【レビュー】G Masterの高解像をかつてない小型軽量設計で実現 最新技術を投入した『SEL50F14GM』実機レポート
一体、何本目の50mm単焦点レンズなんだ!?という声が聞こえてきそうですが、ソニーEマウントレンズ72本目として発表になった「SEL50F14GM」をCP+2023で発表の翌日に触らせていただいてきました。ここではレンズの詳細についてご案内しつつ、実機の様子を改めてレポートしたいと思います。
こちらのレンズ、発売日は4月21日ですが、ソニーストアでの予約販売はなんと来週の火曜日2月28日10時からスタートします。
こんにちは、店員佐藤です。
一昨日のうちにCP+2023のソニーブースレポートをblogエントリーで報告させていただき、昨夜は当店のYouTubeチャンネルでレポートしています。
4年ぶりに開催された開催されたソニーブースはとても開放的にデザインされていてとても良かったですねー! 各社コロナ禍の中での開催ということでできるだけソーシャルディスタンスが作れるような導線を工夫していて、とても素敵な展示を楽しめました。
その中でも今年一番の注目はやはり発売前の新レンズ「SEL50F14GM」です。好きなレンズ&ボディを試せるハンズオンコーナーは整理券が必要なシステムになっていましたが「SEL50F14GM」は大量にハンズオンカメラを用意していて予約無しでの体験が可能になっていました。
実機の様子を詳しくご案内していきたいと思います。
さて、まずは冒頭でも案内したとおりですが、ソニーの50mmレンズ、すごいラインナップになっています。フルサイズαが登場した時のローンチレンズである「SEL55F18Z」を含めると、なんと50mmレンズは8本ものラインナップになります。
そんなに50mmレンズってラインナップが必要なの!?というところですが、写真にとって50mm単焦点は「標準レンズ」と呼ばれるくらい重要なレンズ。今はカメラを買うとキットレンズについてくるのはズームレンズが当たり前ですが、機構が複雑なズームレンズが登場する前は単焦点レンズの50mmレンズで使い始めるのが普通だったんだそうです。
なのでフィルム写真時代からカメラを扱っている方々には50mmレンズは特別な意味のあるレンズで、メーカー側でも最も重要視する焦点距離になります。8本モノレンズが必要なのかというと、次の表を見ていただくと納得されるかも。
G Master | Gレンズ | ZEISS | スタンダード レンズ |
マクロレンズ | APS-C | ||
SEL50F12GM |
SEL50F14GM |
SEL50F25G |
SEL50F14Z |
SEL50F18F |
SEL50M28 |
SEL50F18 |
|
発売日 | 2021.4.23 | 2023.4.21 | 2021.4.23 | 2016.7.29 | 2016.4.28 | 2016.9.24 | 2012.3.9 |
価格 | 315,700円 | 約21万円 | 94,600円 | 199,100円 | 35,200円 | 62,700円 | 36,300円 |
レンズ構成 | 10-14 | 11-14 | 9-9 | 9-12 | 5-6 | 7-8 | 8-9 |
開放絞り | 1.2 | 1.4 | 2.5 | 1.4 | 1.8 | 2.8 | 1.8 |
最小絞り | 16 | 16 | 22 | 16 | 22 | 16 | 22 |
絞り羽根 | 11 | 11 | 7 | 11 | 7 | 7 | 7 |
最短撮影距離 (MF時) |
0.4 | 0.41 (0.38) |
0.35 (0.31) |
0.45 | 0.45 | 0.16 | 0.39 |
最大倍率 (MF時) |
0.17 | 0.16 (0.18) |
0.18 (0.21) |
0.15 | 0.14 | 1.0 | 0.16 |
フィルター径 | 72 | 67 | 49 | 72 | 49 | 55 | 49 |
手振れ補正 | × | × | × | × | × | × | ○ |
フォーカス ブリージング 対応 |
○ | ○ | ○ | ○ | × | × | × |
外形寸法 | 87×108 | 80.6×96 | 68×45 | 83.5×108 | 68.6×59.5 | 70.8×71 | 62×62 |
質量 | 778g | 516g | 174g | 778g | 186g | 236g | 202g |
.
