【レビュー】ソニー史上最高性能の外音取り込み『LinkBuds Fit』実機レポート
11月15日発売の新製品「LinkBuds Fit」の実機レビューレポートです。
小さく軽く高音質なベストセラーモデル「LinkBuds S」の後継機種になるのですが、もうこれ以上の進化はないだろうと思っていたワイヤレスヘッドホンに、まだ性能アップの余地があったんですね。
実使用を含めて製品の様子をお伝えします。
こんにちは、店員佐藤です。
2022年に登場した「LinkBuds S」が2年ぶりのモデルチェンジをします。小型軽量と高音質を両立したモデルでしたが、それがさらにパワーアップして登場します。
こうしたオーディオ製品のパワーアップというと音質とか性能になりがちですが、このモデルは「LinkBuds」らしさにあふれたモデルチェンジになっていて、フラッグシップモデルの「WF-1000XM5」とはまた違った方向での進化を続けています。
どんな方向かというと「軽さ」です。絶対的な重量感とかではなく装着した時の軽量感というか安定感が超絶進化していて、音質重視のWF-1000XM5とは違って、あくまで手軽に気軽に高音質が楽しめる、というモデルへの進化になっています。
写真は左から「LinkBuds S」「WF-1000XM5」、新製品の「LinkBuds Fit」です。「LinkBuds Fit」だけフィッティングサポーターという角みたいなものが付いていますが、これと、見て分かるとおり、超短いイヤーピースで保持するスタイルに大きく変わりました。
イヤーピースの形状をみていただくと、分かるんですが従来の半分くらいの浅いイヤーピースになっていて、これでイヤホンが保持できるの!?というところですが、フィッティングサポーターがうまく反対側の耳の壁に押しつけられて絶妙なバランスで固定されます。
「WF-1000XM5」は遮音性を高めるために分厚い低反射クッション状になっていて、ギュギュッと耳の奥に入れて固定するタイプですが、LinkBuds Fitはそれの真逆で、浅いイヤピが外耳道にかかるくらいの軽い感じの装着感になります。
写真は「LinkBuds S」と「LinkBuds Fit」の比較です。サイズが大きくなっているようには見えますが、フィッティングサポーターの角部分は空洞で形状はやや大型になった(フィッティングサポーター込みで+8%)ようですが重量は4.8g→4.9gとさほど変わっていません。しかもこの重量はフィッティングサポーター込みなのでもしかしたら軽量化されているかも。
なお、WF-1000XM5と比較すると10%の小型化となっています。
イヤーピースを外してみるとこんな感じ。写真左の「LinkBuds S」と比べて新型「LinkBuds Fit」のイヤーピースがいかに浅くなっているかがわかります。
当然、これだけの形状の違いになっているので互換性はありません。現時点では新型の浅いイヤピはLinkBuds Fit専用になります。
フィッティングサポーターは1サイズのみとなっていますがイヤーピースはSSサイズからLサイズまで4種類が使える様になっています。
フィッティングサポーターについては「LinkBuds Open」の記事で詳しく解説していますが、角の部分が空洞になっていて柔らかく自由に曲げて装着することが可能。(写真はLinkBuds Open装着時のものになります)
これで対耳輪にかかると、浅いイヤーピースでも2カ所で固定されることになり安定感抜群で使えます。なんせ、イヤホン本体もLinkBuds S同様にムチャクチャ軽量なのでポロッと外れる感じがしません。
リニューアルした新アプリ「Sound Connect」を使って、装着状態のチェックをすることもできます。360 Reality Audioの耳型測定の容量で両耳の装着状態をスマートフォンを使って撮影し、自分で装着されている状態をセルフチェックできます。
対耳輪と呼ばれる耳の穴から一番近いシワのところに、フィッティングサポーターの角がかかっていればOKです。この角の部分が外にこぼれていたら、それを内側に押し込む感じで装着します。最初はこうして写真で確認する必要がありますが、慣れてくると感覚的にはまっているかどうかはわかるようになります。
実際に装着して聴き比べてみると、音質の向上は大きく感じられない(元々LinkBuds Sがかなりのレベルのものでしたので)ものの、外音取り込みの性能はさらに進化しています。
こう見えてもジョギングが趣味の私は、今までソニーの各種イヤホン、ウォークマンを試してきていて、外音取り込みについても全機種試してきています。今までのモデルで一番、外音取り込み性能が高いのが「LinkBuds S」で、その次が僅差で「WF-1000XM5」だと思っていました。
今回、担当セールスさんからの案内で社内でもそういう位置づけになっていたことを初めて知り、さらに、今回の「LinkBuds Fit」はLinkBuds Sを超える、最強外音取り込み機能ということも教えてもらっています。
聴き比べてみるとわかるんですが「LinkBuds Fit」の外音取り込み機能は多分、実際の生の音を超える音量になっています。あくまで個人の感想ですが補聴器とか集音器として使えるレベルなんじゃないかと。
実際に街中で試してみてもLinkBuds Fitの外音取り込み機能はLinkBuds Sの1割増ぐらいの音量で、装着してないときよりも装着している方が聞き取りやすくなる初めてのイヤホンじゃないかと思います。(あくまで個人の感想です)
新しい「Sound Connect」には「自動外音取り込み」機能が新搭載されています。ノイズの大きな時は静かめに、ノイズの小さな時は大きめの外音取り込みをする、となっており、実際に試してみると、これがかなり自然な感じに調整をしてくれます。
通常は「標準」にしておけば、従来と同じ感じで外音取り込みが使えると思います。「低感度」にするとより大きな音で外音を取り込んでくれて、例えば電車の中などではエアコンの空調の音まで拾うかどうか、というのが「標準」と「低感度」の違いになります。
こちらも外音取り込み機能のままで、街中を歩いたりしてみましたが、買い物の際のレジカウンターでの会話も聞きにくい感じもせず、本当に普通に聞こえます。LinkBuds S以上の聞きやすさです。
これは客観的に数量表示することができないもので、私の記憶による点数評価になるんですが、外音取り込み機能の評価がこちら。
モデル | WF-1000XM4 以前のモデル |
NW-WS623 |
WF-1000XM5 |
LinkBuds S |
LinkBuds Fit |
個人的 点数評価 |
~75 | 95 | 100 | 110 | 120 |
.
