【レビュー】APS-Cズームレンズ『SEL18135』開梱レポート
2月2日発売のAPS-Cズームレンズの新型モデル「SEL18135」の店頭展示を始めました。
開梱レポートと、APS-Cの既存の標準ズームレンズとの使い比べで新型ズームレンズをレビューしたいと思います。このレンズ、かなり使い勝手が良いです。
こんにちは、店員佐藤です。
2月2日というと、東京に雪が降った日です。上野動物園の赤ちゃんパンダ「シャンシャン」の抽選公開が終わって、整理券配布による一般公開が始まった2日目ということもあり、開梱レビューもせずに、先に上野動物園に行ってきてしまいました。
☆当店blog 2018.2.2「SEL18135で撮る上野のシャンシャン(先着整理券編)」
APS-Cレンズで18-135mmということは、センサーサイズが小さいこともあり、一般的な35mm判での換算にすると27mm~202.5mmの撮影ができる高倍率ズームレンズとなります。
ワイド端で撮影をすると、パンダ舎の屋内を一望出来るところから。。。
ズームで寄ると、一番奥で木にぶら下がったままで寝ているシャンシャンにここまで寄ることができます。
α5100やα6000に用意されている「ダブルズームレンズキット」で標準ズームレンズと望遠ズームレンズの2本を持っている場合はレンズの付け替えをしなくてはいけないところが、SEL18135なら、これ1本で大体カバーができてしまいます。
202.5mm相当って、かなり寄れるんです。
■標準ズームレンズ比較
と、いうことで、今回はAPS-Cセンサーの”α6000″シリーズ向けに現在ラインナップされている標準ズーム域のレンズ3本と比較をしてみるのですが、サイズはご覧の通り、SEL1670Zとほぼ変わらないサイズになります。
キットレンズのSELP1650はダントツの小ささですが、これはちょっと特殊なレンズですからね。
スペックを比較すると下記の様になります。
レンズ | SEL18135 | SEL1670Z | SELP1650 |
ストア価格 | 64,630円 | 89,333円 | 32,190円 |
発売日 | 2018.2.2 | 2013.9.9 | 2013.2.22 |
開放絞り | F3.5-5.6 | F4 | F3.5-5.6 |
最短撮影距離 | 0.45m | 0.35m | 0.25~0.3m |
最大撮影倍率 | 0.29 | 0.23 | 0.215 |
フィルター径 | 55mm | 55mm | 40.5mm |
外形寸法(mm) | 67.2×88 | 66.6×75 | 64.7×29.9 |
質量 | 325g | 308g | 116g |
発売日を比べると、SEL1670Zが出てからもう5年も経つんですね。サイズはほぼ一緒ながら、最短撮影距離がやや長くなっているのが気になります。
というか、SEL18135を使い始めてすぐに気がつくんですが、ワイド端で近くのモノを撮ろうとするとフォーカスを合わせるのがつらかったりするんです。
具体的に言うと、こういう写真を撮るときが割とつらいんです。手元のチケットを記念に写真に撮っておこう、と、するとなかなかピントが合いません。腕を思い切り伸ばして撮るとフォーカスが合うんですが、ちょっとチケットの写真が小さくなってしまうので、50mmくらいまでズームさせてから撮る、ということをします。
上の写真はそうやって撮った1枚で、違和感がないと思うんですがちょっと手を加えて撮影した写真になっています。SEL1670ZやSELP1650だとこういうことをしなくても手元でワイド端のままで撮れるんですけどね。
SELP1650だと25cm、SEL1670Zだと35cmなのに、45cmも離れないといけないの? ホント!?
