【レビュー】α9、α7R4ユーザーさん向け新型SDカード【TOUGH】『SF-M』シリーズ試用レポート
昨年12月に強靭性、防水防塵性に優れたSDカード【TOUGH】シリーズの新製品が発売になりました。書込スピードがやや遅くなるモノの価格が安価に設定された『SF-M』シリーズが発売。当店でも最大容量の256GBモデルを購入させていただきました。
読み書きの速度がやや遅くなりますが、最大容量256GBというのは魅力。実際に、どれくらいのスピード差があるものなのか、実機でテストしてみました。
こんにちは、店員佐藤です。
昨年末ですが、今年のイベントは今年のうちに!ということで、渋谷スクランブルスクエアの展望施設「渋谷SKY」に遊びに行かせてもらってきました。
観たことのない渋谷上空からの景色を楽しみつつ、屋上ではない室内の展望階ではカメラ三脚などの使用に制限がないとのことで、大好きなタイムラプス撮影も楽しませてもらってきました。
6100万画素の“α7R4”を持ち込んで夜まで撮影するつもりだったのですが、計算外のコトが起こります。そうなんです、ある程度予想はつくと思うんですが6100万画素でインターバル撮影をするとものすごいデータ消費量になるんです。
このときは「HDR撮影」がテーマだったので動画のHDR撮影と、インターバル撮影の方もピクチャープロファイルを使った「HDR」撮影に挑戦。JPEGで撮ってしまうとHDR→SDR変換が現状はできないため仕方なく圧縮RAWで撮影してそのまま出力でHDRのJPEG画像をさせ、あとで普通にRAW現像して写真ファイルも生成するということをしています。
“α7R4”のRAWデータですが圧縮しても1枚で60MBほどのサイズになります。私の持っている最大容量の128GBのSDカードを持って行っているのですが、それでも撮影できるのは約1900枚ほどです。
タイムラプス動画のためのインターバル撮影をする場合、1秒の動画を作るのに30枚の写真が必要になります。30秒の動画を作るとなると900枚の写真が必要になるのですが、それをやると2カットだけで撮影が終わってしまうんです。仕方なく、今回は複数のカットを撮影するため最低限の12秒の動画を1カットで撮影する様にして1カット360枚、これでも5カットほどしか撮れず夕方になる前には撮影が終わってしまった、という結果でした。
6100万画素の“α7R4”の画質の良さは昨年の発売以来、使うたびに感動させてもらっているのですが、これでタイムラプス撮影をするなら容量が全然足りないぞ、ということになり、年末に急遽、新発売のTOUGHシリーズ、SF-Mの256GBモデルを購入させていただきました。
ソニーのSDカード「TOUGH」シリーズというのは2018年10月に発売された防水、防塵仕様の超硬いSDカードです。先月「SF-M」シリーズという新製品が発売になったのですが、こちらは書込速度をやや遅くしたモデルで、大容量256GBモデルが初めて登場したシリーズになっています。
初代「TOUGH」モデルの「SF-G」シリーズは2018年の10月の発売から私も使わせてもらっています。使い始めて1年ほど経ちましたが、使用感はほとんどありません。
通常のSDカードは基板を上下から挟み込む形で成型されますが、TOUGHシリーズは基板を中に一体成型してしまっているのでどこにも継ぎ目がありません。また、端子部にも手が触れないようにするガードガイドがなくシンプルそのまま。
抜き差ししているウチにカードが欠けてしまうことがあり、私が業務で使うSDカードはいつも4GBとか8GBとか小容量のものにして壊してしまってもダメージがないようにしていたのですがTOUGHシリーズのおかげでやっと大容量カードを普通に使うコトができるようになりました。
価格がやや高いことをのぞくと大満足です。いや、長寿命ということを計算にいれると高くもないかも。
転送速度をやや落とした「SF-M」シリーズが登場したことで、「SF-G」シリーズでは128GBまでしかなかったラインナップに256GBモデルも登場しました。
ラインナップの価格はご覧の通りです。(2020年1月9日現在)
モデル | 書込速度 | 32GB | 64GB | 128GB | 256GB |
SF-G |
299MB/s | 11,880円 | 16,880円 | 32,880円 | - |
SF-M |
150MB/s | - | 14,000円 | 27,000円 | 40,000円 |
読み出し速度は300MB/sと277MB/sなので、それほど違いはないのですが書込速度を比べるとほぼ倍くらいの違いになります。
で、興味があるのは、実際に“α”で使った時にどれくらいのスピード差が出るか、というものです。いろいろな組み合わせがあるので割と実験には時間がかかったんですが、今回試したのは高速連写秒20コマを実現する2400万画素モデルの“α9”と、6100万画素のフラッグシップモデル“α7R4”です。
