【レビュー】一番新しいSignature Series『SA-Z1』でニアフィールドオーディオ体験 ショールーム展示レポート
6月20日発売予定のSignature Seriesの新製品、ニアフィールドパワードスピーカー「SA-Z1」をソニーショールーム/ソニーストア銀座で試聴させていただいてきました。
Signature Seriesは新製品が登場するたびに新しい音の世界を魅せてくれますが、今回も想像を絶する音のクオリティを実現しています。スタイリストさんの案内で体験させていただいてきたことをレポートします。
こんにちは、店員佐藤です。
またまたものすごい製品が登場しました。6月20日発売でソニーストア価格は78万円です。価格を聞いただけで身が引けてしまう方もいらっしゃると思いますが、この価格は別にソニーさんがぼったくっているわけではなく、それだけの手間ひま、原材料、技術などのコストをかけて製作した製品になります。
78万円も出せば、相当なプレーヤー、アンプ、スピーカーなどを揃えることができますが、それを凌駕する価値が、このパワードスピーカーにある、ということで製品化されているはずです。
一体、どんな音がするんでしょうね。今回も楽しみにして取材を申し込みました。製品発表直後はかなり混み合うことが予想されたため、やや時間をずらして聴かせていただいています。
さて、まずは「ニアフィールドオーディオ」「ニアフィールドサウンド」という言葉自体があまり聞き慣れません。これはデスクトップオーディオとも言える形で卓上にスピーカーセットを並べて、そこで再現するオーディオになります。
真っ先に思いつくのが2015年発売の「CAS-1」で、専用スピーカーとアンプをセットにしてソニーストアにて78,000円(税別)にて発売されていた製品があります。(現在は販売を終了しています)
ヘッドホンのブームがやってきている裏には、大きな音を出せないという近年の住宅事情もあるんじゃないか、ということで、小音量で広いスペースを必要とせずに楽しめる「箱庭」的なオーディオ空間を楽しむためのパッケージになっていました。
バスレフのダクトをスピーカーの背面ではなく底面にして、背面の壁の影響をなるべく受けないようにしたり、オーディオボードを用意して設置場所の環境が違っても同じ音が鳴るように、環境によって変わってしまう音ではなく、製品としてできるだけ外的要素で音が変わらないような工夫までされていた製品でした。
実際に聴いてみると、音場の空間は小さなスピーカー2つの間にミニチュア模型のごとく精密に組み上げられて、まるでジオラマを見ている様な精細な音を楽しめました。ヘッドホンにはヘッドホンの音の楽しみ方がありますが、スピーカーオーディオでこういう世界があるんですね。
それをSignature Seriesの製品として焼き直してきたのかというと、そうではありませんでした。「CAS-1」が箱庭的な音場のミニチュアを作ることを目的にしていたのに対して、「SA-Z1」はステージをそのまま目の前に再現する「ニアフィールドオーディオ」を目指しています。
☆ソニーコンテンツ『Signature Series 究極の解像度と圧倒的なステージ感のために ニアフィールドパワードスピーカー『SA-Z1』開発者インタビュー』
製品のコンセプトは開発者インタビューでしっかりと語られていますので、こちらをご覧いただいた方が正確に伝わると思います。
ここでは製品のセッティング方法や、ソニーショールーム/ソニーストア銀座での試聴の様子などをレポートします。
まずはソニーショールーム/ソニーストア銀座での6月2日時点での展示の様子ですが、5Fのオーディオコーナーの一番奥にご覧の状態でセットアップされています。
製品としては左右の黒い箱の様なスピーカー2本1組で、ここにVAIOやウォークマン、スマートフォン、などのプレーヤー機器を接続して音を鳴らすことになります。
「SA-Z1」の前には一脚のイスが用意されていて、高さを含めて自由なポジションで楽しめます。ですが、試聴するポジションは1カ所だけです。左右のスピーカーを線で結び、そこから自分のリスニングポジションに線を引き、この三角形が正三角形になるところが正解です。
取扱説明書によるとスピーカーは0~20度の間で内側に向けて設置することが推奨されています。0度ということは平行に設置することになり、このポジションでは音場がステージのように広がって聞こえるとのこと。20度まで内側に向けると、より音の輪郭がはっきりと聞こえるようになるそうです。