ということで、実際に自分で試してみました。
焦点距離毎にマニュアルフォーカスでフォーカスが合わせられた距離を計ってみたのですが、ふむふむ、最短撮影距離0.45mよりもMFだとちょっと近くなるみたいです。
焦点距離(mm) | 18 | 24 | 35 | 50 | 70 | 100 | 135 |
最短撮影距離(cm) | 38.5 | 40.5 | 40.5 | 42 | 44 | 44 | 44 |
カタログスペックの0.45mというのはAF時の値なんでしょうね。撮影が難しくなりますが、ワイド端で近くのモノを撮るときはMFを使う、というのが裏技で使えそうです。
それと逆に「最大撮影倍率」はSEL18135がもっとも大きな値になります。これはズームをいっぱいに使ったテレ側で、一番被写体に寄って撮影したときに、実物のサイズの何倍の大きさで光学センサーに写せるか、という数値になります。
マクロレンズなどは1.0倍となり、被写体と同じ大きさで光学センサーに写せることになります。倍率が大きければ大きいほど有利。
SEL18135はテレ端でこれくらいまで寄ることができます。ワイド端での接写撮影が苦手なんですが、望遠側は大得意、というレンズになります。
そして焦点距離が長いとボケも大きく作ることができます。最短撮影距離での実験ではありませんが、同じ被写体、同じ距離での撮影でどれくらいボケが大きく出来るのか実験。
まずはこちらがSEL18135のテレ側、F5.6絞り開放での撮影です。背景にある木漏れ日が大きくぼけています。
こちらはSEL1670Zのテレ側いっぱいでのF4絞り開放での撮影です。絞りF4で使える明るいカールツァイスレンズなのですが、焦点距離がさすがに倍も違ってくるとこちらの方がボケは抑えめになってしまいます。
こちらはSELP1650です。テレ側いっぱいで絞りF5.6での撮影になります。焦点距離75mm相当でボケはこれくらい小さなものになります。
背景が大きくぼけた「これぞデジタル一眼カメラ」的な写真が撮りたかったのに、なかなか、そういう写真が撮れない、というのはSELP1650がそういう撮影には向いていないから。
単焦点レンズというズーム機能が搭載されていないけど大きくボケを作るレンズがあるので、そういうのを使うとSELP1650とは違った大きくボケがある写真が比較的簡単に撮れるようになります。
α6500やα6000には全画素超解像ズームという高画質なデジタルズーム機能も搭載しており、こうして2倍くらいのサイズにしても画質の劣化が少ない、ということができるのですが、ボケに関しては単に拡大をしているだけなのでボケが大きくなることはありません。
ボケ感はほぼそのまま拡大されただけのものになります。
これだけボケ量が変わってくるので、ズームレンズ1本しか買えない!けど背景ぼかしとかも楽しみたい! というのであれば「SEL18135」ではいかがですか? という選択肢が出来たかもしれません。
■SEL18135で撮る平林寺
ということで、この3本のズームレンズを持って、埼玉県・新座市にある「平林寺」へ久しぶりに行って参りました。うちから近所なんです。
平林寺は43ha、東京ドーム9個分の雑木林をふくむお寺さんです。安全に散策ができるように整備されていて、手つかずの自然風景を手軽に楽しめる貴重な場所になっています。
入園料は500円かかるのですが、全額が雑木林の整備保全に使われているそうです。(駐車場も向かいにあり、そちらも1日500円)
2年ぶりの平林寺なんですが、その前に、隣にある「睡足軒」に立ち寄ってみます。
「睡足軒」は「電力の鬼」と呼ばれ、昭和の大茶人でもあった松永安左エ門(まつながやすざえもん)の屋敷地で、こちらも平林寺の境内林の一部になるのですが無料で入場する事ができます。
フォトジェニックなものがいろいろあるので、まずは一回りしてきます。
通路に置いてある石です。ヒモで縛られてありなにかしら意図があるものなんだろうなぁ、と、思って、帰ってから調べてみると、これは「止め石」というものなんだそうです。
この先は立ち入り禁止という意味で置かれているそうです。この先に柵があったので進むことは物理的にできませんでしたが、初めて知りました。この先も神社仏閣に行くことはあるでしょうから覚えておこうと思います。
雑木林は人工的に作られた林ということになります。適度に間引かれて整備されているので山道でみるような自然ではなく、整えられた景色が楽しめます。
この日は野鳥もたくさん見かけました。バードウォッチングのためにわざわざ森の中に入っていかなくても、こういうところの方が見つけやすいのかも。
大好きな「エナガ」がやってきてくれました。さすがに望遠レンズがないのと、警戒心の強い野鳥なので近くに寄れませんが、135mmあるとなんとか野鳥が判別できるくらいのサイズでは撮れます。