書込が速いと連写で撮影できる枚数が増えるのか、というと、実はそうではありません。バッファが一杯になって、それをカードに書き込む速度が速くなる、という違いになります。
最初は撮影できる枚数に違いがでるかと試していたのですが、どのカードを使ってもバッファが一杯になるまでの撮影枚数はほぼ一緒で、その後、撮影データを全部書き終わるまでの時間に違いがでます。
今回、試してみたのはこちらです。写真左からTOUGHシリーズのSF-G、SF-Mと、ノーマルカードのSF-M、そして一般的なSDカード代表ということで、写真用ではないのですがPCのデータバックアップ用に発売されていた「SN-BA」も計測してみました。
「SN-BA」以外はUHS-II規格のカードになります。
“α9”、“α7R4”ともに最高速の連写モードにして、シャッタースピード有線1/2500にて、連写を開始し、バッファがいっぱいになったところで撮影を停止。それまでに撮影できた枚数と、SDカードへの書き込み時間が終わるまでの時間を計測したモノが下記の表になります。(時間はシャッターを切り始めたところから計測しています。)
TOUGH G | TOUGH M | SF-M | SN-BA | ||
最高書込速度 | 299MB/s | 150MB/s | 100MB/s | 不明 (ベンチ25MB/s) |
|
α9 | 非圧縮RAW (10秒) |
128枚 44秒 |
122枚 53秒 |
117枚 1分5秒 |
107枚 4分21秒 |
圧縮RAW (12秒) |
245枚 54秒 |
229枚 1分6秒 |
235枚 1分14秒 |
214枚 4分36秒 |
|
JPEG FINE (17秒) |
363枚 1分35秒 |
362枚 1分35秒 |
368枚 1分37秒 |
369枚 2分42秒 |
|
圧縮RAW+ JPEG FINE (11秒) |
231枚 1分14秒 |
225枚 1分22秒 |
223枚 1分40秒 |
213枚 5分56秒 |
|
α7R4 | 非圧縮RAW (4秒) |
31枚 20秒 |
31枚 30秒 |
31枚 42秒 |
31枚 3分03秒 |
圧縮RAW (7秒) |
73枚 32秒 |
73枚 38秒 |
64枚 98秒 |
63枚 3分10秒 |
|
JPEG FINE (7秒) |
73枚 36秒 |
73枚 36秒 |
73枚 37秒 |
74枚 1分24秒 |
|
圧縮RAW+ JPEG FINE (7秒) |
72枚 40秒 |
68枚 58秒 |
67枚 64秒 |
63枚 4分21秒 |
.
こうして比較してみるとおわかりの通り、差が出るのはRAWでの撮影時のみです。JPEG記録の場合はカメラ内で画像処理をおこなっており、その速度の方が書込速度よりも遅くなるため書込速度に差は出ません。撮影モードの中にある()はバッファが満タンになるまでの時間です。引き算すると書き込み時間の差になるのですが、“α7R4”の非圧縮RAWではTOUGH SF-Gが16秒、TOUGH SF-Mが26秒かかって書込をしていることがわかります。最大時でTOUGH SF-GはTOUGH SF-Mの60%ほどの時間で書込を完了できるということになります。
RAWでの撮影を連写で行うことが多い方はTOUGH SF-Gを購入するメリットが多そうです。連写などでの書込待ちというシーンがないようであればTOUGH SF-Mでより安価に、大容量モデルを購入すると良いかと思います。
こちらは“α7R4”のスロット1に256GBカード、スロット2に64GBカードを入れて、圧縮RAW撮影に設定したときの撮影可能枚数の表示です。3982枚撮れるのであれば、900枚のインターバル撮影が4セット。360枚のインターバル撮影なら11セット行けます。
2020年のデジタル一眼“α”ライフをより安定したものにするために、初買いでTOUGHシリーズのSDカード購入というのはいかがですか?
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発売日 | 2019年12月7日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
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発売日 | 2018年10月20日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
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