【レビュー】『Xperia PRO-I』で4K HDR 120P 21:9動画を楽しむ方法
今年も残すところあと2日となりました。2021年にやり残したことというのはたくさんあるような、でも、コロナ禍ですべてを諦めていた中で、身の回りで感染者さんがいなかったので、やりきった感もあるような不思議な感じです。
年末年始休業に入り、時間もあるし、2022年につながる何かをやっておきたい、ということで、この数日、Adobe Premiere Proを使って、2021年の最後の買い物だった「Xperia PRO-I」の動画編集機能について試してみました。なんとか4K HDR 120P動画の撮影と再生・編集ができるようになったので、その方法を紹介したいと思います。割と簡単にできます。
こんにちは、店員佐藤です。
まさか自分で20万円近くするスマートフォンを買うようになるとは思いもしていませんでした。ガラケー時代からモデル末期の安くなったソニエリ携帯を買って乗り継いできたんですが、VAIOが買える価格でのスマートフォン購入です。
ま、スマートフォンの中にハイレゾ対応のウォークマンと、1型センサー搭載のデジカメが入っているので3ついっぺんに買ったと思えばこんなものか、と思えるし、小型化こそに価値があるわけでこの小さなボディにすべてが凝縮されていると思えば安かったとさえ思えます。
使い始めて2週間ちょっと経ちますが、スマートフォンとしてもなかなかの使い勝手です。
動画再生をしたり、GPSで位置情報を複数のアプリで同時に記録していたりすると、ボディが熱くなってしまうことがいままでは多々あったのですが、まず、それがありません。フルボード仕様でボディ全体を使って放熱するという仕組みは非常にありがたく、一部が熱々になることはなく、全体がほんのりと温まっているというのは冬場にはとても助かります。
1型センサーを使った4K動画撮影などもチラホラやっていますが、本体が熱くなってしまいカメラ機能を一時的に停止する、という事象も今のところ起こっていません。寒波がやってきていて外気温が低いからというのもあるとは思いますが、安定性は抜群で、撮りたいときに写真も動画も撮影ができます。(夏場はランニング途中にカメラを起動すると、まず暑さで使えないことが多かったんです)
それと、これは比較のしようがないんですが、Bluetooth電波の飛びがすごく良いかもしれません。うちは玄関の鍵に「QRIO LOCK」をダブルで使っています。アプリを使って施錠、解錠をコントロールするものになっていて、設定したスマートフォンが帰ってくると、自動で二つの鍵を解除する、という機能があります。
従来モデルでは「Xperia 1」でも「Xperia 1 II」でも「Xperia 5 II」でも、解錠するときに二つの鍵が「カチリ・・・カチリ」と時間差で反応していたのですが、「Xperia PRO-I」にしてからは同時に「ガチリ」と解錠するようになっています。
あまり意識していませんでしたがもしかするとワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」などの接続安定性も上がっていたのかもしれません。(確かに途切れることがなかったような)
確証はえられませんがフルボードによる恩恵でアンテナの配置が良いところに配置できているというのがあるのかもしれませんね。
※通常のスマートフォンはボディの半分がバッテリーで半分のところに2層化した基板を配置していますが、Xperia PRO-Iは放熱を考えて1層基板をボディ全体に配置するフルボード仕様になっています。
さて、そんな「Xperia PRO-I」なんですが個人的にはなんと言っても「4K HDR 120P」の動画撮影が本体の1型センサーを使うコトで可能なのと、ディスプレイが120P表示に対応しているため「4K HDR 120P」の映像が本体で再生可能なこと。
4K HDRの120P動画については“α7S3”や“α1”が実現しているのですが、120Pでの再生方法がなくて、120P表示ができるPCディスプレイを持っている人だけが見られる、いわばスローモーション動画用の撮影フォーマットになっていたんですが、Xperia PRO-Iがあれば、これ本体だけで撮影と再生ができるわけです。
2019年に日本で3館だけ上映された「ジェミニマン」の120P上映ですが、これ以来です。120P再生自体はPlayStation 5と、4Kブラビアの最上位シリーズを揃えることで表示出来ますが、これはいまのところゲーム映像だけに限られていますからね。
ということで、店頭では「Xperia PRO-I」の購入相談に来られる方がいらっしゃると自分で撮影してきた「4K 120P HDR」動画を再生して自慢していたご覧いただいていました。
「なに? このヌルヌル感は!?」という60Pを超えるスムーズな動きに衝撃を感じる方も多くいらっしゃいました。(全然違いがわからない。という方もいらっしゃるんですがw)
出来る事なら、撮ったままの素材再生をするだけではなく、ある程度編集して良いところだけを切り出した動画を再生したい。さらに言うなら、120P撮影がより高画質に行える“α7S3”や“α1”の動画も使って編集したい。もっと言うならXperia PRO-Iのディスプレイは16:9ではなく、よりワイドな21:9(約23.3:1)画角で動画ファイルを作って、Xperiaで見られる最高の画質に編集したい!