ウォークマンの「NW-WS623」というのはヘッドホン型のウォークマンで、この機種だけ異様に外音取り込みの音量が大きかったのを記憶しています。2017年発売のモデルなんですが屋外でジョギングするときに桁外れの安心感が得られる感じで、しばらく、私はこれを使っています。(これとトレーニング機能を搭載したSmart B-Trainerを併用)
そして2022年にLinkBus Sが発売になり、ついに5年かかってNW-WS623を超えるモデルが出てきたと思ったらLinkBuds Fitはさらにそれを超える性能になっていました。
ちなみに上位機種である「WF-1000XM5」ですが、外音取り込みの性能についてはLinkBuds Sほどではない印象でした。その代わりにイヤーピースの密着度が飛躍的に高く、遮音性の高いキャビネットを使っている事もあり、ノイズキャンセリング性能については上。
特に今回の「LinkBuds Fit」は浅いイヤーピースになっているので、高域のノイズについては差があるかと思います。ノイズキャンセリングは反位相の音を出して音を打ち消すことしているため原理的に高域の音を抑えるのは苦手。そこは遮音性を上げて対策するしかなく、そこでWF-1000XM5とLinkBuds Fitでは差が出ます。
スタミナ性能ですがノイズキャンセリング機能を使っている状態でLinkBuds Sが6時間、LinkBuds Fitが5.5時間と、やや短くなってはいますがケースでの充電を計算に入れると約1時間のスタミナ増強になっています。
LinkBuds S | LinkBuds Fit |
本体6時間+ケース14時間 合計20時間 |
本体5.5時間+ケース15.5時間 合計21時間 |
10分充電→60分再生 | 3分充電→60分再生 |
.
飛行機や新幹線での長時間移動というよりは通勤で使う1時間程度の利用を考えるならケースのバッテリー残量の方が重要で1時間を往復で2時間、5日間通勤すると一週間で10時間程度の使用になります。
21時間のスタミナ性能があるなら2週間くらい充電しないで使うことができそうです。
LinkBuds Fitをコントロールするアプリも「Sound Connect」に変更されました。基本的な機能はHeadphones Conncetと同じで、従来の「アクティビティ」というログなどを記録する機能は「ディスカバー」という名称に変更。
セーフリスニングという耳への負担を計測する機能もそのまま搭載されています。
従来は「サービス」タグの中にありオプション的な扱いだった「Auto Play」も通常メニューに移り、より使いやすくなっています。使ってみると便利なアプリでヘッドホンを装着するだけで音楽再生がスタートする、というような設定ができます。
「Spotify」と「Endel」しか設定はできないのですが、スマートフォンの操作無しにイヤホン装着だけで音楽が聴けるのは快感です。
スタートフックはヘッドホンを装着した時、ウォーキングを始めたとき、ランニングを始めたとき、などで設定が可能です。
1日の最初に装着した際は日付、天気予報、予想気温などのアナウンスが流れるのと、時報をアナウンスすることも可能。また、指定したアプリのお知らせを読み上げる機能もついています。
LINEで試したところ、送信元とメッセージが読み上げられるんですが、うちの家族はスタンプだけで全て済まそうとするので「スタンプが送信されました」というメッセージしか流れてきませんでした。(T_T) 通知できるアプリには限りがあるようですべてのアプリで設定ができるわけではないのですが、メッセージ、電話、インスタなどが対応しているので、なかなか、これは使い勝手が良いかもしれません。
さて、ケースなんですが、写真左は穴あきイヤホンのLinkBuds Openのもの。写真右はLinkBuds Fitのものになります。見た目に同じサイズに見えますが、ほんの若干、サイズが違っています。
ケースの高さが違っていて、数mm程度なんですがLinkBuds Fitの方が大きくなっています。
今回はソニー純正品としてアクセサリーパーツが大量に発売されます。ケースとフィッティングサポーターがそれぞれ5色ずつ販売され、本体カラーと合わせて個性的な組み合わせで利用が可能。
LinkBuds OpenとLinkBuds Fitそれぞれに専用品が発売されているのですが、互換性はないのでご注意を。
一応、試しにLinkBuds FitのケースカバーをLinkBuds Openのケースに取り付けてみたんですがケースカバーが大きくて蓋がしまらなくなるようです。
フィッティングサポーターも同様で、イヤホン本体のキャビネット形状が違っているためこちらも互換性がありません。装着したとしてもマイクの位置が違っているので本来の性能は発揮できなくなります。
