【レビュー】新型UHD BDプレーヤー『UBP-X700』開梱レポート
6月23日発売のUltra HD BDプレーヤー「UBP-X700」の展示機が当店店頭に入荷しました。展示セッティングしつつ製品の様子をレポートしたいと思います。
こんにちは、店員佐藤です。
「UBP-X700」はHDRのオプション規格である「ドルビービジョン」に対応したモデルで、ソニーの4K ブラビアの上位モデル「Z9D」「X9500E」「A1」「A8F」「x9000F」と一緒に使うことでドルビービジョンでの再生が可能になります。
昨年発売された上位機種の「UBP-X800」はドルビービジョンには対応せず下位機種の方が対応フォーマットが多いというとどうも納得がいかない気分にもなります。
昨年UBP-X800を購入している私もどうしようかなー、買い換えた方が良いのかな? ウチは4Kブラビアが2台あることだし。。。とか、思っていたのですが、どうも「ドルビービジョン」はあまりダイナミックレンジが広くないテレビで効果があるフォーマットみたいで、ソニーのブラビアなど、しっかりとダイナミックレンジが取れていてテレビ側でHDR映像を補正できている場合は効果はそれほど大きくはない、という話も聞きます。
で、あれば、テレビの性能が高い場合はX800を。パネル性能があまり高くない4Kテレビには手軽に買えるX700を、というスタンスになるのかもしれません。
当店でもX800からX700に入れ替えるつもりでいたのですが、並列で展示するようにしようかと思っています。
さて、製品パッケージを開くとこんな感じ。本体の他にリモコン、ACアダプターが同梱されています。
上位機種のX800(写真左)と並べて見るとサイズがこれだけ違います。X800はフルコンポサイズの430mm幅ですが、X700は320mmです。PS4 Proの290mm幅に近いサイズです。
背面端子をみると2機種ともまったく同じでHDMI端子が2系統(映像と音声を分けて出力できます)と、LAN端子、デジタル音声出力があります。
違いはACアダプターの有無でX800(写真下)はACアダプターを内蔵していてすっきりと設置することができます。
リモコンは丸みを帯びたX800のもの(写真左)と、直線基調になるX700(写真右)でイメージもサイズも変わってきます。
では、テレビに接続してセッティングをしてみます。
初回電源起動時に起動方法とHDMI接続についてのアナウンスが表示されます。よく、4K UHD BDの60p映像をみるときは18Gbps対応のプレミアムハイスピードHDMIケーブルが必要になる、映画などの24pソフトであれば問題はない、と、思いがちなんですが、電源起動時のホーム画面が60pで表示されます。
かならずプレミアムハイスピードHDMIケーブルでなければだめなわけではなく、接続が短かったり、伝送速度がギリギリ間に合えば映像は出るのですが、だめな場合、どうなるかというと。。。
こうなります。
この表示が出てホーム画面もなにも表示されない、というケースの場合はケーブルを疑ってみてください。
こちらが「UBP-X700」のホーム画面です。ショールームでの特別先行展示機ではファームウェアのアップデートなどがあり、6月に入ってからドルビービジョン再生に対応していましたが、出荷された製品版はすでに最新ファームウェアになっており、アップデートの必要は無い状態になっています。
映像設定をみると、やはり「ドルビービジョン出力」は「切」になっています。ドルビービジョンフォーマットのHDR映像を出力するには、これを手動で「入」にする必要があります。
せっかく搭載した新機能なので最初から「入」にしておいてくれれば良いような気がしたんですが、このあと、当店ではドハマリしていてデフォルトが「切」になっている理由を後から知ることになります。
何にドハマリしたかというとブラビア側の画質モードです。結論から言うと、UBP-X700でドルビービジョンをオンにするとUBP-X700からの映像出力の設定がドルビーの設定した値で固定され、ブラビア側の方もドルビービジョンモードに設定され、これでドルビーが指定した映像出力で制御されます。
