【レビュー】数々の謎が解ける『α9III』&『SEL300F28GM』ショールーム展示スタート 実機レビューレポート
昨日、11月23日(木)からソニーストア銀座にて特別先行展示がスタートした2024年発売の”α9III”と『SEL300F28GM』の展示モデルを拝見させていただいてきました。
11月8日に開催された横浜での”α”イベント以来の実機展示になりますが、前回不明のままだった宿題部分を確認してきましたので、レポートいたします。
こんにちは、店員佐藤です。
11月7日深夜にプレスリリースがあり、8日、9日に横浜イベントで初のタッチ&トライ。16日から予約販売が開始になっている”α9III”と「SEL300F28GM」が23日からソニーストア銀座で先行体験展示をスタートしています。
予約制になっていてキャンセルが出ると、その場で順番を待って体験させてもらうことができなくもないのですが、この週末は”α9III”はほぼ予約満杯。SEL300F28GMは若干ですが空きがある感じになっています。
“α9III”の展示については、レンズがSEL2470GM2を装着していて、同時発売の専用縦位置グリップ「VG-C5」も用意があります。
横浜の”α”スペシャルイベントの際は、プロサポート会員さんの特別体験会ではデータの持ち帰りが可能でしたが、ショールーム展示でもデータの持ち帰りは不可となっています。
理由はまだ最終製品では無くファームウェアを初めて製品版では仕様が異なる可能性があるためとなっています。今回、確認してきていませんが、ファームウェアのバージョンは0.80とかになっているらしく、バージョン1.0になる前のモデルだったという話もありました。
当店の取材も同様にデータの持ち帰りはできなかったのと、紹介する機材は最終仕様のものではないため、製品版とは異なる案内になる可能性があることをご了承ください。
お客様からの宿題は出来る限り、こなしてきましたので続けます。
ちなみに、こうして扇風機が用意されていて「もしかして”α9III”は冷却しながら使わないといけないのか!?」とか、心配される方がいらっしゃるかもしれませんが、これは冷却用ではありません。羽根の回転を撮影して、ローリングシャッター歪みが出ないことを確認していただくためのものとなっています。
ただ、こうして扇風機の羽根を撮影するシチュエーションというのはなかなかないと思うので、当店ではレーシングマシンのチョロQ を用意してみました。
実際のサーキット撮影でのレースマシンの高速走行の撮影を高速シャッターで撮影するとどうなるのか実験のシミュレーションです。
こちらは取材前に初代”α9″の電子シャッターを試したところです。シャッタースピード1/32000秒で撮影するとご覧の様にホイールが歪んでいるのがわかります。
また、細かい横線が多数入っているのがわかりますが、これもローリングシャッターを起因とするものでLEDのフリッカーを拾ってしまっていることになるんだと思います。1/8000秒でも出ていて、1/4000秒くらいまでシャッタースピードを落とすと目立たなくなるんですが、超高速シャッターだと、こうしたLEDフリッカーの影響もでてきます。
これがグローバルシャッターだとどうなるかというと。。。
最高速の1/80000秒での撮影ですが、ご覧の通りホイール歪みは一切なしです。写真だけ見ると静止したチョロQ を撮っているように見えますが、このクルマは2段階加速する仕様になっていて、2段階目のロケットスタートをした直後の一番回転数の速いところを撮影しています。
背景にもLEDフリッカーはなにも見当たりません。
こちらは連写が使える1/16000秒で撮影しているところですが、一歳にホイールに歪みはでません。これだったら300km/h以上で疾走する、F1の直線部分でもゆがみ一切無しで撮影出来そう。
来年の鈴鹿GPは4月開催になるそうですが、”α9 III”、間に合いますね。
こうしたLEDフリッカーや有機ELディスプレイの映りも気になるところです。いくつか試してみました。
↑こちらは”α7C II”の電子シャッターです。自宅で試した時のものですが1/8000秒の電子シャッターで撮影したところです。自宅は複数のLED照明を使っているんですが、画面全体にある縞模様がLED照明のフリッカーです。Xperia 1 Vの有機ELディスプレイを撮影しているのですが、これは120fps表示に設定した画面を撮影したところ。
