが静止画/動画/S&Qのそれぞれで別々に設定を記憶させることができるとのこと。つまり合計9つの撮影設定を使うことが可能ということになります。
これなら写真はSDR、動画はHDRでの記録など、本格的な切り替えがダイヤル2発の操作で行えます。
そのほか「AFアシスト」「フォーカスマップ」という見慣れない機能も初搭載されています。
「AFアシスト」は写真で言うところのDMFの様な機能で、フォーカスを合わせてもらいたい被写体へフォーカスリングを回してあげると、そちらにオートフォーカスが働くようになる機能です。
マニュアルフォーカスではフォーカスを移したい被写体に神業のごとくぴったりとフォーカスを合わせないといけないのですが「AFアシスト」では適当にフォーカスを合わせれば、それであとはカメラがフォーカス追従をしてくれるようになります。
「フォーカスマップ」というのは上記の温度表示みたいな画面で、フォーカス面を表示してくれる機能です。従来はピーキング表示を使って、フォーカスが合っているところのエッジに白や赤のラインが表示されていましたが、フォーカスマップを使うとフォーカスが合っている面の色を透過させて、フォーカスが合っていないところに色づけをします。
これだとなにが写っているのか判別しにくくなってしまいますが、フォーカス面を重視した撮影のときなどに利用するんだと思います。
手振れ補正関しては光学式5軸ボディ内手ブレ補正機能に加え、カメラに内蔵した高精度な手ブレ補正ユニットとジャイロセンサー、最適化されたアルゴリズムにより動画時の手ブレ補正効果を向上させる「アクティブモード」に対応。圧倒的に安定した動画撮影が可能になっています。
■α7 IV 実機の様子
BIONZ XR搭載の3機種目、フルサイズセンサー搭載機種のベーシックモデル“α7 IV”は露出補正ダイヤルがカスタマイズ可能になったり、4:3→3:2アスペクト比に液晶モニターが変わっていたり、なにげに変更点、注目ポイントが多いモデルです。
まずはそのボディ外観からなんですが、α7S3、α1と共通のボディになっています。ジグなどを装着したいんだけどα1と寸分違わず同じなんですか?というご質問がありましたが、天面のダイヤル類の配置、液晶パネルのアスペクト比以外はまったく同じでした。
こちらのジグはα7S3用のものをα1に装着して使っているのですが、それを外してα7 IVに装着したところです。特に当たるところもなく装着が可能。
ボタン類、メモリースロットのフラップ類も干渉するところはなさそうです。
レギュラーサイズのHDMI端子が搭載されるようになりましたが、そちらもα1と位置は違っていますがアクセスは大丈夫。
バッテリーフラップなども同様です。寸分違わず同じボディになっています。
そしてα7 IVでは新たに、電源を切った際にシャッター幕を下ろす機能が搭載されています。これはα1から追加された機能だったと思います。デフォルトではシャッター幕は開いたままなのですが、設定することでレンズ交換時に電源を切って、センサーを隠した状態でレンズ交換ができます。
これも聞くところによると一長一短あって、この状態でシャッター幕を誤って触ってしまい幕を曲げたり変形させてしまうとシャッターが開かなくなる危険があります。センサーを触ってしまった場合はクリーニングするだけで済みますが、修理代がかかるかも、という話ですね。
風のあるときにだけ使おうとしても、ゴミやほこりがシャッター幕についたままだと、そのままシャッターに巻き込んでしまい故障の原因になる可能性も。とはいえ、こうしてレビュー撮影時にシャッターが降りていると気兼ねなくレンズを外しての撮影ができるのも事実。シーンに合わせて設定してお使いください。
こちらもご質問をいただいていましたが、NFCはα7 IVでは非搭載になりました。ご覧のとおり、NFCマークはなく機能も搭載されていません。
WF-1000XM4などのワイヤレスヘッドホンでもNFCの非搭載が始まっていて、その代わりに「Fast Pair」という機能がスマートフォンに搭載されています。近くでペアリングを求める機器があると自動で接続しに行ってくれる機能でヘッドホンなどではNFCの非搭載機種が増えてきています。
このα7 IVでもNFC非搭載の代わりに新しいが搭載されていました。
特に名前はないと思うんですがBluetoothの常時接続機能が搭載されています。まず最初にスマートフォンにインストールした「Imaging Edge Mobile」とBluetoothペアリングを行うのですが、これで常時、スマートフォンがαとBluetoothでつながる状態になります。(そういえばImaging Edge Mobileで新規機種登録をするときにILCE-7M4が別立てで案内されていましたが、このための機能だったようです。)
スマートフォンで「Imagein Edge Mobile」のアプリを開くと、上記の画面が開き「画像を取り込む」のか「リモート撮影」するのか設定を変更する「セットアップ」をするのか聞かれます。
「見る・取り込む」を選ぶと、そこでWi-Fi接続が始まりカメラの中の画像をスマートフォンで見ることができるようになります。従来はここでNFCタッチをしたりQRコードの読み込みをしたりしてWi-Fi通信を行っていたのですが、これは速い!
