【レビュー】デジタル一眼カメラ”α7R V”特別体験会&週末試用レポート
先週末は当店にて新型カメラ”α7R V”の特別体験会を開催しました。ミニミニソニーフェアということでカメラクリニック付きの体験イベントだったのですが、多数のお客様にお声を聞かせていただきました。
いつもは私の独断と偏見によるカメラ紹介レビューになるところですが、今回は店頭の特別体験会イベントでおうかがいしたお話しを中心に”α7R V”の実機の様子をレポートしたいと思います。
ちなみに”α7R V”の特別体験会のはずなんですが、参加された方の半数くらいは”α7R V”をすでに購入されていて、自分の愛機を持ち込んでの体験会になっていたのはいつものお約束でした。(^_-)
こんにちは、店員佐藤です。
先週末は30分交代制の”α7R V”特別体験会を開催しました。なんとなく想像はつくと思うのですが体験会ではあるんですが、約半数の方が”α7R V”をすでに購入されている方々で、ご自身が購入された”α7R V”と、サブ機になるカメラをお持ちになっていろいろなお話しをしていってくださいました。
まだ発売して到着から1日しか経っていないにもかかわらず、金曜日に有休をとって丸一日、撮影体験をしてきて、その感想をお話しになってくださる方や、設定がうまくいかず相談になられる方など、いろいろなお話しを聞かせていただきました。
良いお話も、そうでないお話?もあるんですがざっくりと、先週末、当店で話題になっていた“α7R V”のお話しをまとめてレポートします。
ちなみに”α7R V”を購入されている方のほとんどが”α7R III”や”α7R IV”からの買い換えになります。”α7S III”や”α1”などの機種をお使いの方からすると「なにお今さら、知っているよそんな機能」というお話しもあるかもしれませんが、”α7R”ユーザーさんにとっては新鮮な驚きになっている話が多く「そうだよな、これがソニー”α”に初搭載のときは驚いたよな♪」という感じで見ていただけると幸いです。
まず最初はスマートフォンとのBluetooth接続の話なんですが「α7 IV」から「FX30」「α7R V」の3機種が劇的に進化しています。
「α7R VとスマートフォンをBluetooth接続したけど、すごく良くなってた」というお話がありましたが、まさに私もそう思います。α1やα7Cまでのモデルと違って、α7 IVからは常時接続みたいな形になっていて、初期設定でαとスマートフォンをペアリングしておくと、次からは瞬時に接続できる感じです。
カメラの切り替え画面でも「ILCE-7RM5」「ILCE-7M4」「ILME-FX30」の3機種だけは別扱いのメニューになっていて、これらのモデルと、それ以外のモデルで登録方法も違っています。大きな世代チェンジがα7 IVで行われています。
こちらはカメラの設定画面になりますが、スマートフォン接続の項目に「電源OFF中の接続」という項目があり、これを「入」にしておくと、カメラの電源がオフになっていてもスマートフォンからカメラの中の画像ファイルにアクセスすることができます。
その証拠画像?がこちら。カメラの電源ボタンはOFFになっているのですが、そこにスマートフォンからアクセスが出来ています。この状態でスマートフォンとカメラがBluetooth通信で接続されていて、ここから「見る・取り込む」の操作が可能。
カメラバッグにカメラが入ったままの状態で、移動中にスマートフォンでカメラ内の撮影済み写真をチェックすること、画像ファイルをスマートフォンにコピーすることができます。
すごい便利です。
細かい話をさせていただくと、プレビュー中に画像削除するときなんですが、削除ボタン2通しで削除する、という機能もついています。
デフォルトでは削除ボタンを押すと確認画面が出て「OK」を選択しないといけないのですが「再生」>「削除」>「削除確認画面」>「2度押しで削除」を有効にすると、この画面が出ます。これもすごい便利です。
「フリッカーレスTvスキャン」という新機能の搭載もあります。これは“α7R V”で初搭載になった機能です。
“α7R IV”にもフリッカーレス機能は搭載されていたと思うのですが、“α7R IV”に搭載されているフリッカーレス機能は蛍光灯による100Hz、120Hzのフリッカーのみに対応したもの。
LED光源に対応するための高周波フリッカーレス機能は“α9 II”からの搭載になっています。(“α1”と“α7 IV”にも搭載)
「高分解シャッター」という機能がそれで、この機能を利用するとシャッタースピードが整数倍ではなく、もっと細かいスピードで設定ができるようになり、それを手動で操作してフリッカーのでないシャッタースピードを見つけて撮影する、ということをしています。
