【レビュー】フラッグシップモデル“α1” ショールーム展示レポート&新機能紹介(前編)
本日よりソニーショールーム/ソニーストア銀座にて発売前特別先行展示が始まったソニーのミラーレス一眼カメラのフラッグシップモデル「α1」を早速、取材させていただいてきました。
ここでは今までのモデルにはなかった新機能を中心に紹介をしたいと思います。
こんにちは、店員佐藤です。
今日から始まったソニーショールーム/ソニーストア銀座での“α1”先行実機展示ですが、今回は完全予約制で行われていて、いつもの「朝イチで行ったのに〇番目だった!」というのはありません。行列もなく時間になると淡々と予約申し込みの方がいらしてタッチ&トライをしていくという、すごく静かな体験会になっていました。
展示されているのは2台で同時刻に2名様ずつ入って体験される形になっています。今週末はすべて予約で埋まっていますが、来週の2月になるとまだ空きがある状況です。
税別で80万円もするモンスター級のカメラですが、タイムラインを見ているとものすごい盛り上がりを見せているし、当店の常連のお客様からも現在、続々とお問い合わせをいただいているところです。
毎回「こんなカメラそんなにオーダーはないんだろうな」と思って商品の発表を見ているのですが、前回の“α7S3”もすごいことになってしまいましたし、今回もまた品薄になる感が出てきましたね。
ということで、興奮のソニーのフラッグシップモデル“α1”のショールーム展示の実機の様子を、新搭載された機能を中心に紹介していきたいと思います。
なお、今回紹介するモデルはまだ最終ファームウェアにはなっていないため、紹介する機種と製品では仕様が若干異なる可能性がありますのでご了承ください。
撮影画像の持ち帰りも今回はNGとなっていて、最終ファームウェアに書き換わり次第、持ち帰り対応に切り替わるそうです。
で、まず紹介するのは付属するストラップから。こちらが“α1”の付属ストラップになります。すごい! さすがフラッグシップモデルです。レザーのストラップが付属するんですね。
刺繍された“α1”のロゴと、シナバーカラーのラインがまぶしいですね。
こんなストラップが今回は付属するそうです。ほかにはバッテリー、チャージャー、ケーブル保護のガイドなどが同梱されます。
カメラの仕様などはすでにプレスリリース発表の時に、皆さん、しっかりとご覧になっていると思いますので説明は割愛しますが、新開発のメモリー内蔵5010万画素センサーと、従来比8倍の高速処理を行う画像処理エンジン「BINOZ XR」を搭載したカメラになります。
スピードの“α9”と、高解像度の“α7R”と、動画に強い“α7S”を全部内包した、ちょっと意味の違う「オールインワン」モデルとなり、久々に「フラッグシップモデル」と呼ぶモデルとして発表されています。
ボディの外装は最新モデルの“α7S3”とほぼ同様で、左肩に“α9”のような連写、AFモードをハードウェアで切り替えができるダイヤルが搭載されたスタイルになっています。
“α7S3”ではC1になっていたボタン位置に動画RECボタンがやってきていて、動画RECボタンの位置にC1ボタンがあるなど、動画撮影よりは写真撮影に向けたボタン配置に戻されている点などが違っています。
グリップ部も高さを稼いでいて右手小指があまることなくボディにかかるようになっています。
左肩の二層ダイヤルはAFモードの切り替えスイッチの操作レバーの位置が“α9”と比べると前後が逆になっています。動作ロックボタンもダイヤルについているなど、改良されたものになりました。
液晶モニターはサイド方向に開くバリアングルではなく、従来の“α”シリーズと同じチルト式に変更されています。
ZV-1が登場して以降、“α7S3”も“α7C”もバリアングル液晶に変更されていて、今後登場する“α”はすべてバリアングル液晶になるかと思っていたのですが、今回はスポーツ撮影をするプロカメラマンの声からバリアングル液晶を採用したという話です。
さて、最新モデルの“α”ということで、ニューストピックスが大量にあるのですが、まず最初に特ダネのスクープ情報から。
なんと、この“α1”ですが、Aマウントレンズのアダプター「LA-EA5」で全レンズAF対応をしています。
