【Tips】“α9 III”に新搭載の「プリ撮影」の設定についての細かい話
本日未明に発表になった“α1 II”ですが、昨年末に発表になった“α9 III”のエッセンスをたっぷりと搭載したモデルになるんじゃないかと期待しています。“α9 III”ならではの機能と言えばグローバルシャッターや秒120コマの超高速連写などがありますが「プリ撮影」というシャッターを押す前の時間にさかのぼって記録する機能があります。
そういえば“α9 III”のプリ撮影について、まだ当店blogエントリーで紹介していない記事がありました。来週開催される“α1 II”のプリ撮影機能の試用でひっかかる方もいらっしゃるかと思うので、ここで改めてプリ撮影の設定について紹介したいと思います。
思い通りの設定ができず、設定に迷っていたのですがなんとか解決しましたので、紹介したいと思います。少し、ややこしい話です。
こんにちは、店員佐藤です。
昨年のαスペシャルイベントで登場した“α9 III”ですが、グローバルシャッターの威力を新幹線やリニアモーターカー撮影でテストしてきたりしていました。ですが、その前に最初に試したのが「プリ撮影」機能でした。
シャッターを押す前の時間をさかのぼって記録することができる機能で、あらかじめ設定しておいた時間を先にバッファとして撮影してくれていて、シャッターを切った瞬間に指定した時間分を巻き戻して連写記録してくれる、というものになります。
これが“α9 III”の秒120コマ連写と組み合わせられると、ほとんど神様のカメラみたいになり、自分の反射神経の悪さを呪うことが完全になくなります。
最初に試しにいったのが毎度おなじみの埼玉県「りすの家」で、いままでだと狙って撮影しても1日で1~2枚撮れるかどうか、というシマリスジャンプ写真なんですが、テストで持って行った最初のに量産。
短時間の撮影で、しかも冬眠に入り始めていて閑散としたシマリス達なのに、この日は10連発くらいを楽勝で撮影。
苦も無く撮れる。。。ということはなくて、それなりにシマリスの動きを待って、シマリスの通り道で待ち伏せして狙う必要はあるんですが、なんせ後出しジャンケンみたいな感じで、シマリスが動き始めたあとからシャッターを切っても撮影できてしまうんです。
撮れるわ、撮れるわ。
今までだったら1枚の浮遊写真が撮れるだけで大騒ぎして「奇跡の1枚!」とか言ってTwitterなどに投稿するところですが、α9 IIIがあれば、私の腕でも撮れまくりです。
約3時間の撮影で20カットくらい撮れていて驚くほどの撮れ高でした。
プリ撮影の設定は上記の画面で行います。「プリ撮影」機能をオンにして、撮影記録時間を設定。
“α9 III”の秒120コマで利用すると連写可能な時間は約1.6秒しかありません。なのでプリ撮影の記録時間を1秒とかに設定してしまうとシャッターを切ってから0.6秒の記録しかできないので、できるだけ短い時間に設定するのがコツ。
「あ!」と、思ってシャッターを切って撮影できるのは私だと0.3秒くらいはかかるので、多少マージンをとって0.5秒とかに設定すると良い感じ。こうするとシャッターを切り始めてから1.1秒の撮影が可能になります。
また0.5秒のプリ撮影だけで60枚の写真がシャッターを切った瞬間に記録されます。たくさん撮ってしまうと後から整理するのが大変なんです。
そして、今回のテーマなのがこちら。「プリ撮影スタートトリガー」という項目があります。プリ撮影をスタートするのが「シャッター半押し」だけなのか、背面にあるAF-ONボタンを押す「AF動作アサインボタン」だけなのか、それとも両方なのか、というのを選択します。
普通に考えたら「AF動作アサインボタン」に設定しておけば、シャッター半押しのときは「プリ撮影」を使わずに、AF-ONのときだけ「プリ撮影」ができるようになると思うじゃないですか? なので、この設定で撮影をするんですが、どうもシャッター半押しのときもプリ撮影が行われているみたいで、全然切り替えられていないみたいなんです。
「シャッター半押し」にしておくとAF-ONボタンで撮影してもプリ撮影はされないのですが、その逆の設定にしたいんですよね。長時間、動くのを待ってAFを作動させるのはシャッター半押しよりもAF-ONボタンを押しっぱなしの方が楽ですから。
ですが、それができません。「AF動作アサインボタン」をスタートトリガーにしても、シャッター半押しでプリ撮影されてしまうんです。
これ、なにか不具合なんじゃないかと聞いてみたら、これは仕様だとのこと。