ブラビアの画質モードも通常は「ダイナミック」とか「スタンダード」とか「シネマホーム」などのモードが選べるんですがドルビービジョンの信号が入ってくると画質モードはグレーアウトして他の画質モードへの変更ができなくなる。これが正しい動作なんです。
ところがブラビアの「オート画質モード」が「オート(24p連動)」になっていると、これが正しく動作しなくなります。
「オート画質モード」が「オート(24p連動)」になっているとドルビービジョンモードに移行せず、ドルビービジョンで出力された映像をHDR10モードで再生してしまうみたいなんです。
色がとてもしらっちゃけたものになり、正しく動作していないのがわかります。今はこうして原因がわかっているので「オート(24P連動)」は使わないようにしていますが、これのおかげで出力される映像が不安定で、これに2週間ほどはまってしまっていました。
ちなみに「オート(24p連動)」というのは、映像信号が24pで入力されると自動で「シネマホーム」に切り替わるモードです。当店ではこの「シネマホーム」の画質がとても気に入っているので「オート(24p連動)」にしてデモをしているのですが、それが仇になりました。
こうして説明を読むとブラビアが誤動作をしているわけではないこともわかるのですが、UBP-X700と対応ブラビアをお使いの方はご注意を。
オート画質モードを「オート」か「切」にしていれば問題はおこりません。
「ドルビービジョン」モードを使う時の制約は実はこれだけではなく、他にもいろいろあるんですが、体験したことを順を追ってレポートしていきたいと思います。
まずはドルビービジョンのHDR映像とHDR10による従来のHDR映像の違いなんですが、UBP-X700の映像設定でドルビービジョンのオンオフをすることで記憶色での違いを比較することができます。
自分でやってみると、ドルビービジョンの方が色があっさりしていて色温度がやや高く見える感じがする、というところなんですが、その違いはとても微妙。実際のところはどうなのかな? 映像を並べて比較できないとやっぱりにわか映像マニアの目にはわからないぞ、というところなんですが、たまたま、当店で6月29日、30日にブラビアA8Fの店頭体験会をおこなっていました。
当店で常時展示しているのが有機ELブラビアのA1ですが、この週末だけ同じ有機ELパネルを搭載したブラビアA8Fを並べて展示することができました。
ブラビアA8Fの体験会ではあるんですが、これと並列でHDR10とドルビービジョンの同時比較視聴会ができたんです。
お客様に声をかけて、海外版を含め「ドルビービジョン」フォーマット記録の4K UHD BDソフトを2まいずつかき集め、これをUBP-X700+ブラビアA8Fによるドルビービジョンフォーマットでの出力。UBP-X800+ブラビアA1によるHDR10でのHDR10フォーマットでの再生を同時に行い画質を比較するわけです。
朝から多数のお客様に比較体験をしていだいていて、私も一緒に見比べさせてもらっていましたが、なるほど、違いはあるんですがどっちが上とかではなく、完全に好みの問題だね、というのが皆さんのご感想です。
交互に再生している時に思っていた「色温度」の違いというのは私の勘違いで並べて再生してみるとドルビービジョンもHDRも色温度に違いはありません。
ドルビービジョンの出力はそのまま、HDR10の出力は「シネマホーム」のデフォルト設定で再生して違いをみていたのですが、違いはコントラスト感で、やはりドルビービジョンの方があっさりした感じ。言い方を変えるとドルビービジョンの方はフィルムライクで、HDR10の方がテレビっぽい感じ。一見するとHDR10の方がはっきりクッキリするので綺麗に見えるのですが、暗部の表現などが見やすくドルビービジョンも良いよね、という声もありました。
全体に階調を広げた感もあり、空にある雲などの階調はドルビービジョンの方が見やすい、という声もありました。
逆にメタリック感はHDR10の方が綺麗に感じられ、こういうのが好みの部分なのかな?というところ。
あとは字幕の明るさがやや違っていてドルビービジョンの方がやや暗めに表示してくれるので字幕が見やすい感じはします。HDR10の字幕もまぶしい感じはないので、こういうのは並べて比較しないとわからないところでした。
