『Xperia 1 VI』の6GHz Wi-Fi環境を「Wi-Fiミレル」アプリで見える化してみた
もう梅雨が明けたのか!?というほどの暑い日が始まってしまった今年の夏で、テレビの天気予報では連日、予想最高気温を示すヒートマップが映し出されていますが、今回の記事ではアプリ「Wi-Fiミレル」を使って、自宅や会社のWi-Fi電波のヒートマップを作ってみた、という話です。
後日アップデート対応になりますが「Xperia 1 VI」は次世代規格のWi-Fi7に対応予定で「Wi-Fiミレル」を使ったときに6GHz帯のヒートマップも作れるようになっていました。
お店と店員佐藤自宅のWi-Fiヒートマップを作ってみましたのでレポートします。
こんにちは、店員佐藤です。
今回紹介するのはGoogle Playで無料でダウンロードしてフル機能を使うことができる「Wi-Fiミレル」です。
自宅の話になりますが、自宅でXperiaを使っていると明らかに寝室での通信速度が落ちるんです。Wi-Fiルーターはリビングにあり、そんなに広いウチではないので問題なさそうに思えるんですが、実はそうでもないみたいなんです。
それを見える化することができないかな?と思っていたところで「Wi-Fiミレル」アプリを見つけました。
一部、画面に広告が表示されるんですが、さほど邪魔になるものではなく完全無料ですべての機能が利用できます。↑画面はホーム画面なんですが、接続されているチャンネルが表示されていて「混雑」というタブを開くと、その場に飛んでいるWi-Fiの数とレベルを表示してくれます。
上記は新橋にあるソニーショップテックスタッフ店内の様子ですが、上に2.4GHz帯、下に5GHz帯の表示があり混雑状況が一目で見られます。青く「接続中」と出ているグラフのところが、自分のスマートフォンが利用しているチャンネルです。
平日の昼間にお店で測定した数値ですが、さすがオフィス街だけあって2.4GHz帯は全域が混み合っているんですけど、5GHz帯はガラガラという感じになっています。
こちらは左から土曜日のお店の様子で、平日と比べると2.4GHz帯がかなり空いているのがわかります。
真ん中は自宅で試してみたところなんですけど、なにがあったんでしょうね? このときは2.4GHz帯の上の方が混雑で真っ赤になっていました。5GHz帯はさほど混んでいるものではなくやはり空き気味。
お店にしても自宅にしても5GHz帯を使った方が快適な通信環境が得られそう。そして右のものは2週間前に発売された「Xperia 1 VI」で測定した画面なんですけど、なんと、Xperia 1 VIだけ、6GHz帯が表示されるようになりました。
まだウチのお店には「Wi-Fi 6E」の6GHz対応のルーターは置いていないので6GHz帯はなにも電波が飛んでいないんですけど、あらら、Xperia 1 VIだけなぜか6GHz帯まで調べてくれるんですね。
すでにXperia 1 IVからWi-Fi 6Eの6GHz帯は対応をしているんですけどこの表示は出ません。Xperia 1 VIでは後日アップデートでWi-Fi 7対応になる、というアナウンスがあるんですが、その違いでこうしてアプリ上で6GHzのグラフが出るんですかね!?
こちらは「Device Info」というアプリを使ってXperia 1 VIのシステム状況を表示したところです。まだアップデート前なんですけどWi-Fi規格のところにはWi-Fi 7の文字が表示されていて、6GHz帯も対応しています。
ところで「Wi-Fi 7」とか「Wi-Fi 6E」ってなに? という方もいらっしゃるかもしれません。802.11acとか、802.11AXとかは聞いたことがあるけど。。。という方ならこちらをご覧になれば、大体の意味がおわかりになるかと思います。
名称 | プロトコル | 利用周波数帯 | 最大転送レート | |
802.11b | 2.4GHz | 11Mbps | ||
802.11a | 5GHz | 54Mbps | ||
2003年 | 802.11g | 2.4GHz | 54Mbps | |
2009年 | Wi-Fi 4 | 802.11n | 2.4GHz/5GHz | 600Mbps |
2013年 | Wi-Fi 5 | 802.11ac | 5GHz | 1.5Gbps |
2019年 | Wi-Fi 6 | 802.11ax | 2.4GHz/5GHz | 9.6Gbps |
2022年 | Wi-Fi 6E | 802.11ax | 2.4GHz/5GHz/6GHz | 9.6Gbps |
2024年 | Wi-Fi 7 | 802.11be | 2.4GHz/5GHz/6GHz | 46Gbps |
.