ショールームでは見たところもっともニュートラルになるよう10度ほど内側に向けている様子。スピーカーのセッティングももっともニュートラルになるように調整されていました。
スピーカーの背面には約10cmのところに壁があることを想定しているようですが、ショールームの様に壁が無くても大丈夫。このパワードスピーカーは太鼓堤の様に正面と背面にウーファーが対向して設置されているのですが、背面側にはご覧の様にアンプ部が付けられていて、脇から音が出るように音道が作られています。(黄色い矢印のところがそのダクトの出口です)
これにより背面に壁がなくても背面ウーファーの音が回り込んでくるようにしてある、というわけです。
左右のスピーカーそれぞれに電源コンセントがあるのと、右側には入力端子が集中配置してあります。左スピーカーはコンセントと左右のスピーカーを接続する専用ケーブルが付くのみ。
この専用ケーブルが、これまたスゴいことになっていて、ウォークマンの厚みと同じくらいの太さのケーブルが使われています。
専用端子となっていますが、昔、PCで使っていたSCSI端子とかこんなでしたっけね。
専用デジタルSYNC端子の隣にはRLのスイッチがありますが、これにより左右のスピーカーを入れ替えることもできます。
設置する環境によって、プレーヤー機器がスピーカーセットの左側にしたい、という場合はSPKスイッチを切り替える事で左右を入れ替えます。
背面にあるアナログ入力端子の他に、USB-B(PCやスマートフォン接続用)、micro USB(WM-Port用)、光デジタル、ステレオミニ端子などがあります。
アナログ信号の場合はSA-Z1側でDSD変換してデジタルアンプで鳴らすのと、デジタル信号の場合はDSEE HXや、DSD変換などを行ってからのデジタル再生などが選べます。
ヘッドホンアンプの「TA-Z1ES」の様な変換ができます。
こちらが付属の専用ケーブルになります。ウォークマン接続用のケーブルに、WM-Portのケーブルが用意されていますが、現行モデルの「NW-ZX507」も「NW-A100」シリーズもUSB ype-C端子に変更されているため、今時WM-Portと思われるかもしれませんが、Signature SeriesのウォークマンはNW-WM1ZやNW-WM1Aになります。これらのモデルが接続できないとちょっと、ね。
なお、WM-Portを接続した際にケーブルから電流を流してウォークマン本体の充電をする仕様になっていますが、これをオフに設定することができます。音質に影響が出る可能性があるそうで気になる方はオフにして使うことができます。
ウォークマンA100シリーズのUSB type-C端子とはUSB-B端子と付属のケーブルで接続します。この場合は充電電流は流れないそうです。
付属の専用リモコンがこちらです。
基本的な音質の調整などはスピーカー本体のスイッチ、つまみで行うのですが、先ほどのウォークマンの充電設定などはこちらのリモコンを使って操作します。普段、それほど設定変更を行う頻度が高くないモノはこちらで操作するイメージです。
樹脂製ではなくメタル製のアンプリモコンというのは初めてみました。
ということで、試聴をやっとするのですが、ソニーショールーム/ソニーストア銀座ではVAIOを接続し、ハイレゾストリーミングサービスの「mora qualitas」の音源を再生出来るようにしてくれています。
こうしたオーディオ製品の試聴の際には自分の聞き慣れた楽曲を持ってきて試聴することも多いと思いますが「mora qualitas」のおかげで、ほとんどのハイレゾ楽曲が呼び出せます。
ソニーショールーム/ソニーストア銀座のスタイリストさんも、現在「SA-Z1」の試聴におすすめの楽曲を日々探しているそうで、それをリストアップして紹介してくださいます。私も聞き慣れた曲を持ってきていますが、最初はスタイリストさんにお願いしてお勧め楽曲を聴かせていただくのが良いかと思います。
ビリー・アイリッシュの「bad guy」から聞かせていただきましたが、なるほど、これは聴き応えがありますね。聴き所を教えていただきながら再生してくださったのですが、鳥肌たちまくりでした。
