【発売日レポート】G Master新マクロ『SEL100M28GM』で“月の石”を撮ってみた

本日、11月21日は新型マクロレンズ「SEL100M28GM」の発売日です。当店でも本日より店頭展示をスタート。
早速、試してみたかったデジタル一眼カメラ”α”に搭載の「フォーカスブラケット」で試し撮りしてみました。このレンズ、ムチャクチャ楽しいかも!

こんにちは、店員佐藤です。
楽しみにしていた100mmマクロレンズ「SEL100M28GM」がやってきました。
この日のために、LED照明付きのポータブルスタジオ撮影ボックスや、撮影距離を微調整できるマクロスライダーなどを準備しておきました。店頭で100mmマクロの性能を存分に楽しめるようセッティングしています。

せっかくなのでスタジオ撮影ボックスを使って撮影してみました。SEL100M28GMの同梱品です。
付属するレンズフードは「SEL50F14GM」と同じ「ALC-SH173」です。フィルター径は67mmで、レンズキャップも67mm径のものが付属します。キャリングケース&ストラップも同梱品になります。
ソニーの”α”シリーズでフルサイズ対応でラインナップされているレンズはこれで3本になります。左から「SEL50M28」「SEL90M28GM」「SEL100M28GM」です。
スペックの違いは下記のとおりとなります。
■ソニー”α”マクロレンズ比較表
| 型名 | ![]() SEL50M28 |
![]() SEL90M28G |
![]() SEL100M28GM |
| ストア価格 | 64,900円 | 172,700円 | 199,500円 |
| 発売日 | 2016.9.24 | 2015.6.26 | 2025.11.21 |
| レンズ構成 (群-枚) | 7群8枚 | 11群15枚 | 13群17枚 |
| 開放絞り (F値) | 2.8 | 2.8 | 2.8 |
| 最小絞り (F値) | 16 | 22 | 22 |
| 絞りリング | 非搭載 | 非搭載 | 搭載 |
| 絞り羽根 (枚) | 7 | 9 | 11 |
| 最短撮影距離 (m) | 0.16 | 0.28 | 0.26 |
| 最大撮影倍率 (倍) | 1 | 1 | 1.4 |
| α9 III連写最高速 | 20fps | 15fps | 120fps |
| フィルター径 (mm) | 55 | 62 | 67 |
| 手ブレ補正 | – (ボディ側対応) |
レンズ内 手ブレ補正 2軸 |
レンズ内 手ブレ補正 5軸 |
| テレコンバーター (1.4x) | 非対応 | 非対応 | 対応 |
| テレコンバーター (2.0x) | 非対応 | 非対応 | 対応 |
| 外形寸法 最大径x長さ (mm) |
70.8 x 71 | 79 x 130.5 | 81.4 x 147.9 |
| 質量 約 (g) | 236 | 602 | 646 |
| フード (型名) | ALC-SH138 | ALC-SH173 |
.
約10年ぶりに発売されるマクロレンズということになり、技術の進化もあり、スペックには出ていない点でも進化があります。

AF速度もその一つです。従来の90mmマクロではダイレクトドライブSSMを2基使っていたのですが、新型100mmマクロでは最新のXDリニアモーターを4基搭載しています。モーター1基あたりの力は同程度なので単純にフォーカス駆動のパワーが2倍程度になっています。
それもあってAF-Sモード時にAF性能が従来比で最大約1.9倍に高速化し、マクロ撮影における非常に浅い被写界深度でも、最適化されたアルゴリズムでフォーカス機構を精密に制御し、高速で正確なAFを実現しています。
プラットフォームの進化もあり、α9 IIIの最大120コマ/秒のAF追随連写や、4K 120pのスローモーション動画撮影時も、AFがスムーズに被写体を追随します。
テレコンバーターレンズが使えるようになっているというのも従来にはない機能になっています。
いろいろ試してみたいことはあるんですが、まずは普通に最短撮影距離&最大撮影倍率での性能の違いを試してみます。
■「月の石」をマクロレンズで撮影してみよう!
まずは「月の石」を用意しているので、これをマクロレンズで撮影してみようと思います。「月の石」と言ってもアポロ計画で持ち帰った石とかではありません。
昔、月に隕石がぶつかってその破片が地球に降り注いだ「月隕石」の破片と言うことになっています。amazonで購入できます。
本物かどうかは証明のしようがないんですが、成分は月のものと同じなんだとか。

