【レビュー】ハーフマクロ爆速AF体験『SEL70200G2』ショールーム実機レポート
9年ぶりのモデルチェンジを果たした70-200mm F4の望遠ズームレンズ「SEL70200G2」がソニーストア銀座にて7/15(土)より特別先行展示をスタートしています。早速、実機を触らせてもらってきましたが、最大撮影倍率0.5倍のハーフマクロ対応の望遠レンズにXDリニアモーターが搭載されると大変なことになることに気づかされました。
これはもしかして爆速マクロレンズとして使えるすごいレンズになるかも。実機の様子をレポートします。
こんにちは、店員佐藤です。
店頭でお客様から言われたのですが、α6700と同時発表になったレンズなので「SEL70200G2」がAPS-C専用レンズなのかと勘違いしていたという話があるようです。ですが、今回の「SEL70200G2」なんですけどれっきとしたフルサイズ対応のEマウントレンズです。
α7シリーズでクロップされることなくフルサイズで使える全域F4通しで使えるレンズになっています。
もちろん、APS-CカメラにもEマウントレンズとして共通マウントになっているので焦点距離1.5倍換算の画角で利用可能。新発売の”α6700″に装着すると105mm~300mmのズームレンズとして使えて、これはこれでアリな組み合わせだとは思います。
「SEL70200G2」の特徴をまとめると。。。
- Gレンズならではの高い描写性能
- ボディの高速性能を引き出すAF性能
- 小型軽量設計で持ち出しやすいデザイン
- ハーフマクロ撮影を可能にした望遠ズーム
- テレコンバーター対応
ということで、いろいろな特徴がある望遠レンズになります。先代の「SEL70200G」は2014年発売のレンズで、フルサイズカメラ”α7″シリーズが登場した時に発売になった4本のローンチレンズの1本となっています。
そこから9年の月日が流れ、ソニー”α”の技術進化を一気に全部詰め込んできた様なレンズになります。スペックを比較すると下記の通り。
SEL70200G2 |
SEL70200G |
|
ソニーストア価格 |
25万円前後 |
163,900円 |
発売日 |
2023.7.28 |
2014.3.20 |
開放F値 |
F4 |
F4 |
レンズ構成 |
13群19枚 |
15群21枚 |
非球面レンズ & |
AA×1、非球面×1 |
AA×2、非球面×1 |
最短撮影距離 |
0.26-0.42m |
1.0-1.5m |
最大撮影倍率 |
0.5倍 |
0.13倍 |
アクチュエーター |
XDリニアモーター×4 |
リニアモーター |
AE/AF追従 |
対応 |
非対応 |
ズーム方式 |
繰り出し式 |
インナーズーム |
絞り羽根 |
9枚 |
9枚 |
レンズコーティング |
マルチコーティング |
ナノARコーティング |
フィルター径 |
72mm |
72mm |
テレコンバーター対応 |
対応 |
非対応 |
外径寸法 |
82.2 × 149mm |
80 × 175mm |
質量 |
794g |
840g |
大きな進化をした望遠レンズになっているんですが、まずはそのサイズ感からみていきたいと思います。
写真左がSEL70200G2+”α6700″、写真右がSEL70200G+”α6600″です。レンズの全長は新型SEL70200G2が149mmで、従来モデルSEL70200Gが175mmなので26mmの小型化となっています。
こちらは写真左から新型SEL70200G2、SEL70200G、そしてAPS-C用望遠レンズSEL70350Gとの比較になります。サイズ感はSEL70350GやSEL70300Gとほぼ同等くらいの長さになります。
ただし、インナーズームだったSEL70200Gに対して、新型世70200G2は繰り出しズームになっています。望遠側にズームするとレンズの全長が長くなる設計になっていて、SEL70350Gなども同様です。
レンズの繰り出し量は56mmあります。さほど全長が長くなる仕組みではないのですが、使用時に全長が変わらないインナーズームのメリットがなくなります。インナーズームの代わりに繰り出しズームにしたおかげで持ち歩く際のサイズが小さくなった、という考え方では便利になったとも言えますが。
なお、こちらは繰り出したII型レンズと、奥にあるI型レンズの比較です。テレ端で使う際はこれくらいのサイズ感になります。
そして、これが新型モデルの大きな特徴になりますが、テレコンバーターレンズが使える様になりました。従来のI型ではテレコン非対応だったのですが、II型でついにテレコンに対応。使用シーンに合わせて1.4倍、2倍の焦点距離のレンズとして使える様になります。
ご存じない方のために簡単に案内するとテレコンバーターレンズというのはボディと望遠レンズの間に装着するコンバーターで、これを装着することで焦点距離が2倍になる虫眼鏡みたいなレンズになっています。
どんなレンズにでも付けられるわけではなく、対応出来るレンズは限られていて、SEL100400GM、SEL200600G、SEL70200GM2、SEL70200GM、SEL400F28GM、SEL600F40GMと、G Masterブランドの望遠レンズが中心。ここにF4通しで使える入門者向けのズームレンズが対応レンズに加わるのは大きいです。
なお、メリットばかりではなく焦点距離が長くなる代わりにF値は大きくなります。1.4倍テレコンは1.4倍、2倍テレコンは2倍のF値になるので、SEL70200G2の場合、1.4倍テレコンでF5.6に、2倍テレコンでF8のレンズになります。
