【レビュー】おうちでワイヤレス多灯撮影に挑戦 新型フラッシュ『HVL-F28RM』実機レポート
新春特別レビューレポート第2弾は12月に新発売された外部フラッシュ『HVL-F28RM』の紹介です。一見、本体価格25,364円(税別)のお買い得フラッシュに見えますが、対応するカメラを使うと無線を使ったワイヤレス多灯撮影が最も安価に楽しめるすごいシステムになっています。
「ワイヤレス多灯撮影」と聞くと、なんか難しそうだし操作もわからないし手がつけられない印象だと思いますが、使ってみると超簡単。実際に使ってみると目からうろこが落ちるような機能が搭載されています。今回は最新モデルのα7Cを使って、もっとも簡単なワイヤレス多灯撮影を紹介したいと思います。
こんにちは、店員佐藤です。
12月11日発売の新型フラッシュ「HVL-F28RM」をもっと早く紹介しなくてはいけなかったんですが、「ワイヤレス多灯撮影」を試すべく3個揃うのを待っていたら年末になってしまい、私の冬休みの宿題になってしまいました。
「ワイヤレス多灯撮影」というとモデルさん撮影などで雨の日にモデルさんが光に浮かび上がるみたいなものを思い浮かべてしまいますが、あれはかなり大出力のフラッシュが必要だしモデルさんを待たせてちゃんとしたセッティングをして大掛かりな撮影になりそう。
あれをちょっと身近なところで、もっと小規模に試してみたいんだけどなー、というところで発売になったのが「HVL-F28RM」です。本体価格25,364円(税別)で多灯フラッシュを3つでやっても7万円ちょっと。ソニー製フラッシュのもっとも大出力なモデル「HVL-F60RM」だと1台で64,630円するので、1台分で多灯フラッシュができるようになってしまいます。
大掛かりな屋外ではなく室内での撮影でなら十分楽しめそうですし「ワイヤレス多灯撮影」をこれで巣ごもりしながら家の中で突き詰めてみよう、というのが今回のコンセプトです。私もまだ今回が多灯フラッシュは使い初めになるので、まだまだ研究の余地がたくさんあるんですが、とりあえず、今回は使い方を紹介したいと思います。
まずはフラッシュ「HVL-F28RM」ですが、このモデルは単3電池2本だけで動作する小型のフラッシュです。クイックバウンスと呼ばれる首を左右に振るような特殊な機構はついていなくて、上方向に120度向けられるだけの可動域となっています。
ただ、最新のフラッシュになっているのであちこちにパワーアップポイントがあり、フラッシュの回転軸ですが、0度のところにロック機構がありボタンを押しながらでないと動かないようになっていたり、各部シーリングがしっかりしていて防滴性について一段と配慮が深まっている感じ。
カメラ本体のマルチシューとの接合部もロックレバーと連動してシーリングカバーが下りてくるギミックがついています。
対応するカメラ(α7S3、α9II、α7R4)の形状に合わせてシーリングされていて、これらのカメラと使うとしっかりと密着する仕組みになっています。
フラッシュを使うようなシーンで、それほど防水性を気にする必要はないような気がしますが、そうか、冒頭に紹介したようなモデルさんを逆光状態で雨天時に撮るようなシチュエーション、流行ってますからね。
αのカメラ本体も防じん防滴に配慮したつくりになっていますが、マイクの穴や、マルチシュー部分の開口部はどうにもならないので、こうしたところを防水するとカメラ本体の防水性もあがるんでしょう。
フラッシュは50mm画角の固定となっていて、上部からワイドパネルを引き出して使うと24mmレンズの画角をカバーできます。
HVL-F28RMの特徴のその1が、この小型軽量コンパクトな本体サイズ。3つあってもα7Cと同じくらいの専有面積になるってすごくないですか?
本体にフラッシュを立たせるスタンドが付属していて、スタンドの底面には三脚に装着できるねじ穴も用意されています。
というところで、続いてはワイヤレス多灯フラッシュ撮影に挑戦してみたいと思います。
まずはフラッシュのペアリングから。フラッシュ本体の電源を入れて、コマンダーにするフラッシュ(カメラに装着するフラッシュ)をひとつ決めたら、それと接続したいフラッシュの「PAIRING」ボタンを同時に3秒長押しするだけです。
接続したいフラッシュと、コマンダーフラッシュをもうひとつペアリングして、これで準備終了。
たったこれだけで多灯フラッシュ撮影ができます。
対応する“α”ボディは、“α7C”、“α7S3”、“α7R4”、“α7 III”、“α7R3”の5機種になりますが、カメラメニューに「外部フラッシュ設定」という項目があるので、ここで設定をします。
発光モードを「TTL」にすると、もうそこには外部フラッシュの光量設定が表示されています。AとBとCという3つの枠があり、それぞれに数値が入っていて、これが何を示しているかというと。。。
フラッシュ「HVL-F28RM」の背面を見ればもうピンときますね。「みなまで言うな」という方も多いと思いますがいわせてください。
ワイヤレスでフラッシュ発行するときにすべてのフラッシュを使って適正露出になるようにコントロールされていて、その光の総量に対して「A:1 B:4 C:2」という割合で光りますよ、という状態になっているわけです。
ワイヤレスで操作されるフラッシュはAグループ、Bグループ、Cグループに分類され、カメラ本体のフラッシュはAに振り分けられます。なので、別途2台あるフラッシュをBとCのところにしてスイッチを入れると、これで3つのフラッシュに分けられる、という仕組みです。
光量比は細かく設定できるわけではなく、設定できるのは上記の5段階となります。
ちょっと極端な設定をすると、こんなこともできて、カメラ本体のフラッシュはほんのちょっと光るだけで、あとはレシーバーフラッシュが頑張る、ということもできます。カメラ本体のフラッシュを光らせずにコマンダー機能だけにすることも可能。
これで、試し撮りしてみて直感的に光量のバランスを変更していくこと、ができるわけです。発光モードはTTLになっているので、カメラ自体が全体の露出を計算して動いてくれるので、光の量というかバランスだけ考えながら使うことができるわけです。
ね、すごい簡単そうですよね。
ちなみに発光モードを「グループ」にすると5グループ、15台に分けてコントロールすることもできるそうです。5台もフラッシュがないので今回は試せませんが、こんな機能が“α”本体に内蔵されているんですね。
