【プレスリリース】AF速度3倍&小型軽量&色収差を抑えて高画質になった『SEL85F14GM2』発表
ソニーから8月29日午前1時に新型単焦点 G Masterレンズ『SEL85F14GM2』が発表になりました。
背番号18番をつけたエースピッチャーの新登場です。
こんばんは、店員佐藤です。
待望の85mm G MasterレンズのII型がついに発表になりました。2016年に新ブランドのレンズ群「G Masterレンズ」が発表された時は「SEL2470GM」「SEL70200GM」と同時に3本のレンズが発表になっています。2470と70200はすでにII型にモデルチェンジして軽量小型化された上にAFスピード向上と解像感のさらなるアップがありました。
もはやG Masterレンズでもっとも古いレンズになってしまっている「SEL85F14GM」はグローバルシャッター採用、秒120コマ連写が可能は“α9 III”に装着しても秒20コマ連写までしかできない、カメラ性能をフルに使えないレンズになってしまっていたのですが、ここで待ちに待ったレンズの登場です。
ちなみに85mmの単焦点レンズはソニーに限らず各メーカーでも開発にかなり力を入れるド注目レンズです。野球チームでいうところの18番をつけたエースピッチャーみたいなもので、最新技術を投入して開発され、ユーザー側でもかなりの期待を込めて購入するレンズです。
ソニー“α”がスタートした2006年当時も、一番最初に品薄でお詫びのお知らせが出たのがAマウントレンズの「SAL85F14Z」でした。カールツァイスブランドのレンズということもあり、発売時には「カールツァイスのレンズがミノルタで使える!」ということもありソニー“α”ユーザーだけではなくミノルタ“α”ユーザーの注目も集め、すごい品薄なレンズになっていました。
当時の“α”セミナーには馬場信幸先生が登壇されてミノルタの85mm F1.4 G Limitedレンズという限定700本のスーパーレンズの系譜を引き継いだレンズだ!という話をされていたのを思い出します。
使ってみるとその威力は誰にでも感じられるというか、高い解像度と柔らかい綺麗なボケを簡単に味わえるレンズで、カメラの性能が一気に上がったかのような錯覚を感じてしまうほどでした。
ポートレートレンズということで人物を撮影した時に一番綺麗に撮れるというのも実感。背景から被写体が浮き上がって見えてくるこの立体感はすごいです。
ただし、その大口径レンズで作り出す柔らかいボケと引き換えにパープルフリンジ、色収差がやや目立つレンズでもあり、使いこなすにはコツも必要、でした。(背景の点光源に緑色の縁がついているところがあります)
Aマウントレンズは今もマウントアダプター「LA-EA5」を使うことで“α7”シリーズでの利用が可能。そのレンズの描写力から、LA-EA5を使って今も利用されているAマウントレンズというと「SAL85F14Z」と「SAL135F18Z」の2本がほとんどではないでしょうか?
ミラーレスカメラのEマウントボディになってからは「SEL85F14GM」(写真右)が2016年に登場。SAL85F14Z同様の前玉レンズのこの大きさはかなりの迫力。
隣にはプライムレンズ「SEL35F14GM」を並べてみましたが、サイズも相当な大きさになっています。「SEL24F14GM」が登場してから「SEL35F14GM」や「SEL50F14GM」が立て続けに登場していますが、すべて小型軽量化されて最短撮影距離も短くなるという進化をしつづけてきています。
「SEL85F14GM2」も、そうした一連の流れにそった進化をして、満を持して登場ということになりました。
まずはそのサイズから。
質量は20%の軽量化を果たして642gになっています。体積も13%減になっていて、写真をみるとわかりますがフィルター径は77mmで変わらないモノの、レンズ筒全体、とくにマウント側が細くなっていて、これが小型化にかなり寄与しているように見えます。
これだけ細いとグリップとレンズ筒の間のスペースも広く取られるので指が太めの方も指が当たらずに長時間の撮影が可能になるかと思います。
軽量化に寄与しているのが、おそらくフォーカシングモーターかと思います。
従来はリングドライブSSMという回転モーターを使っていました。当時はこれが最もパワーのあるモーターだったはずで、これで85mmの大きなフォーカスレンズ群を駆動していたはず。
現在はSEL400F28GMから搭載されている新開発のXDリニアモーターを搭載。これは直進型のモーターで回転部分がなく前後にそのまま動作させることが可能。しかもパワーのある強力な駆動で静かに動作します。Eマウントレンズはすべて動画撮影を念頭に開発されているため音の大きなモーターは使われていないのですが、XDリニアモーターが現時点では最強モーターで、これが85mmで採用されたのはでかい。
これによりAF速度は従来の3倍、AF-C(コンティニュアスAF)の追従性能は7倍にもなるそうです。
こちらは搭載されたレンズ群になります。85mmのレンズ群はAマウント時代からすでに究極の完成域に達しているそうで、大幅な構成変更はなく、使われるガラスやレンズの種類で微調整をして画質を向上させていく、ということをしているとのこと。