Wi-Fiでの接続が始まらずにイライラすることがなく、瞬時につながるのでかなり快適に使えます。NFCの代替え機能ではなく、進化した機能と言っても良いでしょう。
しかもα7 IVは5GHzのWi-Fiが使えます。2.4GHzと比べると体感では10倍くらい速い通信伝送ができるので、動画転送などでは5GHzなしでは考えられません。
USB接続の際も、従来はあらかじめ接続された時にどういう接続をするのかカメラ側に設定をしておく必要がありましたが、α7 IVではUSB接続があったときにどの接続方法にするのかをカメラ側で選択するように改善されています。
ライブストリーミング機能も搭載されていますが、USB接続してから選ぶことができます。目から鱗が落ちるような快適さになっています。これはもうα1よりも使い勝手が良いカメラになっているんじゃないでしょうか?
なお、今回のα7 IVでは背面液晶に新しい形のモニターを採用しています。従来のα7シリーズでは4:3比率の液晶モニターを搭載していたのですが、α7 IVは3:2比率の液晶モニターを搭載しています。
従来モデルの液晶保護ガラスを装着しようとしても使えません。また、新しい形のモニターなのでサードパーティー製の発売にもまだ時間がかかると思われます。買い忘れた方は今すぐ、ソニーストアで追加オーダーをどうぞ♪
■α7 IV 新機能チェック
機能面での進化についてですが、メニュー画面は3:2ディスプレイのアスペクト比になっていて、デザイン比率が変わっているはずなんですが、特に違和感は感じられません。従来通り使えます。
USBストリーミングの接続はUSBケーブルを接続したときに行いますが、USBストリーミングの画質設定などはあらかじめ行っておきます。
4Kだと15pになりますが、HDでは60p、30pなどが選択できます。
USBでライブストリーミングしつつ、動画の撮影記録も行えるようで、こうした機能はこの数年で一気に進化してきましたね。
人物と動物に加えて、鳥瞳AFができるようになるのはα1に続いて2機種目です。しかもα7 IVでは動画撮影時でも動物瞳AF、鳥瞳AFが使えるという、α1でもまだ実現していない撮影機能が搭載される下剋上状態になっています。
α1を使っている方にはおなじみの鳥瞳AFですが、それ以外の全てのαを使っている方からすると、88万円のカメラにしかなかった機能が328,900円のカメラに搭載されているという、55万円のプライスダウンカメラに見えます。
鳥瞳AFから動物瞳AFへ切り替えると、こうしてフィギュアが並んでいる状態でもちゃんと動物の方に瞳AFが映ります。いちいち、動物とか鳥とか選ばないで、なんでも瞳AFが効くようになればいいのに、と、思うときがありますが、たいていの場合、どちらを被写体にするのか決めて撮影しているはずなので、こうして人物、動物、鳥と瞳AFのジャンルが分かれているのは理にかなっているんでしょうね。
新搭載の写真、静止画、S&Qの切り替えについてはモードダイヤルの2層化によって新しい操作性になっています。レンズ側の方に突起があり、それを人差し指で回して切り替えるようになっています。クリック感はなくスルッと回ります。
写真、静止画、S&Qのそれぞれにモードダイヤルの1、2、3が機能するのでモードダイヤルには9つの機能を割り当てることが可能。
カスタマイズ機能の可能性はモードダイヤルだけ見てもかなり広がります。これなら静止画はSDR、動画はHDRの設定もいくつものパターンで設定ができます。従来だとモード1に静止画SDR、モード2に動画HDR、モード3にはS&Qとかの設定とするしかなかったものが一気に3倍です。
動画撮影についてですが、4K 60Pでの撮影についてはSuper 35mmと呼ばれるAPS-Cサイズにクロップされます。フルサイズ画角での撮影では4K 30Pまでとなっていて、その設定がどうなっているのか見てみたのですが、なんてことはありませんでした。