こうしてレンズのブランドを並べてみるとソニーのレンズカテゴリーごとに全部、1本ずつ50mmの単焦点レンズというのはラインナップされていて同じ性格のものは被っていないのがわかります。
G Masterレンズが2本あって被っているじゃないか?と、いうところですが、開放絞り値F1.2の「SEL50F12GM」はメーカーの威信をかけた特別なスーパーレンズで、意味合いとしては「SEL400F28GM」とか「SEL600F40GM」に相当するようなレンズになります。
たった絞り値で0.2しか違わない様に見えますが、絞りF1.4とF1.2では絞りの開度が大きく違っていてレンズのサイズも大きく変わってきます。
「え? SEL50F12GMとSEL50F14Zは大きさもほぼ同じで重量も一緒だけど?」と思われるかもしれませんが、F1.4のレンズと同等のサイズ重量でF1.2を実現しているところにも価値があって、ソニーの現在のレンズ技術をすべて詰め込んで実現しているコンパクトなF1.2の50mm単焦点レンズになっています。
SEL50F14Zとは発売時期が5年も違っていますしね。
で、今回は高画質そのままに小型軽量コンパクトにする技術を使って、さらにこの数年で一気に高まってきた動画撮影のニーズに応える形で開発されたのが「SEL50F14GM」になります。F1.2をF1.4並みのサイズで作り上げる技術を今度はF1.4 レンズに注ぎ込んだら35mm単焦点レンズよりも軽くなっちゃった!というところでしょうか!?
主な特徴 | ||
F1.2 G Master |
SEL50F12GM |
表現にこだわり抜くクリエーターに向けた大口径F1.2 単焦点レンズ フローティングフォーカス構造 F1.2の大口径レンズとしては驚くほどの超軽量 ソニーストア価格:315,700円 |
F1.4 G Master |
SEL50F14GM |
ハイアマチュアからプロまで幅広いユーザーに向けた人気の50mm F1.4 G Masterの描写力を高い携行性、機動性を実現する小型軽量デザイン 市場推定売価:約21万円 |
F1.4 ZEISS |
SEL50F14Z |
伝統のZEISS Planarの高い光学性能 金属外装の高い品質感 画面中央から周辺まで均一な描写 ソニーストア価格:199,100円 |
.
簡単に特徴をまとめると上記の様になります。F1.2とF1.4で価格差は10万円もあります。同じG Masterレンズでもより幅広い方に向けた50mm単焦点レンズが「SEL50F14GM」という立ち位置。
カールツァイスの「SEL50F14Z」とは発売が7年違っていますので、その間に開発されたソニーの新技術が投入されているという差があります。カールツァイスレンズはカールツァイス社の技術を使って開発されたレンズで、逆にソニーが開発した技術が使えないという側面もあります。コーティングについてもカールツァイスはT*コーティングを採用。ソニーはブルーレイディスクの技術も応用したナノARコーティングIIという新技術をSEL50F14GMには投入しています。こうした新技術が使えるというのもG Masterレンズの利点となります。
どちらのレンズの描写が上、というのではなく、それぞれ、そうした特徴のあるレンズというラインナップでこれらのレンズから50mm F1.4レンズを選べる、というのが一番のメリットになります。
ZEISSレンズの中に「画面中央から周辺まで均一な描写」というのがありますが、それはMTF曲線をみてもわかります。
ZEISSとソニーレンズで空間周波数の比較本数が違うので直接比較ができないのですが、レンズの中央から周辺に向けてなだらかにコントラストが下がるのがG Masterレンズで、レンズ中央部と周辺部で描写が変わらないのがZIESSレンズという違いがあります。
周辺にかけてなだらかに下がるG Masterレンズと言っても、そのグラフ数値はほぼ上辺にベタ付きなので、私には違いがあまりわからないんですが。(^_-)
レンズ構成もやや特徴があって、ソニーの50mmレンズではこうした構成になるものが多いのですが、これで一番良い結果がでるんでしょうね。前玉から後ろへレンズが大きくなったり小さくなったりがなく、像を引き延ばしたり縮めたりせずストレートに画作りしています。
超高度非球面XAレンズを2枚使っていて、非球面レンズで発生しやすい輪線ボケを大幅に低減しています。
こちらは実機で撮影してきた絞り開放F1.4で点光源をいっぱい撮ってきました。
タマネギの断面みたいになる点光源の中のシワシワはどこにも見えません。
非球面レンズを使うコトでレンズ本体の大幅な小型化を実現するとのことですが、これ、もっとたくさん使ってドンドン小さくしてくれないですかね!?(スマートフォンのレンズに使うと、やはり高画質になるですかね!?)
