【レビュー】“α9”を超えるAF性能は本物か!? サイバーショット『DSC-RX100M7』展示レポート
7月31日10時から予約販売がスタートする新型サイバーショット「DSC-RX100M7」のソニーショールーム/ソニーストア銀座での展示機を拝見させてもらってきました。
プレスリリースで内容を読む限り「DSC-RX100M6」の進化モデルという感じでしたが、実際に実機を使ってみて驚きました。これはポケットサイズの“α9”です。AF性能がすごいことになっていました。
展示機の詳細をレポートしたいと思います。
こんにちは、店員佐藤です。
サイバーショットのRX100シリーズは私も大好きで自分でも使っています。私が今も所有しているのはRX100M4です。4K動画が撮れるようになった最初のモデルでメモリー一体積層CMOSになった最初のモデルでした。
その後像面位相差AFが搭載されたRX100M5、24-200mmの望遠ズームレンズが搭載されたRX100M6へと進化をしていったのですが、買い換えが出来ずにいます。そうなんです、タイムラプス撮影大好き人間の私にはRX100M5AやRX100M6のカメラアプリ非対抗モデルではちょっと物足りなかったんです。
新登場の「DSC-RX100M7」はインターバル撮影機能をカメラの機能として内蔵したモデルとなっています。
さらに、今回のモデルではCMOSセンサーが新開発のモノに入れ替わっていて、カラーフィルターも刷新されています。従来モデルではISO感度が125スタートでしたが、DSC-RX100M7ではISO 100からスタート。カラーフィルターの刷新により色再現性が高まり肌色や鮮やかな花などを自然で忠実な描写をできるとなっています。
なるほど、そうですか。
これは気のせいかもしれませんが、私の持っているDSC-RX100M4では感じなかったのですが、像面位相差AFを搭載したDSC-RX100M5以降のモデルって、どうも白飛びしやすい感じがしていて、やや露出を下げないと簡単に白が飛ぶ印象なんです。それもあって買い換えができずにいたのですが、今回のRX100M7はISO感度が広がる=ダイナミックレンジの拡張も期待できるし、カラーフィルターの刷新というのもセンサーを新しいモノにしたことによる変更ですよね。最適化されたカラーフィルターが載っているとなると、RX100の色再現性の向上も期待できそう。
プレスリリースを読むだけでもかなりワクワクしていたのですが、実機はもっとワクワクするカメラになっていました。
こちらがサイバーショット「DSC-RX100M7」です。ついにマークセブンですよ。2012年発売の初代RX100から数えて7代目です。1年に1台は出ている計算になっています。
レンズはRX100M6のものをそのまま搭載しているので35mm判換算での画角が24-200mmの高倍率ズームレンズになっていて絞りはF2.8~F4.5で使えます。
製品としてはカメラ本体のみの「DSC-RX100M7」と、シューティンググリップが付属する「DSC-RX100M7G」の2製品があり、それぞれ市場想定価格は145,000円前後と155,000円前後。
シューティンググリップ「VCT-SGR1」がソニーストア価格:9,630円となっていていまけでついてくる予備バッテリー「NP-BX1」が5,510円、さらに非売品のブラケットが付属するので、シューティンググリップセットはかなりおトクな価格設定になっていると言えるのですが、サイバーショットRX100ユーザーさんですでにシューティンググリップ「VCT-SGR1」をお持ちの方も多いと思います。同じモノをもうひとつ買うというのが引っかかるかもしれませんが予備バッテリーとブラケットを1万円で買って、もうひとつオマケにシューティンググリップがやってくる、という考え方でどうでしょうね!?
24mmの広角撮影時のレンズのせり出しはこれくらい。
200mmにするとここまで伸びるのですが、200mmもの望遠撮影ができるのにこのサイズはありがたいですね。ちなみに焦点距離100mmまではF4を維持してくれます。
守備範囲の広さは旅行に、山歩きに、とても便利さを感じます。
液晶パネルはRX100M6から大きく引き出せるようになっていて、下向きに90度、上向きでは180度まで回ります。
自撮りカメラとしてこんなモニターの仕方ができます。シューティンググリップをつけての自撮りユーチューバーさんにも使いやすそうですね。
電子ビューファインダーEVFが内蔵されているのもRX100M3シリーズ以降の特徴になっています。RX100M6からはワンプッシュ式になっていて、ファインダー部を引き出さなくてもポップアップするだけで使える様になります。
しまうときもワンプッシュでしまえるようになります。RX100M5A以前のユーザーさんにはこれは羨ましいところです。
RX100M7ならではの進化ポイントがこちらのマイク入力端子です。これも動画撮影向けの機能になりますね。先ほどのシューティンググリップにブラケットをつけて、マイクを装着。このマイク入力を使ってマイク収録した音声を記録するというわけです。
そして、最新の“α9”ファームウェアVer.5や9月発売の“α7R4”同様にタッチトラッキングが使える様になりました。
「リアルタイムトラッキングAF」と呼ばれる、今までは「ロックオンAF」の進化機能で被写体をより高い精度で見つけてくれて、対象が人物だったら瞳AFで追ってくれるというAF機能です。
それがタッチパネルを使って、簡単に利用することができます。
写真撮影時にスポットAFだの中央重点だのゾーンAFだのを使わず、指で被写体をパッと触るだけでトラッキングAFが使えます。シャッター半押しにするとずーっと被写体を追い続けてくれるんですが、このAFがすごいことになっているんです。
秒60回の測距をする“α9”と同じ事をしているんですって。
他のモデルは1秒間に何回測距をしているのか、という情報がメーカーさんから出てきていないので比較のしようがないのですが、これのおかげでデジタル一眼“α9”のモンスター級のAF性能が発揮されているわけで、それと同じ性能のものが、なんとサイバーショットRX100M7に降りてきました。
というかレンズの軽さもあって、AFは世界最速の高速0.02秒です。“α9”よりも1枚目の撮影は速いかも!