APS-C/Super 35mmクロップのオート設定などは気にせず、フレームレートが上記の3種類から選べるようになっていて、60pを選択すると自動でクロップされるようになっています。仕組みだけ理解していれば切り替えは簡単です。
動画撮影の新機能「AFアシスト」も試してきました。動画撮影モードにしておいてAFアシストを入りにします。
被写体が動物と鳥を使っているので、瞳AFが動作してそれに引っ張られないよう、ここではあえて瞳AFは人物にしておきます。
ワイドエリアAFで最初にフォーカスしたのは手前にある鳥でした。ここでフォーカシングリングを回して奥にいる犬にAFに持って行きます。
AFの操作はかなりアバウトで、これくらいで合わせると、あとはカメラ側がオートフォーカスで鼻のあたりにフォーカスを持って行ってくれます。
そこからさらにフォーカスを繰り出すと。。。
背景にAFポイントが映りました。フォーカスリングは割とダイレクトに回ってくれる感じなんですが、SEL24105Gの場合は気持ち大きめに回さないとフォーカスが移ってくれない感じも。慣れれば繰り出し量がつかめて思い通りに使えそうです。
フォーカスを思い切り手前側に持ってくると、再び、一番手前の鳥にAFがやってきます。
今までだとタッチパネルを使ってタッチフォーカス、トラッキングAFのポイント変更で使っていましたが、それだとファインダーを覗いたままでの操作ができません。これならファインダーを覗いたままで操作ができます。
この動作を「フォーカスマップ」でも試してみます。
「フォーカスマップ」は従来のピーキング表示に似た機能をもつもので、ピーキング表示の場合はフォーカスが合っているところのエッジにマーキングが出ていたものが、フォーカスマップは面で表現をしてくれる機能。
フォーカスが合っている場所は素通しで、ボケているところには色がつく、というものになっています。
こちらは「フォーカスアシスト」を使いながら「フォーカスマップ」表示をしているところです。画面の中に何が映っているのか、かなり見にくく視界が悪くなっていますが、手前の鳥のどこをフォーカスポイントにしているのかがわかります。
フォーカスを送って犬に合わせてもらいました。このときはいつの目のところにフォーカスが行っていて、被写体をうまく見つけてくれているのがわかります。
そして、赤くなっている手前の鳥はボケてはいるものの、なにかある、という認識をしてくれているみたいです。
さらに送って、背景にフォーカスを合わせてみました。今度は一番手前の鳥が青くなって、なにかある、と認識している赤が背景から近い犬になっています。なるほど、カメラが被写体認識をどうやってみているのかが色でわかるみたいですね。
手前に戻して犬にAFアシストしてもらいました。今度は鼻のところにAFを合わせています。手前の鳥を「なにかある」と認識しているみたいです。
構図のチェックなどがしにくくなりますが、使いこなすと微妙なAFポイントをこれで識別出来そうです。
これも今のところα7 IVだけの機能。ある意味、α7S3以上の動画撮影のためのアシスト機能が搭載されている感じがします。
α9 IIとα1にしか搭載されていなかった「フリッカーレス撮影」「高分解シャッター」なども、ベーシックモデルとうたわれているα7 IVに搭載されています。
フリッカーレス撮影というのは、以前のモデルだと蛍光灯の50Hz、60Hzにしか対応できていなくて、蛍光灯の明滅のタイミングを計って明るいときにだけシャッターが切れる、という仕組みでしたが「高分解シャッター」になってからはLED照明の高周波光源の際にも対応しています。
シャッタースピードが「1/2439」とかすごい数字になっていますが、これが高分解シャッターを使っているときの様子です。写真でのLED光源のフリッカーも、動画撮影時の速いタイミングのフリッカーにもこれで対応。
詳しい説明については上記のヘルプガイドをご覧いただくと理解が早いかと思います。
蛍光灯のフリッカーレスはわかりやすいのですがLED光源のフリッカーの仕組みはちょっと難しいですからね。