動画の場合のフリッカーはご存じの方も多いと思いますが、画面が明滅してチラチラするあれです。静止画の場合の高周波フリッカーというのは縞模様が出る現象で、プロジェクターの映像を電子シャッターで撮影したときに縞模様が出ることがあるんですが、アレです。
なかなか言葉では伝わらないと思うので、動画で実際の操作をご案内してみました。
プロジェクターは身の回りにないもので、LEDライト光源の灯りでテストしましたが、“α7R V”では自動でフリッカーレスになるシャッタースピードを見つけてくれます。
使い方と原理がわからないとこうした機能は、なかなか利用ができないと思うのですが、“α7R V”をお使いで室内での撮影時に覚えておくといつか役に立つ日がくるかもしれません。
Bluetoothリモコンの接続安定性が悪い、というお話もいただきました。
これは“α7R V”に限らず、今までお使いだった“α7C”でも安定しないとのお話。Bluetoothでつながることはつながるんだけれど、安定して使えないのでシャッターを切ろうと思ったときにシャッターが切れない、などストレスがあるとのこと。
これは“α7R V”というよりはBluetoothリモコン側に問題があるように思えて、当店の店頭展示機で試したのですが、わかります。なにか接続性が悪いのは感じました。
実は私も以前、同様のことがありリモコンをソニーさんに修理に出したことがあるのですが、結果は「電池の電圧不足」でした。amazonで安く売っているのでまとめ買いしたものを使っていたのですが、どうやら製品の質にばらつきがあるみたいで「変えたばかりの電池」でも電圧が足りなくて動作が安定しない、ということがありました。
いくつか試してみて正常に動作する電池があったので、それで今は使っています。「有名なお店で買ったから大丈夫」ではなく、新品でも電池の電圧を疑った方が良いかもしれません。(リモコンの不具合の可能性もありますので、全部のケースで電池の電圧のせい、とは言えないのですが、購入したときに付属電池ではちゃんと動作していたのに電池を替えたらおかしくなった、という場合は電池を疑った方が良いかもしれません)
先月、ご来店になったお客様から教えていただいた、動画撮影時の「フレキシブル露出」も“α7R V”で利用ができます。通常は「P/A/S/Mモード」になっている露出制御方式ですが「フレキシブル露出」モードにすることにより、静止画と動画でシャッタースピードやISO感度、絞りなどを別々に制御することができるようになります。
動画モードにしてから「撮影」>「撮影モード」>「露出制御方式」で設定変更ができます。これは一度使ったらもう手放せません。
操作方法にはちょっとコツが必要なので、上記リンクの記事でご覧いただくとご理解いただけると思います。“α7R V”で動画撮影もするのであれば、この機能も絶対使いこなした方がおトクです。
先週の金曜日に配信した“α7R V”の開梱レポート動画で紹介した「フォーカスブラケット」撮影。こちらも「すげー!」という声をいただいていました。その後、ちょっと気になることがあったので試してみたのですが、手持ち撮影でも利用ができました。
完全なフリーハンドではなく机に肘をついて、それなりにブレがないように気をつけての撮影ではありますが、手持ちで100枚のブラケット撮影をしてフォトショップで合成したところ、上手く合成ができました。
「フォーカスブラケット」撮影は手前から奥へ向かって少しずつフォーカス位置をずらしながら撮影する機能です。マクロレンズなどを使って、小さな模型などを撮影すると被写界深度が浅くなり、いくら絞ってもすべてにピントが合わない様な写りになってしまうのですが、この機能を使って撮影後に合成加工することですべてにフォーカスが合っているように見える写真撮影ができます。
合成するのにはAdobe Photoshopが必要になります。私は1週間の無料試用期間を使って試してみたのですが、やり方がわかれば簡単に合成ができます。
手持ちで若干の位置ブレがありながらも上手い感じで合成をしてくれました。ある意味、ピクセルシフトマルチ撮影よりもすごいかもしれません。これも手ぶれ補正8段の効果だったりして。
予告されていた「手ぶれ補正性能を向上」させるためのレンズのソフトウェアアップデートですが、こちらも試してみました。店頭で展示していた「SEL70200GM2」はすでにアップデート済みのものでお試しいただいていたのですが、その後「SEL24105G」もアップデート。アップデート前と後での違いを比較しようと思って、撮影画面の動画キャプチャー撮影を事前にしていたのですが、録画に失敗してしまい、アップデート後の映像しかないのですが、ま、それを見てアップデートするかどうか考えるというものではないので、どんな感じになるのかだけ。
