【レビュー】スタミナモンスター『Xperia 10 V』1週間実機試用レポート
時期的にかなり遅くなりましたが8月発売のミドルレンジのSIMフリースマートフォン「Xperia 10 V」の実機レビューレポートです。
一度は実機紹介をしているのですが、Xperia 5 Vのレビュー時にテストしたときに、桁違いのスタミナ性能をみせてくれた「Xperia 10 V」を実際に自分の生活で使ってみたらどうなるのか?を実験したくて、1週間ほど、自分のメインスマートフォンとして試用させてもらいました。
いろいろな発見があったのでレポートしたいと思います。このモデルは人によってはすごい性能を発揮するかもしれません。
こんにちは、店員佐藤です。
先月の話になりますが、コンパクトハイエンドモデル「Xperia 5 V」はコンパクトだけなモデルではなく、スタミナ性能についてもかなり頑張ったモデルになっている、という話を関係筋から耳にしていて、実際にベンチマークをかけてみたところ、相当なスタミナ性能を発揮することがわかりました。
「PCmark for Android」というベンチマークアプリなんですが、これを使って、ベンチマークをし続けたときにバッテリー80%から20%まで、どれくらいの時間をかけて消費するのかというのを測っていたのですが、その結果が下記の通りでした。
画面サイズがやや小さく、解像度も4KではないXperia 5シリーズの方がバッテリー消費的には有利ですよー、程度の結果を期待していたのですが、Xperia 5 Vだけ桁違いのスタミナ性能を実際に見せてくれました。
位置情報のログや、車載デバイスとの無線接続待機、スマートキーとの接続、wena 3との常時接続をさせるなど、スマートフォンにとってはブラックユーザーと言われるほどスマートフォンの電力を酷使する私の場合、今までのXperia 1 シリーズで夕方までバッテリーがもつかどうか、というか大抵は通勤時間だけで半分近くバッテリーを使ってしまうので常に充電して使っている感じだったものが、Xperia 5 Vでは、ついに、自宅を出発して無充電で帰宅することを実現しました。
Xperiaというかスマートフォンを使いこむようになって、こんなにバッテリーがもつモデルは初めてです。これはもう、今後はXperia 5 Vをメインで使うしかないか!とさえ思っていたのですが、その裏で使っていた「Xperia 10 V」はもっとすごかった。
メインで使っているものではないのでLINEは入れてないし、まだ位置情報のログ記録や、スマートロックなども入れてはいないんですが、SIMカードを挿して、メールチェックと少しの調べ物をする程度で使っていると4日から5日くらいバッテリーがもってしまうんです。
上記がそのときのバッテリー監視アプリ「Accu Battery」の結果なんですけど、ほぼ5日間、無充電で使えてしまっています。これはもうスマートフォンではなく、昔のガラケー並みです。なんと、こんなスゴいコトになっているんですか!?
ということで、先週からpovo 2.0のメイン回線をeSIMに移して、メインスマホとして運用開始。位置情報のログや運動履歴なども全部「Xperia 10 V」に移して生活を開始。
「Xperia 5 V」ではバッテリー残量一桁%まで頑張って、自宅に到着していたのですが、Xperia 10 Vでは30~40%残して余裕で帰宅できる感じでした。通勤中はWF-1000XM5のアプリ側のテストがあって、常に何かしら音楽か動画再生をするか、ゲームプレイをさせていたり、月曜日にモーターショーへ行ったときには終日テザリングさせたりもしている無茶振りをさせているんですけど、それでも余裕で1日過ごすことが可能。
ベンチマークで記録したXperia 5 Vのスタミナ性能をさらに上回る余裕のバッテリー消費の少なさを実感しています。
バッテリー消費させる鬼のアプリとしては秋にリリースされた「ポケモン スリープ」なるものもあります。これは一風変わったゲームアプリでユーザーがたくさん寝ると、多くのポケモンの寝顔が集められて、それでご褒美をもらってカビゴンを育てる、という内容になっています。
問題は睡眠情報の取得方法で、寝る際にスマートフォンでポケモンスリープを起動したまま枕元に裏返しにして置いておく、ということをします。そうなんです、翌朝までスマートフォンは画面こそ消灯してくれるんですが、ゲームアプリは起動したままで過ごすことになります。
Xperia 1 Vでプレイしていたときは、朝になるとバッテリー残量が20%を切っていることはザラで、時には残り4%とかになっていたこともあり、目が覚めたらすぐに充電をする、ということをしていました。さすがにこれでは生活に支障が出るので「ポケモンGO Plus +」という周辺機器を使って計測するようにしてスマートフォンは充電したままにして遊ぶようにしていますが、これ、Xperiaのスタミナモデルでやったらどうなるのかをテスト。