3:2ディスプレイになって便利になったポイントもあります。こちらは撮影した画像の一覧表示をしている画面です。
通常はこの9枚表示をしていて、多くの方が一覧表示をするときはこの画面を見ていると思います。
それを再生オプションで一覧表示の方法をカスタマイズすることができます。従来モデルでもこの機能は使えるのですが4:3ディスプレイのときはこれが25枚表示でした。
α7 IVでは30枚表示に増えています。
これが30枚表示の画面です。連写しているときのフォーカスが一番合っているシーン、とかを探すのには向いていませんが、バットとボールが一番近くなっているカット、とかを探すのにはこの方が便利かも。
さらに、画像送りのオプションになりますが、これは確かα7S3の時からついたんじゃなかったかな。。。(違っていたらすみません) 送りの枚数をカスタマイズできます。
ダイヤル1ノッチで1枚にするか、10枚にするか、100枚にするか。さらによく見ると3分ずつや、5分ずつといった、時間での送りも増えています。これはα1でも見たことがありません。
再生時にこれを前後ダイヤルに割り当てられます。私がカスタマイズしたのですが、こうして3種類の枚数で設定すると大中小の送りができるようになります。超大量連写したときに便利そうです。
それと、こちらはほんとに時間軸で遅れるのか試していないのですが、時間ごとの送り、などもできます。枚数と併用して設定しても良いかもしれないですね。
他にも「Shot Mark」や「区切り画像」というのも発見。こちらは自分で任意の区切りを入れられて、そこまで送るという機能なんだと思います。大量に撮影したときのカット探しが飛躍的に便利になりそうです。
むしろα7 IVというよりも、これはα1とかα9 IIユーザーさんが欲しい機能かもしれませんね。
そして、操作性についてもっとも変化があったのが、こちらの露出補正ダイヤルのカスタマイズ機能です。長らく、ここに数値が刻まれた露出補正ダイヤルが装備されていましたが、これがカスタマイズできるようになりました。
こちらがダイヤル、ホイールのカスタマイズ画面になります。前ダイヤルと後ろダイヤルに設定される絞りとシャッタースピードは従来から入れ替えて使うことができましたが、α7 IVでは、これらのダイヤルも自由に機能割り付けが可能になっています。
「Mモードとその他のモードを分ける」というチェックボックスがありますが、これを使うとMモードの時にだけ別の機能を割り付けることができます。
例えば、もっとも一般的に使われるであろう配置がこんなのでしょうか? マニュアルモードの時には露出補正ダイヤルは不要になっていましたが、ここにISO感度を設定しておくと露出補正の代わりにISOで露出調整をすることができるようになります。
MモードではなくS、A、Pモードの際は従来通り露出補正ダイヤルとして利用が可能。普段からマニュアルモードをあまり使っていない方で、いざというときに利用される、という場合はこれがベストかも。
これでもまだホイールの機能が空いているので、ここに色温度とかホワイトバランスを組み合わせるというのもありですね。
さらに「マイダイヤル」機能を使って、ここにクリエイティブルックなどを割り当てて、コントロールボタンでダイヤルに割り付ける機能をガラッと全部入れ替えることもできます。
今までファンクションメニューを使っていた方で、頻繁に設定を変える機能があるなら、これらのダイヤルに割り付けることで、さらに「自分だけのα」に成長させることができそうです。
カスタムキーの設定だけで、こうして5つもタブがあり「こんなの使いこなせないよ」という方もいるかと思いますが、大丈夫です。必要のない方はデフォルトのままで使えばOKです。α7 IVを使い込んで必要に感じたときにカスタマイズすれば良いだけの話です。
α7からフルサイズミラーレスを使ってきて、いよいよ、自分だけのカメラに成長させることができるモデルが出てきたな、と燃えている方は、是非、店頭でカスタマイズ自慢をお聞かせくださいませ♪
