【レビュー】Wi-Fi6対応の2020年モデル新型『VAIO SX14/SX12』実機レビューレポート
外装の大きなモデルチェンジはないものの、真の使いやすさを追求したVAIOノートのツートップ「VAIO SX14」「VAIO SX12」がまたまた進化しました。
今回のモデルチェンジ、ややわかりにくく目立ったものがないように見えるんですが、実際に使ってみると体感できる進化があります。特に、このテレワーク時代を見据えてアップグレードしてきたようにも見えます。その進化ポイントを実機を使ってご案内したいと思います。
私も今回のレビューでちょっとVAIOを買いなおさないと!という危機感をおぼえています。というか、Wi-Fi6ってすごいですよ。
こんにちは、店員佐藤です。
ソニーショップの店員なのでパソコンに詳しい、と、思われがちですがパソコンショップの店員ではないので、そうでもないんです。知識的には一般の方と同じくらい。ただ、毎日仕事で使っているものですから、それなりに使いやすさなどは気になるところ。
ソニー製PCだったころと比べると「世界最小」「世界最薄」「世界最軽量」などのスペックを追わず、強度をしっかりもたせ、デザイン優先ではなく必要なところにはビスを打つ、というこだわりを持ったVAIO(株)のPCになった現在のVAIOはとても好感が持てます。取扱商品としてではなく大好きな製品としてお客様におすすめできるのはソニーショップ店員として幸せな思いでいます。
数々の進化を果たした2020年秋のリフレッシュモデルチェンジをした「VAIO SX14」と「VAIO SX12」というVAIOのツートップモデルをお借りすることができましたので実機を使って進化ポイントを紹介したいと思います。
さて、お借りした「VAIO SX14」ですがキーボードが「隠し刻印キーボード」仕様になっていました。以前、なにも刻印がない無刻印キーボードモデルを限定販売していたことがあり、さすがになにもキートップに印字がないと記号類を探すのがちょっと。。。と、自信がもてなかったんですが、これは黒いキートップに黒い刻印をしているモデルです。
実際に手元で長時間使うのは初めてです。
試してみると、なるほど普段はタッチタイピングでほとんど手元を見ることはないのでブラック刻印でも全然違和感なしでした。普通に使えるものですね。で、「%」とか「&」などの記号類を打つ時だけキートップをのぞくようにすると明るいところではこれも違和感なく使えます。はた目にはなにも刻印されているようには見えないので、これを使いこなせる人はかなりの玄人!と、思わせられそう。
暗所で利用した時のキーボードバックライトに関しては文字の浮かび上がりはないので、その時は本当の無刻印キーボード的になってしまうんですが、そういうシーンで使うことは普通はあまりないですからね。
使いやすいわけではないんですが、視認性はそれほど悪くないので人とは違ったPCを持ち歩きたい、という方は選択しても大丈夫だと思います。
さて、今までVAIOのモバイルノートというと長時間使用するためのモバイル性能などが売りで、USB type C端子を利用してのPower Delivery充電、携帯電話の充電器でも充電ができる5V充電などがアピールポイントでした。確かにこのUSB充電の威力はすさまじく、当店店頭で多いときは週に一度くらいの頻度で「すみません、VAIOのACアダプター売ってますか?」というお客様がここ1年くらいはまったくいらっしゃらなくなりました。
以前は専用ACアダプターがないと充電ができなかったのですが、今はUSB type Cを使えば、なんででも充電できますからね。もう、出張時にACアダプターを忘れても大丈夫なんです。
そうした電源の縛りがなくなったのか2019年登場モデルからだったのですが、今回のモデルチェンジではバッテリーの素材を見直したそうで、バッテリーサイズなどを変更せずに充電容量を増やしたそうです。ハイビジョン解像度のディスプレイを搭載したVAIO SX14では最大22時間ものスタミナを発揮するとのこと。
以前の当店であれば、すぐにこれを抱えてスタミナテストに行くところなんですけど、今はコロナ感染予防のための新しい生活様式を構築している最中です。そんなことをしている場合ではないな、ということで自重しています。
代わりにテレワークで利用されるケースが多く、4月の感染拡大が始まってからの外出自粛期間に入ってからはブラビアと同様にVAIOの販売も好調に推移しています。
特にテレワークでのオンライン会議は、当店でも何度か参加しているのですが、トラブルがあると会議にならないので、利用する環境が重要なのを認識しています。
(当社は小さな会社ですしIT化が遅れているもので、社内でのオンライン会議はまったくないのですが、ソニーさんの商品説明会や導入会議などがオンライン会議になります。メーカーさん主催の大きなものになると100人以上でつながったりするのも体験させてもらっています。)
ある程度、PCのパワーにゆとりがないと会議に集中できなくなります。スペック、重要です。
今回のモデルチェンジでは内蔵グラフィックが進化しています。第10世代のプロセッサーではCPUパワーの進化が重視されていましたが、今回のモデルではCore i7-1065G7を選択することにより「UHD Graphics」から「iris Plus」に変更され、これにより15%の性能アップがはかられている、と、なっています。
ということで、あまり、こうしたベンチマークソフトを私は使わないんですが、おなじみ「Cine Bench」と「3D MARK」を使って計測してみたものがこちらです。
ゲーミングPCではないので3Dゲームがグリグリ動く、という感じではないんですが、2019年モデルのVAIO SX14では紙芝居だったものが、なんとかストーリーを追えるくらいの状態で映像が見られたりします。
というか4年前に「デスクトップPCと同じ標準電圧のHプロセッサー搭載モデル!」として購入したVAIO S15と比べても、今のモバイルノートの方がパフォーマンスが高いというのがショックです。「VAIO S15 2016」というのは自宅で使っている自前のPCなんですが、これは買い替えを検討しないといけないレベルかなー。