「Xperia 5 V」では100%で睡眠スタートして約6時間半で35%ほど消費。
今回「Xperia 10 V」で試してみると。。。
翌朝のバッテリー残量は80%です。これ、LINEも使っているしメイン回線のeSIMも使っているし、ログ取得アプリは全部入っている状態でこれです。いやー、もちますねー。
使い方によるんでしょうけど、Xperia 5 Vの1.3~1.5倍くらいのスタミナ性能がある感じがします。
なんで、こんなにバッテリーの保ちが良いのかというと、当然、省電力設定になっていて搭載しているSoCやメモリー量などがかなり違うからというのもあります。
上位機種との主なスペックの違いを並べてみました。
Xperia 10 V (XQ-DC44) |
Xperia 1 V (XQ-DQ44) |
Xperia 5 V (XQ-DE44) |
|
ストア価格 | 67,100円 | 194,700円 | 139,700円 |
発売日 | 2023.8.4 | 2023.7.14 | 2023.10.27 |
サイズ(mm) | 68×155×8.3 | 71×165×8.3 | 68×154×8.6 |
重量 | 159g | 187g | 182g |
電池容量 | 5000mAh | 5000mAh | 5000mAh |
CPU | Snapdragon 695 5G | Snapdragon 8 Gen2 | Snapdragon 8 Gen2 |
メモリ(RAM/ROM) | 6GB/128GB | 16GB/512GB | 8GB/256GB |
ディスプレイ | 6.1インチ FHD+/60Hz |
6.5インチ 4K/120Hz |
6.1インチ FHD+/120Hz |
Wi-Fi | Wi-Fi 5 | Wi-Fi 6E | Wi-Fi 6E |
ワイヤレス充電 | × | 〇 | 〇 |
.
ディスプレイサイズと解像度が違うのはモロに影響が出ていて、Xperia 1 VとXperia 5 Vの違いはディスプレイ面での違いに大きく左右されているように思えます。
Xperia 5 VとXperia 10 Vの違いですが、搭載している有機ELディスプレイは同じモノを採用していると聞いており、GPUなどのグラフィック性能で差が付けられているのですが、それも違いとして影響されているのと、それとあとは搭載しているメモリー量による違いも大きいんだと思います。
スマートフォンはメインメモリもストレージも、メモリーを使っているのでややこしくなるのですがPCで言うところのメインメモリになるところがRAMとして容量を表示していて、どうやらこのメモリー量でも消費電力は変わってくるみたいですね。
搭載しているメモリー量が多いと、同時起動できるアプリが増えるため、たとえばゲームアプリを2つ立ち上げてもアプリの切り替えだけでゲームの続きができるのがXperia 1 Vの16GBメモリー。6GBしかないXperia 10 Vではメモリーが足りなくなるのでアプリの切り替え時にそれぞれアプリを最初から読み込み直してプレイする、という形になります。
快適度はメモリー量が多い方があがるんですが、通電していないとメモリー内容が保持できないため、それだけ電力を消費するという面もあります。
V世代のAndroid OS 13では設定メニューを呼び出したときに画面下に「実行中のアプリ」の数が表示されます。
私のXperia 1 Vでは常に6~9個くらいのアプリが実行されている感じなのですが、同じ設定にしているXperia 10 Vでは3個までしか実行中のアプリが出ません。メモリーが足りないのでバックグランドで動作できるアプリに制限がかかるようです。
なのでXperia 10 Vでは位置情報のログなどを取っていてもデータが欠損することがあります。代わりにバッテリー消費が抑えられているということになるので、うーん、私に撮っては本末転倒。単にスタミナ性能があがれば良いというわけではないので、こうしてバックグランドで動作させているアプリが多い人はXperia 1 V SIMフリーモデルの16GBメモリーを使う方が良さそうです。
こういうのはスタミナ性能と快適さのトレードオフでどこにバランスを置くか、になりますね。
さて、その他、1週間ほど「Xperia 10 V」を使っていましたが、面白い発見もいろいろありました。まずはカメラ機能なんですが、上位機種ではシャッターボタンが設定されているので、シャッターボタンを押せばすぐにカメラアプリが起動して、撮影をワンアクションで瞬時に行うことができます。
Xperia 10 Vにはそれがないので、スマートフォンを起動して、カメラアプリを選んでタップして。。。ということをするのが面倒だなーとか、思っていたんですけど、解決策がありました。