この月隕石をマクロレンズで撮影してみます。撮影する際はフォーカスリングをフルマニュアルにして最短撮影距離状態にして、カメラ自体を前後させてピントを合わせます。

フォーカスを合わせる際は、マクロスライダーについているネジを回してスライダーを前後させてフォーカスを合わせます。
マニュアルフォーカスで最短撮影距離での撮影をしたときに最大倍率での撮影ができる、というわけです。

まず最初の↑こちらは90mmマクロレンズによる「1倍」での撮影です。価格は1万円近くする月隕石ですが、その大きさは5mmもないほどの豆粒以下の欠片なんです。
ノートリミングでこれくらいのサイズになります。

↑こちらは新型レンズ100mmマクロでによる最短撮影距離での撮影です。
撮影倍率は1.4倍になります。かなり寄った感じでの撮影ができます。

さらに! こちらは2倍テレコンバージョンレンズ「SEL20TC」を使ったときの撮影で、この場合は撮影倍率が2.8倍になります。
この撮影倍率というのは被写体がCMOSセンサーに映り込んだときの倍率で表現されていて、1倍の場合は等倍で35mmフルサイズセンサーに投射されているということになります。1倍を超えた倍率の場合は実際のサイズよりも大きくセンサーに投射されているということになります。
2.8倍サイズだと5mm程度のものでもこんなに大きく写ります。

なお、カタログに載っている最短撮影距離なんですが、それは被写体からカメラ内部にあるCMOSセンサーまでの距離で掲載されています。
実際に撮影する際はレンズがあるので、レンズの先端から被写体までの距離とは違います。被写体からレンズ先端までの距離は「ワーキングディスタンス」と呼ばれます。
定規を使って、それぞれのワーキングディスタンスを計測してみたのがこちらです。
| 撮影倍率 | ワーキング ディスタンス |
|
| SEL90M28G | 1倍 | 約12.3cm |
| SEL100M28GM | 1倍 | 約11.4cm |
| 1.4倍 | 約9.1cm | |
| SEL100M28GM+SEL20TC | 2.8倍 | 約9.1cm |
.
手動計測で誤差もあるかと思いますが、おおよその目安になるかと思います。テレコンバージョンレンズを装着してもワーキングディスタンスの距離は変わらない(テレコンレンズの分、最短撮影距離は延びているみたいですが)ので、それで撮影倍率が2倍になるわけです。
こういう小さな世界をのぞいて撮影するの楽しいですね。
■”α”に搭載されている「フォーカスブラケット」機能を使って撮影してみよう

さて、ここからはデジタル一眼”α”に搭載されているフォーカスブラケット機能を使っての撮影を試してみたいと思います。
「フォーカスブラケット」というのはカメラにフォーカス位置を少しずつ変えて連続撮影してもらうモードです。露出ブラケットやWBブラケットなどがありますが「フォーカスブラケット」はこうした小物撮影をするときに利用する機能です。
被写界深度がとても浅くなってしまい全体にフォーカスを合わせるのが難しいマクロ撮影ですが、フォーカスブラケット撮影をすることで、被写体全体をシャープな画像にすることができます。
注意点は下記の通り。
- 機能搭載カメラは「α7R V」「α7C II」「α7CR」「α9 III」「α1 II」とアップデートにより「α7 IV」「α7S III」が対応します。
- オートフォーカスにして利用します。(MFでは機能しません)
- 撮影した画像はPCによる加工が必要です
あれ? カメラ本体では合成されないの?というところですが、そうなんです、撮影した画像はPCに写して、画像加工ソフトで演算させる必要があります。
1枚ごとにフォーカスを移動させる距離と、撮影枚数を指定して撮影し、その後、フォトショップで加工する必要があります。ソニーが提供するImaging Edgeにはフォーカスブラケットの加工機能はないので、フォトショップが必要になるんですが、フリーソフトで「CombineZP」というソフトがあり、制限はありますが無料で使うことができます。
☆深度合成ソフト CombineZP:https://combinezp.software.informer.com/
リリースされているのが2012年で、その後アップデートされていないようなので、その当時のPCのスペックで設計されています。
Windows 11時代のようにPCにメモリーが32GBも搭載されることは想定していないようで、高画素で枚数をたくさん指定するとエラーが出てしまいます。
試してみたところ、α7R Vの場合、JPEGのSサイズ(15M)で約30枚、Mサイズ(26M)で約10枚くらいの合成が限界です。Lサイズ(60M)だと3枚読み込めないので利用できるのはSサイズの画像程度になると思っていた方がよいと思います。
使い方がやや難しいのでやり方を紹介します。