動画撮影の対応機能としては「フォーカスブリージング」の改善もあります。フォーカスブリージングはAFが動作したときに微妙に画角が変わってしまう現象のことで、以前のレンズはこれが大きく出ていたモノが最近のレンズではそれがあまり出ないように設計されています。私の記憶では「SEL24F14GM」の時から案内が出るようになったのですが、今回の「SEL50F14GM」もフォーカスブリージングはほぼ出ませんでした。
カメラ側で補正を行う「フォーカスブリージング補正」は現時点ではα7 IV、FX30、α7R Vという一部モデルにしか搭載されていない機能で、それ以外のカメラで動画撮影をする際も、SEL50F14GMであれば、あまり気にせずに使うコトができるメリットがあります。
あらためてレンズの外観をチェックです。レンズサイズは単焦点レンズのSEL35F14GMとほぼ同サイズ、重量はわずかながらSEL50F14GMの方が軽いくらいです。
レンズ鏡筒は樹脂製でツァイスレンズの金属製のヒンヤリ感などはありませんが、この方が軽量化につながるんでしょうね。フォーカスリングと絞りリングが並び、絞りリングのオートとマニュアルの間を行き来できないようにする「IRIS LOCK」スイッチも装備されています。
動画撮影時に絞り数値を変更して「カリカリ」という音が出ないようにクリックスイッチがありこのオンオフで無音で絞り操作をすることもできます。
フォーカスロックスイッチは左側面と上面の2カ所に装備されていて、縦位置で撮影している際も利用しやすいところに配置されています。このフォーカスロックボタンはαの方で機能をアサインすることができます。昔は瞳AFをここにあてたりして使っていましたが、いまはもうAI被写体認識でカメラ任せでなんでもいけてしまうので、皆さん、どういう機能をここに割り振っているですかね。
コンパクトな小型レンズなので大口径レンズとはいえ絞り開放にすると画面隅に口径食は出やすくなります。手持ちなので微妙に画角がぶれてしまっているかもしれませんが、絞りを1クリックずつ変えて撮影したモノがこちら。F2.2くらいまで絞ると分からなくなりますかね?