本体設定の「ジェスチャー」の中に、カメラを起動するオプションがあり、これをオンにしておくと、電源ボタンの2回押しでカメラアプリが起動するように設定することができます。
スリープ状態からでも電源ボタン2回押しで、カメラが起動するので、このシャッターボタンがない問題については特に気にならずに使えました。
そして、カメラ機能では「21:9」という撮影画角の選択ができます。これはXperia 1シリーズやXperia 5シリーズのカメラアプリには設定がなく「21:9」が選べるのはXperia 10だけとなります。これが撮影時になんとも気持ちが良いというか、画面を見ての通りなんですが、黒みがなくディスプレイ全体での撮影ができます。超々ワイド画面でこれは楽しかった。
21:9で撮影すると何が楽しいって、Xperia 10 Vの壁紙、ロック画面が見た目通りの画角で撮影したモノを使える、ということ。これはかなりテンションがあがります。トリミングする分を考慮せずにしっかりと構図を作った壁紙撮影ができます。
そしてこれは少数派の方のメリットだと思いますが、レシート撮影がしやすいんです。
以前、紹介したことがあると思うんですが、スマートフォンを使ったポイ活でレシート撮影をしてポイントをもらう「ONE」というアプリがあり、私は今もしつこく続けています。累計で1万円くらい貯まりました。w
このレシート撮影のときに21:9画角というのが役に立つんですねー。使ってみて初めて気づくこと多数です。
上位機種と比較するとドロップしている機能もいくつかあって、たとえば「Xperia 1 V」「Xperia 5 V」で初めて搭載されたディアルSIM仕様の際の「データSIM自動切替」ですが、Xperia 10 Vにはその設定がありませんでした。同じ第V世代のモデルなんですが、こうしたところでミドルレンジとハイエンドの差があるようです。
それとディスプレイの120Hz駆動というのもXperia 10 Vにはありません。ゲームアプリで120Hz駆動に対応しているモノはわずかですが、普通にブラウザのスクロールなどで差が出ます。スルスルっとスクロールするか、従来と同じでサラッとスクロールするかの違い。Xperia 1シリーズやXperia 5シリーズで省電力のために60Hz 設定にして使っている方もいらっしゃるし、ここは気にしなければいいかな。
あとは「Game Enhancer」というゲームアプリをまとめてくれるランチャーアプリが入っていません。ランチャーがなくてもゲームアプリをひとつのフォルダにまとめておけばいいとも言えるのですが「Game Enhancer」ではゲームアプリごとに省電力設定、パフォーマンス最大などの設定をすることができます。
ゲームアプイ命、という方はハイエンドモデルを。ポケモンスリープだけのんびり出来ればいいや、と言う方はXperia 10 Vで、という感じでしょうか。ちなみに原神とかもXperia 10 Vで普通にプレイはできます。
ソニーストアでは同じくらいの価格帯に「Xperia 10 IV」や2世代前の「Xperia 5 III」なども販売されていて、それらの旧型モデルとの比較をされている方もいらっしゃるかと思います。
主なスペックを見るとこんな違いになります。
Xperia 10 V (XQ-DC44) |
Xperia 10 IV (XQ-CC44) |
Xperia 5 III (XQ-BQ42) |
|
ストア価格 | 67,100円 | 60,500円 | 79,200円 |
発売日 | 2023.8.4 | 2023.3.10 | 2022.4.22 |
Android OS | 13 | 12 → 13 | 11 → 13 |
サイズ(mm) | 68×155×8.3 | 67×153×8.3 | 68×157×8.2 |
重量 | 159g | 161g | 168g |
電池容量 | 5000mAh | 5000mAh | 4500mAh |
CPU | Snapdragon 695 5G | Snapdragon 695 5G | Snapdragon 888 5G |
メモリ(RAM/ROM) | 6GB/128GB | 6GB/128GB | 8GB/256GB |
ディスプレイ | 6.1インチ FHD+/60Hz 輝度 1.5倍 |
6インチ FHD+/60Hz | 6.1インチ FHD+/120Hz |
Wi-Fi | Wi-Fi 5 | Wi-Fi 5 | Wi-Fi 6 |
スピーカー | フロントステレオ | モノラル | フロントステレオ |
カラーバリエーション | ブラック ホワイト ラベンダー セージグリーン |
ブラック ホワイト |
ブラック グリーン ピンク |
.