フォーカシングモーターを内蔵していないAマウントレンズを動作させるためのフォーカシングモーターを内蔵した「LA-EA5」ですが、SAL85F14ZやSAL135F18Zなどのフォーカシングモーター非搭載レンズを動作させられるのは“α7R4”と“α6600”の2機種のみとなっていました。“α7S3”も“α7C”も対応しなかったので2機種だけで対応機種が終わってしまうのかと思っていたのですが、さすが“α”シリーズのトップに君臨するモデルだけあります。
持ち込んだLA-EA5+SAL85F14Zですが、当たり前のように動作してくれました。
AF-Cにするとパラパラと位相差AFが動作するのが見てとれます。
Aマウント“α”のユーザーさんで、“α7R4”+LA-EA5を使って、資産であるAマウントレンズを使えるようになるので「実質“α99 III”だね。でも、UIは最新の“α7S3”シリーズのものが使いたいな」ということでお待ちになっている方がいらっしゃいましたが、お待たせしました。実質“α99 IV”になるモデルの登場になります。
続いては人物動物瞳AFと、動物瞳AFに続いて新搭載される「鳥瞳AF」です。プロ、アマ問わず野鳥撮影をされる方には大注目の機能です。
切り替えはご覧の通り、人物、動物、鳥で分けられていて、自動で選ばれるものではなく手動で対象物を切り替えて使うようになっています。
動物瞳AFに鳥の瞳も含まれている、というものではなく、動物の瞳AFと、鳥の瞳AFは分けられています。選別するときのロジックが違っているんでしょうね。
ちなみに動物瞳AFは、どうやら犬と猫で動作を最適化しているみたいですね。フィールドテストで試しているのは身近な犬、猫で行っているんだとは思います。
だとすると鳥瞳AFも身近な野鳥ということであればカワセミあたりでフィールドテストをしているんですかね。
ショールームでは早速、野鳥のフィギュアを置いて手元でテストできるようにしてくれています。
観ての通り、認識率は高く、正面から両目が見えていないと認識が難しい人物瞳AFとは違い、こうして側面からの撮影でも瞳検出を楽々してくれます。
今回も常連のお客様がお付き合いくださっていて、望遠レンズをリクエストしてSEL100400GMを“α1”に装着してテストしていただいています。
こちらのお客様は野鳥撮影も大好きな方なんですが、この方の目でも感動をされていました。
やや遠いところにフィギュアを置いて、いろいろな向きや、動きを付けて試してみましたが全部に追従してくれているとのこと。
フィギュアですので、これは認識しやすく作っているんじゃない?というところですが、これらのフィギュア、昔からソニーストア銀座にいるものですよね。
本物の野鳥のスピードは出ていませんが、実戦でも期待ができる認識率だと思います。
ちなみに鳥がいけるんだったら魚でも大丈夫じゃないか?というお問い合わせをいただいていて、タブレットに入れておいた魚の画像での瞳AFを試してみたのですが、鳥瞳AFでは魚はこれっぽちも追従をしてくれませんでした。
鳥ではない、という判断をしているみたいで、さすがですね。
野鳥撮影についての話でいくと、もう一つ、素晴らしい機能が搭載されました。
これはサイバーショット「DSC-RX100M7」に搭載されていた機能なんですが「モニター自動OFF」という機能が搭載されています。
これが野鳥撮影とどういう関係があるの?というところですが、まー、見ててください。
“α1”本体のパワーセーブ機能というのがあるのですが、これをまずは「切」にします。これで“α1”本体はほうっておいても自動で電源が切れることなく、電源スイッチが入っている限りは常時スタンバイになります。
そして「モニター自動OFF」機能を2秒なり5秒なり10秒に設定します。こうしておくと、操作を終えて数秒経つと背面モニターが消灯するようになります。
すぐにこういう状態になります。見た目は電源が切れている様に見えますが、カメラはスタンバイ状態になっているので電源操作の必要はなく、シャッターボタンを押すといきなり撮影が行われます。
これ、すごくないですか!? 野鳥撮影、とくにカワセミなどで小魚を捕らえるために水に飛び込むシーンを待っているときとか、ずーっと待って動きがあった時にレリーズを押せば撮り逃しなしになるんです。
もちろん、バッテリー消費をしていないわけではないのでバッテリーは減っていきますが、モニター消灯しているだけで、かなり持ちそうなイメージがします。こんな機能が新搭載されていたりします。
