【実機レビュー】8年ぶりのモデルチェンジ『SEL85F14GM2』ショールーム実機レポート
ソニー“α”レンズのエース85mm単焦点レンズの新製品「SEL85F14GM2」のショールーム展示が金曜日からスタート。早速、当店もソニーストア銀座さんで取材をさせてもらってきました。
8年ぶりのモデルチェンジになるポートレート撮影の主力レンズ85mm単焦点のG Masterレンズの実機レポートをお届けします。
こんにちは、店員佐藤です。
当店都合で今週末はイベント盛りだくさんでレンズの取材が出遅れてしまいました。せっかくの日曜日、本当だったら日本テレビさんの24時間テレビを全部観ていたかったのですが、今日は休日出勤で取材&記事作成をさせてもらっています。24時間テレビは全部録画してあるし募金はオンラインでしてあるので、あとで番組を楽しませていただきます。やすこちゃん、頑張れ!
さて、85mmの単焦点レンズの新製品「SEL85F14GM2」ですが、台風接近もありソニーストア銀座さん自体のご来場数はあまり多くはないそうですが、ここだけは盛り上がっているようです。昨日、当店にご来店になったお客様からも人だかりになっていた、という話でした。
展示は“α7R V”に装着されて展示されていて、同時にI型の「SEL85F14GM」を並べて展示しています。
2016年の「G Master」レンズブランド発表時にローンチレンズの1本として登場したのがSEL85F14GMだったわけですが、同時発売だったSEL2470GMやSEL70200GMなどはすでに昨年までにII型モデルにモデルチェンジしています。
どのレンズも最新のフォーカシングモーターである「XDリニアモーター」を搭載しており、AF爆速状態&軽量化&小型化されていますが、85mm単焦点も同様です。
20%の軽量化と13%の体積減、AFスピードは3倍、AF-Cの追従性能は7倍、連写枚数は20枚/秒から120枚/秒に超大幅パワーアックしています。
比較展示しないほうがおかしいです。(^^)
8年の進化を、さぁ、私たちも味わってみましょう。
デンと並べて見ると、その迫力は同じですね。写真左がII型で写真右がI型です。85mm単焦点と言えば、前玉レンズが大口径のフレームいっぱいにはめ込まれていて、このガラスの塊感がたまりません。
G MasterレンズのII型は全モデルそうなんですが、フィルター径はI型とII型は共通していて85mm単焦点も77mmフィルター径で統一されています。
これはI型からII型に乗り換えられた際に、お使いのフィルターをそのまま流用できるように最初から設計されているとのことです。
近接撮影が得意なII型レンズでしたが、85mm単焦点は最短撮影距離はほぼ同じです。このレンズにマクロ撮影の需要はなく、ポートレート撮影のために購入される方が大半だということを考えると、そうした便利さを取るよりは画質向上に設計リソースをふるべし、という考えなんでしょうね。
“α7R V”ボディにII型レンズ、I型レンズを装着して並べてみました。
フィルター径が変わらないので前玉のサイズは同じですが、レンズ筒は細く絞られているのがわかります。
特に寸胴のまま手前まで貼り出していたI型の場合は“α7R V”などの大型グリップのカメラだとグリップとレンズの隙間が狭くなってしまっていて、窮屈だったのが、II型ではだいぶゆとりが出来ています。
これがI型レンズで“α7R V”のグリップを握った時です。
体型だけではなく指先までやや太り気味の私の場合、若干、中指がレンズにあたる感じがあり、短時間であれば我慢はできるんですけど、これが1日続くと思うと少し萎える感じがあります。
II型であれば、普通の握りをしている限り、当たることはなさそう。長時間の撮影使用時に快適さを味わえるサイズになっているかと思います。
また、重量も2割軽くなっているので、目隠しして握ってもどっちがII型なのか当てられるレベルです。これも1日持っていると体力的にだいぶ違いがでてきそうです。
サイズ比較のために50mmのスーパーレンズ、F1.2 G Masterも持ってきてみました。並べるとこんな感じ。50mm F1.2 G Masterをお持ちの方はそれよりもやや細くなっているボディ、というイメージで良いかも。
重量はSEL50F14GMが778gに対して、SEL85F14GM2は642gです。軽いんです。85mmのII型は。
85mm G Master II型レンズの付属品も見せていただきました。ご覧のレンズフードとレンズケースが付属します。