ソフトをインストールして起動したら、最初に画面左上にある「NEW」ボタンを押します。

ウインドウが開くので、ここで合成したい画像ファイルを一度に選択して「開く」ボタンを押します。

続いて「Align and Balance Used Frames(Quick)」を選択して「GO」ボタンを押します。

これにより位置とサイズを微調整していきます。

最後に「Do Stack」を選択して「GO」ボタンを押せば、合成作業が始まります。それほど時間はかからずに読み込んだ写真ファイルのあるフォルダに「output」というフォルダを作って、完成画像を書き出してくれます。

↑こちらは100mマクロレンズで撮影した1枚の写真です。絞りはF11にしてある程度絞り込んでいますが、見ての通り、手前の断面にフォーカスを合わせていて、欠片の奥の方(画像では上の方)はフォーカスが外れてボケているように見えます。
絞り込んでもカメラがフォーカスを合わせられるのは1点だけ。被写界深度を深くするとフォーカスが合っているように見える範囲が広がるだけでフォーカスは合わせたところにしか合いません。
ですが、フォーカスブラケットで撮影して合成するとこのとおり。

↑こちらはα7R VのJPEG Sサイズで30枚撮影した画像を合成したものになります。画質がわかりやすいように被写体を中心に4倍くらいにクロップして表示しています。
これだと欠片の手前から奥まですべてシャープな画像になります。もっというと、下地になっているスポンジまでハッキリ見える様になりました。
合成できるのは30枚程度までなので、撮影時には移動距離を調整して全体にフォーカスがいくように調整して撮影するのがコツです。

フォトショップの場合は「ファイル」>「スクリプト」>「ファイルをレイヤーとして読み込み」で、撮影した画像をすべて選択して1枚の画像ファイルにレイヤーとして重ねて開きます。
なお、フォトショップの場合はRAW画像も取り扱えます。

画像を取り込んだら、読み込んだレイヤーをすべて選択した状態で「編集」>「レイヤーを自動整列…」で、画像の位置調整をします。

ここは自動設定にしておけばOKです。
その後「レイヤーを自動合成…」で画像加工されます。

レイヤーを自動合成では「画像をスタック」を選びます。
RAW画像からで、撮影枚数が多いと合成にはかなりの時間がかかりますが、これでより高画質なファイルが手に入れられます。

↑こちらはフォトショップで画像加工したファイルです。このサイズで見る分にはCombineZPと違いはわからないですね。

なお、こちらは2倍テレコンを装着して撮影したものをCombineZPで30枚合成した画像です。
なにやら欠片の断面にはいろいろな鉱物がついているみたいで、やっぱり、この欠片は月からやってきたものなのか!と、思えてきてしまいます。
マクロ撮影遊び、楽しーい!

以上、テーブルフォトでの新型100mmマクロ「SEL100M28GM」の試用レポートでした。
■「SEL100M28GM」を買うなら今、ソニーストアで!
「SEL100M28GM」は本日11月21日(金)が発売日です。ソニーストアの在庫状況ですが、今のところは在庫有り、即納ステータスになっています。
正直言って、望遠レンズなどと比べるとマクロレンズは利用されるユーザーさんが少ないので大ヒットレンズとはならなさそうですが、ソニーの”α”レンズは発売日を迎えると購入したユーザーさんの口コミが一気に広がっていき、あっという間に品薄になる、という流れもあります。
購入を迷われている方はお早めに。
「SEL100M28GM」はソニーストアの60回分割払い手数料0%の対象製品になっています。分割手数料0%なので、今、全部一度に払っても、60回分割にしても支払総額は一緒です。(キャンペーンは期間限定で2026年1月14日10時までです。)
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| G Master 中望遠マクロレンズ SEL100M28GM |
ソニーストア価格: 199,500円 税込 |
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| 発売日 | 2025年11月21日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
| 長期保証 サービス |
5年ワイド:20,900円 3年ワイド/5年ベーシック:11,000円 3年ベーシック:無償 |
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| ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ 60回分割払い手数料0%(~1/14)対象 ・月々3,300円(初回4,800円) |
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| テックスタッフ 店頭入特典 |
テックスタッフ店頭ご利用特典のご案内 | |||
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