【レビュー】『SEL35F14GM』ショールーム発売前特別先行展示レポート
1月14日(金)からソニーショールーム/ソニーストア銀座で発売前特別先行展示が始まったαレンズの新製品「SEL35F14GM」を早速ですが取材させていただいてきました。
焦点距離35mmというド定番画角のG Masterレンズで、しかもスーパーブレイクしたG Masterレンズ「SEL24F14GM」と同じコンセプトのレンズです。大注目のαレンズがいきなり2021年1月に発表されています。一刻も早く実機を触ってみたい!という方も多いと思いますが、まずは先行レポートです。
こんにちは、店員佐藤です。
今年初めてのソニーショールーム/ソニーストア銀座の初詣でお邪魔してきました。まさかこんなに早く1月にαレンズが発表&発売になるとは思いもよりませんでした。しかも35mmのG Masterレンズです。
24mmのG Masterレンズ「SEL24F4GM」が想定外の大ヒットをしたのは記憶に新しく、ものすごい品薄状態になっていたのが昨日の様に思い出されるのですが、今日、ご案内くださったスタイリストさんの話によると24mmよりも35mmの方が引き合いは多いそうで、過去のソニーレンズではなく業界全体で見た時にも24mm以上の大ヒットになるのでは!?という製品になるんだそうです。
緊急事態宣言が発令されているため、電車の空いている時間を狙って午後にお邪魔してきたのですが、数名の方が並んでらっしゃるくらいで、今回はすぐに触らせていただくことができました。
展示されているのはα7S3に装着された状態で横には「SEL24F14GM」と「SEL1635GM」が使い比べできるようにされています。
商品情報サイトに掲載されている作例写真はすべて6100万画素の”α7R4″によるもので、SEL35F14GMの高解像感を前面に押し出すような写真ばかりなのですが、展示ではα7S3というところにおや?と、思われる方も多いはず。センサー画素数は1200万画素と圧倒的に少ない画素数ではありますが電子ビューファインダーのドット数は944万ドットの超高解像EVFを搭載しているボディになります。
ファインダー像ももっとも大きく段違いの見やすさを実現しているボディですので、これを使っての展示が一番威力がある、というのをよくわかってらっしゃいます。
α7S3の944万ドットEVFでSEL35F14GMを覗いてしまうと、それはもう誰がみても「なんじゃこりゃ!」な解像感になってしまうというものです。ぜひ、これはショールームで体験していただきたいところです。
レンズのサイズはSEL24F14GMとほぼ一緒で径も長さも数mmの違いがある程度。写真左がSEL24F14GMで、写真右がSEL35F14GMなんですが、カメラバッグにこの2本が入っていたら、ほぼ見分けがつかない状態になりますね。
機能的にもSEL24F14GMと共通なものばかりで、レンズ左サイドにはフォーカスロックボタンとAF/MFの切り替えスイッチがあります。
レンズ右サイドには「CLICK」といスイッチがあり、これは絞りリングを回したときにカチカチっというクリック感を出すか出さないかが設定できるようになっています。写真を撮るならカチカチっとクリック感があった方が操作しているときにわかりやすいのですが、動画撮影時には撮影中にレンズから音が鳴るのは避けたいところ。無音ですーっと操作できた方がよい、というわけです。
SEL24F14GMもそうですが、絞りリングが装備されている場合、電源を入れながら手動で絞りを設定してすぐに撮影に移れる、という利点があるんですが、これが慣れていない方だと知らない間に絞りリングが回ってしまっていて、絞りをF8くらいに絞ってたつもりが絞り開放になっていた、なんてことがあるそうです。
そういう時は最大絞りF16の隣にある「A」にしておくと便利。
絞りリング「A」はやや離れた位置に設定されているので簡単には回りません。「A」になっているときはボディ側のダイヤルで操作することになるのでカメラ電源をオフにしていれば勝手に絞り値が変更されることもない、というわけです。
お客様から教わったのですが、なるほど、そういう使い方をするんですね。