ということで、手持ちの動画編集ソフトで試行錯誤をしてみました。
使いなれた「VEGAS Pro 17」だと120P動画を素材にすることが出来ても書き出しが120Pではできませんでした。Adobe Premiere Proも120P動画出力の方法が見つけられなかったんですが書き出し形式に「HEVC(H.265)」を使えば120P出力をすることができることを発見。これを突破口に「Xperia PRO-I」用の4K HDR 120P 21:9動画の出力方法が見つけられたので紹介したいと思います。
まずは普通にプロジェクトを使って編集するのですが「シーケンス」というタブを開いてシーケンス設定でフレームサイズを変更します。通常は3840×2160の16:9画角で編集をしますが、これを2160→1644に変更します。
これでXperia PRO-I、またXperia 1 IIIのディスプレイと同じ21:9にすることができます。
わかりにくいと思いますが、これがシーケンス設定で21:9画角にした時のプレビュー画面です。シネスコサイズの23.5:1とほぼ同じくらいになります。
動画編集は私もまだまだ慣れていなくて、特にシーン毎の露出、カラー調整が難しく思っていたんですがAdobe Premiere Proにも「自動調整」のボタンがあります。代表的なシーンで「自動」ボタンを押せば、おおよそ前後のシーンとつながりが良くなる動画が完成します。
カラーグレーディングについては知識がないまま操作するとへんてこりんになってしまうんですが、この自動調整と、おおよその露出補正をしていけば良いかも。
HDR素材についても、以前、チャレンジしていたときはXAVC-S IntraでないとHDR(HLG)の色情報がついてこないことがあり難儀していたのですが、今回試してみたら“α7 IV”で撮影したHDR(HLG)も、Xperia PRO-Iで撮影したH.265動画のHDR(HLG)も正しく認識されていました。この間に何度もソフトウェアがアップデートしているので、それのおかげなのか、それとも私がなにかやってしまっていたのかが分からないのですが、SDRとHDR動画素材を混ぜて編集しても違和感なく仕上げられます。
完成した編集動画の書き出し時には「ファイル」>「書き出し」>「メディア」で設定を開きます。最初にある「形式」のところを「HEVC(H.265)」に変更します。これでフレームレート「119.88」が選択できるようになり120p動画の出力ができるようになります。
HDR(HLG)撮影の場合は、エンコード設定でパフォーマンスを「ソフトウェアエンコーディング」にしてプロファイルを「メイン10」に変更します。これでカラースペース書き出しのところで「Rec.2100 HLG」が選べる様になります。
これでHDR動画として出力が可能。
ビットレートは初期値だとかなり低く設定されています。適正値が私もよく分かっていませんが「H.265」だと圧縮効率が2倍程度になるというのを聞いたことがあるので、XAVC Sの最低ビットレートが60Mbps程度なので、同じくらいの画質にするのであれば30Mbps程度は必要になるかと思います。
ただ、Xperia PRO-Iで再生する分には10Mbpsもあれば画質的には問題ないように思えます。
ここではサンプルでビットレートをかなり下げて4K(3840 × 1644)、HDR(HLG)、120PのH.265動画を出力してMP4ファイルとしてアップロードしてみました。
こちらのリンクから動画ファイルをダウンロードして「Xperia PRO-I」で再生していただくとディスプレイいっぱいに120P HDR動画の再生ができると思います。同じく120Hz表示が可能な「Xperia 1 III」でも再生ができます。ファイルをダウンロードしてXperiaにコピーしたらディスプレイ輝度を最大にして再生して見てください。(低残像設定も120Hz表示にすることを忘れずに)
Adobe Premiere Proを私もまだ全然使いこなせていなくて、やりたいことを調べては試してみるトライ&エラーを繰り返しているところです。どこか間違っているところ、もしくはもっと効率的なやり方などがありましたら、ご指摘ください。
できれば、これをPS5に取り込んで4Kブラビアで再生出来るようになると良いんですけどね。
おまけです。先週お邪魔してきた武蔵野ミュージアムでの静止画撮影の写真です。
シャッターボタンがフェザータッチになっていて、グッと押し込まなくてもフワッと押し込むだけでシャッターが切れるのでブレる心配がなく気持ち良く撮影出来るのは、まさにサイバーショット譲りです。
Adobe Lightroom アプリと合わせるとこれまた印象的な写真が仕上げられて楽しいですね。
Xperia PRO-I 24mmレンズ使用 F2.0 1/4000 ISO100
Xperia PRO-I 16mmレンズ使用 F2.2 1/50 ISO800
Xperia PRO-I 16mmレンズ使用 F2.2 1/250 ISO64
以上、迷ったら高い方!ということで購入した「Xperia PRO-I」の実機レポートでした。4K HDR 120P動画の再生ディスプレイが手に入ったので、2022年はまさに動画の年にしたいですね。
2021年最後に大満足な買い物ができて良い年になりました。
Android OSのバージョンが上がって、スマートフォン自体が陳腐化しても、これなら4K 動画カメラ&プレーヤーとして永く使い続けることができそうです。
Xperiaスマートフォン SIMフリー対応モデル Xperia PRO-I |
ソニーストア価格: 198,000 円税込 |
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発売日 | 2021年12月15日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
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