“α1”+LA-EA5+レフレックスレンズで撮影する野鳥の話
2021年に発売されたソニーのフラッグシップカメラ”α1”を使って試してみたいことがあったのを忘れていました。非常にレアな組み合わせでの使い方になるかと思いますが、Aマウントレンズ全対応のマウントアダプター「LA-EA5」を使ってレフレックスレンズ「SAL500F80」を装着して、“α1”の鳥瞳AFを使ってみる、というのをやってきました。
野鳥観察にはちょっと不向きな時期ではありますが、動作がどんなものか確認してきましたのでレポートします。
こんにちは、店員佐藤です。
緊急事態宣言が出ていますので、なるべく自宅で過ごしていますが、今回は県境を越えることなく、しかも定休日の北本自然観察公園へ車で行ってまいりました。感染予防対策にマスク着用、アルコール消毒持参で、ひとりでお邪魔してきました。
北本自然公園の自然学習センターは月曜日定休のためお休みなんですが、公園自体は開放してくれています。なので、人出も少なくかなり安全に散策ができます。
月曜日は自然学習センターがお休みのため、館内のお手洗いなどは利用ができませんが併設されている駐車場にお手洗いや自販機があります。休憩用のベンチも公園内のあちこちにありますので、おにぎりだけ持っていけば1日散策することが可能。
山歩きと違ってアップダウンがないし、駐車場から近いところを散策することになるので荷物も少なくしての森林浴ができるところになります。何回も当店blogでは紹介していますが、通うたびにいろいろな発見をさせてもらっています。
園内にはガイドさんが季節毎の観察ポイントを掲示してくれていて、これがまさに超ピンポイントで建てられているため、案内されている草木をすぐに見つけられます。
中にはレッドブックに載っている絶滅危惧種などの案内もあり、園内を歩くだけで図鑑の中をのぞいているみたいな状態になれます。
こちらも神がかった観察ポイントになっていて、地面を掘った断面図が写真で掲載されていて、地上部分はここだけ見えます、という案内になっています。
その足下を見ると。。。
すごい! まったく同じモノが足下にあって、おそらくこの下を掘り起こすとツクツクボウシの幼虫が埋まっているんでしょうね。
観察ポイントを見つけたら読まずにはいられなくなります。
北本市ではこれらのフィールドによる森林浴が生理的、心理的にどういう影響を及ぼすのかも研究しているようで、「怒り・敵意」や「混乱・当惑」「抑うつ・落ち込み」「緊張・不安」などを抑制する効果があるんだとか。
コロナ渦での巣ごもりが続き、イライラしている感じがするなー、というときは北本自然観察公園でなくても近所の公園などで森林浴をすると平常が保ちやすくなりそうです。
さて、本題です。
デジタル一眼“α1”が発売されてから、まだガッツリと野鳥撮影に出かけていませんでした。本当は5月の一番良い季節に三宅島へ行って、伝説の鳥?「アカコッコ」の撮影に挑戦するつもりでいたんですが、東京●●●●●●2020開催前の感染抑制の一番大事な時期でしたので、今年は見送ってしまっていました。
フォーカシングモーターを搭載し、フォーカシングモーターを搭載していないレンズでもオートフォーカス駆動を実現した「LA-EA5」と、すでに販売は終了していますがAマウントのレフレックスレンズ「SAL500F80」を組み合わせた超軽量望遠撮影キットとの組み合わせでどこまで撮れる物なのか、テストしてきました。
レフレックスレンズは、ソニーの”α”シリーズが始まったころからある望遠レンズで、中に鏡を使って焦点距離を稼ぐことをしている特殊なレンズです。中はほぼ空洞なのでコンパクトで軽量な超望遠レンズになっています。絞りはF8固定だったり、AFエリアは中央のみしか使えないなどの制約がありますが、荷物を超コンパクトにできるレンズです。
これと“α1”の瞳AFを組み合わせて使ってみたかったんですよね。
ちなみに、まだ時期が悪く葉っぱもたくさんついているので、野鳥たちはこうして茂みに隠れているシーンばかりです。これだとさすがにAFだけではフォーカスを合わせ切れないのでマニュアルフォーカスと組み合わせて使うのですが、このレンズにはAF/MFの切替えスイッチなどはありません。
“α1”の左肩にあるAFモードのダイヤル切替を使うことになるんですが、これもワンアクションでは変更できないので、どこかのボタンにアサインしてAFとMFを切り替えられるようにして使います。
今回は一番指が届きやすい「AF-ON」ボタンに「再押しAF/MF切替」を当ててみました。
これでAF-ONボタンを押すたびにマニュアルフォーカスと、オートフォーカスがワンアクションで切り替わります。
なお、これは驚いたんですが、SAL500F80にはフォーカスホールドボタンがあり、ここにも機能をアサインすることができます。
フォーカスホールドボタンに他の機能を割り当てるというのはEマウントレンズでは常套手段なんですが、なんと、LA-EA5を使ってのAマウントレンズでもこの機能が使えるんですね。初めて知りました。
「SAL500F80」のフォーカスエリアはAマウントボディの時から中央重点でしか利用ができませんでしたが、“α1”でも同様でフォーカスエリアの変更はできません。ワイドやゾーンはもちろん、スポットAFやトラッキングAFの利用もできず中央固定になります。
ファンクションメニューから見てもグレーアウトします。
ただし、そのままAF-Cで利用すると、像面位相差AFが駆動しているときのパラパラと動くAFポイントの表示はあるので、Aマウントボディのときの様な中央ポイント1点のみでの利用ではなく、この中央付近のエリアは普通に利用するコトができるのがわかります。
ということで、瞳AFの検出機能を使って、検出対象を今回は「鳥」にしてみます。
すると、AFエリアは狭いのですが、ご覧の通りそこに鳥の頭が入っていれば鳥瞳AFが作動するのがわかります。すごいですねー。15年前に発売されて、基本設計はミノルタ時代なのでもっと昔のレンズが野鳥の瞳AFが使えます。
最短撮影距離が4mもあるなど制約は多いのですが、レンズ本体の重量が665gしかないなどメリットを考えると「旅のついでの野鳥撮影」にはこれを使いたくて仕方がありません。
ということで、実戦テストです。
