【レビュー】夢の望遠レンズ『SEL300F28GM』の店員実機試用レポート
先週末は当店の今年一番大きなイベント「G Master 望遠レンズ 撮影会」を開催しました。メーカーさんからお借りして「SEL300F28GM」を私も少し使わせていただきましたので、実機の様子をレポートしたいと思います。
短時間のお付き合いではありましたが、製品の様子をお伝え出来ればと思います。
こんにちは、店員佐藤です。
先週末はイベントにご参加くださった皆様、ありがとうございました。サンニッパとロクヨンを用意しての望遠レンズ撮影会でしたが、サンニッパが3本もそろい、加えてヨンニッパ、200-600mm、70200GM2も揃うという超豪華撮影会になりました。担当セールスさんも「なんだ、この品揃えは!?」と驚かれていました。
撮影会ではゲップが出るほど使っていただけたと思うのですが、当店でもその前後にサンニッパとロクヨンを使わせていただいています。
レンタル機材ではありますが、製品としてどんなものになっているのか、ここで紹介したいと思います。
まずはこちらは撮影会前日の当店店頭の様子です。メーカーさんから輸送用のダンボールに入ってSEL300F28GMが到着。中は製品版と同じ内容になっています。
同梱のストラップは2本入っていました。専用レンズケースと、レンズ本体に装着するストラップです。
レンズケースですが、とても使いやすく工夫されています。チャックで閉まるようになっている左右開きのソフトケースになっているのですが、上部にハンドグリップと、ショルダーストラップもつけることができるようになっています。
こちらはレンズ用のストラップになっています。SEL300F28GMがプレスリリースになったときから謎だったんですが、レンズにストラップホールがなく、どこにレンズストラップを装着するのかわからないままでした。今回、ストラップの実物が来て、そして取説を見て、やっと謎が解けました。
まずは、こちらが付属のレンズストラップの先っぽなんですが、留め具が付いているのは片方だけで、もう一方はベルトのみとなっています。
これを三脚座の底にあるバーの部分にベルトを通して留め具で閉じます。
これが正しいレンズストラップの装着になります。ヨンニッパやロクヨン、200-600mmではレンズ筒部分に2カ所のストラップホールがあり、ストラップの両端を結んでいましたが、サンニッパでは固定せず、こうしてストラップがスライドする形で使います。
実際にこれで持ち運んでみるとすごく楽なんです。持ち歩きの際はたすき掛けしたストラップの下の方にくるので、腰のあたりで保持します。
いざ、撮影するときはストラップをスライドさせて、目の前にカメラレンズを持ってくることができます。
このときに、通常の2カ所留めのショルダーストラップだとストラップのベルト自体を移動させることになるため、首のところが刷れたりするんですけど、この方法だとストラップベルトは固定されていて、カメラレンズが移動してくれる作りになります。
なお、三脚座はサンニッパもSEL100400GMもSEL70200GM2も同じものを使っています。なので、このSEL300F28GM用のストラップを流用することが可能。ロクヨンの場合もサイズの違う三脚座ではありますがデザインが同じなので、流用可能です。
撮影会の時にリクエストされていたのですが、このサンニッパ専用レンズストラップですが、パーツ価格で7,260円(税込)です。私も早速、取り寄せてSEL100400GMやSEL200600Gの時に使える様にしました。
ストラップ以外の付属品ですが専用ケースの他にレンズカバーとレンズフードが付属します。
SEL300F28GMはレンズキャップがなく、ソフトなレンズカバーを使ってレンズを保護することになります。
キヤノン製のキャップを取り寄せて装着されている方がいらっしゃるのですが、改造しないとソニーのレンズには装着できないとのこと。
専用レンズケースはかなりピッタリサイズで、SEL200600Gのレンズポーチと違ってカメラボディを装着したままだと、そのままだと入りません。2倍テレコンくらいは装着して収納することができますが、カメラボディをそのままだと入れるコトはできません。
ですが、レンズケースの底に厚めのクッションが入っており、これを抜くと、かなりスペースができます。
ギリギリですけど、クッションを抜くと、レンズ+“α”を装着したままで収納できるようになります。
ご覧の通り、ちゃんとチャックも閉められます。レンズの前玉がある底面のクッションがなくなるのは不安なんですが、レンズカバーは装着されているし、ショックを与えないように注意すれば大丈夫かなー。(取説を見ても緩衝材のクッションについての記述はなにもありません)
なお、レンズのサイズを比較するとご覧の通りです。左から「SEL200600G」「SEL300F28GM」「SEL100400GM」「SEL70200GM2」です。サイズとしては200-600と100-400mmの中間くらいのサイズで、重量はSEL100400GMとほぼ一緒です。
レンズフード&カバーを装着するとご覧のサイズになり、レンズのちょっけはSEL300F28GMだけかなり太くなることもわかります。
このSEL300F28GMの収納状態に合わせて用意されているのが専用レンズケースになります。SEL100400GMやSEL70200GM2ならカメラボディを入れて、緩衝材のクッションも入れたままで使えそうです。