カスタマイズボタンには「Shot Mark」というボタンもありました。これが先ほどの再生時のマークを入れるボタンなんだと思います。
撮影時だけではなく、再生時のボタンカスタマイズもこれは設定のしがいがありそうですね。
“α7 IV”には「静止画/動画独立設定」なるものも搭載されています。これは“α7S3”以降に搭載された機能になるのですが、これで写真撮影モードと、動画撮影モードで設定値を共通させるものと独立させるものを自分で決めることができるようになっています。
たとえばですが、シャッタースピードにチェックを入れておくと、これで静止画と写真で別々のシャッター速度を設定しておくことが可能になります。
動画撮影の場合、基本はフレームレート(秒何フレームで撮影するか)と同じか半分程度に設定するのが理想と言われています。通常の秒30フレームでの撮影の場合はシャッタースピードは1/60もしくは1/30に設定をします。秒24フレームの場合は1/50もしくは1/25秒です。
写真撮影の場合、被写体が動物やスポーツシーンでの速い動きの場合は1/1000秒程度の高速シャッターで切りたいところ。そこで、静止画では1/1000秒に設定しておくとこで、動画と静止画の切替のみでシャッタースピードが変更できます。
さらに、ピクチャープロファイルやフォーカスモードも独立設定が可能。静止画ではピクチャープロファイルは無しで動画は「PP10」の設定ができるわけです。
“α7S3”ユーザーさんや、“α1”ユーザーさんもこれは利用ができるので、是非利用したいところですね。
■CFexpress type AカードとSDカード比較
α7 IVはスロット1がCFexpress type AカードとSDカード(UHS-II)のデュアルスロットになっていて、スロット2がSDカード(UHS-II)のみの対応となっています。
高速書き込みが可能な次世代メモリーカード「CFexpress type A」カードを使うと、どのフォーマットでもほぼすべて無限書き込みが可能なことがわかっていますが、SDカードではどれくらいの連写記録ができるものなんでしょう?
メーカーサイトの仕様には「CFexpress type A」カードでの計測値しか表示されていなくて、SDカードでの計測は非公開となっています。そこで、当店でSDカード各種を使っての連写撮影の計測をしてみました。
ちなみにメモリーカードには「最大書込速度」の表記があり、それが高速書込のできるカードの目安になっていますが、それとは別に「最低書込速度」というのも存在します。
これは動画撮影の際に必要な連続での書込速度を保証するためのもので、動画撮影時にはこれがかなり重要な指標になります。
SDカードについてはソニーのホームページにあるSDカード「TOUGH」シリーズの仕様で掲載されています。
SDカードに記載されている「V90」とか「V60」という表記を見たことがあると思うのですが、これはビデオスピードクラスと言って、これが最低書込速度の指標となっています。
ソニーのタフシリーズでは高い方の「SF-G」シリーズと、安い方の「SF-M」シリーズがありますが、高い方の「SF-G」が「V90」で、安い方の「SF-M」が「V60」になっています。
最大書込速度が299MB/sと、150MB/sという記載で分けられていますが、実はこうした最低書込速度というのにも差があります。
動画撮影時の連続信号記録のための規格ではありますが、長時間の連写をしている際はこうした指標も関係がありそうですね。
なお、次世代規格と言われている「CFexpress type A」カードですが、こちらは最大読取速度が800MB/s、最大書込速度が700MB/sとなっています。
ビデオクラスなどは当てはまらないのですが、こちらにも規格による最低書込速度はあって、写真内でカチンコに400という数字が書かれたアイコンが見えると思いますが、これがその規格「VPG400」というもの。最低書込速度は400MB/sとなるそうです。
SDカードが90MB/sとか60MB/sという規格なのに、それを遙かに凌駕するデータ量です。これは桁違いの連続撮影ができそうな数字ですね。
