【レビュー】世界初グローバルシャッター搭載”α9 III”&新レンズ「SEL300F28GM」スペシャルイベント実機レポート
深夜に発表になった世界初のグローバルシャッター搭載”α9III”と、軽量望遠レンズ「SEL300F28GM」のお披露目を行う「αスペシャルイベント2023」へ昨日、お邪魔させてもらってきました。
イベントの様子をレポートしつつ、新発売になるα9 IIIと、SEL300F28GMの全力実機レポートをお届けします。まだ不明点も多いのですが、それらもそのまま報告したいと思います。
こんにちは、店員佐藤です。
2019年に台風で中止になってしまったαイベント以来の、ソニー単独開催のカメライベントですが、今回は横浜にある「ぴあアリーナMM」での開催でした。私もここにお邪魔するのは初です。
11月7日のプレスリリースでは事前にいろいろなリーク情報があったものの、最後の最後まで「グローバルシャッター」の搭載は流出しませんでした。当日の午後になって噂が広まってしまいましたが、今回は営業さんに聞いてもなにも情報がなくかなりキツい箝口令がひかれていたようで、それもあって、なかなかリーク情報も出てこなかったのでは!?
23時に発表になったアメリカからの動画配信では、深夜に目の覚めるような内容で、今回はかなりの衝撃が走ったはず。
グローバルシャッターを搭載したカメラとしてはシネマカメラで2018年から製品が登場していますが、一番安くてもウン百万、数千万の業務用シネマカメラでしかなく、しかも3板式の2/3インチセンサーを使ったかなり大きなカメラシステムでした。
それがいきなりミラーレス一眼のボディに搭載されるフルサイズセンサーになるなんて。。。これでローリングシャッター歪みから解放される!と、思いきや、副次的にフラッシュの同調速度などを気にする必要がないカメラになっていたり、秒120コマという桁違いの連写性能を見せるなど、恐ろしいほどの進化をして登場しています。
初のフルサイズセンサー搭載ミラーレスカメラ”α7″が登場したのがちょうど10年前で、そこからのソニー”α”の快進撃は誰もが知るところ。2017年発売の積層CMOSセンサー搭載で高速撮影を実現した”α9″もゲームチェンジャーと呼ばれ、AFに弱いミラーレスカメラという概念を完全に覆してしまいました。
そしてまた、今回はレンズ交換式カメラとして世界初のグローバルシャッターを搭載した”α9 III”が登場し、カメラの世界の常識をまた覆すことになります。
発表から一夜明けて、11月8日、9日に横浜にて初のお披露目イベントが開催。8日にソニーショップのためにご用意いただいた特別枠でお邪魔させてもらってきました。
一般の方は17時からの入場になっていましたが、その前に13時、15時の入場でプロサポート会員さん向けのイベントが開催されており、そちらから取材をさせていただいています。
一般入場の方は撮影データの持ち帰りなどはできないことになっていましたが、13時、15時のプロサポートの会ではデータの持ち帰りとSNS等への発信も可能になっています。当店も許可をいただいて取材させていただいています。また、取材させていただいた”α9 III”とSEL300F28GMについては、まだ最終仕様の製品にはなっていませんので、製品版とは一部、仕様が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
さて、会場は「ぴあアリーナMM」という、1万数千人規模のイベントが可能なアリーナになっています。その1F部分をすべて使って”α”スペシャルイベントが開催。大きく、4つの体験ゾーンが用意され、セミナーステージも1カ所用意されていました、