レンズフードにはロックスイッチがついていて、これを押してフード外しを行います。ボタンを押さずに無理矢理回すと、運が悪いとフードが壊れますのでご注意を。(展示ではフードは出ていません。リクエストすると見せてくれます)
「IRIS LOCK」のスイッチがあり、これで絞りオートと数値の間を固定できます。絞り値を「A」にしているときにロックをすると絞りリングは回らなくなり、数値のところでロックすると「A」に入らなくなります。
絞りリングではなくカメラ側のダイヤルで絞り操作をしたい方とかが利用します。
フードは樹脂製で先端は保護のための処理が行われていました。
レンズケースはズームレンズなどにも使える中型サイズのものが採用されていて、これに上げ底クッションを入れて使う感じです。中にはいっている上げ底クッションを出してみたところが写真の図です。
レンズ下部にはクリック感のオンオフスイッチがあります。動画撮影時に絞りダイヤルを回してカチカチという感触と音が邪魔になるときはオフにするとスムースに絞り値が変更できます。
写真撮影の際にはクリック感があった方が確実な操作ができます。
I型ではレンズの左サイドにしか装備されていなかったフォーカスロックボタンがレンズ天面にも装備されています。縦位置撮影しているときに利用するコトが可能。
レンズのスイッチ類は最新のII型G Master同様のアップデートをしているわけです。
さて、SEL85F14GM2では色収差をかなり抑える事ができるようになったとのこと。またMTF曲線をみると絞り開放時にレンズ周辺部だけではなく中央部の解像度もかなり上がっているとなっています。
もともとG Masterレンズとして設計されているので、かなり高いレベルで設計されているレンズなんですが、レンズ素材の見直しやチューニングを進めて、これだけの高画質化をしているとなっています。
また、ボケに関しても「綺麗なボケ」という表現から「自然なボケ」に変化してきています。ボケのグラデーションにも気を使って開発されているそうで、それらを試してみたいと思います。
今回用意したのは当店の最新テクノロジーを集めて開発した「点光源測定器」を使っています。なんのことはない、LEDランプをポータブル電源で光らせることができるようにしただけのものなんですが、これを被写体から後ろにずるずるっと引っ張っていき、徐々に点光源が離れていくという被写体を作って試し撮りしてきました。
↑まずはこれがI型レンズでのテスト。I型のSEL85F14GMも評判の悪いレンズではなかったですし、綺麗なボケの配列が観られます。
ただ、最近はAFが遅いレンズというレッテルを貼られているというか、まだXDリニアモーターが開発される前のレンズなので仕方がないんですが、フォーカスに使う大きなレンズ群を動かすのに回転計のモーターを使っているので今となっては遅いだけです。
↑こちらがII型の描写です。非常に柔らかいボケになっていて一番向こうの方は、もはやSTFレンズみたいなボケになっています。
また、レンズの隅を使っているわけではないので、点光源も円形を保っています。
↑こちらは50mmのスーパー単焦点レンズ「SEL50F12GM」です。絞り開放のF1.2 で撮影しました
このレンズは最短撮影距離も短く、本当はもっと近くに寄って撮影ができるのですが、あえて、同じくらいの画角になるように撮影しています。
今回の85mm単焦点レンズの発表で、一部のお客様からは85mmもF1.2 の大冒険レンズにすればよかったのに、という声が出ていますが、それをやると、扱いにコツのいるレンズになってしまうかも。割とレンズの中央に近いところに点光源が来ていますがF1.2 だとこうしてラグビーボール型のボケになります。
85mm F1.4の方が扱いやすいレンズになるかも。
参考までに、こちらは取材に使ったSEL2070Gのズームレンズで70mmテレ端、F4での撮影です。絞りF1.4の威力をまざまざと感じる1枚ですね。
さて、ここまでは色収差とかが出ていません。ですが、85mm単焦点レンズはAマウントのカールツァイス・Planner SAL85F14Zから色収差が強烈に出るレンズ、という印象だったりします。85mm F1.4GMも土曜でパープルフリンジなどは、すこし気を使う必要があったんですが、どうでしょうね。
こちらはI型レンズでショールームの秋ジオラマを最短撮影距離で撮っているものです。黄色枠のところを拡大して見ると。。。
こんな感じで色収差が出ることがたまにあります。II型ではこれがどうなるでしょう?