今のところ、ソニーのXperiaはOSのアップデートは2世代行うことになっているようなのでXperia 5 IIIはもうこれ以上のOSアップデートはありません。Xperia 10 Vについてはまだあと2回はOSのアップデートが期待できます。OSのアップデートが止まると対応するアプリなどの数が減ってくる可能性もあり、できるだけ新しい世代のモデルを購入したいところ。
Xperia 10 IVとXperia 10 Vでは価格差は6千円ちょっとで、それでこれだけの差になっています。ディスプレイは同じサイズですが違うパネルに置き換わっていて輝度は約1.5倍の明るさになり、それでいて省電力仕様になっているので、これもおすすめ。
それと、実機を使ってみてわかりましたが、Xperia 10 IVの背面はどうもペタペタと指紋の跡が残りやすい感じなんですが、Xperia 10 Vはサラッとした表面加工になっていて、指紋が残りにくくなっているようです。
さらにこちらは蛇足ですが、amazonでXperia 10 V用のかっこいいシリコンケースを発見。X
peria 1 V用のモノもあって純正ケースが出荷になるまではそれを使っていたのですが、Xperia 10 V用のものも発売されていたので試用期間中はこれを使っていました。
裏と表にそれぞれデザインされていて2層構造になっているためスケルトンっぽさが本物らしくなっていて、メカメカしい感じになります。
やや厚めなんですがクッション性もあるので安心して使えるかと思います。
ということで、バッテリー保ちがやたらよくて、この1週間、予備で持ち歩いているポータブル電源はまったく必要とせず、安心して使わせてもらいました。
撮影した写真画像は明るいところでは綺麗です。暗所での撮影はさすがにExmor Tセンサーを搭載したXperia 1 Vなどとは比較にならないんですが、21:9画角の撮影はXperia 1シリーズでも出来るようにしてもらいたいなー、というところ。
家族に使わせてあげる、たっぷり使えるスマートフォンとしては、これかなり良い感じじゃないですかね。ボディカラーはワイヤレスイヤホンの「WF-C700N」とマッチングされているので、セットで購入するとメーカー純正ならではの一体感も楽しめると思います。
■最強スタミナ性能 ミドルレンジモデル「Xperia 10 V」
Xperiaスマートフォン SIMフリー対応モデル Xperia 10 V XQ-DC44 |
ソニーストア価格: 67,100 円税込 |
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発売日 | 2023年8月10日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ ■36回払いまで分割払手数料【0%】 ■残価設定クレジットの分割払手数料が【0%】 |
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残価設定 クレジット |
月々のお支払い 2,100円(1回目のみ2,800円) 24回お支払い総額 51,100円 25回目 16,000円(※ 商品返却時はお支払いが不要) |
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テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
ご成約記念品プレゼント ☆テックスタッフ店頭ご利用特典 |
ワイヤレスノイズキャンセリング ヘッドセット WF-C700N |
ソニーストア価格: 16,500円 税込 |
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発売日 | 2023年4月21日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
延長保証 | 5年ワイド:2,200円(税込) 3年ワイド/5年ベーシック:1,100円(税込) 3年ベーシック:無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ 紛失あんしんサービス 対象製品 |
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テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
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海外にて『Xperia 10 V』がAndroid 14へアップデート
今回もソニーUKのリリースになりますが、ミドルレンジモデルの「Xperia 10 V」のAndroid OS 14へのアップグレードが発表になりました。
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