まず、最初に展示製品のプレゼンテーションがあります。
前夜にあったアメリカでのライブ配信は全部英語で日本語字幕もなかったので、チャートを見て理解するだけだったのですが、日本語で解説してもらえると、その理解度は2倍以上になりますね。
気がつかなかった点を多数発見。
これから始まる”α9 III”ワールドに期待が高まります。
プレゼンテーションが終了すると1時間半の枠内で4つの体験コーナーを巡ることになります。
その1が「バトミントン撮影コーナー」で動きの速いスポーツシーンでの撮影が体験出来ます。
貸し出し時にレンズ交換が可能で、”α9 III”に希望のレンズを装着して撮影体験が可能なんですが、当然、皆さん選ばれているのは「SEL300F28GM」でした。
結果論ですが、コートの近くで300mmを使うのはちょっと長すぎで本当は「SEL70200GM2」あたりを選んだ方が撮影しやすかったと思うんですが、300mm F2.8も使ってみたいし、これは仕方がないですね。
こちらが新発売になる「SEL300F28GM」です。重量は「SEL70200GM」のI型とほぼ同じで、全長はSEL200600GとSEL100400GMの中間くらいのサイズ。
スペック表を見るとかなり小型に見えるんですが、実際にはレンズフードとレンズケースが装備されるので直径はかなり大きくなります。
レンズ前面に望遠ズームレンズみたいなレンズキャップは装着出来ないため、こうしたレザー製のカバーでレンズ前面を保護することになります。
レンズ前面の直径は12.4cmとなっていて、フィルター径は何mmになるんだろう?と、調べて見ると「40.5mm」という記載があり、これはなにかの間違いだろう、とか思えてしまいますが、これは間違っていません。
レンズの前面にMCプロテクターやNDフィルターは付けられないのでレンズ前面のフィルター径は測られていません。
代わりにレンズの根元の方にフィルター装着部があり、ここに40.5mm径のフィルターを装備することになります。
レンズ貸し出しコーナーにはSEL400F28GMも用意があったので比較撮影をさせてもらいましたが、これがお兄ちゃんレンズとの大きさの差になります。
SEL200600Gもそうですが、このサイズのレンズになると、手持ちのカメラバッグには入らなくなるので、別途、望遠レンズを運ぶ手段を考えないといけません。SEL300F28GMもレンズフードの径が大きいので、工夫したバッグの用意が必要になるかも。
レンズフードは一般的なG Masterレンズと同じロック式になりました。SEL400F28GMではネジを使った固定式になっていたので、これで脱着はかなり楽になりそうです。
レンズフードを装着しての撮影比較がこちら。SEL400F28GMのレンズフードをなくしたくらいの大きさがSEL300F28GMのフード付きの全長になります。
こうして見ると、かなり小型になります。
実際に取り回しはレンズの前半分くらいは空洞なんじゃないか?というくらい軽くなっていて、取り回しはSEL100400GMよりも軽く感じてしまいます。
体験待機列の隣には今回の主役であるグローバルシャッター方式のイメージセンサーと、BIONZ XR+AIプロセッシングユニットが並べて展示されています。
なるほど、メモリーカードスロットの位置から推測するとFnキーの真下あたりに心臓部があるみたいですね。
待機列に向かってプラビアでの説明チャートも用意されていて、ここで「連写速度ブースト」について解説されています。海外では「スピードブースト」という名称でしたが、日本では「連写速度ブースト」でいくのかな?
