【レビュー】α7 Vの部分積層CMOSはどれだけ速い?ローリングシャッターを実写で比較してみた
新型デジタル一眼カメラ「α7 V」の発売日を迎えました。当店でも発売日から実機展示をすることができるようになり、やっと「α7 V」の実機を触ることができました。
また、実機での撮影映像も本日から解禁になっています。早速、α7 Vの武器である部分積層型CMOSセンサーの威力を試してみたいと思います。
塗り替えられた新しいスタンダードカメラ、すごいことになっていますよ。
こんにちは、店員佐藤です。
100mmマクロレンズ「SEL100M28GM」の店頭展示イベントのためにお店でライトボックスを購入したので、今回はそのライトボックスを使って「α7 V」の商品撮影をしてみました。
照明がしっかりしていると、すごい写りになりますねー。自分でびっくりしています。
ビックリしていると言えば「α7 V」ですけど、本物をみて初めて気がつくこととかありました。

ファインダーなんですが、従来モデルと同じ薄型のアイピースだったんですね。てっきり、上位機種の「α1 II」で付属するようになった新型アイピースカップ「FDA-EP21」がついているものだと思っていました。
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| アイピースカップ FDA-EP21 |
ソニーストア価格: 2,640円 税込 |
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| 発売日 | 2024年12月20日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
| ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
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| テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
☆テックスタッフ店頭ご利用特典 | |||
やや厚めでソフトなアイピースカップになるんですが、これを使うと遮光性があがるのと、おでこをグッとカメラに抑える事ができて安定した撮影ができるんですよね。
試したところ、α7 Vにも装着できましたので、本日、α7 Vがお手元に届いている方、こちらも買い足して使ってみると良いかもしれません。
新しいスタンダードカメラということで、ターゲットユーザーは全員!というスゴいモデルなんですが、当店でお話しを聞いているとやはりメインで購入されているのはα7 IIIやα7 IVからの乗り換えの方々。
待望のAI被写体認識が搭載されたのと、それと4軸バリアングルモニターが搭載されたのもでかいですよね。秒30コマ連写も、プリREC機能も搭載されたし、今回はものすごい進化をしています。
「ミニα1 II」というカメラになっていて、これがこれからのスタンダードカメラって、とんでもないことになってきましたね。

あわせるレンズはもはや40万円クラスのカメラなのでG Masterレンズを使いたいところですが、個人的にオススメなのは「SEL2070G」かなーとか思っています。
動画撮影も機能フル搭載のカメラなので、やはり広角側が広い方が撮りやすい気がします。
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| G レンズ 標準ズームレンズ SEL2070G |
ソニーストア価格: 191,900円 税込 |
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| 発売日 | 2023年2月10日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
| 長期保証 サービス |
5年ワイド:-18,700 円 3年ワイド/5年ベーシック: 9,900 円 3年ベーシック: 無償 |
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| ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
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| テックスタッフ 店頭入特典 |
発売後、実機を当店店頭にて展示予定 テックスタッフ店頭ご利用特典のご案内 |
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写真で見ての通り、α7 Vとのバランスもいい感じ。
このレンズはα7 V発売記念のキャッシュバックキャンペーン対象モデルなので、同時に購入すれば2万円のキャッシュバック+ウインターキャッシュバックキャンペーンで1万円のキャッシュバックです。
グリップはα7 IVよりもやや角度の付いたグリップとのことですが、基本的にはα7 IVを継承したデザインになっています。使い慣れたデザインで安心感がありますね。
左肩にはα7 Vのロゴも見えます。付属するショルダーベルトにもα7 Vの文字が刻まれています。これから、これをやたら見かけるようになるんでしょうね。
ということで、ザックリと外観をチェックして、そのまま試し撮りに行きたいところですが、今回は先に試しておきたいことがあります。
発売前の店頭でおこなった新製品セミナーで紹介した、ローリングシャッター現象の比較です。走行中のミニ四駆を撮影して、ホイールの変形がどれくらい起こるものなのか、α7 V以外の機種で試していたんですけど、α7 Vの実機での写真データがこれで手に入ります。
新型モデル「α7 V」の心臓部ともいえるのが新開発の部分積層型CMOSイメージセンサー ×とAI処理機能を内蔵したBIONZ XR2プロセッサーで、画素数こそ3300万画素とα7 IVと同じになりますが、α1 IIのメモリーを一体型にした積層型CMOSセンサーを部分的に採用し、メモリー一体型の完全積層ではないが、高速読出しを可能にする積層構造を一部採用し、高速処理と高画質撮影を両立しています。
動画撮影時におこるローリングシャッター現象がかなり抑えられているという話で、それを試してみたかったんです。
海外サイトでは実測でイメージセンサーの読み出し速度を掲載しているところがあるんですが、これを自分で計測することはできないかな? というのを、今年から私の大親友になっているChatGPTに相談したところ、できるよー、とのこと。