こちらは「WF-1000XM5」に社外製のケースカバーを装着したところです。以前はこういう使い方はしていなかったんですが、さすがに4万円を超えるイヤホンだったので私もケースが痛むのを嫌ってシリコンケースを買ってみました。
こうしてシリコンケースで保護したい、という気持ちはよくわかります。
なお、こうした使い方をしてカラビナでバッグにぶら下げて持ち歩いて、蓋が知らない間に開いてしまい、イヤホンがなくなった、というお客様を目にしたことがあります。製品本体がシリコンケースを装着して使うことを想定していないため蓋の締まりがシリコンカバーの重さに耐えられないんでしょうね。
LinkBuds Fitの場合はマグネットで蓋が閉まる仕組みになっていて、純正のシリコンカバーの重さには耐えられるように設計されていると思います。カラビナ使用を推奨するわけではありませんが、事故はこれで少なくなりそう。
さて、今回はレビュー用の試用機として本体はグリーンカラーのモデルをお借りしています。ケースカバーとフィッティングサポーターは全5色をお借りしているので、これをすべて装着して試してみたいと思います。
ちなみに専用カバー類ですが、プラスチックフリーながら、とてもオシャレな梱包になっています。こうしたところはさすがソニーデザインです。
本体がグリーンのモデルに、フィッティングサポーターもグリーンにすると見栄えはあまり変わらないんですけど、本体付属のフィッティングサポーター(写真右)は半透明なのに対して、アクセサリーパーツのフィッティングサポーターはつや消しのシリコンでしっかり着色されたものに変更できます。
ケースカバーも、本来はマーブル模様がデザインされているんですが、サラサラのシリコンの肌触りのものに変更できます。
ツルツル、テカテカだった本体がマットな質感のものに変わりました。ケースカバーだけではなくフィッティングサポーターも変えられるのはユニークです。
なお、ケースカバーにはご覧の様なカラビナも付属します。落っことし防止で装着しておくと良いかもしれません。
ケースカバーにはUSB端子の穴は作ってあるので、カバーに入れたままで充電は可能。
なお、ペアリングの際に必要なボタンは隠れてしまうので、ペアリング時にはケースカバーの下部を外す必要がありますが、普通は一度ペアリングしたらそうそう変更しないですからね。
グリーンの本体にバイオレットのカバーを装着してみました。どこかモンスターインクみたいな感じになりましたね。
ブルーカラーのケースとフィッティングサポーターにしてみました。寒色同士なのでマッチしますね。
個人的にどこかそそられるグリーンとピンクです。フラミンゴなイメージ。
そして人気がありそうなブラックカラーのカバーです。
これがケースカバーとフィッティングサポーターの全5色の様子です。
なお、ケースカバーとフィッティングサポーターは同じ色にしなくてはいけない、というルールはないので、別々のカラーで揃えて3色カラーにすることもできます。
それと、実際にLinkBuds Fitを使ってみて起こったのが、ケースの上下を間違えてケースをひらいてしまうこと。上下同じ様なデザインになっているので遠目にみてつかんで蓋を開くと約5割の確率で蓋が下に来てしまうことになります。
あれ?イヤホンがない!って、結構焦ります。
その予防策としてケースの上下で違う色のケースカバーを使う、というアイデがあり、これをやるとほぼ間違いなく正しい向きでケースを開くことができるようになりました。
通常はケース上下で同じ色のものを購入する必要があるんですが、ソニーストアでは+200円することで、ケースカバーの上下を違う色に指定して購入するコトができます。
ツートンカラーにするのってどういう場合なのかな?と、思っていたんですが、これはオススメです。
LinkBuds Fitは11月15日発売なので、まだ1か月以上先になります。その前に、もしかしたらキャンペーンで「音ロト」の発表とかもあるでしょうし、それを待ってからオーダーするのが良いかもしれませんね。
12月1日まではキタニタツヤ コラボケースカバーのプレゼントキャンペーンも開催されていますので、こちらもファンの方は注目です。
新しい着け心地、進化した外音取り込み、それとメーカー純正で用意されたたくさんのカラーのアクセサリーで楽しめる新型「LinkBuds Fit」、オススメです!
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発売日 | 2024年11月15日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
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