シャッターでの連写中に、機能割り当てされたスピードブーストボタンを押すと、押している間だけ連写スピードが変更される、という機能になります。
デフォルトでは新たに新設されたレンズ交換ボタンの上にある「C5」ボタンがそれにあたり、撮影中に右手中指で操作をします。
縦位置グリップを装着している際も、縦位置グリップにC5ボタンが用意されていて、どちらのボタンを使ってもスピードブーストができるようになっています。
ドライブモードは4つ用意されていて、左肩にあるダイヤルで切り替えます。その際に指定した連写速度で撮影をするのですが60枚/秒以上で動作するのは「Hi+」のみ。「Hi」より下は30枚/秒までしか設定ができなくなっています。
こちらが「Hi+」で設定できる連写スピードのすべてです。デフォルトでは60枚/秒に設定されています。
ここで最高速の「120枚/秒」にするなら連写速度ブーストの設定は必要なくなります。通常はここで「30枚/秒」以下にしておいて、ここぞというときにC5ボタンを押して、120枚/秒で撮影する、という使い方をするものなんでしょう。
ということで秒30コマに設定して連写速度ブースト設定を秒120コマにした上で撮影に挑戦してみたのですが、これが実に難しい!w
慣れていなくて、試しながらの操作なんですが「ここぞ」とうときにC5ボタンを押したつもりが、タイミングが遅く、インパクトの瞬間のあとが秒120コマ連写になっている、というのばかり量産していました。これはある程度訓練が必要そうです。
なお、連写中はグレーの枠表示があり、それで連写撮影中である旨のアピールをしてくれるのですが、ブースト中は枠表示がピンクになります。撮影スピードが速すぎて秒30コマなのか秒120コマなのかがわからないし、ブラックアウトフリーなので撮影しているかどうかもわからないんですが、視覚でわかるように補ってくれているのはさすがです。
私にはバドミントンでのインパクトシーンは撮れなかったんですが、会場にいらしたプロの方にデータを分けていただきましたので、こんな写真を皆さん、撮られていたようです、という見本で掲載させていただきます。
α9 III+SEL300F28GM F2.8 1/5000 ISO3200
α9 III+SEL300F28GM F2.8 1/2000 ISO3200
α9 III+SEL300F28GM F2.8 1/4000 ISO6400
どれも秒120コマで撮影されていると思うんですが、インパクトの瞬間を撮影するの、バドミントンは難しいですねー。
神業ですよ。その神業に120fps撮影が重なると、こうした作品が生まれるんですね。
続いてはフラッシュ撮影コーナーです。こちらは水を張ったステージの背景に噴水があり、モデルさんはあえて逆光状態になっています。
そこをフラッシュを使って撮影して、背景に負けない明るさにして撮影してみよう、という体験コーナー。
従来のフラッシュ撮影は1/250秒までの撮影しかできず、それ以上速いシャッタースピードにするにはHSS(ハイスピードシンクロ)を使う必要がありました。対応しているフラッシュを用意すれば、1/250よりも速いシャッタースピードで撮影が可能。
日中、明るい背景のところで逆光になっている被写体を撮影するさいに使うテクニックで絞りを開いて被写界深度の浅い、背景の明るい写真を撮るのに必要な技。
グローバルシャッター方式の”α9 III”では先幕シャッターと後幕シャッターの間を発光させ続けるとかの必要は無く、一気に読み出しができるので、シャッタースピード全速度でシンクロ撮影する必要がない、となっています。
HVL-F60M2、HVL-F46RMを使うとTTLという自動調光の機能があり、それこそ1/80000秒からのフラッシュ撮影が可能。他メーカーのフラッシュでも自分で設定値を入れるコトで利用可能となっています。
フラッシュの仕組みがよくわからない、カメラマ任せでフラッシュ撮影をしたい、という場合は「HVL-F60M2」を使うしかないかな?という仕組みになっています。
一般の方の入場時間には片付けられていたみたいですが、プロサポート会員限定タイムにはProfotoのライティングシステムが設置されていて、メーカーさんが追い込んだ設定での撮影をすることができるようになっていました。
α9 III+SEL2470GM2 F2.8 1/2000 ISO5000 59mm Flash HVL-F60RM2