それと、これから“α1”の体験会に行かれる方に絶対に試していただきたいのが944万ドットの有機ELファインダーでのフレームレート240fps表示だと思いますが、デフォルトでは240fpsは出ません。
というのも、この240fpsができるのがファインダー倍率「縮小」のときだけなんです。
デフォルトではファインダー倍率は「標準」になっています。“α7S3”と同じ仕様なんですが、これはこれで見もので、今までに見たことのない大きなファインダー像に驚くはずです。944万ドットということは4K解像度以上の解像度になるので、これでファインダーをのぞくと「なんてカメラだ!」ってことになるのですが、この状態でファインダーフレームレートを「高速」にしても120fpsまでの表示にしかなりません。
ファインダー倍率を「縮小」にするとこれでファインダーフレームレートを「より高速」に変更することができます。
※上の2枚の写真はファインダーに密着させたXperia 1 IIで撮影しました。見た目のイメージでのサイズの違いがこれで感じられると良いのですが。
「より高速」が240fps、「高速」が120fps、「通常」が60fpsです。
「なんだ、240fpsだとファインダー像が小さくなっちゃうの?」というところですが、これは実機で確認してみてください。“α7S3”もそうですが“α1”のファインダー像はかなりでかいんです。動きの速いものを目で追うときにはファインダー像が小さい方がちゃんと視線で追えるようになるかと思います。ファインダー像がでかすぎると端から端まで見渡すの大変ですからね。
そして、JPEG画像のサイズなんですが、面白い機能があります。画質にも新たに高圧縮の「ライト」が追加されているんですが、画像サイズではフルサイズにしてもAPS-Cにしてもサイズをそろえる、という機能がついています。
フルサイズでの撮影時に画像サイズをLにすると50Mサイズ、Mにすると21Mサイズになるんですが、Mサイズに設定しておき、それでAPS-CにクロップするとフルサイズのMサイズの21Mサイズで記録してくれるようになっています。
レンズによってフルサイズのものとAPS-Cのものと入れ替えて撮影しても画像サイズがそろっているというのは後から整理する上で便利になります。
これもプロユースの考え方なんですが新聞で使われることが前提だとあまり画素数が多いのは必要なく、それよりもスピード伝送できるようにむしろ小さいサイズで撮影したい、というリクエストがあるそうです。画質「ライト」もそうですが、プロの考え方は「せっかく5010万画素あるのにもったいない」ではないねですね。
そして、ここでちょっと残念なお知らせなんですが、今日の取材で撮ってきた画面キャプチャーのデータなんですが、中盤で撮影してきたデータが記録されていなくて、説明ができない部分があります。
高周波フリッカーレスでは、通常の蛍光灯のフリッカーレス撮影だけではなく、高分解シャッターというモードがあり、Mモード、Sモードの時にファインダーで観ながらLED光源によるフリッカーが出ないポイントを超細かいシャッタースピードで補正するすごいモードが搭載されているんですが、そこの画像が持ち帰れませんでした。
また、8K/30pの撮影なども試してきたんですが、これらはまた次の取材の時に撮り直してきます。まだ私も8K動画の視聴環境も編集環境もないのですが、記録は試してみたいですもんね。400Mbpsで10秒撮影するとファイルサイズは3GBくらいになるそうです。1時間で1TBくらいになるですかね。8K撮影の前にPCをどうにかしないといけなさそうです。
カードの同時記録でもAとBで同時にJPEG記録をして、圧縮率だけ変える、という設定も可能。
メモリーカードのフォーマットも大容量化に対応して「クイックフォーマット」機能を新搭載。従来の完全フォーマットよりも早いフォーマットが可能になっています。
サイレントモードも搭載されていて電子シャッターにして無音シャッターにして、という設定ではなく、対象機能を指定してのサイレントモードのオンオフができるようになっています。
ピクチャープロファイルでは新たに「PP11」が搭載されました。これは業務用カメラのFX6に搭載された「S-Cinetone」というガンマが利用できるようになっているモードです。