ということで、ソニーのCFexpress type Aカードの他にビデオスピードクラスV90、V60、V30のSDカードをそれぞれ用意してみました。
この4種類のカードを使って手動で連写枚数を計測してみます。
なお、CFexpress type Aカードはスロット1にしか入りませんが、SDカードはスロット1とスロット2の両方に入ります。スロット1とスロット2で連写枚数が変わるかのテストもしましたが、これに違いはありませんでした。誤差の範囲です。
連写時はシャッタースピード1/250、フォーカスをマニュアルにして連写は最高速度の秒10コマの電子シャッターにして計測しています。メーカーさんの計測では1000枚以上の撮影をしていますが、ちょっと大変なので当店では300枚までしか測っていません。すみません。(300枚でも30秒間連写しっぱなしなのでほぼ無限連写みたいなものなんですが)
その結果がこちらです。
CFexpress type A |
SDカード SF-G |
SDカード SF-M |
SDカード SF-UX2B |
|
最大書込速度 | 700MB/s | 299MB/s | 150MB/s | 94MB/s |
最低書込速度 | 400MB/s | 90MB/s | 60MB/s | 30MB/s |
JPEG STD | 1000枚以上 | 300枚以上 | 300枚以上 | 300枚以上 |
JPEG FINE | 1000枚以上 | 300枚以上 | 300枚以上 | 61枚 |
JPEG X.FINE | 1000枚以上 | 300枚以上 | 56枚 | 23枚 |
圧縮RAW | 1000枚以上 | 51枚 | 32枚 | 25枚 |
ロスレスRAW | 1000枚以上 | 77枚 | 23枚 | 16枚 |
非圧縮RAW | 1000枚以上 | 22枚 | 16枚 | 14枚 |
圧縮+JPEG FINE | 1000枚以上 | 35枚 | 27枚 | 22枚 |
非圧縮+JPEG FINE | 828枚 | 18枚 | 14枚 | 12枚 |
.
いかがでしょうか? CFexpress type Aカードが、非圧縮RAW+JPEG FINEで828枚という制約がある以外は容量の続く限りの無限連写が可能になっていますがSDカードだと割と枚数が少なくなります。(手動計測ですので、目安とお考えください。当店で連続撮影枚数の性能を保証するものではありません。)
BIONZ XR搭載により8倍の高速処理ができるプロセッサーを使えるため、JPEG画像の生成が書込速度以上のスピードで行われているため、カードの書き込み部分がボトルネックになってしまっていることがわかります。
CFexpress type Aカードがどんな撮り方をしてもほぼ無限連写可能なので、SDカードでもある程度いけると思っていたのですが、書き込みデータ量が少ないJPEGで、ご覧の様な差が出ます。
「無限連写をSDカードでもやりたい!」という方はお持ちのカードのビデオスピードクラスをみて、それでフォーマットを決めるのが良さそうです。
RAW撮影をされるのが中心で、連写撮影をする機会がある、という方でしたら1枚は「CFexpress type A」カードを購入しておくのがおすすめです。価格はちょっと高いんですが、これだけのスピード差がありますからね。
■「α7 III」「α7 IV」比較表
モデル | α7 IV |
α7 III |
発売日 | 2021.12.27 | 2018.3.23 |
ストア価格(税込) | 330,000円前後 | 252,868円 |
画像処理エンジン | BIONZ XR | BIONZ X |
イメージセンサー | 新開発 裏面照射型 CMOSセンサー |
裏面照射型 CMOSセンサー |
カメラ有効画素数 | 3300万画素 | 2420万画素 |
像面位相差AF測距点数 | 759点 |
693点 |
検出輝度範囲 | EV-4 – 20 |