そして、SSDもパワーアップしています。
第3世代のハイスピードSSDによる最高パフォーマンスが上がったのではなく、スタンダードSSDのインターフェイスがSATAからPCIeに変更されていて、これにより大幅にアクセススピードが上がっているそうです。
プロセッサーなどの仕様が違いますが、サンプルのVAIO SX12がスタンダードSSD搭載になっているので、これで10GBの動画ファイルをCドライブ内でコピーして手動で時間を図ったもので比べてみると下記の様な違いになります。
第3世代で10.9秒、スタンダードSSD(PCIe)で19.6秒、そしてVAIO S15のSATAのSSDだと46.6秒です。うわー、まじですか、こんなにアクセスの遅いSSDを使って自宅で動画編集していたとは。。。
Microsoft Storeで無料でインストールができる「CrystalBench」を使ったときのスコアも掲載しますが、スタンダードSSDで従来の倍以上のスピードになっていることがわかります。
そして、さらに「Wi-Fi6」の対応です。
むむ? 「Wi-Fi6」ってなんだ? 初めて聞くぞ、という方もいらっしゃるかと思います。私もつい最近知って、お店のワイヤレスLANルーターを切り替えたところです。詳しくは上記のバッファローさんのホームページでご覧いただくと正確なところがおわかりになるかと思います。
えーと、簡単に説明すると、今まで「802.11n」とか「802.11ac」とか呼んでいたものの名称が変わり、今回は「802.11ax」という規格が出てきたんですが、これからは「Wi-Fi」の第6世代ということで「Wi-Fi 6」という名称に変わった、というものです。
なにか無線LANで劇的な変化が起こった、というわけではありません。
ちなみに第1世代というのは802.11bで2.4GHzの10Mbpsだったものです。その後、802.11aの54Mbpsとか、2.4GHzも54Mbpsにスピードアップして802.11gになったりとかしています。このあたりの話を聞くと、懐かしいねー、という記憶がよみがえってくると思うんですが、それです。
最新の規格が802.11acだったと思うのですが、その次の世代の通信が始まっています。802.11axという規格で最大数新速度は9.6Gbpsとかのけた違いのスピードになっています。
当店でも最近、店内の無線LANルーターを入れ替えて「Wi-Fi6」のものにしました。最新規格の通信フォーマットのメリットを受けるには送受信ともに「Wi-Fi6」にしていないといけないんですが、たまたまVAIOのWi-Fi6対応に間に合いました。
無線LANに直接、有線のLANケーブルでファイルを置いておいて、それをWi-Fi6経由で10GBのデータコピーをして、かかった時間を手動で計測しました。
自宅の無線LANはまだ802.11acの「Wi-Fi 5」なので、自宅でも比較計測。
なお、調べてみたら私の自宅VAIOのS15 2016年モデルは「Wi-Fi4」になっていました。2019年モデルの「VAIO SX14」がWi-Fi 5なので、ルーターがWi-Fi6とWi-Fi5の環境とでそれぞれ転送時間を比較したものがこちらです。
グラフが短い方が高速転送できていることになります。
こうしてみるとWi-Fi 6環境でも5GHz帯を使うと、それなりに高速転送できているように見えますが2.4GHz帯を比較するとすごい差が出ています。というかWi-Fi4の自宅VAIO S15の遅いこと、遅いこと。。。
無線LANのプロパティを開くと、こうしてプロトコルのところで「Wi-Fi 6」で接続されているというのが確認できます。最大のリンク速度も表示されてい当店のルーターだと2.4Gbpsまで上がるのがわかります。
蛇足ながら「Wi-Fi 6」の対応はVAIOだけではありません。スマートフォンの世界でも対応が始まっていて、ソニーストアで販売しているSIMフリースマートフォン「Xperia」シリーズの仕様比較で確認ができます。
10月30日発売の「Xperia 1 II」だけ802.11ax対応になっていました。もう、これからの時代、「Wi-Fi6」にそろえていかないともったいないんです。
さらに蛇足の蛇足ですが、当店で無線LANルーターを入れ替えたのは通信の途絶が増えてきたから。当店では店内BGMにスマートスピーカー「LF-S50G」を使っているのですが、これがたびたび切れてしまって音楽やradikoが聴けなくなってしまうんです。
ルーターが古くなってきたかな?ということで「Wi-Fi6」のルーターに買い替えたのですが、つないでみてビックリ。
ウチのお店ですが、Wi-Fiルーターと接続している機器が店内にこんなにあったんです。このときに計測したので18台。これでPlayStationとか使ったらテレビとPS本体などが加わってくるわけで、どうやらルーターの対応台数を超えていたのかも。
こちらは自宅のWi-Fi 5対応ルーターですが、こちらでも10台つながっています。そういえばモニターカメラとかエアコンとかスマート電球とか、ネットワーク対応機器を増やしまくっていました。
こうした同時接続に強いのも「Wi-Fi 6」の特長なんだそうです。
当店で購入したのは「WSR-5400AX6」という機種ですが、これで同時接続30台まで対応するとのこと。(それでも当店のスマートスピーカーはたまに音が切れるんですが)
当店に限らず、ネットワーク対応機器を購入されている方は多いはず。無線LANの調子が悪いと感じたら、それは接続台数制限を超えているからかもしれません。
この機会に「Wi-Fi 6」のルーターを入れ替えて、ついでに「Wi-Fi 6」対応VAIOに買い替えてしまうのが良いかも。(って、まさに我が家の話なんですが)
簡単なベンチマークでしたが、こうして自分で手動計測して比較すると違いが実感できます。本日発表の新型VAIOですが、こちらのスペック、価格をチェックしながら、ご自宅の通信環境を見直してみてはいかがでしょうか?
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