こちらは私が撮影した、メーカーさんの用意した設定で撮影したショットです。やや暗いところなのでISO感度があがっていますが、1/2000のハイスピードで撮影出来ています。背景にある噴水もシャッタースピードが速いので止まっているように見えます。
初代”α9″でもHSSを使えば同様の撮影は可能。ただしメカシャッターでのみの撮影になり、電子シャッター設定にするとそもそもフラッシュ撮影はできなくなっています。
α9 III+SEL70200GM2 F5.6 1/1000 ISO250 200mm Flash ProPoto
こちらはプロの方に撮影してもらったProPotoを使った撮影。シャッタースピードをいろいろ操作してらしたんですが、1/1000に落ち着いたところ。
α9 III+SEL85F14GM F1.4 1/16000 ISO800 Flash HVL-F60RM2
こちらはまた別の方が撮られたショットで、シャッタースピードは1/16000になっています。F1.8よりも開くとシャッタースピードは1/16000までに制限されます。
HVL-F60RM2での連続撮影ですが、秒20コマで約12枚の撮影ができました。(普通はフラッシュ撮影で連写はしないですが)
まさにシャッタースピード全速同調。足下の水のハネなど、今までにない世界の写真が撮影出来ます。
3つ目は「バッティング撮影コーナー」です。ピッチャーが投げるボールを打ち返すのではなく、元々タマが置いてあるモノを打つというバッティングティーでのスイングで、タマがインパクトした瞬間を撮影してみよう、という体験コーナーになっています。
個人的にはこれがすごく面白かった。運がものを言いますが、”α9 III”のすごさを一番体験出来るコーナーかもしれません。
ここでは120fpsの高速連写撮影に加えて「プリ撮影設定」を使います。
これはシャッターを切る前から撮影バッファをもっていて、シャッターを切った瞬間に時間をさかのぼって撮影データを記録する、ということをします。
設定は「プリ設定」をオンにするだけ。2つのオプションがあります。
プリ撮影は動作中、ずっとカメラのバッファに撮影をし続ける機能なんですが、どのタイミングからプリ撮影を始めるかのトリガー設定ができます。シャッターボタン半押しにするか、AFオンのボタンだけにするか、両方とも効かせるか。
ここでは両方有効にしておきます。片方だけ有効にしておけば、AF-ONボタンではプリ撮影が動作しないけどシャッター半押しではプリ撮影を利用する、という使い方ができそうです。
プリ撮影の記録時間ですが、体験コーナーでは0.3秒にしておくように勧められます。
0.3秒では少なすぎない?と、不安になるところですが、何度か試してみるとこれくらいが最適解みたいです。「撮り逃した!」と思ってシャッターを切っても、0.3秒あれば大体カバーできるというのもありますし、120fpsでの連続撮影でバッファがいっぱいになって連続撮影が止まるのが圧縮RAW以下での撮影の場合192枚までとなっています。120fpsで192枚の撮影と言うことは1.6秒しか120fpsでの連写はできないんです。
プリ撮影記録を1秒とかにしてしまうとシャッターを押してから0.6秒しか連写ができない計算。プリ撮影が0.3秒だと1.3秒の連写ができる、というわけです。
上記の設定はあらかじめ行われていて、あとは体験コーナーでシャッターを切るタイミングについてレクチャーされます。スイングしてボールまであと少し、というところまできたところでシャッターを切って、あとはプリ撮影しているデータを見ながらバットがボールを叩く瞬間を捕らえよう、ということをします。
あらかじめ、持って行った初代”α9″でも撮影してみました。”α9″は秒20コマでの撮影が可能なカメラです。積層メモリーを内蔵したCMOSセンサーを搭載した初代モデルで、歴代最速の連写速度を誇るモデルだったんですが、ボールに当たる前後の4枚を並べるとこんな感じです。
とてもボールインパクトの瞬間を撮れる気がしません。
こちらは”α9 III”による秒120コマの撮影で、あとからインパクトの瞬間を探しているところです。初代”α9″の実に6倍のスピードで撮影しているので、インパクトの瞬間を細かく確認することができます。
あいにく、百発百中という感じではなくグニャッとなっているのを撮れる確率は20%程度?くらいかな。バットがボールに当たっている瞬間であれば50%くらいの成功率で撮れるみたいです。