2022年に「Wi-Fi 6E」の規格がスタートした時に私も知ったんですが、従来の802.11nとか802.11acなどの表記では世代がわかりにくいということで、上記の様に最近の規格にだけ「Wi-Fi 4」の様にナンバリングされて表示される様になっています。
2年前に発売されたXperia 1 IVからWi-Fi 6E対応予定という表示が入るようになり、今までの2.4GHzと5GHzに加えて、6GHz帯が使われるようになっています。Wi-Fi 6である802.11axの規格に6GHz帯を加えただけのもので、これが「Wi-Fi 6E」となっていて、Xperai 1 Vなどもコレにあたります。
対応するWi-Fiルーターを用意すると6GHz帯を使った無線通信ができるようになるのですが、通信速度は従来の5GHz帯のものと同じで理論値最大9.6Gbpsという通信スピードになっています。
今年から次の規格である「Wi-Fi 7」がスタートするんですが、今度は通信速度の向上も織り込まれていて最高で46Gbpsを実現するとのこと。Xperia 1 VIは秋口のアップデートでWi-Fi 7に対応するとなっています。
当店店頭で使っている無線ルーターはいまだに「Wi-Fi 5」を使っていてこれを刷新しようと思っているんですが、現在「Wi-Fi 7」対応製品の登場待ち、という感じです。
話が脱線しました。
「Wi-Fiミレル」アプリによるヒートマップ作成に戻ります。
タブの中に「ヒートマップ」という項目があり、これを使うと自分でWi-Fiの電波の通信のしやすさを可視化する地図が作れます。
方眼紙が表示されている上に自分で場所を決めて測定していくんですが、この方眼紙に部屋の間取りなどを記入してヒートマップを作っていきます。
まず用意したのはお店の間取り図です。昔、建物の間取り図のコピーをもらっていて、そのA4用紙をスキャナーで取り込んで、PCで加工します。
こちらはウチのお店の間取り図です。わかりやすいように大まかに家具を置いてみました。ついでなので展示しているソニー製品の大体の場所なども記入してみました。こんなところでうちのお店は営業しています。
PCで加工したマップを「Wi-Fiミレル」で取り込んで、そして電波測定した場所をタップすると、その場で電波測定されて電波の強度で色づけされていきます。
うちのお店のルーターはWi-Fi 5対応のものなので2.4GHz帯と5GHz帯が使えます。アクセスするSSIDをそれぞれ替えて測定したものが下記のヒートマップになります。
一般に周波数が低いと音の性質に近くなって遮蔽物があっても回り込んでくれたり安定性が高まります。周波数が高いと光の性質に近くなって遮蔽物があると信号が通りにくくなります。
まさにそんな感じでこうして比較して見ると建物の外に出ると急に信号が減衰するのがわかります。
化学の実験をしているみたいですが、本当にWi-Fiの信号ってそうなっているんですね。
通信速度の計測もできるので試してみました。信号が通りやすい2.4GHz帯ですが速度は遅く、5GHz帯の方が通信速度が速いのは802.11aと11bのときから一緒です。
回線速度は300Mbps 程度出るみたいなので、2.4GHz帯を使うとそこがボトルネックになってしまっているようです。大量のファイルのダウンロードなどをするのであれば5GHz帯を使った方が圧倒的にスピードが速くなるようです。
ということで、お店での実験ですが、こうして2.4GHz帯と5GHz帯で差がでるんですね。
さて、続いては自宅での話ですが、自宅のWi-Fiルーターは2年前に「Wi-Fi 6E」対応のものに買い換えたばかりです。それまで使っていたルーターがある日突然壊れてしまって買い直す必要があり、たまたまそのタイミングで「Wi-Fi 6E」対応の製品が出始めたところだったので入れ替えています。
自宅であれば2.4GHzと5GHzと6GHzの違いを試すことができます。
寝室での通信速度の遅さについても、これで検証できるというか可視化できます。