ということで、それを実証すべく、ソニーショールーム/ソニーストア銀座さんへ当店のAF性能測定器を持ってお邪魔してきました。
当店の最新鋭のAF性能測定器はリニアモーターカーのプラレールだったのですが、置き場所に困って処分してしまったため、今回はおなじみのカプセルプラレールの副都心線を持ってきました。
モニターキャプチャーをするため、タッチパネルが使えなくなり、ここでは「トラッキング:拡張フレキシブルスポット」を使って撮影しています。
スポットを線路の向こうにもってきて電車の頭が見えたところでロックオン!です。
ロックオンしたらあとはシャッターを押して高速連写をしていくわけですが、このAFの追従の仕方が“α9”とまったく同じです。“α6400”にもトラッキングAFは搭載されていますが、それよりも全然上!
こうして端まで行ってもちゃんとAFは追い続けてくれています。像面位相差AFセンサーのカバー範囲は68%となっているので、上の図のこの当たりが一番端になるのですが、こんな端に被写体を置くなんて、中井精也氏のゆる鉄ぐらいしかありません。
実用上はこれで問題なしなんですが、驚くのはその精度です。
3回ほどテストしてきましたが、ハズレが1枚もないんです。そんなにスピードの速いプラレールではないので、これくらい楽勝だよ、というところですが距離が近い分、フォーカス的には結構厳しいモノがあり移動距離は大きいはずなんですけど、ハズレが1枚もなしです。
全部ジャスピン。
うおー、こうなるとリニアモーターカーでまた試したくなります!
リアルタイムトラッキングの動作状態をキャプチャーしてきた動画がこちらになります。
製品版が入手できたら、こういうのたくさんテストしてみたいですね。どんなシチュエーションでも動体撮影に超強い武器になりそうです。
ちなみに動画中で試していますが、トラッキング:拡張フレキシブルスポットを使って、魚の目にロックオンすると、魚瞳AF的に使うことができます。
さて、もうひとつ、DSC-RX100M7の新機能に「ワンショット連続撮影」というのがあります。これはどんな機能なのかというのがプレスリリースでもイマイチわからなかったのですが、使ってみたらすぐに理解しました。
これは1回で7枚の超高速連写をする撮影モードです。
通常の秒20コマ連写というのは1秒間に20枚のシャッターを切るので1枚の撮影間隔は0.05秒ということになります。
「ワンショット連続撮影」では1秒間に90枚のペースでシャッターを切ることが出来るモードで撮影間隔は0.011秒ということになります。通常の連写よりも5倍近い速さで連写するのですが、1度に撮影できるのは7枚まで、という制限があるのとAF、AE追従はなく1枚目のAF、AE設定で7枚高速に撮影をする、ということになります。
AF追従がないからピントが合わないかといえばそんなコトはなくて、クルマや新幹線などでは話は別ですが、人間がそもそもそんなスピードで動けないので、普通の球技などであれば、こういうシーンが撮れる、というわけです。
ただし、0.066秒で撮りきってしまうので、なんていうか、この機能を使ってインパクトの瞬間を撮ろうとすると、相当な修練が必要な気はします。
近寄ってくる被写体などでは、寄ってくる最中に撮るとフォーカスがはずれやすいと思うので、近寄りながら撮る場合は注意が必要。
カメラをグワングワンと前後しながら撮影するなら通常の連続撮影にした方がよい、というわけです。こちらなら秒20コマ連写でブラックアウトフリー(最初の1枚はブラックアウトしますが、その後がビデオ撮影しているみたいに絵がつながったままになります。)で、しかも、1回シャッターを切る間に3回もフォーカスを合わせるというモンスターぶりを発揮します。
なお、この機能を使った自撮りセルフタイマー機能も搭載しています。最高の変顔の一瞬を撮ることができそうです。
コレ使ったらミルククラウンとかも簡単に撮れるですかね!?