α9 III+SEL70200GM2 F2.8 1/8000 ISO4000
11月9日の木曜日には男性のパワーヒッターさんがいらして、この方はパワーもあるみたいで、これくらいボールが変形するところまでヒッティングしてくれていたそうです。(こちらもプロの方が撮影してきてくださいました)
プレ撮影機能、神です。
そして4Fには望遠レンズコーナーがありました。アリーナの観客席からの望遠撮影ですが、そうか、普通の競技場だと、我々が撮影するのはこうした距離になるんですよね。コートの脇まで寄れるシチュエーションはなかなかありません。
α9 III+SEL300F28GM F2.8 1/1600 ISO1250
こちらで撮影しても、120fpsの威力はすごい。それとAIプロセッシングユニットによる人物AFの精度が良すぎる。この距離でも瞳AFが発動しているし、そういえばAF精度が高まくりです。
データはCFexpress Type Aカードを2枚挿して同時記録したものをいただいているのですが、ピンボケ写真が1枚もないんじゃないかと。全部のカットをチェックしたわけではないのですが、サムネールから「これは」というカットをピックアップしてチェックしたところ、全部、フォーカスが合っています。
私の目には歩留まり100%です。AF性能も”α9 III”はスゴいかも。
ということで、この望遠撮影コーナーで一休みしつつ、”α9 III”の外観やメニューをチェックしてみます。
背面液晶は3.2型の3:2モニターになりました。”α7R V”同様に”α9 III”も4軸マルチアングルを採用しています。RECボタンはファインダーの右脇に移動していて、シャッターボタン脇には「C1」が復活しています。
というか、”α9″シリーズは従来からこのボタン配置になっています。Vlog撮影をターゲットにしたカメラはシャッターボタン脇の天面にRECボタンを配置しますが、”α9 III”は写真撮影を重視したモデルになっており、そうした設計思想の現れがこういうところにあります。
シャッターボタン周りは新デザインになっています。長時間触っているわけではないのですが、意識せずにシャッターボタンを触れる感じで、C1とC2ボタンがより操作をわかりやすくできる感じになっています。
こちらは写真右上が”α9 III”で写真左下が初代”α9″です。あれれ、こんなに”α9″って小さかったっけ?という感じがしますが、グリップ周りはかなりデザインが変わってきていますね。
ちなみに初代”α9″は2017年発売で”α7R III”と同世代、”α7 III”よりも前に発売されているモデルなんです。もはや6年も前に発売されたモデルなんです。ただ、基本性能はしっかりしているし、今も愛用されている方が多数いらっしゃるし、私も仕事用のメインカメラとして今も使わせてもらっています。
歴史に残るカメラですからね。
さて、ここからは”α9 III”のメニュー画面を確認していきたいと思います。
時間がなくて試せないのと、おそらくまだソフトウェアも対応していないので機能を試せないのですが「コンポジットRAW撮影」というのが搭載されています。
これはRAWを重ね撮りしてノイズ低減を行う機能です。撮影後にPCソフト「Imaging Edge」を使ってRAWファイルを合成。RAWファイルでの出力ができるとなっています。
設定できるオプションは上記の通りです。動体でも使える、という噂を聞いたのですが裏は取れていません。まだ発売が先なのでヘルプガイドの公開もまだだし、詳細情報の解禁待ちです。
撮影枚数は4枚から32枚まで選択が4段階でできます。シャッタースピードは1/30より遅くすることができないので、星景撮影用のオプションではなく高感度ISOでの撮影時に使う機能なんでしょうね。
コンポジットRAW撮影の下の項目には「シャッター/サイレント」という項目があり、ここに見慣れない項目を発見。
「レリーズ ラグ/開始表示」ってなんでしょうね? すみません、調べはついていません。こちらもまだ未知の機能です。後日、調べがついたら紹介したいと思います。
フリッカーレス撮影や高分解シャッター機能も従来通り搭載されています。グローバルシャッター方式になったのでLEDフリッカーなどはもう関係ないように思えるのですが、高速で動作するLEDなどではまだ高分解シャッターでの対応が必要なシーンがあるんですかね?