最後に、これもちょっとお伝えしておきます。“α9II”にも搭載されていたそうですが、レンズを外したときにシャッター幕を下ろしておく機能が搭載されています。
試すのにかなりわかりにくいところに設定項目があります。メニューの一番最後の項目にある「セットアップオプション」の中の「アンチダスト機能」を呼び出します。
この中に「電源オフ時のシャッター」というのがあるので、これを「入」にします。
これで電源を切ってレンズを外すと、レンズを外したタイミングでシャッターが下りてごらんの様にセンサーの前にシャッターが下りる、というわけです。
ただ、これはメリットばかりではありません。シャッター幕もかなり薄くデリケートなつくりになっているので、誤ってシャッター幕を触って変形させてしまうと撮影に支障が出る可能性があります。
雨の日にシャッター幕を下ろしてセンサーを雨水から守っているつもりでシャッター幕に水がついてしまうとそれで動作しなくなる可能性もあります。
こうして設定の奥の奥の方にある項目なので、使わないという選択もあるかと思いますが、見た目にはガードされている感じですし、これが使えるシーンがどこかあるかもしれないですね。
なお、このシャッター幕ですが、カーボンでできているそうです。またシャッター幕を上げるときの動作もバネの力と電磁シャッターとダブルで使っているそうです。
これのおかげでシャッター幕の動作自体がスピードアップしていて、これによりメカシャッター時に1/400秒でのフラッシュ同調を可能にしているそうです。
シャッターがカーボン製なのでシャッター音も従来のモデルとはかなり違っています。金属音のシャカシャカした音はしませんが、カーボンシャッターの音は実機で確認してみてください。
以上、“α1”のファーストインプレッションでした。
当店でも予想外の反応をいただいていて、火曜日は久々に早朝営業を行うことを決定しました。2月2日は10時からソニーストアオンラインで先行予約販売が開始になりますが、当店も店頭は9時30分から営業を行います。
明日、1月30日の土曜日は15時から“α1”の店頭勉強会を開催します。資料を基に今回のお話をもう少し分かりやすくご案内したいと思います。
“α1”の購入を検討中の方は、ぜひ、当店までどうぞ。今回はそっと優しく背中を押すようにいたします♪
デジタル一眼カメラα1 ILCE-1 |
ソニーストア価格: 935,000円 税込 |
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発売日 | 2021年3月19日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
延長保証 | 5年ワイド:88,000円 3年ワイド/5年ベーシック:44,000円 3年ベーシック:無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
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テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
10%オフクーポン(併用不可)プレゼント中 ☆テックスタッフ店頭ご利用特典 |
マウントアダプター LA-EA5 |
ソニーストア価格: 26,700円 税込 |
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発売日 | 2020年11月6日 | 商品情報ページこちら | ||
ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ | |||
テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
AV商品10%オフクーポンプレゼント
テックスタッフ店頭ご利用特典のご案内 |
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ミラーレス一眼カメラ『α1』本体ソフトウェアアップデート『Ver. 1.31』で瞳AFの精度を向上
デジタル一眼カメラ「α1」本本体ソフトウェアアップデート「Ver. 1.31」が公開になりました。 このアップデートにより、瞳AFの精度と動作安定性の向上が行われます。