フォーカスエリアの枠色も「ホワイト」or「レッド」から選んで使えます。私の愛機「DSC-RX100M4」の枠色もグレーなので、これは乗り換えたくなります。
こちらは「レッド」カラーの枠にしたところです。通常はホワイトのままで充分見やすくなっていると思います。
カラーフィルター刷新により色再現性が高まっているとのことで、4K HDR(HLG)の撮影でもより高画質な4K HDR撮影ができるようになりそう。ピクチャープロファイルの項目をチェックしましたが、こちらに変更は特にないようです。
手振れ補正についてはXAVC S 4K撮影時に手振れ補正「アクティブ」が使える様になりました。これは“α”でも実現していないのでソニーの”α”&サイバーショットで初です。
従来比で最大8倍の効果が期待できます。
RX0M2で実現したスマートフォンアプリ「Movie Edit add-on」による手振れ補正加工にも対応。本体にRX0M2同様、ジャイロセンサーを搭載しており、その信号を動画に記録。「Movie Edit add-on」を使うとジンバルを使った時の様な滑らかさの動画に加工ができます。画質は4Kで撮影してもハイビジョン相当にダウンコンバートされるのですが、YouTubeやInstagramへ投稿する動画であれば良いかも。(アスペクト比が1:1の動画に加工できます)
動画撮影時の瞳AFも利用できるので、なるほど、こうして見てみると今度の「DSC-RX100M7」は動画機能にかなり力を入れている感じですね。
ファンクションメニューの動画撮影時、静止画撮影時の設定も別々にできます。なるほど、こうして見てみると違いが参考になりますね。
その他、こちらも“α7R4”同様です。クリエイティブスタイルではシャープネスが従来の±3から±5へ設定範囲が広くなっています。
コメント欄にご質問があったので追記しましたが、別売りのBluetoothワイヤレスリモコン「RMT-P1BT」について、記事公開時点では対応についてのアナウンスがありませんが実機に「Bluetoothリモコン」の項目があるので、おそらく大丈夫だと思います。
なるほど、これで操作をすると、かなり最強度合いが高まりますね。給電しながらリモコン操作ができるので星景写真の撮影などにも使えます。
最後に、あ、まだこれあった!というのが「スマイルシャッター」です。これはニコッと笑った顔を検出すると自動でシャッターが切れるという機能なんですが、今の“α7”シリーズには搭載がないんですよね。
スマイルの瞬間を切り取れる方には必要ないかもしれませんが、お子さん撮りに威力を発揮する機能がまだRX100M7には残っています。
メインカメラの”α7”シリーズと、サブカメラのRX100シリーズという組み合わせで、こうした機能の違いを知っておくと、使い分けも楽しくなりそうですね。
ということで、今回も超駆け足でしたが、最新のサイバーショット「DSC-RX100M7」の実機レポートでした。
AF性能測定器まで持ち込んで試した「“α9”並みのAF性能」というのは伊達ではありませでした。“α9”と本当に一緒です。これはかなり物欲を刺激するカメラになりそう。AF性能を重視している方であればDSC-RX100M6からの乗り換えを検討されても良いかもしれませんね。
デジタルスチルカメラ DSC-RX100M7 |
ソニーストア価格: 145,000円+税~ |
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発売日 | 2019年8月30日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
延長保証 | 5年ワイド:15,000円 3年ワイド/5年ベーシック:8,000円 3年ベーシック:無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ 24回分割払手数料0%キャンペーン 残価設定クレジット 分割払手数料0%キャンペーン |
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テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
10%オフクーポン(併用不可)プレゼント中 3年ワイド保証半額クーポンプレゼント テックスタッフ店頭ご利用特典のご案内 |
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よしたけ
2019年7月30日 @ PM 1:38
こんにちは!
RX100M7ってリモコンのRMT-P1BTって使えるんでしょうか
まだソニーのサイトにも情報がないのですが、ひょっとしたらという淡い期待を抱いています。
これ使えたら最強カメラになると思うんですよねー
tecstaffŔ
2019年7月30日 @ PM 8:10
よしたけさん、こんにちは。
実機をショールームで拝見させてもらったときのVTRをチェックするとBluetoothリモコンの項目があるので、おそらく使えるはずです。
よしたけ
2019年8月3日 @ AM 10:26
おおおおおおお!
貴重な情報ありがとうございます!!
いつもブログ参考にさせていただいております。
東京に行ったときはぜひ店舗に寄らせていただきます。
tecstaffŔ
2019年8月6日 @ AM 7:44
実機がお店にやってきたら今度は当店店頭でリニアモーターカーを使ってお試しいただけるようにします。
是非、お店にも遊びにおこしくださいませ。お待ちしています。