レンズアップデートはカメラにレンズを装着した状態で、PCとカメラをUSB接続して、それでPCからソフトウェアのインストールを行います。アップデートプログラムをダウンロードして指示に従って操作すればアップデートは5分くらいで完了します。
レンズのアップデートをすると、手ぶれ補正効果8段がさらに向上する、というわけではなく、プレビュー中の画面のブレをレンズ手ぶれ補正で抑えてくれる、ということをしています。
ボディ内手ぶれ補正の8段の効果は写真撮影時にシャッターを切ったときだけ作動します。なので「これ本当に手ぶれ補正8段なの?」とカメラをぶんぶん振り回してもその効果はわからないと思います。
それよりもこうしたテストをするとデジタル一眼カメラの手ぶれ補正量というのはそれほど大きくはなく、ハンディカムの空間光学手ぶれ補正とは違うことがわかります。補正量は静止画撮影の時にそれほど必要はないので補正幅が少なく、それよりも補正の質を高めることをしているんでしょうね。
なお、こちらの動画ですが、フォーカスオンにするとレンズ手ぶれ補正が効きます。フォーカス枠が緑に点灯しているときがAF-ONにしているところ。白枠になっているときはAFをハズしているところで手ぶれ補正が効いていない状態になります。
動画モードに切り替えると「手ぶれ補正アクティブ」が作動するので、このときはスタンバイ状態でも手ぶれ補正が効きます。
静止画モードと動画モードで手ぶれ補正の働きが違っている様子がこれでご覧いただけると思います。
“α7R V”の連写性能でカタログ数値では秒10コマ撮影できるはずが実際には8枚しか撮れない、という相談もいただいていました。これは“α9”系のスピード一眼をお使いの方だったら「なんだ、そんな話?」というところかもしれませんが、α7Rシリーズのユーザーさんはそれほど連写撮影をしないんです。連写の設定を今まであまり追い込んでいなかったのかも。
“α7R V”で、連写の最高スピードを出すには「HI」の上にある「HI+」というのを使います。「HI+」が秒10コマ、「HI」が秒8コマ、「MID」が秒5コマ、「LO」が秒3コマになります。
なんで「HI+」が特別扱いになっているかというと、これだけ「アフタービュー」になっているからなんです。私も原理まではわからないのですが秒8コマまでは「ライブビュー」になっていて、撮影データの処理前の映像を表示してくれていて、秒10コマの「HI+」だけは撮影データの処理後の映像が映る仕組みになっています。
なので、流し撮りなどで被写体を追ってフレーミングを移動させながらの連続撮影の場合、ライブビューであれば普通に被写体を追いかけることができるところが、アフタービューだとこれが上手く追えない感じになります。自分の腕が下手になったような感じがしてしまうんですが、秒8コマまでのライブビューを使えば違和感なく撮影ができると思います。
こちらは、先週末に試してきたシマリス撮影です。連写撮影はしてきませんでしたが、追いかけ続けることになるので、こういうときは「HI」までのライブビューで撮影した方が間違いがありません。
しかし、AIによる被写体認識、すごかったです。“α1”の4~5倍くらいの認識率で瞳を見つけてくれているかも。“α1”でシマリスを3~4割は見つけてくれている感じでしたが“α7R V”は8割くらい見つけてくれているかも。こうした動きの激しい小動物を撮影するためのカメラではありませんが、いや、これはすごいことになっているかも。
「被写体の認識が遅い」という声をいただいて、野鳥撮影の際のAF動作の様子を動画で見せてくださったお客様がいらしたのですが、見ると、小さく写っているだけでシルエットしかない野鳥もちゃんと認識してくれているし、“α7R V”すげーな、と、私は興奮していました。
確かにショールームで昆虫の認識を試していたときも、見つけ出してくれるまでにワンテンポかかる感じはあって、今回のシマリス撮影でもシルエットから被写体認識をするまでにワンクッションあることがあったのですが、一度見つけたら、そこからはずっと捕まえ続けてくれているので、ちゃんとカメラが理解して被写体を追っているのがわかります。図形だけで追っているのではない、という感覚があります。
「何と比べて認識が遅いですか?」と、うかがったところ「自分の想像よりも遅い」とのことでした。なるほど、まだ改善の余地があるようです。ソニーさん。
こちらは月曜日に大宮駅で試してきた鉄道撮影です。
大宮駅に到着する新幹線なのでスピードは落としているし、一定速度でこちらに向かってくるだけなのでカメラとしてはAFが追いやすい被写体だとは思うんですが、列車認識、すごいです!