EV-3-20 |
瞳AF | 人物/動物/鳥 | 人物/動物 |
リアルタイム トラッキング |
〇 | – |
動画時のAFサポート | AFアシスト フォーカスマップ ブリージング補正 |
– |
ISO感度 (拡張ISO感度) |
100-51200 (50-204800) |
100-51200 (50-204800) |
ファインダー総ドット数 | 368万 Quad VGA EVF, 最高120fps |
236万 XGA EVF,最高60fps |
ファインダー倍率 | 0.78倍 |
0.78倍 |
液晶モニター | バリアングル タッチ操作/タッチメニュー |
チルト タッチフォーカス |
静止画撮影可能枚数 | ファインダー撮影:約520枚 液晶モニター撮影:580枚 |
ファインダー撮影:約610枚 液晶モニター撮影:約710枚 |
実動画撮影時間 |
ファインダー撮影:約100分 液晶モニター撮影:約110分 |
ファインダー撮影:約115分 液晶モニター撮影:約125分 |
JPEG連写可能枚数 (スタンダード画質) |
1000枚以上 (10コマ秒) |
約177枚 (10コマ秒) |
プリセット | クリエイティブルック | クリエイティブスタイル |
手ぶれ補正効果 | 5.5段 +動画時 アクティブモード |
5.0段 |
4K動画記録方式 | 4K60p / 4:2:2 10bit | 4K30p / 4:2:0 8bit |
モードダイアル | Still/Movie/S&Q dial | – |
ピクチャー プロファイル |
S-Log2/S-Log3/HLG/ S-Cinetone |
S-Log2/S-Log3/HLG |
メモリーカードスロット | デュアル CFex-A/UHS-II+UHS-II |
デュアル UHS-II×2 |
SuperSpeed USB | 10Gbps (USB 3.2 Gen2) | 5Gbps (USB 3.1) |
HDMI | HDMI Type A | HDMI Type D |
USB給電 | type Cで可能 | type Cで可能 |
撮影時質量 | 約658 g | 約650g |
.
上記は先代モデル「α7 III」と新モデル「α7 IV」を比較した表です。
「α7 IV」は解像度やAF性能が大幅に進化しているほか、動画表現や撮影性能の向上などにより、様々なシーンで高画質な静止画と動画の撮影が可能になっています。
さらに、静止画と動画の各設定をすばやく切り替えられるダイヤルを新たに追加するなど、両撮影用途における操作性も追求されているのがわかります。
画像処理エンジンBIONZ XRの何が凄いのかというと、その前の画像処理エンジンに比べて処理速度が8倍に高速化されている点です。8倍高速というのはそれだけレスポンスが良くなるということではなく、処理速度が上がるので今まで処理できなかったことができるようになるということになります。
α7 IVはその処理エンジンがα1やα7S3と同世代のものが使われているわけで、そういう意味ではα7R4などの上位機種も凌駕してしまうモデル、とも言えてしまいます。
そういえば初代α7登場の際はベーシックモデルが2400万画素、高画素モデルのα7Rが3600万画素だったので、α7IV搭載の3300万画素センサーはある意味、α7Rを内包してしまうモデルという言い方もできるかも!?
このBIONZ XRの搭載のおかげでAFの高速化が実現していたり、色の再現性なども大きく向上していると聞いています。特に肌の再現性についてはこだわってチューニングされているようで、色の再現性などはα1レベルのモデルとなっています。
価格は「α7 III」よりやや高くなっていますが、「α1」の新機能が多数取り入れられていることを考えると、これはかなり安価に抑えられている感じがします。なにせ「α1」は880,000円のカメラですからね。むしろお得と言っても良いのではないでしょうか?!