ということで、試してみたのがこちらです。SEL100400GMに“α9 III”を装着して収納したところがこちらです。チャックもちゃんと閉まります。
専用ケースは税込みで9,900円で、ケース用ストラップ付きになっています。こちらも早速、私も取り寄せて望遠レンズ装着時の持ち運び用に使おうと思います。
ということで、金曜日と土曜日は撮影会で利用。まだお客様がお越しになっていないときに店員よねっちが試し撮りしているので、それらのカットと、日曜日と月曜日は持って帰って試用させていただいたので、そのときに撮影したショットをいくつか掲載します。
あえて、トリミングは一切していません。水平補正のために角度調整をしているものはあるので、それについては若干のトリミングがありますが、最大サイズでのトリミングになっているので、どれもすべて300mmの画角で撮影した写真になります。
“α9 III”+SEL300F28GM F2.8 1/2000 ISO2000
こちらは、まだ撮影会が始まる前の撮影です。準備で時間がなくて、店内でちゃんと動くか動作チェックはしているんですが、ちゃんと被写体を狙ってシャッターを切るのはこのときが初めて。
ロクヨンと一緒に使っているんですが、ロクヨンを使った後だとSEL300F28GMが軽いこと、軽いこと。同じ事を撮影会でも皆さんおっしゃっていました。w
しかし、この300mmという望遠レンズでF2.8が使える快感ったらないですね。ボキャブラリーが少ないもので言い方が下手なんですがレンズをどこに向けても芸術作品になりそう。
“α9 III”+SEL300F28GM F2.8 1/1600 ISO6400
レンズ自体は大きいんですが、手前側にレンズが集中配置されているおかげで、レンズ先端に重心がなく軽く取り回せるのも感動ポイント。感覚的にはSEL100400GMよりも軽い使い勝手ができそうです。
“α9 III”+SEL300F28GM F2.8 1/1600 ISO2000
競馬場ではあちこちをさまよってジプシー状態になっていたんですが、最後の最後にカメラマン撮影専用コーナーの「Lデッキ」というところを発見。ゴール位置が見やすく、ここの一角だけ三脚と一脚の使用が許可されているとのこと。この日は人も少なく、私たちだけで占有するような感じになってしまったんですが、これは良いところを見つけました。
レンズ交換をいろいろしているのですが、画角の違いで行くと上がサンニッパ。下がSEL70200GM2の200mmテレ端の画角です。
“α9 III”+SEL70200GM2 F2.8 1/1600 ISO2500
ズームレンズだと撮影位置が決まっている場合でも画角を微調整できるのがメリット。単焦点レンズは決まった画角しか使えないので自分で撮影位置を自由に移動できないと使いにくくなるかも。
なお、我々のいる観客エリアの内側にプロカメラマンさんがいらっしゃるですが、ソニーのSEL400F28GMをお使いになっている方がいました。一番前で撮影出来るし、いいなー。
“α9 III”+SEL400F28GM F2.8 1/2000 ISO2000
こちらはお客様所有のヨンニッパでの撮影です。最終レースでは使わないというので、お借りして取らせていただきました。
なお、最終レースは毎度恒例ですが万馬券狙いで100円投票をみんなでするんですが、今回も全員外れでした。100円でサンニッパを買おう作戦は今回も失敗に終わっています。
“α9 III”+SEL300F28GM F2.8 1/5000 ISO250
翌朝の羽田空港です。
単焦点レンズだとズームが使えないため、近すぎるときは飛行機の全体像が撮影出来なくなるため、どこを撮るのか取捨選択をするのがコツ。牽引されてターミナルまで移動しているときは機体が画面いっぱいになる角度になるところでシャッターを切ったりして撮影しています。
“α9 III”+SEL300F28GM F2.8 1/8000 ISO250
この日は気温が上がって最高気温は34.5度を記録するほどの真夏日でした。10時過ぎには気温があがってしまい陽炎が出て条件がかなり悪くなってしまっているんですが、朝方はそうでもなかったのでクリアな写真が撮れています。
背景には、この日の午後から店頭で講評会が行われる「レインボーブリッジ」も見られました。
“α9 III”+SEL300F28GM F2.8 1/64000 ISO250
羽田空港の第2ターミナル展望デッキは朝6時30分から開場になるため、その前の時間にはデッキに出ることができません。この日の日の出は5時23分なので、1時間以上経ってからの撮影開始になるため、日の出などは撮れないのですが、太陽がかなり低い位置で逆光状態での撮影が可能。
思い切り、太陽の光が海に反射しているシーンも撮ってきていますが、ゴースト、フレアなどはまったく感じられず、逆光耐性の強さを試すことができました。
こうした逆光での撮影ですが、全部RAWで撮ってきているので、後日、Ultra HDRで現像してXperia 1 VIで見るのが楽しみ。
“α9 III”+SEL300F28GM F2.8 1/10000 ISO250
その後、第一ターミナルでも撮影。雲も出ていなくて富士山や横浜のランドマークタワーまで見られました。300mmのこの圧縮効果、すごい!
