【Tips】CFexpress Type AカードとSDカードの連写性能比較 「α7R V」「α7 IV」「α7C II」編
以前、ソニーの「CFexpress Type A」カードの紹介をしたことがあって、その記事のコメント欄でご質問をいただきました。時間を作ってテストしてみたのですが、当時とは少し様子が変わってきていて「BIONZ XR」の搭載により格段にJPEGファイルの処理速度が進んでいて、カードの組み合わせによって連写枚数に違いがあることがわかりました。
改めて今回は”α7R V”と”α7 IV”、”α7C II”についてテストをしてみました。
こんにちは、店員佐藤です。
“α7″シリーズの上位機種を中心に対応が進んでいる「CFexpress Type A」カードは2020年10月に発売された次世代メモリーカードです。
ソニーでは「TOUGH」シリーズとして展開しており高い信頼性、耐久性を実現した製品として販売しています。容量の割に価格が高いというのはよく言われるんですが(^_-)、これはTOUGH仕様によるもの。
写真の64GBのSDカード「SF-G64T」は2018年10月の発売以来、5年間使っている当店のSDカードなんですが印刷面に筋こそ入ってしまっているものの、どこも破損すること無く使い続けることができています。高い信頼性について、店頭で不具合があったという話も聞いたことがありませんし、このカードを指で曲げることができた、という人がいないというのも耳にしたことがあります。
SDカード、CFexpress Type Aカードともに高速なGシリーズと廉価版のMシリーズが用意され、それぞれの書込/読込速度の違いは下記の様になります。
CFexpress Type Aカード | SDXCカード | |||
CEA-Gシリーズ | CEA-Mシリーズ | SF-Gシリーズ | SF-Mシリーズ | |
最大読出速度 | 800MB/s | 800MB/s | 300MB/s | 277MB/s |
最大書込速度 | 700MB/s | 700MB/s | 299MB/s | 150MB/s |
最低持続書込速度 | 400MB/s | 200MB/s | 90MB/s | 60MB/s |
ビデオパフォーマンス | VPG400 | VPG200 | V90 | V60 |
.
写真撮影であればどのカードでも記録が可能ですが動画撮影の場合は「最低持続書込速度」により、記録できないフォーマットが出てきてしまうということ。
とはいえ「SF-G」のV90カード規格であれば、ソニー”α”でならほぼ全てのフォーマットで書込が可能で、記録できないのは一部のフォーマットだけになります。
8K撮影のXAVC HSなどはSDカードでもOK。記録できないのはXAVC S-IというIntra撮影の際の一部の設定のときになります。
こちらがその対応表になります。Intra撮影というのは動画記録時に前後のコマの間で共通部分の圧縮を行わず1枚1枚のコマだけで圧縮している記録方式になり、データが大きくなりがち。それに加えてプロキシ動画という、編集に使うサブの動画を同時記録することがSDカードではできなくなります。またIntra記録でのスローモーション撮影などにも制限があるので、Intra撮影をする方には必須のカードということになります。
静止画撮影の場合も記録スピードが上がるので連写枚数が違ってくるのですが、動画撮影時の様に記録ができないフォーマットがある、というわけではありません。
感覚としては「SDカードよりも高速に書き込めるカード」という位置づけなのですが、これもスポーツ撮影などでは重要なファクターになるかと思います。
身近なところでは、マラソン大会のときにランナーさんの記念写真をしてくれているカメラマンさんとかいるのですが、東京マラソンとか3万人超えの人が1時間以上に渡り走ってきて、それを休みなく片っ端から撮影しているので、相当な容量のカード&書込スピードが必要なんだろうな、とか思ってみています。
ということで、メーカーさんのカタログスペックでも記載はあるんですが、実際のところどうなのかを店頭にある”α7R V”で試してみました。
マニュアルフォーカスでシャッタースピード優先、連写最高スピードにしてシャッターを長押しして、バッファが一杯になって連写が途切れるまで何枚撮れるか。そしてそのバッファを何秒で書込終えるかを修道計測しています。
連写枚数は途切れたあとまで撮影しているので1~2枚多めに記録しています。バッファの書込時間も手動でのストップウォッチ計測なので参考程度になりますが、目安にしていただければ幸いです。
なお、今回は記録時に8つの方法で記録をしています。
- JPEG FINEでスロット1に入ってるカードに記録
- JPEG X.FINEでスロット1に入っているカードに記録
- 圧縮RAWでスロット1に入っているカードに記録
- 非圧縮RAWでスロット1に入っているカードに記録
- 圧縮RAW+JPEG FINEでスロット1に入っているカードに同時記録
- 非圧縮RAW+JPEG FINEでスロット1に入っているカードに同時記録
- 圧縮RAWをスロット1のCFexpress、JPEG FINEをスロット2のカードに振り分け記録
- 非圧縮RAWをスロット1のCFexpress、JPEG FINEをスロット2のカードに振り分け記録
わかりにくく面倒なことを書いていますが、”α7″シリーズではデュアルスロットで振り分け記録といってRAWとJPEGを別々のカードに記録することができます。これをすることで連続撮影枚数を増やすことができるんですが、スロット2のカード種別によって記録枚数が変わってくるか、というのをテストします。
振り分け記録の設定は記録メディア設定から通常は「スロット1」とか「スロット2」になっている部分を「振り分け」に設定することで行えます。
他に「同時記録」という項目がありますが、これは同じデータをスロット1とスロット2のカードに記録する方法です。
プロカメラマンなのの業務用途で、バックアップが必要な撮影で利用されるものなんだと思います。
その後、振り分けされたスロット1とスロット2の記録方式を別々に設定することができるので、ここでスロット1はRAW、スロット2はJPEGなどにします。
“α7R V”で撮影したものが下記のようになります。