価格は73,700円とそれなりの価格になっているのですが、これも計算に入れながらご検討ください。
テレコン対応になったSEL70200G2ですが、I型とレンズ手前のディフューザーを見比べるとこんな違いになっています。大きくくりぬかれてテレコンの飛び出たレンズがすっぽりと入るようになっています。
これは2倍テレコンを装着したところですが、奥にあるI型レンズの全長とほぼ同じくらい?ですかね。
レンズがコンパクトになっているのでテレコンを付けても大型化した感はあまりありません。
そして「ハーフマクロ」という最大撮影倍率0.5倍までいける近接撮影性能なんですが、これがすごい。ソニーでは「マクロレンズ」の定義が最大撮影倍率1倍としていて、撮影する被写体と同じ大きさでイメージセンサーに像が映ることを条件にしています。「ハーフマクロ」は0.5倍でその半分のサイズでの撮影を指しているのですが、これにテレコンバーターレンズを付けることで像が2倍になるため、2倍テレコンを装着するとハーフではなく、マクロレンズとして使うことができます。
というのも、テレコンバーターレンズは焦点距離を2倍にしますが最短撮影距離はそのままで長くならないんです。
実際に試してみました。
こちらはSEL70200G2の広角側でAFが合う一番短い距離に合わせたもの。
こちらは2倍テレコンを装着しているのですが、この距離でフォーカスが合っています。
焦点距離 |
開放F値 |
近接性能 |
近接性能 |
|
SEL70200G2 |
200mm |
F4 |
最大撮影倍率 |
最大撮影倍率 |
SEL70200G2 |
280mm |
F5.6 |
最大撮影倍率 |
最大撮影倍率 |
SEL70200G2 |
400mm |
F8 |
最大撮影倍率 |
最大撮影倍率 |
.
表にすると上記の様な関係になります。最大撮影倍率1倍ってすごいです。完全にマクロレンズ。
なお、ご存じの方も多いと思いますが、デジタル一眼カメラの場合の「最短撮影距離」というのは被写体からイメージセンサーまでの距離をさしています。レンズの先端から被写体までの距離は「ワーキングディスタンス」と言いサイバーショットなどのコンパクトデジカメなどでは、こうした表現をすることがあります。
SEL70200G2の望遠側の最短撮影距離はこれくらい。これでハーフマクロの撮影になり、撮影した被写体の大きさは広角側と同じサイズです。小物撮影をしたいけどズームした方がよいの?というと、どっちで撮っても同じになります。
こちらは2倍テレコンを装着した状態での最短撮影距離です。テレコンを使わないときも同じ距離で撮れるので、こちらは撮像した映像は2倍のサイズになります。
全域で最大撮影倍率0.5倍になっているので、広角で撮っても望遠で撮っても同じ大きさの映像になるというのはユニークです。
撮り比べてみると。。。
↑これはワイド端の70mmで撮影した画像です。もう少し小さな被写体だと背景が広く映ることになると思います。
↑こちらはテレ端200mmで撮影した画像です。若干ですがワンちゃんの顔の歪みが変わってきているかと思います。
↑こちらは70mmのワイド端でのハーフマクロ撮影です。
↑そして、こちらは200mmのテレ端ハーフマクロ撮影になります。周辺まで基板がないのでわかりにくいですが映像が流れることもなく高い解像感で撮影ができます。
↑こちらは2倍テレコンを装着した400mmでのマクロ撮影です。
撮影がムチャクチャ面白い。
400mmのマクロ撮影なんてやったことがありませんが、これ手持ちでここまで撮れるってすごいですねー。
こちらはMTF曲線ですが。左がII型で右がI型になります。大幅に解像度があがっているのが分かるんですが、これをみるとハーフマクロ撮影の際はテレ側を使った方が若干有利かもしれないですね。
F4通しのレンズでボケが小さくなっちゃうように思えるかもしれませんが、焦点距離の長さと最短撮影距離の短さがあるので、工夫すればボケまくりです。
良くボケてくれるし望遠撮影も快適に楽しめます。
フローティングフォーカスによる2群のフォーカスレンズ群を使い、さらにXDリニアモーターを使っている爆速AFなんですが、そういえばこんなスイッチがついていました。
フォーカスレンジリミッターです。3段階のフォーカス距離の選択ができるようになっています。
- MACRO:80cm~最短撮影距離
- ∞-3m:無限遠~3m
- FULL:無限遠~最短撮影距離
上記の距離でフォーカスが合うように制限をかけてくれるんですが、そういえば私は全部FULLにして使っていて、それで全然不便がありませんでした。
普通、マクロレンズってフォーカスレンジが広いので例のゴーとかガーとか言ってAFが一度外れると戻ってくるまでに相当な時間を要するイメージがあったんですが、それがSEL70200G2ではまったくありませんでした。
こちらは実際のSEL70200G2のAF動作の様子なんですが、マクロ撮影から遠目の背景の撮影まで瞬間的にフォーカスが移動している様子がわかります。
マクロレンズは微細なフォーカスが合わせられるように、わざとフォーカス移動が遅くなるように設計されていて、SEL70200G2はそれがないんだと思いますが、AFで使っている分にはこれで全然支障がないような。。。
マクロ撮影の定義が変わってしまいそうです。
手振れ補正スイッチとモードスイッチも搭載。モード3というのは不規則な動きをするものを撮影するときに使うモードということで、UFOを撮影する際に使うモノ、という話になっているようですが、正確にはシャッターボタン半押しのときの動作が違うようです。
モード1はシャッター半押しで普通に手振れ補正が動作するのですが、モード3ではシャッター半押しにしても手振れ補正が控えめでシャッターを切った瞬間に最大手振れ補正が機能する、というものになっているようです。