従来であれば、こういうシーンは「リアルタイムトラッキング」を使って、被写体をマークしてそれからカメラにAF認識を任せて撮影することになります。被写体をロックしてくれて、調子が良いときはそのままロックオンした被写体を撮影し続けることができるんですが、たまに「あれれ?そっちじゃないんだけど」という誤った被写体追従をはじめてしまい、肝心なときの信頼性がもう一歩、という感じがありました。
ですが、この列車認識ですが、100%です。動画でキャプチャー画像をみていただければわかると思うんですが、列車の先頭を捕まえたら、あとはもう全然離さないというか、誤った認識をしないので、これなら安心してカメラに被写体追従を完全に任せることができます。写真撮影のプロパイロットみたいな感じです。
こうなるとAFは完全に“α”に任せられるので、フレーミングとか、露出とか、シャッターチャンスに集中できるようになります。
本当にAFが合っているのかな?と、撮影前は疑ってかかっていたのですが、帰ってきてからPCで確認すると、どれも全部ちゃんとガチピンで撮れています。
スピードでは“α1”の方が上、という話は聞いていましたが、こうした一般的な撮影であれば私には“α7R V”の方が撮影しやすく思えます。リニアモーターカーの500km走行でフォーカスが追えるのか、とか試してみたくなってきますね。
ということで、このとき撮影してきた写真データのAFポイントなどを“α7R V”の再生画面でご案内するのと、撮影時に画面をキャプチャーしてきたので、こちらで“α7R V”のAF動画の様子がご覧いただけると思います。
Xperia PRO-Iを使ってHDMI接続で画面キャプチャーをするとファインダーが使えないため、腰だめとかでカメラを構えています。なので、シマリス撮影時にはかなり画面が大ブレするので大画面で見る方はご注意ください。酔うかもしれません。
しかし、このシマリスのロックオンした様子や、新幹線の捉え方とか、カメラとして理想のAF追従をしてくれていませんか!? これで6100万画素でバッチリ高画素撮影ができるんです。
撮ってきた写真がこちら。
“α7R V”+ SEL70200GM2+SEL20TC F5.6 1/1000 ISO2000 焦点距離400mm
これだけAFの当たり写真がそろうとなるとシマリス撮影では連写は必要ないかも。いつもだとフォーカスがあっているものを選んで、その中から可愛い表情のものを選んでいく作業になるんですが、これだとフォーカスチェックの必要がなくて、これだと思えるモノをピックアップするだけになります。
“α7R V”+ SEL70200GM2+SEL20TC F5.6 1/1000 ISO10000 焦点距離278mm
全部がバッチリフォーカスを追ってくれているわけではなく、手前に草むらがあるなどの条件の悪いシーンではシマリスを“α7R V”が見つけられないケースもあるんですが、SEL70200GM2ならDMF機能があるので、フォーカスリングをそっと回してあげるだけで「ここだよ、“α7R V”」が出来ます。
ちなみにシマリスですが、埼玉県・土呂駅近くの「りすの家」で撮ってきました。これから2月までは冬眠に入るのでシマリスの数が激減しますが、それでも冬眠しない子もいるのでいつでも見られます。入場料、駐車料金無料です。一番の撮影時期は4~5月頃のベビーラッシュシーズンです。小さくてヨチヨチした子リスが見られますよ。
“α7R V”+ SEL70200GM2+SEL20TC F5.6 1/800 ISO400 焦点距離400mm
鉄道撮影はもうこれ、満点じゃないですかね? ちなみに動画撮影でも同様に被写体を追い続けてくれています。
鉄道撮影とか、狙った車両を長時間待って、やってきた列車を「これが本番だ!」と気合いを入れて撮影するのってすごく緊張するし苦手なんですが、“α7R V”ならかなり安心して鉄旅にいけるかも。
以上、当店店頭の特別体験会と週末の試用テストのレポートでした。
「これ触ったら欲しくなるヤツだー」と、試用を避けている方もいらっしゃるかも?しれませんが、新次元AFは一度体験しておいた方が良いかも。このカメラはソニー“α”の歴史の1ページに残るモデルになりそうですよ。
当店店頭では実機を展示して、店頭のプラレールなどでAI被写体追従などを試せます。是非、お気軽に体験にお越しください。
デジタル一眼カメラ α7R V ILCE-7RM5 |
ソニーストア価格: 555,500円 税込 |
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発売日 | 2022年11月25日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
延長保証 | 5年ワイド:56,100円(税込) 3年ワイド/5年ベーシック:28,600円(税込) 3年ベーシック:無償 |
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