なお、これはカメラの仕様になりますが「非圧縮RAW」で撮影した場合は連写速度が半分になります。圧縮RAWでは秒10コマでの撮影になりますが、非圧縮RAWでは秒5枚での撮影になります。
結果はこちらです。
ややわかりにくくなってしまいましたが緑が連写枚数でグラフが長いほどたくさん撮れます。赤は連写撮影後のバッファの書込時間で短いほど速く書込が終了しています。
こうして比較するとやはりCFexpress Type Aカードの圧倒的なスピードがわかるのですが、注目は一番最後の振り分け記録で非圧縮RAWをスロット1のCFexpress Type Aカードに記録してJPEGをスロット2に書き込んでいるシーンなんですが、スロット2のカードは何を利用しても連写枚数がほとんど変わらないことがわかります。
スロット1に書き込んでいる非圧縮RAWのデータ量で連写枚数が決まってしまい、JPEG記録の方はどのカードを使っても影響がないことになります。6100万画素のビッグデータで記録する”α7R V”ならではの話になるかもしれませんが、非圧縮RAWで撮影される場合はJPEG記録に足はひっぱられないようです。圧縮RAWでは影響があるので、できればダブルでCFexpress Type Aカードを使うのが良さそうですが。
ついでなので”α7 IV”と”α7C II”でもテストしてみました。
同様のテストではありますが”α7 IV”はスロット1のみがCFexpress Type Aカード対応でスロット2はSDカードしか使えないため、振り分け記録はSDカードでのみテストしています。
“α7 IV”での記録は上記の通りです。RAWで連写撮影をされる場合はCFexpress Type Aカードは必須ですね。
非圧縮RAWでの撮影時にはSDカードへの振り分け記録をすることで、かなり撮影枚数が増やせます。
そして”α7C II”の連写撮影がこちらです。”α7C II”はCFexpress Type Aカード非対応のSDカードだけのシングルスロットになります。
なので、”α7 IV”と比較するとSDカードをシングルスロットで利用しているのとほぼ同じ結果になります。
それでもSD-GシリーズとSD-Mシリーズで見数が変わってきます。できるだけ高速なSDカードを用意するのが良さそうです。
ソニーのTOUGHシリーズ各モデルの価格一覧は下記の通りとなります。
容量 | SD Gシリーズ | SD Mシリーズ | CFexpress Type A |
1920GB Mシリーズ | 286,000円 | ||
960GB Mシリーズ | 154,000円 | ||
640GB Gシリーズ | 187,000円 | ||
512GB | 55,000円 | ||
320GB Gシリーズ | 99,000円 | ||
256GB | 77,000円 | 30,800円 | |
160GB Gシリーズ | 60,500円 | ||
128GB | 44,000円 | 17,600円 | |
80GB Gシリーズ | 31,900円 | ||
64GB | 23,100円 | 9,900円 | |
32GB | 13,068円 |
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CFexpress Type AカードもSDカードもMシリーズの方が大容量&低価格の設定になっています。
CFexpress Type Aカードは価格が高い設定になっている印象がありますが、こうして容量別にSDカードと比較してみると、SDカードもそれなりの価格設定になっているのがわかります。高耐久性のTOUGHカード仕様での価格設定となります。
今年の秋になり、ようやく他社製のCFexpress Type Aカードが発売になり、かなり安価に購入するコトができるようにはなりましたが、大容量のカードになりますので耐久性、信頼性の面も是非、購入の際にはご検討になってみてください。
なお、ソニーストアでお買い物をするならこちらも忘れずに。My Sony IDがあればすぐに抽選。翌日クーポンがもらえます。多くの方が10万円のお買い物で使える5,000円クーポンが当選しています。大容量のCFexpress Type Aカード Mシリーズを購入の際に是非ご利用ください。
【新製品 2TB & 1TBの大容量Mシリーズ】
CFexpress Type A メモリーカード 1920GB/960GB CEA-Mシリーズ |
ソニーストア価格: 154,000円~ 税込 |
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発売日 | 2023年6月16日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
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CFexpress Type A メモリーカード 80GB/160GB/320GB/640GB CEA-Gシリーズ |
ソニーストア価格: 31,900円~ 税込 |
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発売日 | 2020年10月9日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
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【CFexpress Type Aカードのカードリーダー カメラ本体の読み書きの2倍ほどの速度になります】
CFexpress Type A / SDカードリーダー MRW-G2 |
ソニーストア価格: 19,800円 税込 |
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発売日 | 2020年10月9日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
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ソニーストア価格: 555,500円 税込 |
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