新発売のII型レンズでは超高度非球面のXAレンズを2枚使っているのが特徴です。
これによりパープルフリンジなどの色収差の抑制を高め、解像度も大幅にアップしているとなっています。
確かにMTF曲線をみると絞り開放時の解像度が大幅に上がっているのがわかります。レンズ中央部分で高い空間周波数が大幅にアップしているのと、周辺部も全体にアップしているのがわかります。
解像度の高さと、自然なボケ、色づきのないボケ、そしてなめらかなボケにこだわって開発されています。
多数の撮影サンプルが掲載されていますが、1枚1枚にレンズの特徴がわかる写りになっています。
こちらが今回の「SEL85F14GM2」のヒーローショットで、このレンズの代名詞になるサンプルショットになるかと思います。
“α7R V”で撮影された1/1000秒、絞り開放F1.4 で撮影されています。フォーカスの合っている瞳の部分から、髪を見てみると滑らかな自然なボケが続いていて、突然ボワッとぼける強烈なボケではない滑らかさがわかります。
こちらは“α9 III”で撮影された日中シンクロの作例ですが、なんとシャッタースピードは1/32000秒です。グローバルシャッターを採用した“α9 III”ならではのショットです。
“α7R V”で撮影された絞り開放F1.4のショットです。背景までそれほど距離はないように見えますが、自然なぼけでにじむような大きなボケが見られます。
“α7R V”の絞り開放F1.4の作例で、こちらはモデルさんの前後の花のボケが滑らかにボケていく様子がよくわかるショットです。
“α9 III”で1/12800秒のショットですが、注目はこの水しぶきで、こういう玉ボケにパープルフリンジというか色収差がボケの外枠に見えてしまいがちなところが、これはそれがありません。
色収差を押さえ込める様子がよくわかるショットです。
輪線ボケもなさそうですね。
“α7R V”でF11.0にて撮影されています。ナノARコーティングIIを使ってゴースト、フレアを抑制していることを見せるショットでね。もっと強い光源で見せてくれても良いんじゃないですかね(^_-)
“α7R V”の絞り開放F1.4のサンプルです。これも滑らかなボケで前後がやわらかくボケていっているのと、背景にある点光源などに色つきのないボケが見られます。
色収差の抑制はかなり期待できそうです。
“α7R V”で絞り開放F1.4にて撮影されています。これは絞り開放時の解像感の高さを見せるショットだと思います。こういうの、I型との比較とかで見せてくれると良いんですけどね。
ということで、今回はとにかく写りの良さが特徴のレンズです。たっぷりと撮影サンプルが用意されていますので、自然なボケ、色付きのないボケ、なめらかなボケのグラデーションがみられると思います。
ソニーストア店舗では今回も先行展示を金曜日の8月30日からスタートします。台風10号が日本に来ていますので、地域によっては訪問が難しい方もいらっしゃるかと思います。天候を確認しながら訪問されると良いかと思います。
プレスリリースによると、市場推定価格は30万円前後となっていますので、ソニーストアでの販売価格も税込みで30万円に近い価格設定になるかと思います。
AV商品10%オフクーポンを使うと27万円前後で購入できます。
なお、旧型になる「SEL85F14GM」も9月5日(木)に価格改定を予定していて希望小売価格279,400円→265,100円に変更されることが予告されています。ソニーストア価格は254,100円になっていますのでソニーストアでの新価格は241,000円前後になるかと予想されます。
さぁ、今回は8年ぶりのモデルチェンジということもありI型のSEL85F14GMをお持ちの方が、ごっそりと乗り換えられるかと思います。久々の争奪戦がくるかもしれないですね。
デジタル一眼カメラα [Eマウント]用レンズ SEL85F14GM2 |
ソニーストア価格: 295,900 円 |
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発売日 | 2024年9月20日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
長期保証 サービス |
5年ワイド:29,700円 3年ワイド/5年ベーシック:15,400円 3年ベーシック:無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ 60回分割払い手数料0%(月額4,400円で購入可能) |
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テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
10%オフクーポン(併用不可)プレゼント中 発売後、店頭にて実機を展示予定です センサークリーニングを無料で1回行います テックスタッフ店頭ご利用特典のご案内 |
ソニーストアでの予約販売は9月3日(火)の10時スタートです
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