しかし、背景にいるモデルさんのボケ方とかすごいですね。さすがF1.4です。
α1 + SEL50F14GM F1.4 1/500 ISO100
モデルさんから距離があるので、ボケを作りにくいところなんですが、解像感はかなりのもの。
等倍で切り出してみるとこんな感じです。5100万画素のα1で撮影しています。
α1 + SEL50F14GM F1.4 1/500 ISO100
こちらはカメラを前に引っ張り出して植え込みで前ボケを作ってみたところ。今回もソニーブース、綺麗なモデルさんがいっぱいでしたねー。
ということで、ソニーブースで触らせていただいた「SEL50F14GM」の実機レポートでした。
スペシャルセミナーでは福田健太郎さんが「基本に立ち返る、50mm単焦点で広がる写真の世界」ということでトークされていて私も事前予約で拝聴させていただいてきました。
長崎での1泊2日での撮影旅行の様子を拝見しましたが、50mmレンズ1本で、広角写真風に撮影したり、望遠撮影風に撮影したり、いろいろな表現を見せていただき、こういうのを見ると自分でもやってみたくなるんですよね。
ソニーブースでのスペシャルセミナーはストリーミングで配信されているほか、3月8日(水)10時より一部の内容をアーカイブ配信するそうです。
ちょっと先になってしまいますが、3月末までご覧になれるそうですので、福田健太郎さんのセミナーを是非! ストリーミング配信があるかどうかわかりませんが魚住さんのポートレートでも50mm F1.4 GMが紹介されているようですので、そちらもチェックです。
◆ソニーストアでお得に購入する方法
ソニーストアでは「AV商品に使える10%OFFクーポン」を、My Sony IDをお持ちの方に配布しています。サインインするとクーポンを利用して10%の割引価格でお買い求めになれます。
IDをお持ちでないお客様にも、IDを新規で登録(無料)いただければ、直後に「10%OFFクーポン」がプレゼントされます。
こちらはSEL2070G(今月発売になった新型レンズです)をレジに入れてAV商品10%オフクーポンを使ったときの支払額の表示です。184,800円→166,650円になりました。事前に会員登録をするだけで1,8480円お得な購入ができます。
購入前にまずはMy Sony IDの取得からどうぞ!
そして、“α”レンズのオーダーでお得になるのが「αあんしんプログラム」です。
SEL2070Gの購入ページに「αあんしんプログラム」なるものが紹介されていて、なにやら文章がいっぱい書いてあって読むのが面倒だから、普通に買おう、とか思われるかもしれませんが、それは大変な間違いです。
ソニーストアを利用しつづける方の大半がこの「αあんしんプログラム」目的でレンズ購入をしていると言っても過言ではありません。というか、正確には「αあんしんプログラム」というよりは「ワイド保証」の無料特典目当てなんですが。
αあんしんプログラムというのはソニーの会員制サービスです。入会金110円と月額550円がかかるので年間で6,710円がかかる(最低入会期間が1年になっています)ものなので、それが面倒そうに思えるかとは思うんですが、入会すると3000円のお買い物券プレゼントがあるので、実質3,710円で利用できるサービスになります。
一番大きな魅力がレンズの長期保証のサービスで、3年ワイド保証/5年ベーシック保証が無料になります。
ワイド保証というのは通常のメーカー保証1年を3年に延長した上に、落下破損や水没などの事故の際も、無料で修理を受けられる保証サービスです。3年ワイド保証はレンズ本体価格の5%程度に設定されているのですが、それが無料。レンズが5%オフになる感覚で利用ができます。
で、レンズの価格ってわりと高いじゃないですか。3,710円が5%とすると74,200円以上のレンズを購入する時は、αあんしんプログラムに入会してからレンズを買った方がお得になる、というわけです。
高額なレンズ購入であれば、あるほどおトクになります。SEL50F14GMの購入なら一発で元が取れてしまいます。
「SEL50F14GM」はソニーストア・オンラインにて2月28日(火)10時より予約販売の開始を予定しています。
発売日は4月21日なので2ヶ月ほど先の出荷になりますが、こうした単焦点レンズはそれほど生産数も多くはありません。人気に火がつくと一気に品薄になりますので、周りの盛り上がりを見る前に?お早めのオーダーをどうぞ。
50mm単焦点 Gマスターレンズ SEL50F14GM |
ソニーストア価格: 206,800円 税込 |
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発売日 | 2023年4月21日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
長期保証 サービス |
5年ワイド:20,900円(税込) 3年ワイド/5年ベーシック:11,000円(税込) 3年ベーシック:無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
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