モード2は流し撮りの際に使うモードです。流し撮りをしたときに上手く流れずに横線が波打ってしまうという方はモード2の手振れ補正を使うと一直線の流し撮りが出来やすくなります。
レンズ購入後にお試しになってみてください。
AF速度 20%高速化(ズーム全域)、動体追従性能 約2倍向上、ズーム中のフォーカス追従 約4倍向上というのはSEL70200Gとの比較の数値になります。
そういえばSE70200GM2の時も同じ様な比較があり「AF速度 最大4倍高速化、ズーム中のフォーカス追従 約30%向上」とうたわれていました。このときはSEL70200GMとの比較なんですが、比較する元のレンズとの差が大きいと、数値が大きくなります。
SEL70200Gの発売時にはズーミング中のフォーカス追従とかはあまりまだ考えていなかったんでしょうね。動体への追従性がこの9年でカメラ側の性能で大きく進化してきている証拠だと思います。
以上、駆け足でしたが「SEL70200G2」の実機レポートでした。
土曜日に店頭で開催したセミナー動画もアップロード公開しています。こちらも是非ご覧になってみてください。
ソニーストアでは「SEL70200G2」の先行予約が7月18日(火)10時より開始になります。当店も7月18日は9時30分より特別営業をいたしますので、ぜひ着来店くださいませ。最もお得に購入できるよう、サポートいたします。
SEL70200G2のオーダーを検討されている方はソニーストアのラッキー抽選会でクーポンを取得しておくのも忘れずに!クーポンが使用できるのは抽選を行った翌日以降という制限がありますので、予約開始当日に抽選をしても使用できません。
この抽選会はLINEを使わなくてもブラウザ上で抽選が完結するのでスマートフォンからでなくてもPCからでも抽選参加できます。忘れないうちに今すぐ抽選会参加をどうぞ。
望遠ズームレンズ SEL70200G2 |
ソニーストア価格: 249,700 円 |
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発売日 | 2023年7月28日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
延長保証 | 5年ワイド:25,300円(税込) 3年ワイド/5年ベーシック:13,200円(税込) 3年ベーシック:無償 |
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分割金利0% (10%オフ適用) |
24回:初回10,830円+月々9,300円×23回 36回:初回7,730円+月々6,200円×35回 60回:初回6,430円+月々3,700円×59回 |
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残価設定 クレジット |
24回:初回7,030円+月々5,900円×23回 25回目:82,000円(残価設定額 32.8%設定) |
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ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ 60回分割払い手数料無料! |
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テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
10%オフクーポン(併用不可)プレゼント中 ☆テックスタッフ店頭ご利用特典 |
テレコンバーター【2x】 SEL20TC |
ソニーストア価格: 73,700 円 税込 |
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発売日 | 2016年9月30日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
長期保証 サービス |
5年ワイド:6,600円 3年ワイド/5年ベーシック:3,300円 3年ベーシック:無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
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テックスタッフ 店頭入特典 |
店頭にて実機展示中 10%オフクーポン(併用不可)プレゼント中 |
テレコンバーター【1.4x】 SEL14TC |
ソニーストア価格: 73,700 円 税込 |
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発売日 | 2016年10月28日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
長期保証 サービス |
5年ワイド:6,600円 3年ワイド/5年ベーシック:3,300円 3年ベーシック:無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
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テックスタッフ 店頭入特典 |
店頭にて実機展示中 10%オフクーポン(併用不可)プレゼント中 |
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