1/4000秒のメカシャッターにするとほぼ綺麗に斜線は消えるんですが、これはローリングシャッターで読み出している最中に有機ELディスプレイが高速点灯していて、それが模様として映っているんだと思います。
Xperia 1 Vの向きを変えてもほぼ、撮影画角に水平な線が入ります。
こちらは積層CMOS搭載の初代”α9″でメカシャッターにて1/8000秒で撮影をしたところです。メカシャッターでもこうして有機ELディスプレイの発行タイミングが見えてしまうみたいですね。
フォーカルプレーンのメカシャッターに肉薄するほどの高速読み出しが可能と言われていた”α9″の電子シャッターで1/32000秒にて撮影したものがこちらです。
確かに”α7C II”のあの多数の縞模様と比べると、メカシャッターに近い影響になっていてます。発売から6年経ちますが、”α9″が特別なカメラだったことを思い知らされます。
ということで、同じXperia 1 Vを持ってショールームにて”α9III”で撮影をしてきました。”α9III”にはメカシャッターが搭載されていないので電子シャッターとの切り替え設定は不要です。
シャッタースピードの設定だけで、電子シャッターの高速シャッター撮影ができます。最高速の1/80000秒で撮影したものが↓こちら。
なんと、グローバルシャッターでもこうした走査線って出るのかー。と、言っても、これは有機ELディスプレイ側の問題で絶対に出るものなのかな?
シャッタースピードが速くなればなるほど、走査線がクッキリとでるようです。
ただし、ローリングシャッター現象が一切無く、走査線が横一直線。初代”α9″のメカシャッターや電子シャッターとは違って、走査線が斜めになったりしないところがさすがです。
↑こちらはシャッタースピードをやや落として1/32000秒にしたところです。走査線の描写が気持ち甘くなっていますが、表示はXperia 1 V本体に対して水平のまま。
シャッタースピードを1/4000まで落としました。走査線は水平線のまま。シャッタースピードをあともうちょっと、1/1000くらいまで遅くすれば走査線は見えなくできそうです。
さて、こうした有機ELディスプレイ以上に気になるのが、バスや電車の電光掲示板のフリッカーです。お願いして望遠レンズを装着してソニーストア銀座さんの窓から外を撮影させてもらいました。
こうしたバスの行き先表示ですが、最近は電光掲示になっていてシャッタースピードが速いとこうして行き先が見えずかけてしまいます。
これがグローバルシャッターだとシャッタースピードに関係なく表示されたりしないかな、という実験。
バスがやってくるのを待って、1/16000秒で撮影。
連写で撮影しているのですが、やっぱりそうは問屋は卸してくれませんでした。こうした電光掲示はやはりシャッタースピードをいじらないとダメみたいです。
LED照明のフリッカーについては影響を受けませんが、表示板自体のフリッカーというか順次操作はグローバルシャッターでは解決できません。
理屈で考えればわかることではあるんですが、私も経験がないのでやってみないと理解できませんでしたが、やっと納得です。
ボディグリップの形状が変わっているけど、持った感じはどうですか? というのも、よく聞かれます。”α”スペシャルイベントで触らせていただいているんですが、あのときはテンパってしまっていて、そうした普通のコトに全然気が回らず、どんなだったっけ?が思い出せずにいたんですが。改めてグリップを握ってみると、かなり大きく膨らんでいるんですね。
かなり世代がっひらいてしまいますが、初代”α9″と比較するとボディの厚みもかなり増えているし、グリップも全体に膨らんでいます。こうして並べて見てみてもあまり感じませんが、横幅も大きく膨らんでいるような握りになっています。
横から見るとシャッターボタンの角度もかなり前傾しています。あとは天面の面積が増えているのでダイヤルやコントロールボタンがそれぞれ大きくなっているため、グローブをしたままでの撮影もしやすくなっているかもしれません。
操作ミスが起こりにくい設計になっているみたいです。