CAS-1を初めて聞いたときも感動したんですが、あれは小さな空間に音が密集していて、その定位感についてはヘッドホンでは味わえない感覚でした。精密な模型を並べたジオラマをのぞき込んでいる感じだったのですが「SA-Z1」はそれを、目の前の空間全体に広げた感じ。CAS-1で味わった定位感はそのままで、抜群の立体的な音像を味わえます。
ダイナミックレンジの広さもあって、交響曲などを聴くと「良い音」とかいうレベルではなく「本物の音」にしか聞こえません。指揮者が指揮棒を振る姿が見えてきますよ、という話でしたが、確かに「SA-Z1」の目の前の空間だけコンサートホールと同じ音になっている様に思えます。
これはすごい! わかりやすい曲をたった1週間でよくぞリストアップしてきますね。
ウーファーとトゥイーターを同軸上に配置するための特殊な設計になっていて、さらに時間軸のズレもなくすためにそれぞれにアンプをつないでいるとのこと。これによりCAS-1の様な「小さなスピーカーシステム」を作るのではなく、本物と同じ音波を出す仕組みにしています。
「低域が豊かに鳴っている」とか「高域の伸びが良い」とかいうレベルの話では無く、音の精度がまるっきり違っていて、本物の音空間を再現するためのシステムになっています。
左スピーカーには4つのツマミがついていて、これでいろいろな調整を行います。詳しくは取説に掲載があるのですが、対抗するアシストウーファーのタイミングをわざと早くしたり遅くしたりして聴感を変えたり、アシストウーファーの動作を止めたり、普通のスピーカーシステムにはない設定がいくつもあります。
スタイリストさんのおすすめプレイリストの再生はすべてノーマル設定のままで聴かせていただき、後で自由時間?になってから、これらの設定を切り替えて、その効果を試してきました。どれを操作しても聴感は変わるし、どれが正解、というのもなく、これらは自分の耳を鍛えるための調整項目なのかも!?
「DSEE HX」とDSDリマスターの機能はボリュームボタンのすぐ隣にあります。これも切り替えてみると効果の違いがわかります。
Signature Seriesの製品はどれもそうですが、こうした高音質回路の違いが無茶苦茶わかりやすくなります。虫眼鏡で音楽を聴いているみたいになりますね。
そうか、スタイリストさんはこの状態で、毎日、SA-Z1のおすすめプレイリスト作成をしているのか。。。まるで、ハイレゾの大海原に出て行く大型クルーザーのコックピットみたいです。これは楽しいだろうなー。
今までの音のバランスがよい曲とか、聴き心地がよい曲とかではなく、音の定位感の良い曲、という観点で探すと、どんな曲がリストアップされてくるのか予想がつきません。
スタイリストさんは、まだ曲探しの最中とのことです。ある程度時間が経ってから、プレイリストをのぞきに行くと良いかも!? SA-Z1で音像定位の良い曲は、他のSignature Sireiesでも再現性を確かめられると思います。
78万円という価格はそうそう手が出るモノではないですが、考えてみると、これだけあればスピーカーとアンプが全部揃って、本来は部屋の響きとか設置場所の強度などのチューニングをしなければいけないところが、デスクトップひとつあれば環境が出来上がります。環境チューニング込み、ということであれば、ちょっと手軽なシステムになるかも。
ソニーの新しい音、是非、ソニーショールーム/ソニーストア銀座他、全国のソニーストア店舗でお試しになってみてください。今までにない音楽体験が味わえるはずです。
ニアフィールド パワードスピーカー SA-Z1 |
ソニーストア価格: 780,000円+税 |
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発売日 | 2020年6月20日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
ソニーストア 購入特典 |
5年ワイド:78,000円 3年ワイド/5年ベーシック:39,000円 3年ベーシック:無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ 期間限定:24回払いまで分割払手数料【0%】 |
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テックスタッフ 店頭入特典 |
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