なんか、難しい事を言っていて意味はわからないんですが、とにかく同じ条件で正確な回転数が分かれば計算できるというので、道具を揃えてみました。
まずはミニ四駆の回転ホイールの写真から、センサーの読み出し速度を割り出せないかと、写真を全部アップロードして相談したんですが、ホイールの回転数が正確に知りたいというので、非接触のデジタル回転数測定器を買ってみました。
テープを貼って、そのタイミングをレーザーで読み取って回転数を割り出すんですって。
結論から言うと、この回転数が一定でなくて、かなりブレがあるのと、回転数が早すぎるため、正確な読み出し速度の計測は難しい事がわかりました。
ちなみに当店店頭で試せるカメラを総動員して比較撮影したものがこちらです。全部、シャッタースピードを1/8000で揃えて、電子シャッターを使って撮影しています。焦点距離70mmにしてほぼ、同じ構図、同じ画角、同じ距離で撮影しています。
回転中のホイールを撮影したときに、なぜ、こんなに変形した形になって映ってしまうかというと、電子シャッターを使っている場合、センサーの上から下へ向かって順に読み出しを行っていて、画面の上と下では読み出しのタイムラグが起こるからなんです。
ホイールの上側を読み出してから下まで読み出す間にもホイールは回転しているため、それで正常な形に映らなくなります。
一番上にある「α9 III」は「グローバルシャッター」方式という、同時に全画素を読み出す方式を採用しているため、一切、歪みはありません。
2番目にある「α1 II」もほとんど歪みはないように見えますが、これは積層型CMOSセンサーを採用していて、超高速にセンサーの読み出しを行ってメモリーに転送をすることができるからなんですが、さすがα1 IIというか、ほとんどグローバルシャッターと変わらない読み出し速度になっています。
初代α9を含め、これらは積層型CMOSセンサーを搭載していて、センサーにメモリーが一体型で作られています。
新型の「α7 V」は「部分積層CMOS」となっていて、ボトルネックになる部分だけ積層化し、それ以外は従来構造になっているとのこと。これにより高速読み取りが可能にもかかわらず、発熱が抑えられるというメリットがあるそうです。
推定センサー読み出し速度(相対比較表)
| 機種 | センサー種別 | 見かけの歪み | 相対評価 |
|---|---|---|---|
| α9 III | グローバルシャッター | なし | ★★★★★ (別次元) |
| α1 II | 積層CMOS | 極小 | ★★★★★ |
| α9 | 積層CMOS | 極小 | ★★★★★ |
| RX100 VII | 積層CMOS | 極小 | ★★★★☆ |
| α7 V | 部分積層CMOS | 小 | ★★★★☆ |
| Xperia 1 VII | 積層CMOS(スマホ) | 小 | ★★★★☆ |
| α7S III | 裏面照射CMOS(低画素) | 小 | ★★★☆☆ |
| α6700 | 裏面照射CMOS(APS-C) | 中 | ★★☆☆☆ |
| α7C II | 裏面照射CMOS | 中 | ★★☆☆☆ |
| α7R V | 高画素裏面照射CMOS | やや大 | ★☆☆☆☆ |
α7S IIIは非積層型CMOSセンサーにもかかわらず好成績なのですが、これは1200万画素と低画素センサーだからということになります。非積層型CMOSセンサーの場合は画素数は増えるほど読み出し時間がかかる傾向にあるため、こうした結果になります。
サイバーショットのRX100M7もメモリー一体型の積層型CMOSセンサーを採用しており、センサーサイズも1型と小さいことからα9並みの高速読み出しをしています。
同様にスマートフォンになりますが「Xperia 1 VII」も積層型CMOSセンサーを採用していて、かなりの好成績。(ジャギーが出ているのは2倍ズームを使っていたからで、別の問題があるようです)
これらの積層CMOSセンサーと対抗できるほどの性能が「α7 V」の新型センサーにはあるというわけです。

さて、このミニ四駆からセンサーの読み出し速度を推定で出してもらおうとしていたんですが、センサー面積に対して、被写体が小さすぎるようなので、別途、回転体を用意しました。
お手軽なUSBファンなんですが、これに黒いマークを入れて、さらに回転数測定器用に銀テープを貼って、これで再度試してみます。