こちらもお客様からの宿題です。「LA-EA5」は使えますか?ですが、持って行ったAマウントレンズ「SAL85F14Z」は普通にAF動作が使えました。
聞くところによると”α1″相当の動作はするとのことなのでマウントアダプター「LA-EA5」の利用も問題なさそうです。(詳しくはメーカーサイトに情報掲載されてからご確認ください。)
こちらはメーカーサイトの”α9III”製品情報ページが更新されて判明した新事実。シャッター幕は搭載していない”α9III”ですが、電源オフ時にセンサーを保護する「遮光幕」が搭載されているとのこと。
セットアップメニューから機能をオンにすると、レンズ交換時に遮光幕が下りてきます。
これがあれば、風が強い日にもレンズ交換が大丈夫!ということはなく、やはり空気が循環しているのでゴミが付くときは付いてしまうんですが、安心感が違いますね。
そして、これは個人的な思いですが、シャッター幕をセンサーの遮光幕に使っていて、なにかの拍子にシャッター幕を触って壊してしまうと撮影に支障が出てしまいますが、”α9III”の遮光幕であれば撮影に使うものではないので、機能をオフにさえしてしまえば問題なく使えそうに思えます。
あまりシャッター幕を遮光幕代わりに使うのはオススメしていなかったんですが、これなら設定すべしですね。
こちらも宿題でした。ファインダー/モニター選択時に「オート1」と「オート2」の設定があります。どういう違いがあるのか、ゴミボタンに割り当てられているヘルプボタンを押して、解決してきました。
オート1というのは、ファインダーをのぞくと自動でファインダー映像に切り替わるんですが、モニターを引き出していたりモニターを使っていると認識する場合は切り替えをしないようにする機能。最近の”α”シリーズはみなこの設定になっていて、例えばモニターを引き出して使っている時に、ファインダーの前に自分のお腹があったりしても自動切り替えにならないのはこの機能のおかげ。
昔の”α”、初代”α9″などは液晶モニターを使っていようがなんだろうが、ファインダーの前が塞がるとファインダー切り替えになってしまうので、腰だめでの撮影とかの時にモニターが見えなくなってしまったりしていました。そうした昔の”α”シリーズの動きにするのが「オート2」です。
「オート2」ではモニターの角度や向きによらず、ファインダー画面に切り替わるとなっています。
こうした使い方の方が都合が良い、という方がいらっしゃるんですね。プロカメラマンの声を製品に反映させて作られたというのが”α9″でしたが、今も進化を続けているようです。
更新された商品情報ページで開示された「レリーズラグ」についてもヘルプガイドを見てきました。
初期設定では「自動」となっていて、ブラックアウト表示がなく撮影が可能になっています。まるでビデオ撮影をしているかの様に写真撮影ができて、シャッターを連写で切っている時はマークが高速点滅するなどして撮影していることをユーザーに伝えてくれています。
レリーズラグの開始表示を使うと、わざとブラックアウト表示をして、撮影開始になったことをユーザーに知らせてくれます。シャッターボタンを押して「撮っているはず」を確信にしてくれる表示になるようです。
最速レリーズと安定レリーズの2種類があって、説明は上記の画面の通りとなっています。
どれくらいの時間の差があるものなのかわかりませんが、プロのスポーツカメラマンの要求に応える機能になっているんだと思います。
横浜のスペシャルイベントではこの機能をもって、シャッターボタンの深さを自分で設定できるのでは?という話になっていたのですが、なるほど、この時間差でそういう風に感じられるものだったのかもしれませんね。
なお、シャッターボタンの深さのカスタマイズについてはプロサポートにて”α1″が対応モデルとしてサービス対応しているそうです。”α9III”はまだ検討中とのことです。
続いては「SEL300F28GM」です。ソニーストアでは11月16日に1時間ちょっとで初回出荷分が完売しています。これはどこから聴いた情報でもないんですが、当店のオーダー状況を含めて想像するに、さほど初回出荷の本数は多くないのではないかと思います。