ということで、“α7C”にコマンダーになるフラッシュを装着して、あとはBチャンネル、Cチャンネルにしたリモートフラッシュで試し撮りしてみます。
こちらが自宅に用意した特設スタジオです。4Kブラビアの前に暗幕をかけて、今回もまたうちのプーさんにモデルになってもらいました。
「フラッシュを使うと、いかにもフラッシュで撮りました、みたいになるのが嫌なので私はフラッシュを使わないんですよ」という方が初心者の方に多いのですが、今どきのフラッシュはそんなことないですよ。
まずは、こちらはフラッシュなしで撮影したもの。白色LED照明の下でホワイトバランスオートで撮影しているのですが、ま、こんな感じです。やや青白くなっているんですが、この写真だけ見るとそんなには気になりません。
で、フラッシュを使うとこんなになっちゃいますよねー、というイメージがこちらですが、これは露出を+3.0EVくらいにして撮影している写真です。
わざとフラッシュ撮影をしているみたいに飛ばしてみました。w
フルオートで撮影したものがこちらです。
どうでしょうか? ぬいぐるみ本来の色が出てきています。全然フラッシュを使って撮っている風ではありません。
さらに「バウンス撮影」と言って、フラッシュを天井に向けて撮影することができるので、それで撮影したものがこちらです。
天井から光が下りてくるので下のほうに影ができるようになり、より自然に見えるようになりました。
フラッシュを使っているんだけど、使っているように見せないように撮る、というのが上級者なんだそうです。
そして、ここからは多灯フラッシュを使った演出に挑戦です。フラッシュをひとつ、プーさんの背中に仕込んでみました。
カメラからでは見えない位置になります。
これだけだと単に逆光になるだけなので、向かって右サイドからもフラッシュを当てて、さらにカメラ側からも弱い光をあてたものがこちら。
おお、ぬいぐるみに輪郭線が見えて、なんとなくそれっぽくなってきました。
背景にしている暗幕に強い光が当たりすぎているので、背面フラッシュの向きを上側にするのと、光をやや弱めたほうがよさそう。逆にサイド光はもっと強くてもいいみたいです。
ということで、ここから光量比をいろいろいじって撮影していきます。
これでバランスがなんか良くなってきたかも。フラッシュの光量だけではなくフラッシュの位置も距離もいろいろ変えられるし、とくに正解はないというか、そういう正解を自分で探していくのが楽しいので試行錯誤がはじまるのはここからです。
こんな風にして怪談風にできるかな?とかもしてみましたが、あまり近いと光量を一番弱くしても白飛びします。この辺りもマニュアルで光量を変えていくと思い通りになるのかな?
と、こういう作業を本当に人間のモデルさんを用意して撮影させてもらっていたら、かなりの時間と労力がかかりそうです。プーさんはいつまででも付き合ってくれるのでとても助かります。
ということで、お気に入りの1枚が撮影できるまでに、ちょっと時間がかかりましたが、こんな風に多灯フラッシュ撮影を手軽に楽しめるって良くないですか!?
ちなみに、昨日の新春特別企画のGPUボックス記事の表紙写真も多灯フラッシュで撮影しています。
上から見るとこんな感じです。2灯とも背面から当てていますが、背景をしっかりと見せたいときは被写体の背面から背景に向けて光を放つ、という手も使えます。
こちらは嵐のオンラインライブを見ながらいただいた年越しそばです。普通にフラッシュなしで撮影するとこんな色気のない写真になりますが。。。
これは2灯だけで撮っています。背面から光を直接当てて、カメラ本体から弱い光で当てます。食べ物撮影の基本は逆光です。
こちらは今年のお雑煮ですが、これも多灯フラッシュ。
フラッシュを一見使っていないように見せるって、なかなか技がいりますね。
ということで、緊急事態宣言が出るため、またまた昨年の春同様に外出自粛要請が出そうな関東地方ですが、おうちの中でのα撮影遊びに、手軽フラッシュ「HVL-F28RM」を使ってブツ撮りを極めてみる、というのはいかがでしょうか?
操作に自信がない、という方は、店頭にてご相談いただければ試用ができるようにしたいと思います。お店は1月12日から営業再開予定ですが、まだフラッシュが店員佐藤宅で待機中のため、店頭展示になるのは1月13日からとなります。
ぜひ、店頭でお試しになってみてください。
フラッシュ HVL-F28RM |
ソニーストア価格: 25,364円+税 |
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発売日 | 2020年12月11日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
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テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
10%オフクーポン(併用不可)プレゼント中 実機を店頭展示しています ☆テックスタッフ店頭ご利用特典 |
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フルサイズ デジタル一眼カメラ α7C ILCE-7C |
ソニーストア価格: 209,000円+税~ |
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発売日 | 2020年10月23日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
延長保証 (予想) |
5年ワイド:21,000円+税 3年ワイド/5年ベーシック:11,000円+税 3年ベーシック:無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
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テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
10%オフクーポン(併用不可)プレゼント中 実機を店頭展示しています ☆テックスタッフ店頭ご利用特典 |
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