フリッカーレス撮影は蛍光灯でのみ動作するシャッタータイミングを調整する機能です。LED照明では威力は発揮しません。グローバルシャッターになっても50Hz/60Hzで明滅する蛍光灯では露出が変わる可能性があります。点灯している瞬間にシャッターを切る機能は必要。
と、言っても、最近は蛍光灯もLEDを光源にしたタイプのものが増えてきて、あまり蛍光灯下での撮影シーンってなくなってきていますね。
自動でフリッカーレスのシャッタースピードを計測する「フリッカーレスTvスキャン」も装備されていました。
初代”α9″ではピクチャープロファイルを搭載しないなど動画撮影機能をそぎ落としている部分がありましたが、”α9 III”ではVlogcamに搭載されている機能もほぼ全部搭載しています。プレスリリースではサラッと流していますが、動画撮影にもグローバルシャッター方式のメリットはあると思うんですけど、やはり”α9″シリーズは静止画モデルという特徴を押し出す感じですね。
撮影タブの一番最後に「撮影オプション」という見慣れない項目を発見。
これは何かというと、撮影シーンの先頭にレーティング設定をする機能になっています。プリ撮影のシャッター時にもレーティング設定をすることができて、この2つの先頭にマークを付ける感じ。
撮影データを再生しているとマークで自分がシャッターを押したショットと、プレ撮影で自動撮影されているショットが見分けられる様になっているのですが、大量に撮影した連写データからそれらの頭の写真だけ探し出せるようにレーティングをしておく、という機能なんだそうです。
具体的な表示方法まで試してきていないのですが、例えば撮影シーンの先頭にレーティング★1を、プレ撮影のシャッター時に★2を付けておき、再生時のレーティングカスタムキーで、前ダイヤルにレーティング★1、後ろダイヤルに★2、回転ダイヤルに普通の送りを当てておくと、前ダイヤルだけ回すと撮影シーンの先頭だけを見ることができて、後ろダイヤルで自分のシャッターを押したカットだけを送って見ることが可能。目的のシーンを見つけたら、そこから回転ダイヤルでベストショットを探す、なんていう使い方を想定しているんだそうです。
(すみません、話を聞いただけで、自分で設定していないので間違った表現になっているところがあるかもしれません)
そうだ、プレ撮影の開始タイミングですがシャッター半押しをしているとプレ撮影をしていることになります。画面で見てみると左下にあるシャッタースピードの表示の上のところにプレ撮影をしているよ、という表示が出ていますね。
こちらは撮影中です。マークの表示が変わりプレ撮影の上で連写しているというのがわかるようになっています。
そういえば、連写中のバッファの残りを表示するメーターが”α9 III”ではなかったという話を現地でしていたのですが、録画してきたメニューを見ていたら、項目がありました。
録画してきたメニュー構成をチェックしてみると一番したの黄色いセットアップタブの表示オプションの中に「撮影残量表示」というのがあり、従来通り左辺にバーが表示されます。
ということで、連写残量バーは健在です。
現地で明確な答えがわかりませんでしたが、あとから判明しましたので報告です。
それと、この画面で左側にスポットAFのサイズが「XS」という表示になっています。これも新機能です。
スポットフォーカスのスポットのサイズがL、M、Sの3サイズに加えて「XS」と「XL」が加わっています。
こちらが「XL」のサイズです。ゾーン設定のエリアよりははるかに小さいですが、使い方はそれに近い使い方ができそうです。
「XS」サイズはもはや瞳AFが効いているときのAFエリアサイズでは!?