“α9 III”+SEL300F28GM F2.8 1/1000 ISO1250
日曜日は大好きなシマリス撮影に。
シマリス撮影をしている方だとサンニッパで、そんなに寄った撮影ができるの?というところですけど、最短撮影距離は2mとなっていて、使ってみると結構、寄れるんです。ヨンニッパは最短撮影距離が2.7mとなっていて、以前、お客様でチャレンジした方がいらっしゃいますが、その時はもう全然だめー、という話をされていました。
サンニッパの最短2mならいけます。こちらから近寄らず、やや距離を置くことを意識すれば大丈夫。
“α9 III”+SEL300F28GM F2.8 1/1000 ISO3200
100-400mmでテレ端の400mmのままで被写体をファインダー内に一発で入れようとしても難しくて、ついワイド側にして被写体をファインダーの中に導入しがちなんですけど、なぜかSEL300F28GMでは、一発でファインダーに収めることが可能。
レンズがファインダーの軸上に来ている“α9 III”を使ってはいるんですが、こんなに被写体探しが楽なのは初めての経験でした。もしかすると前玉のレンズが大きいので軸上の被写体探しが人間光学的にやりやすくなっているんですかね?
なお、AFはシマリス撮影にはやや物足りなく、シマリスの追従も思ったほどではありませんでした。SEL70200GM2の方がAF追従は良いかも。やはり最短撮影距離2mというのが不利に働いてしまうのかも。最短撮影距離に近いところでだけAFを駆動させるというのは無理があるですかね。
ボケはムチャクチャ綺麗なので、このレンズの操作に慣れれば最強レンズになるかも。
“α9 III”+SEL300F28GM+SEL20TC F5.6 1/640 ISO6400
2倍テレコンも使ってみました。レンズによっては2倍テレコンを使うとAFの追従性が良くなかったりAFが遅くなったりするのを感じるものがあるんですが、SEL300F28GMではそれはなく、テレコン有り無しで動作の違いは私には感じられません。
単純に虫眼鏡で拡大しているだけ、というテレコンですが解像度もすごく良いです。
“α9 III”+SEL300F28GM+SEL20TC F5.6 1/1000 ISO250
こちらは近所にある彩湖というところで撮影。雨の予報もあったので、この日はあまり人出がなかったんですが、遠くにいるカヌーなどもこんなにバッチリ撮れました。
サーフィンとか撮影すると楽しいかも。
“α9 III”+SEL300F28GM+SEL20TC F5.6 1/500 ISO320
こちらは300mmにテレコンを付けた600mm状態で、バックネットから打席を狙ったところです。少年野球なので選手はみんな背が低いんですが、大人の野球でも600mmあればこれくらい撮れます。
“α9 III”の秒120コマを使うと、ご覧のとおりボールがバットにヒットしたところも、プリ撮影で確実に撮影ができました。気持ちいいですねー。これ。
“α9 III”+SEL300F28GM+SEL20TC F5.6 1/800 ISO250
野鳥探しもしたんですが、今は木も生い茂っていて、全然、見つけられませんでした。河川敷でアオサギが飛んでいるのでとっさに撮影したものがこちら。
写真は全てFlickrにアップロードしているのでリンク先でダウンロードしていただければオリジナルファイルがご覧になれます。
以上「SEL300F28GM」の実機レポートでした。
いやー、このレンズはやはり別格ですね。
この上のレンズ、ヨンニッパ、ロクヨンはソニーストアでは“α”あんしんプログラムのワイド保証優待販売が利用できないため、3年ワイド、5年ワイドに加入するためには会員の方でも普通に保証を購入する必要があります。ところがSEL300F28GMは“α”あんしんプログラムの長期保証サービスが利用できるので3年ワイドは無料で利用できます。
価格もギリギリですが100万円を超えていなかったり、レンズケースもアタッシュケースではなくソフトケースになっていて持ち運びが楽になっているなど、ソニーさんでも業務目的ではなく一般目的で使ってもらうことを考えている最上級レンズになると思います。
10月15日まではソニーストアにて60回分割払い手数料0円のキャンペーンも開催。現時点での納期目安は約2週間となっています。
秋シーズンのスポーツ撮影、野鳥撮影、ネイチャー撮影などに利用するなら今!
デジタル一眼カメラ SEL300F28GM |
ソニーストア価格: 966,900 円 |
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発売日 | 2024年2月2日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
延長保証 | 5年ワイド:93,500円 3年ワイド/5年ベーシック:47,300円 3年ベーシック:無償 |
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