自発光の有機ELパネルでコントラストが強めにつくとギラギラした感じがしますが、ドルビービジョンの映像はそれがかなりしっとりした感じに見えます。私も有機ELパネルとの相性は悪くないように感じます。
ただ、見るからに画質が違う、という感じではなくやはり好みの問題。有機ELパネル搭載のブラビアA1とA8Fを使ってのドルビービジョンvsHDR10では決定的な差は見つけられないでいたのですが、これが2KのSDR映像の通常のBDソフトを再生すると話が変わってきます。
そもそも、HDRとSDRの違いを見るのが初めて、という方もいらしたので、そういうときは4Kディスクと2Kディスクを再生して違いを表示するデモもしています。こういうのも同じ性能のパネルを並べてデモすることがなかなかできないので貴重な機会だったんですが、2K SDRの通常のBDソフトを再生するときもドルビービジョン機能をオンにしているとドルビービジョンで映像が出力されてしまうんです。
こちらはハイビジョンソフトを再生しているところです。1080/60pのフォーマットでHDR出力となっていますが、このソフトの4K HDR版はまだ発売になっていません。2KのハイビジョンSDRソフトなんです。
それでもブラビア側の映像設定を開く(画面右側がブラビアの映像設定表示です)と、画質モードはドルビービジョンになっています。
通常の2K BDソフトの再生時もドルビービジョンを入りにしておくと、ドルビービジョンが2K SDRをドルビービジョンのHDR相当にコンバートして出力するみたいなんです。
ドルビービジョン機能をオンにしている場合はUBP-X700側でHDR変換を行い、オフにしている場合はSDRで出力されてブラビアのHDRリマスターでHDR変換を行うのですが、この画質がこれまた違うんです。
4K HDRソフトの場合は字幕やタイトルなどがやや明るさを抑えて表示されていた物が、SDRソフトの場合は文字が全開で明るくなります。字幕などもまぶしいくらいの明るさになり、4K HDRソフトとは逆の効果があるような感じ。
ブラビアA1の方に4K HDRソフトを再生させておき、ブラビアA8Fの方で2K SDRソフトを再生させて、ドルビービジョンの画と、HDR10からのソニーブラビアHDRリマスターの画を交互再生挿せて見比べてみるのですが。。。ソニーのブラビアのHDRリマスターの威力ってすごいですね。
この時は「君の名は。」で比較していたのですが、4K HDR版に非常に近い画をソニーのブラビアのHDRリマスターが再現してくれていました。こんなにHDRソフトに近い再現をしてくれるんですね。
それと、こういう真っ赤な色が使われるシーンでの色再現も差があります。ドルビービジョンは忠実にSDRの色を出してくれていて赤ではなく朱色で表現をするのですが、ソニーのブラビアエンジンでは深紅で表現をしてくれます。
これを4K HDRで観るとやはり深紅なんです。2K SDRの映像再生をみると、これはブラビア側で変換させてあげたいところ。
この場合はUBP-X700のホーム画面に戻って設定に入ってドルビービジョンをオフにする必要があります。メニュー階層の深いところにあるので切り替えが面倒なんです。これが普通の映像設定みたいになっていてリモコンにオンオフのボタンとか着いていれば切り替えも楽なんですが。。。
ちなみに480pのDVDソフトを再生して見たら、このときはHDR変換はせずSDRのままで出力していて、ブラビア側に映像をSDRのままで渡していました。
そしてドルビービジョンの制約はもうひとつあります。“α7III”などのソニーのHDR撮影ができるカメラ機器で撮影したハイブリッドログガンマのHDR映像の再生時です。
この場合はUSBメモリーで映像再生をさせるのですが、ドルビービジョンをオンにしているとなぜかSDR映像で出力されます。画面表示上はHDRマークがついていますが、この映像はどう見てもHDRではありません。明るいところは白く飛び、暗いところは黒つぶれしている普通のSDR映像です。
ドルビービジョンはハイブリッド・ログ・ガンマに対応していないのかな?