実は「シャッター半押し」のスタートトリガーですが、これは厳密には「シャッター半押しAF設定」にかかっているとのこと。
設定項目を見ると、別途「シャッター半押しAF」という機能があり、これを切りにすることで、イメージ通りの使い方ができるようになるんだとか。
ちなみに、この設定はなんのためにあるのかというと「親指AF」という使い方をするときの設定項目なんです。シャッター半押しではAFは動作せず、AF-ONボタンを押したときだけAFが動作するようになっていて、シャッターを切った時にAFが動かないようにするために設定しているみたいなんですよね。
このシャッター半押しAFが動作しているときはプリ撮影が生きてしまうとのこと。AF動作アサインボタンをスタートトリガーにしてシャッター半押しの時にプリ撮影をしないようにするときはAF動作もオフにして置く必要があるんです。
とてもわかりにくい話なんですが表にすると下記の様になります。
シャッター半押し | AF-ONボタン | ||
シャッター半押しAF設定→ | 入 | 切 | |
シャッター半押し | AFスタート 〇 プリ撮影 〇 |
AFスタート ✕ プリ撮影 〇 |
AFスタート 〇 プリ撮影 ✕ |
AF動作アサインボタン | AFスタート 〇 プリ撮影 〇 |
AFスタート ✕ プリ撮影 ✕ |
AFスタート 〇 プリ撮影 〇 |
両方有効 | AFスタート 〇 プリ撮影 〇 |
AFスタート ✕ プリ撮影 〇 |
AFスタート 〇 プリ撮影 〇 |
.
多分、来週のイベントで公開されるであろう“α1 II”にも、この超便利な「プリ撮影」機能は搭載されているでしょうから、その設定を試すときにはこれらの設定を理解しておくと良いかも。
もしくはスタートトリガーは「両方有効」にしておいて、プリ撮影前提で試すと良いと思います。触れる時間はごく短時間になると思うので、ここで時間を使ってしまうのはもったいないです。
なお、シャッター半押しAFを「切」にすると、慣れていない人はとても使いにくいカメラになります。AF-ONボタンを押さないとAFが動作しませんからね。
それと、順番にカメラを使うことになると思うんですが、次の人に渡すときに設定を元に戻さないと「あれ? このカメラAFが動作しない、壊れてる」という事態になってしまいます。設定を試したら、元に戻して返すようにしましょう。
うちも撮影会とかで貸し出しているカメラでこれをやられて、困ることがあります。
プリ撮影が行われているときは、画面左下にプリ撮影が行われていることを表す矢印の表示がでます。↑このように緑のボタンが表示されているときは、プリ撮影が行われていることを示しています。
これでシャッターを切ると一気に時間をさかのぼった撮影枚数が記録されます。
“α9 III”の秒120コマ撮影だと大変な枚数が記録されますが、“α1”の秒30コマ程度であればそれほど大した枚数にはならないので、プリ撮影記録時間は0.7秒とか1秒とかにしても良いかもしれませんね。
こちらはシャッター半押しAFを「切」にして、シャッター半押しをしてプリ撮影をしていないときの状態です。プリ撮影が行われていないときはアイコンの表示はありますが緑の点灯がありません。撮影時はこれで見分けがつきます。
撮影したあとの写真でプリ撮影で撮れたものか、シャッターを切った後に撮影したものなのかは、再生画面の左上のアイコン表示で判別できます。このアイコンが表示されていたらプリ撮影で撮れたものになります。
シャッターを切ったあとの、自力で?撮影したショットにはこのアイコン表示はありません。
私のシマリスジャンプ写真はことごとく、全部、このアイコンが表示されていました。
その他、“α1”にはAIプロセッシングユニットが搭載されていません。このタイミングで発売される“α1 II”には絶対にAIプロセッシングユニットは搭載されるはず。
被写体を見分けられる!ということだけで“α7R V”の時は喜んでいましたが、使い込んでくるとリアルタイムトラッキングAFの追従性の正確さが5~6倍の精度に向上していることがわかると思います。
被写体認識の精度も細かく調整ができるようになるので「なんだ飛行機をちゃんと認識しない」とか「サルの顔をちゃんと追わない」とかではなく、そこから設定を追い込んでいくというのも使い手の腕になってきます。
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