ただ、このUSB扇風機も回転数に波があって、回転数が一定しません。本当に正確な測定をするようであれば、回転数を一定に保てる機器が必要なのですが、今回は用意ができないので「だいたい」の値で測定します。
ファンの回転数は毎分3300回転です。
シャッタースピードは1/8000で、電子シャッターに固定。焦点距離70mmで絞りF2.8にて各カメラで撮影したものがこちらです。
こんなに大きく歪むの!?と、思われるかもしれませんが、画面縦サイズのほぼいっぱいくらいのサイズでファンを回しているので、これでセンサーの上から下までの読み取り速度が計算しやすくなります。
黒いマークを入れたおかげでα7R Vは1枚のデータの読み出しの間に3回転以上していることもわかります。
AIに、これらの画像をすべて読み込ませて計算してもらった結果がこちらです。
※回転数にムラがあるので、正確な値にはなりません。あくまで目安でお考えください。
推定結果(回転数→読み出し時間)
※「〜回転」は、目視コメント(α7R Vは3回転以上、α7C IIは約2回転、α6700/α7S IIIは約1.5回転、他は1回転以内)に合わせた推定値です。1回転以内の機種は誤差が出やすいので“目安”として見てください。
※静止画・動画、画面サイズ、駆動モードの違いにより実際の読み出し速度は前後する可能性があります。
| 機種 | 回転数の目安 | 推定読み出し時間 | シャッター速度換算(参考) |
|---|---|---|---|
| α9 III グローバルシャッター |
0 | ≈0ms | – |
| α1 II 積層型CMOS |
0.3回 | 5.45ms | 約1/183秒 |
| α9 積層型CMOS |
0.45回 | 8.13ms | 約1/122秒 |
| DSC-RX100M7 積層型CMOS |
0.48回 | 8.73ms | 約1/115秒 |
| α7 V 部分積層CMOS |
0.8回 | 14.5ms | 約1/69秒 |
| Xperia 1 VII | 0.9回 | 16.4ms | 約1/61秒 |
| α7S III 裏面照射CMOS |
1.5回 | 27.3ms | 約1/37秒 |
| α6700 裏面照射CMOS |
1.5回 | 27.3ms | 約1/37秒 |
| α7C II 裏面照射CMOS |
2.0回 | 36.4ms | 約1/28秒 |
| α7R V 裏面照射CMOS |
3.2回 | 58.2ms | 約1/17秒 |
海外サイトでも実測値でレポートしているところがあるのですが、それらの多くは動画撮影時の測定になっています。静止画撮影と動画撮影では読み出し速度について差が出ている可能性もあるとのこと。
確かにこうした動きものを撮るときに、わざわざ静止画で電子シャッターを使う機会はそれほど多くはありません。ゴルフスイングなどでサイレントシャッターを使わないといけないシーンなどでは生きてきますが、これらのローリングシャッターを抑えたいときはメカシャッターにする、という方法があります。
なので、この目安は動画撮影時のローリングシャッターの起こりにくさ、みたいなことになりますね。
α7 Vは「完全積層と比べると遅い」ではなく、「必要なところだけ積層して、現実的な価格帯で高速化、発熱の低減を実現したカメラ」だと実感しました。

なお、こちらは「α7 V」でメカシャッターにしたときの比較です。メカシャッターにした場合はローリングシャッターが完全に抑えられるのか?というと、それはなく、シャッター幕が動くスピードに限界があるため、ローリングシャッター現象は出ます。それでもα1 II並みに抑えられます。
さらに言うと「電子先幕シャッター」という先幕を電子に置き換える機能も搭載されていてデフォルトでオンになっています。電子先幕シャッターをオフにすると、若干ですがローリングシャッター現象を抑えることができるようです。
以上、新搭載の部分積層型CMOSセンサーの読み出し速度の話でした。
これ以外にも16ストップのダイナミックレンジや、エクステンデッドRAW処理によるノイズ低減機能、さらにαシリーズ初搭載の「コンポジットRAW HDR用撮影設定」などの注目ポイントが多数あります。
本日以降、外に持ち出すことができますので、これらも試してきて、後日レポートしたいと思います。
新型デジタル一眼カメラ「α7 V」は本日より当店店頭にて実機展示を開始しています。ご興味ある方は是非、ご来店の上、店頭にてお試しください。

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ソニーではα7 Vの発売を記念したキャッシュバックキャンペーンを開催しています。期間は3月23日までで、ボディとレンズを購入されたときに、レンズについて最大3万円のキャッシュバックがあります。
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ソニーストアでの現時点での納期表示は上記の様になっています。「12月19日以降のお届け予定」という文言がなくなり、1月下旬頃の納期目安という表示になりました。
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ソニーストア価格: 416,900円 税込 |
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| 発売日 | 2025年12月19日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
| 延長保証 | 5年ワイド:41,800円 3年ワイド/5年ベーシック:20,900円 3年ベーシック:無償 |
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| ソニーストア 購入特典 |
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| テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
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