ドルビービジョンをオフにして再生すると、今度はハイブリッド・ログ・ガンマの映像での再生ができます。これはブラビアで直接再生したときと同じ画質です。
ということで、ドルビービジョンにするとブラビアの「オート画質モード」の切り替えについてのトラブルや、HLGガンマのHDR映像の再生などで本来の映像が再生出来ないという問題があるわけです。デフォルトが「切」になっているのは、こういうことがあるからなのかもしれません。
選択肢が増えるのは良いのですが、もうちょっと自由度があるといいかもしれませんね。
UBP-X700はamazon プライムビデオなどのビデオオンデマンドサービスにも対応しています。プライムビデオでもHDRの配信があるということなので番組を探して見るのですが、ひとつだけ見つけられました。「デンジャラス・ブック」という作品です。
再生して見るとブラビア側でも「HDR」の表示があり、これはHDR10として再生されていることがわかります。UBP-X700の設定はドルビービジョンをオンにしているのですが、amazon プライムビデオではドルビービジョンでの出力はしないようです。
続いて、こちらはNetflixです。「オクジャ」というタイトルです。
NetflixのHDR作品はすべての作品がドルビービジョンで配信されています。オクジャもドルビービジョン対応機器で再生するとドルビービジョンで出力されます。(UBP-X700のドルビービジョンをオフにするとHDR10での再生になります)
なお、この作品は音声もドルビーアトモスで配信されているのですが、ソニーの4KブラビアやUHD BDプレーヤーではドルビーアトモスでの音声再生はできません。どういう事情なのかわかりませんが、LGの4KテレビとXbox oneでないとドルビーアトモスの再生はできないとのこと。
実際に試してみましたがドルビーアトモスでは信号が受け取れていません。
Netflix側で対応機器を指定していて現在はLGのテレビとマイクロソフトのXbox Oneが対応しているのみとなっています。これはNetflix側の対応を待つしかないようです。
ということで、最初にドルビービジョン出力ができず時間がかかってしまいましたが、理由がわかればスッキリ。やや扱いが難しいドルビービジョンなんですけど、4K UHD BDソフトを再生するときとNetflixを観ることが多い方はオンにして、2Kの通常のハイビジョンBDソフトを再生することが多い方はオフにして使うというのが良い様な気がします。
自分で撮ってきたハイブリッド・ログ・ガンマの映像再生ならブラビアのUSB端子に直接挿して再生すれば良いですしね。(とはいえ、USBメモリーの読み込みがブラビアよりも全然速いので、UBP-X700を使うとそれはそれで便利なんですが。)
今年の12月からBSでの4K放送がいよいよ始まりますが、放送が始まっても4K HDRの画質をもっともリッチなデータ量で楽しめるのはUHD BDプレーヤーになります。
4Kブラビアを設置したらまずは「UBP-X700」です。
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☆当店blog 2018.6.6「新型UHD BDプレーヤー『UBP-X700』で試すドルビービジョン」
☆当店blog 2018.4.27「ドルビービジョン対応のUHD BDプレーヤー『UBP-X700』展示レポート」
☆当店blog 2018.4.23「Dolby Vision対応の4K Ultra HD ブルーレイプレーヤー『UBP-X700』発売 」
【昨年発売の上位モデルのご案内はこちらから】
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☆当店blog 2017.9.29「『UBP-X800』アップデートで50P作品の再生が可能に 」
☆当店blog 2017.8.23「『UBP-X800』で観る Youtube HDRの話 」
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☆当店blog 2017.6.22「4K UHD BDプレーヤー『UBP-X800』開梱&セッティングレポート」
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