エナガです。彼らからはこっちがバッチリ見えているんでしょうね。ひたすら身を隠し続けているので、こちらもじっとして落ち着くのを待って木々の間からのぞかせてもらっています。
MFでエナガの姿を見つけるところまでは双眼鏡で野鳥探しをしているのと一緒です。そこで「AF-ON」ボタンを押すと鳥瞳AFが作動するようになり、エナガの眼に緑の測距枠が点灯します。シャッタースピードは1/1000秒程度にして静かにシャッターを切って撮らせてもらってきました。
向こうもこちらに興味があるのか、しばらく逃げずにウロチョロしてくれて感謝。
こちらは一緒に群れていたシジュウカラです。警戒心少なめの鳥なので普通に撮れます。AFエリアは中央固定になるので構図は全部日の丸構図になるのですが、ミラー構成のレンズで色収差などがないため、あとからのトリミングも自由度が高いため、あとで構図を作る感じですね。
今回掲載している写真はすべてノートリミングです。
背景に見えるリング状のボケはレフレックスレンズの特徴的なリングボケで、うるさくなってしまうのは仕方がないところ。逆に、これを見つけたらレフレックスレンズなんだな、という特色にもなります。
リングボケを目立たなくするためにはこうして、背景が暗いところでコントラストを付けられると良いんですが、こういうシチュエーションはなかなか作れません。
プロカメラマンさんはこういうのを踏まえてネイチャーフォトを撮ってくるんですからたいしたものです。とても真似できません。
カルガモです。このポーズでも瞳AFが効いています。
向こう方面に向かって泳いでいるときに、やたらとこうして首をかしげているところを見ると、彼もこちらの存在に気づいていて、私の動きをチェックしているんでしょうね。
ガビチョウです。
高尾の池にある東屋で、来るたびに見かけるので、すっかりここの森にいついているんでしょうね。つがいで飛び回っていました。
やや大きめの野鳥で、これは見つけるのも、鳥瞳AFで追うのも楽ちん。やはり木の陰に隠れ続けているんですが、顔を出すたびに撮らせてもらってきました。
ということで、日の丸写真だらけになってはしまうんですが、Aマウントボディ自体にはピンボケ連発だったレフレックスレンズが、“α1”のおかげで生き返った感じがします。
「LA-EA5」が完全対応するのは“α6600”と“α7R4”、そして“α1”の3機種だけなんですが、やっぱり“α1”が最強ですね。
来年はこの組み合わせで三宅島に行きたいなー。
マウントアダプター LA-EA5 |
ソニーストア価格: 26,700円税込 |
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発売日 | 2020年11月6日 | 商品情報ページこちら | ||
ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ | |||
テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
実機展示あります
テックスタッフ店頭ご利用特典のご案内 |
デジタル一眼カメラα1 ILCE-1 |
ソニーストア価格: 935,000円 税込 |
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発売日 | 2021年3月19日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
延長保証 | 5年ワイド:80,000円+税 3年ワイド/5年ベーシック:40,000円+税 3年ベーシック:無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
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テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
10%オフクーポン(併用不可)プレゼント中 ☆テックスタッフ店頭ご利用特典 |
デジタル一眼カメラ α7R IV ILCE-7RM4A |
ソニーストア価格: 438,900円 税込 |
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発売日 | 2021年6月4日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
延長保証 | 5年ワイド:44,000円(税込) 3年ワイド/5年ベーシック:22,000円(税込) 3年ベーシック:無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ 24回分割払手数料0%キャンペーン 残価設定クレジット 分割払手数料0%キャンペーン |
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テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
☆テックスタッフ店頭ご利用特典 |
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“α1”のレンズ互換情報が更新されました LA-EA5はやっぱり完全対応です!
先週、お客様からお問い合わせをいただいていたのですが、“α1”のレンズ互換情報が更新され、LA-EA5利用時のAマウントレンズの挙動について、無事にオートフォーカスが利用できることになりました。
バトルホーク
2021年9月18日 @ AM 10:48
この組み合わせでAマウントレンズを活用しようとα1購入を計画してますので、記事はとても参考になりました。可能であれば、他のAマウントレンズの作動状況もレポートしてもらえると助かります。
tecstaff
2021年9月18日 @ PM 6:21
コメントありがとうございます。
当店にはほかにPlanner 85mm F1.4もあるんですが、そちらはもう全然普通に使えてしまうのでレポートのしようもないという感じです。機会を見つけて、またレポートさせていただきますので、またお付き合いいただければ幸いです。