こちらはファンクションメニューの初期設定値です。なるほどプレ撮影機能はファンクションメニューに置いてあると便利かもしれません。
その他、細かいところですが、ファインダー/モニター選択のところに「オート:1」と「オート:2」があります。従来は「オート」とマニュアルだけだったはず。
どんな違いがあるのか謎です。また、次の機会に調べてきます。
サウンドオプションのところには電子音のオンオフだけではなく「電子音量」なるものが登場しました。5段階で調整ができるんですが、これ、シャッターの電子音の音量を調整できるみたいです。
シャッター音を録音したいというときに「音量を大きくしましょうか?」と説明員さんに設定を変えてもらって「あれ?そんな機能あったっけ?」と、思ったらやはりこれも新機能みたいです。”α7C II”にも搭載はされていません。
メインメニューはFX30から搭載されるようになった機能で、撮影設定が一覧でほぼ全部見られて、タップするとそのままその設定値を変更できます。”α7 IV”や”α1″にも搭載されていない機能になります。
こちらは動画のメインメニューです。
動画撮影機能の搭載はメインではなくついで、という感じではありますが、スポイルされている部分はなにもなく、ZV-E1並みの機能が載っています。
Log撮影もフレキシブルISOにて撮影が可能。
動画撮影時のブリージング補正も搭載されます。
ブリージング補正といえば、”α1″と”α7S III”にもファームウェアアップデートでの追加搭載が予告されています。アメリカでの発表では来年3月以降となっていました。
その際にC2PAフォーマットのサポートも追加されます。これは”α9 III”にも搭載される機能です。
☆ソニーニュースリリース「デジタルコンテンツの信ぴょう性証明に取り組む標準化団体C2PAの運営委員会にソニーが参画」
偽情報、誤情報、オンラインコンテンツ詐欺のまん延に対処し、デジタルコンテンツの信頼をあらためて確立することを目的とする業界団体の規格で、ソニーのデジタルカメラとしての搭載はこれが初となります。
発売後のアップデートではありますが、なにやら本当に新世代のカメラという性格になっていますね。
もう、最後はとりとめもなくなってきていますが、ホワイトバランスの取り込み枠サイズの変更も出来る様になっていました。
これはカスタムWBのSET機能を使ったときの枠のサイズ変更みたいですね。通常の枠サイズがスポットAFのMサイズくらいの大きさなので、それに準ずる感じになっているですかね?(これも実際には試していません)
最後にボディ外観です。
1000BASE-Tの有線LAN端子があるのと、フラッシュシンクロ端子、HDMI端子などが見られます。
メモリースロットはデュアルでSDカードとCFexpress Type Aカードのダブル対応になっています。
そういえば今年は6月にCFexpress Type Aカードに960GBと1920GBの2種類の新製品が発売になっています。
容量 | SD Gシリーズ | CFexpress Type A |
1920GB | 286,000円 | |
960GB | 154,000円 | |
640GB | 187,000円 | |
320GB | 99,000円 | |
256GB | 77,000円 | |
160GB | 60,500円 | |
128GB | 44,000円 | |
80GB | 31,900円 | |
64GB | 23,100円 | |
32GB | 13,068円 |
.
高いイメージのCFexpress Type Aカードですが、Toughシリーズの高速タイプGシリーズと容量を見比べてみるとちゃんと容量による順列になっています。
続々と大容量モデルが出てきていますが、960GBとか1920GBとか、誰が使うのかな?と、思っていたんですけど、”α9 III”のために発売されていたのかもしれないですね。
初めてのフルサイズモデル”α900″や、ゲームチェンジャーと呼ばれた”α9″や、ミラーレスシリーズで初めてフラッグシップモデルの冠が付いた”α1″など「格」のついたモデルはいくつかありますが、世界初のグローバルシャッター方式採用のフルサイズミラーレス一眼カメラ”α9 III”も間違いなく、そうしたカメラの仲間入りになるでしょうね。
今週末、土曜日は店頭にて”α9 III”店頭セミナーを開催。”α”スペシャルイベントにご参加なられなかった方のために撮影してきた動画映像でイベントと”α9 III”、SEL300F28GMをご紹介いたします。追記:↓こちらがセミナー動画です
11月16日(木)10時の予約開始日には当店は朝9時30分より早朝営業をいたします。ご出勤前に予約オーダーをお考えの方は是非、お立ち寄りください。
予約販売開始まで最新情報がありましたら逐次お知らせいたします。
■『α9 III』ついに登場! 11月16日10時予約販売開始!
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先週の土曜日11月16日はお休みをいただいて武蔵野陸上競技場へ、今シーズンで活動を終了するJFLのサッカーチーム「ソニー仙台」の応援に行かせてもらってきました。 応援レポートをお届けしつつ、“α9 III”のプリ撮影機能 […]
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