■α7 IV作例(店員が撮影してきています)
“α7 IV”+SEL200600G F6.3 1/1000 ISO500 焦点距離600mm
“α7 IV”+SEL200600G F6.3 1/1000 ISO1250 焦点距離600mm
“α7 IV”+SEL70200GM2 F2.8 1/2500 ISO160 焦点距離200mm
☆当店blog 2021.12.31「【レビュー】“α7 IV”で撮る 世界一幸せな動物『クオッカ』」
“α7 IV”+SEL24105G F4.0 1/320 ISO100 焦点距離105mm
“α7 IV”+SEL24105G F4.0 1/30 ISO400 焦点距離24mm
“α7 IV”+SEL24105G F4.0 1/30 ISO500 焦点距離24mm
☆当店blog 2021.12.24「【レビュー】ミラーレス一眼最新モデル“α7 IV”と行く『角川武蔵野ミュージアム』」
“α7 IV”+SEL20F18G F1.8 1/1000 ISO2000 焦点距離:200mm
“α7 IV”+SEL70200GM2 F2.8 1/640 ISO20000 焦点距離:200mm
☆当店blog 2022.1.13「【レビュー】これがハイブリッドカメラだ!『α7 IV』実機レビューレポート in アクアパーク品川」
■お得な購入方法
My Sony ID ご登録でカメラ・レンズが10%OFF
ソニーストアではMy Sony IDを新規登録すると、AV商品が10%OFFになるクーポンが自動的に登録したIDにプレゼントされます。さらにMy Sony IDをお持ちの方には年2回ソニーストアの割引率クーポンをプレゼント。ぜひMy Sony IDをご登録下さい。
ワイド保証
メーカー直販のソニーストアでは強力な保証サービスを用意して販売をしています。
通常のメーカー保証1年が3年ベーシック保証という3年に延長されたものになっているのが初期状態で、さらに有料でソニーストアの保証をアップグレードすることが可能。
5年ベーシックは通常1年のメーカー保証を5年にするものなんですが、アップグレードして3年ワイド保証と5年ワイド保証を付けると落下破損や水没などの事故の際も全額保証をしてくれます。言うなれば動産保険の様な保証サービスになっています。
残価設定クレジット
返却時の買取予定価格を残価額として、その金額を差し引いた代金を24カ月の分割で支払いできる「残価設定クレジット」。最終回にあたる25カ月目のお支払方法は、買取りか返却か、お客様のご要望に応じて選択できます。
対象モデル:カメラ本体、レンズ※一部対象外の商品があります。
残価設定クレジットで設定される「残価額」はその時々の評価で変更されます。残価額が一番高く設定されるのは新製品として発売される最初の時になるので残価設定クレジットを利用するなら発売時に利用するのが一番お得、とも言えます。
■テックスタッフ店頭購入特典のご案内
ソニーストアを初めてご利用になるお客様は保証についての割引クーポンをなにもお持ちでないと思うのですが、当店の店頭からAV商品の購入にソニーストアをご利用いただければ、3年ワイド保証、もしくは5年ベーシック保証を半額にするクーポンをプレゼントできます。(5年ワイド保証、“α”レンズやPlayStation製品など一部対象外製品があります)
3年ワイド保証、5年ベーシック保証の加入料は通常商品価格の5%程度に設定されているのですが、その保証アップグレード料金を当店では半額にすることができます。
αレンズは対象外になりますが、その分、αあんしんプログラムでカバーできるようご案内します。ソニーストアのご利用が初めて、という方にはたくさんのお得がありますので是非ご相談ください。
東京、新橋にある当店テックスタッフでは、店頭にてソニー製品のご購入相談を頂いた方へ様々な特典をご用意しております。“α7 IV”のボディを店頭にてお買い上げの方には店頭ご利用特典がございますので、ぜひご利用下さい。詳細は上記リンクにて。
時期によって特典内容も変わってきますので、ぜひお得にお買い求め下さい♪
デジタル一眼カメラ 『α7IV』 ILCE-7M4 |
ソニーストア価格: 372,900円 税込 |
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発売日 | 2021年12月17日 | メーカー商品情報ページはこちら | ||
延長保証 |
5年ワイド:33,000円(税込)
3年ワイド/5年ベーシック:16,500円(税込) 3年ベーシック:無償 |
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金利0% クレジット |
24回分割手数料0%+10%オフクーポン 月々-円 残価設定24回分割+10%オフクーポン 月々-円 (初回のみ-円) |
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ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ α7 IV 購入者限定 レンズキャッシュバック 【最大2万円】対象レンズの購入でキャッシュバック 24回払いまで分割払手数料【0%】 残価設定クレジットの分割払手数料が【0%】 |
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テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
☆ソニーストアの提携カード「Sony Bank Wallet」のご案内はこちらから