おなじところで設定も同じく絞り開放にして撮影しています。
色収差はほぼ出なくなっています。試しに4枚ずつくらい撮影しているんですが、どのカットも同様の結果になっていて、これはたまたま収差が出ている、出ていない、という差ではないことを私だけ実感しています。
こういったシーンでも差が出るようです。最初はII型での撮影のものです。
2枚目はI型レンズによるもの。前後のボケをみてもII型レンズの方が自然なボケになっているように感じられます。
今回は動画撮影をしてきていないのですが、フォーカシングモーターがリングドライブSSMからXDリニアモーターになることで、AF速度が3倍に向上となっています。
使っている時に3倍速い!というのは感じられなかったのですが(^^;) 音は全然違っていて、I型レンズは高周波のキーンという音が聞こえることがあるんですが、II型レンズはXDリニアの無音でスッと動く感じが味わえます。
II型レンズのXDリニアモーターはSEL400F28GMから登場していて、その後に発売された新型のG Masterレンズで採用されています。慣れてしまって、これが普通に思えていたんですが、そういえば、昔の大型レンズはこうだったよなー、という感じ。
今もSEL85F14GMのI型をメインで使われている方は感動しそうです。
というところで実機レポートはここまでです。
ソニーストア銀座さんの店内で絞り開放F1.4であちこち撮らせていただいてきましたので、85mmのF1.4でどんな写真が撮れるのか参考にしていただければ幸いです。
天吊りの看板と、現在、ストア銀座さんをジャックしている西野カナさんのイベントパネルです。
中望遠の85mmという焦点距離はこうして背景ボケを作りやすい焦点距離なんですけど、それに開放絞りF1.4が使えると、もう暴力的に背景ボケを作れるというか、自分のイメージ以上にボケてくれるのが楽しいレンズです。
この感動は初めてAマウントレンズのSAL85F14Zを使った時と同じです。
私はポートレート撮影をすることは滅多になく、85mm Plannerを持っていてもスナップ撮影にしか使えないんですけど、この何を撮ってもミニチュア撮影になるみたいな感覚は他のレンズでは味わえないレベル。
ただ、色収差が出ることが多いので、こうしたカットだと「SONY」ロゴのところやモードダイヤルの部分にパープルフリンジや緑の枠が出ることがあるんですけど、確かにそれは皆無です。
これは超使いやすいレンズに生まれ変わっているかも。
背景も手前も自然なボケが味わえます。
強烈にボケてくれるので、この写真はやり過ぎですが、強制的に撮影テーマを決めて見せられるので、スナップ撮影が好きな方にもオススメ。
どこを撮っても立体感が演出できるレンズです。なんか3Dカメラみたいですね。
色収差が出ないことがわかると、こうして背景に光源があっても気兼ねなく背景に使えます。
ほぼ全域で円形のボケになっています。F1.2 ではこれはできないかな♪
適当な小物をこうして撮るときに上手くハマルと良いのですが、最短撮影距離はAFで0.85m、MFで0.8mなので近寄れるレンズではありません。グルメ撮影には向かないと思いますが、そうした小さな小物を撮るのでなければOK。
こちらの「ぼっち・ざ・ろっく」のイヤホンケースも単品での撮影だと難しいんですが、4つまとめた展示撮影ならいけますね。しかも、この強制的な立体感、楽しー!
ということで、ショールームでの展示が始まった「SEL85F14GM2」の実機レポートでした。
物流について、関係各位に話を聞いているのですが、誰ひとり「今回は流通は問題ないよ」とは言ってくれません。品薄という情報も特にないんですが、予定よりも発売が遅くなっている感はかなりあるので、たっぷりと初期出荷数量が用意されているというのは考えずらいところです。
こういうのは初動の反応がわかりにくいんですけど、もしもオーダーが盛り上がってしまうと、しばらく入手困難なレンズになる可能性があります。なんせ85mmのポートレートレンズの主力モデルの8年ぶりのモデルチェンジですからね。
ソニーストアでの予約オーダー開始は来週火曜日の9月3日10時からとなっています。I型からの乗り換えを検討されている方は初日にオーダーされた方が良いかもしれません。
SEL85F14GM2の市場推定価格は300,000円前後となっており、出荷は9月20日予定です。
先行予約がスタートしましたらこっちらのBlogや当店X(旧Twitter)でお知らせしたいと思います。
まだソニーストアのラッキー抽選会を引かれていない方は予約日までにソニーストア・ラッキー抽選会のチャレンジも忘れずにどうぞ。SEL85F14GM2のお買い物に使える、お買い物券が最大で10万円プレゼントしてもらえるかもしれません。最低でも4000円のクーポンは当たりますので抽選は今のうちにどうぞ。
デジタル一眼カメラα [Eマウント]用レンズ SEL85F14GM2 |
ソニーストア価格: 295,900 円 |
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発売日 | 2024年9月20日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
長期保証 サービス |
5年ワイド:29,700円 3年ワイド/5年ベーシック:15,400円 3年ベーシック:無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ 60回分割払い手数料0%(月額4,400円で購入可能) |
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テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
10%オフクーポン(併用不可)プレゼント中 発売後、店頭にて実機を展示予定です センサークリーニングを無料で1回行います テックスタッフ店頭ご利用特典のご案内 |
そして、こちらは当店からのお知らせです。
当店では9月より店頭にて“α”センサークリーニングサービスを開始します。予約不要でその場でセンサークリーニングを行います。
当店でソニー“α”ボディ、レンズをお買い上げで、LINEお友達登録いただければ、割引きクーポンを発行したしますので、気軽にご利用いただけます。
旅行に行く前日や、写真遠足の前日、イベント撮影の前にセンサーを綺麗にしておきたい!というときにご利用いただけますので、こちらも是非ご利用ください。
当店経由でSEL85F14GM2をお買い上げのお客様にはセンサークリーニング無料券をプレゼントいたしますので是非!(SEL85F14GM2ご予約後、ソニーストアの注文番号を店頭でお知らせいただけば、確認後にお持ちのソニー“α”カメラのセンサークリーニングを無料で行います)
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