ショールームでの展示紹介について、キャリングケースでは無くキャリングポーチになるとのことなので、それらの付属品も見せていただきたいとお願いしたのですが、まだそうした付属品は全て届いていないそうで、詳細は不明です。
一応、ショルダーストラップは見せていただいたのですが、これが本当に付属するのかも不明。そもそも、レンズにストラップホールがないので、どこに装着するのかもわかりません。聞くところによると三脚座にアダプターをつけるんじゃないかという話もあるみたいですが、本当かどうかもわかりません。
ということで詳細は製品版の展示が始まったときにまた宿題とさせてください。
展示は「SEL300F28GM」の隣に「SEL100400GM」も並べられていました。装着されているボディは”α1″ですが、画質を比較するための並列展示というよりは、重量を確認するための「SEL100400GM」展示ですね。なんせ、重量はほぼ同じですからね。SEL300F28GMが1470gで、SEL100400GMが1395gです。
三脚座の互換性についてお問い合わせをいただいていたので見てきましたが、へー、そうだったんだ。SEL100400GMとSEL70200GM2には互換性があり、同じ取り付け口の形状になっています。SEL300F28GMもそれと同じでこの3本のレンズの三脚座は使い回しができます。
一応、SEL300F28GMの三脚座は専用設計のものと聞いているのですが、見た目には寸分違わず同じ仕様のものに見えるんですが、どこか違うんですかね!?
※こちらの三脚座も最終仕様ではない可能性があります。話によるとこの三脚座にストラップの取り付けができる新形状になっているらしいので製品版ではこのあたりの仕様が変更になっているかもしれません。最終仕様の製品版の展示まで詳細情報についてはお待ちください。
なお、念のため持って行った「SEL200600G」だけは三脚座の口金の形も違うし、三脚座のベースの長さも違っています。SEL200600Gには互換性はありません。
SEL400F28GMにも搭載されている「ファンクションリング」ですが、これは若干仕様が違うみたいです。SEL400F28GMでは機能の切り替えをするスイッチがレンズ本体に装備されているんですが、SEL300F28GMではそれが省略されていて、現時点で見るとカスタマイズするコトはできない仕様になっているように見えます。
ではなにに使われているかというとフォーカスの送り、戻しに使えます。フォーカスリングを回すとフォーカスの送り戻しができるんですが、ファンクションリングを使うと電動でフォーカスの送りと戻しができる感じ。パワーズームのフォーカス版みたいな動作をしていました。
なるほど、これはこれで便利かも。
フォーカスが奥に行ってしまって、手前にある被写体に戻したいときにフォーカスリングを操作するよりも早く、ファンクションリングでちょっと戻してAFを使えば、カンタンに手前の被写体にフォーカスを合わせられました。
“α1″のカスタムキー設定を見ても、フォーカスロックボタンのカスタマイズしかできないみたいなのですが、これは製品版が出荷になったときにカメラ側のファームウェアアップデートとかあって、ファンクションリングの機能割り当てなどができるかもしれないので(できないかもしれませんが)、こちらも製品版が出るまで謎です。これもまだ宿題です。
SEL400F28GMにはアタッシュケース状のキャリングケースが付属したり、レンズフードがカーボン製だったりして、税込みでそれぞれ10万円弱するパーツ代になっています。
SEL300F28GMではフードもカーボンではなさそうですしケースでは無くポーチになっていることもあり、それなりにコストダウンが図られていますが、それのおかげで100万円を切る価格になっていて、そしてこれだけの軽さ、画質になっています。
それは人気がでるよなー、プロカメラマンだけでは無く趣味で撮られているカメラマンさんにも手の届く価格で出ているので、しばらく品薄は続くと思いますが、一度、野鳥撮影で使ってみたいですねー。
以上、まだ宿題は残っていますが、お客様からのお問い合わせと、個人的な疑問を解消させていただくショールーム展示レポートでした。
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