まずは間取りの取り込みですが、自宅ではスキャナは使わずにアプリ「フォトスキャン by Google フォト」というGoogleのアプリを使って取り込みました。
Androidのカメラ機能ではなく、このアプリを使うと1枚の紙面を全体像と四隅を合わせて5枚以上撮影して写りこみや歪みをなくして取り込んでくれる機能が使えます。
Xperia 1 VIにもインストールしておくと、紙の写真の取り込みなどで便利に使えます。
取り込んで、わかりやすいように少し加工したものがこちらです。狭いながらも楽しい我が家。1LDKでリビングにルーターが置いてあって、寝室での通信速度とか、ワイヤレス通信しているプリンターとかの反応があまり芳しくありません。
見てのとおり、全然広い家ではないので、これくらい電波は届くだろう、というところなんですが、実際のところ、どうなんでしょうね?
なお、電波の混雑状況を調べてみるとこんな感じです。
引っ越してきたばかりのときは2.4GHz帯も電波を飛ばしているのは、ウチだけだったのに今は全帯域に電波が飛んでいるみたいです。5GHz帯は空いているみたいで6GHz帯は現時点で使っているのはウチだけです。
ちなみにWi-Fi 6E対応のXperia 1 IVやXperia 1 Vを使ってきていますが、実際に接続しているのは5GHzだけで、6GHzを使っているのはみたことがありません。5GHz帯が空いているので、6GHz帯は使わないのかな?というところだったんですが、今回、ヒートマップを作ってみて理由がわかりました。
こちらが2.4GHzと5GHz、6GHzで測定してみた結果です。
微妙な違いに見えるかもしれませんが2.4GHz帯の方が周波数が高いところよりも電波の飛びがよいみたいです。6GHz帯は寝室のほぼ全部が真っ赤。2.4GHzは寝室はまだ黄色くなっています。
なるほど、やはり周波数が低い方が電波のつながりは良いみたいですね。
通信速度の比較もしてみました。
Wi-Fi 6Eでは5GHzも6GHzも速度は変わりません。Wi-Fi 7ではマルチリンクオペレーションと言って、2.4GHz、5GHz、6GHzをまとめて使うことができるのと、帯域も増えるため4倍以上のスピードになるとのこと。
Xperia 1 VIではどれくらいのスピードまで実際にでるでしょうね。
なお、上記は無線ルーターのすぐ近くで計測したものになります。
こちらは物置にあるプリンタの前で計測したもの。ヒートマップでは黄色から赤になっているエリアです。電波状況は2.4GHzがもっとも良さそうなものなんですが、Wi-Fi速度がそもそもかなり違うので、結果的には5GHz帯の方が速度が速い、という判断をするみたいで自動接続の場合は5GHz帯で接続されるようです。
ということで、今回はXperia 1 VIを使って自宅と職場のWi-Fi環境の調査をしてみました。
間取り図の用意がないというかたも大体の図面をフォトショップなどで作るか、メモ用紙に手書きで書いて読み込ませれば自分でヒートマップを作ることができます。
Wi-Fi通信の速度がどうも遅いんだよな、どうもWi-Fi通信が安定しないんだよな、という方は「Wi-Fi ミレル」で通信環境を可視化してみてはいかがでしょうか? これで思いのほか、通信環境が悪いと言うことであれば無線ルーターの設置場所を変更することを検討されても良いかもしれないですね。
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ソニーストア価格: 189,200円~ 税込 |
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発売日 | 2024年6月21日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
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