これがSELP1650だったら諦めるところですが135mmで撮影して、等倍サイズでトリミングするとこんな風に見えます。
うっすらとピンク色をしたふわふわした体がよく見えます。ど真ん中で撮影しているというのもありますが、シャープに撮れますね。
道路を渡って、平林寺へ入山させてもらいます。以前は、ここの総門の前に自転車を止めることが出来たのですが、ルールが変わってやや離れた駐輪場に止めるようになっていました。
そして一番変わったのがこちらです。1年ほど前から一脚と三脚の使用が禁止されています。
また以前はごく一部だった立ち入り禁止区域が大幅に広がっていて「修行エリア」が全面的に入ることができなくなっています。
入場される方が増えていろいろあったみたいですね。
そんなわけで、三脚を持ってきて比較撮影をするつもりだったのですが手持ちです。SEL18135でこちらの山門を撮って、設定を同じにしてSEL1670Z、SELP1650で、絞りF8、ワイド端で撮り比べをしてきました。
こちらがSEL1670Zです。
こちらがSELP1650になります。
撮影した3枚の写真をフォトショップで表示してキャプチャーしたものがこちら。
レンズの解像感をみるとSEL18135もSEL1670Zもそれほど大きな差はありません。
高倍率ズームレンズだと周辺部の解像感が落ちたり流れたりしますが、それもなさそう。
こちらは「さざれ石」です。君が代で歌われる「さーざーれー、いーしーのー、いーわーおとなーりてー」と言うあれです。小さな石が集まって大きな岩となったもの。
苔がむしはじめています。
この岩はいつからここにあるんでしょうね。
放生池です。平日の月曜日ということで誰も居ない境内を1時間ほど歩いて帰ってきました。
ロウバイがあちこちに咲いていました。これだけ寒い日が続いても咲き始めるんですね。ロウバイって。
天気の良い1日も終わり。夕やけが綺麗なので空の色を撮ってみると富士山のところに小さな点があるのを発見。
135mmのテレ側で撮影してみると、遠くを飛行機が飛んでいるのが映っています。こちらもすごいシャープに映っていて、この高度で飛んでいるのに車輪が出ているのが見えました。
202.5mm相当の高倍率ズームレンズ、かなりの威力です。
■標準ズームレンズの価格比較
ということで、今まではSELP1650とSEL55210のダブルズームレンズで、まずは何でも撮れるようにしよう!だったのですが、ちょっと望遠域が足りなくなるモノのレンズ1本でなんでも撮れる「SEL18135」ってかなり便利じゃないですかね。
高倍率ズームレンズには「SEL18200」や「SEL18200LE」などもありますが、かなりサイズが大きくなりますからね。標準ズームレンズ「SEL1670Z」なみのサイズで持ち歩けるのは威力があると思います。
ちなみに価格はSELP1650が32,190円、SEL55210が33,600円になっています。合わせて65,790円よりもSEL18135の64,630円の方が若干安いんです。(もっともα6000のキットレンズだとボディ代+30,000円でレンズが2本ついてくるので、α6000やα5100と一緒に購入するのだと価格的にはかなわないのですが。)
個人的には「SEL18135」で日常使いは全部1本でカバーして作品作りのために短焦点レンズの「SEL50F18」を揃えると、ぐっとカメラが楽しくなると思います。
α6000やα6500などで、これからソニーのデジタル一眼カメラの世界に飛び込もうとするなら、このズームレンズがまず1本目にオススメです。
APS-Cズームレンズ SEL18135 |
ソニーストア価格: 64,630円+税 |
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発売日 | 2018年2月2日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
長期保証 サービス |
5年ワイド:7,000円+税 3年ワイド/5年ベーシック:4,000円+税 3年ベーシック:無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
送料無料(~2/14) ソニー提携カード決済で3%オフ 24回分割払手数料0%キャンペーン実施中!(~4/16) αあんしんプログラム 入会金無料キャンペーン中(~4/16) |
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テックスタッフ 店頭入特典 |
10%オフクーポン(併用不可)プレゼント中 開店4周年記念品プレゼント中 スプリングフェア特典あります 実機店頭展示中 |
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