こちらは写真左のSEL24F14GMと写真右のSEL35F14GMにボディとフードを装着して並べたところです。SEL35F14GMでは花形フードではなく普通の丸形フードになっていて長さも割と短いものが付属します。
こちらが写真左が「SEL35F14GM」で写真右がソニーレンズの「SEL35F18F」になります。「SEL35F18F」は一昨年の夏に発売された単焦点レンズでフルサイズEマウント対応レンズとしては一番安価な35mmレンズになります。
今回の「SEL35F14GM」でなんせ4本目のフルサイズEマウントレンズの35mm単焦点レンズになってしまうんですが、それぞれ個性があるレンズになっていて、この組み合わせの比較は最も安価なレンズと、最新最上位レンズとの比較となります。
「SEL35F18F」は私のお気に入りレンズで軽量コンパクトでしかも最短撮影距離が短く「寄れる」レンズになっているのが特徴。今回の「SEL35F14GM」はそれらの特徴をそのまま引き継いで、超高度非球面XAレンズを2枚と、色収差を補正するEDガラスを搭載した高解像レンズになっています。その画質の差が上記のサイズの差ということになります。
そのコンパクトさは、昨年秋に発売された手振れ補正機能内蔵の世界最小フルサイズセンサー搭載カメラ“α7C”と組み合わせても全然OKなサイズ感になっています。
見た目のバランスで言うと”α7″シリーズに装着したときに一番バランスが良く見えるのが「SEL24F14GM」と今回新発売の「SEL35F14GM」になるかと思うんですが、この軽量コンパクトさは”α7C”でもありですね。これでフルサイズセンサーと組み合わせることでG Masterの威力をいかんなく発揮できると思うと、この組み合わせで使われる方も多そう。
最短撮影距離が非常に短いのは「SEL35F14GM」も同様です。AFが合わせられる最多撮影距離の0.27mというのを試してみたのがこちらです。犬のおなかにAFが緑色であった最短撮影距離がこちら。AFの測距枠がピンクになることがありますが、これはフォーカスがあっていません、というのをお知らせするマークなので、これが緑になる距離まで下がらないといけません。これで最大撮影倍率は0.23倍になります。
さらにマニュアルフォーカスにするともっと最短撮影距離が短くなり0.25mまで寄ることができるようになります。MFにスイッチを切り替えてフォーカスリングを回して一番短いフォーカスにしてカメラを前後させてフォーカスを合わせたところがこちらです。最大撮影倍率は0.26倍になります。この倍率だともうマクロレンズの領域です。
実際に撮影した画像で比較すると、これがAFの最短撮影距離0.27mで、最大倍率の0.23倍のところ。
こちらはMFで最短撮影距離0.25m、最大倍率0.26倍になっているところです。この距離での20cmとか0.02倍の差はすごく大きいのがわかると思います。
続いては解放F値1.4の威力。
これは絞り値F8の画です。向こうにいるのはアンパンマンかな?
解放絞りF1.4にするとここまでぼけます。もう、むこうに見えるフィギュアは色くらいしかわからなくなってしまいました。撮影距離が近いと猛烈なボケを演出できます。
こちらも解放絞りF1.4で撮影したところ。ショールームの天井にあるスポットライトを点光源にして大きな玉ボケを作ったところなんですが、さすがXAレンズを2枚つかっているだけあって、玉ねぎボケはこの場合はまったく見られません。口径食は見られますがこれを絞りリング2ノッチ回したF1.8にすると。。。
これだけでほぼ口径食はなくなって円形のボケだけになりました。
ちなみに円形絞り羽根は11枚になっています。枚数が少ないと絞るほどに円形ではなくなっていくのですが絞り羽が多いと絞っても円形のボケを作ってくれます。この辺りにカールツァイス「SEL35F14Z」との差が若干あるかも。
また、ショールームでは試せませんが「ナノARコーティング2」を採用している2本目のレンズです。逆光耐性も強くなっているはずです。外に出て、実機の映りを早く試してみたくなります。
さて、ここからは作例とは呼べませんが、私が撮ってきたサンプル画像です。Flickrに掲載しているものなのでクリックしていただくとオリジナルの解像度でご覧いただけます。
α7S3+SEL35F14GM F1.4 1/160 ISO80
まずはこちら。すごくないですか!? これだけ派手にキラキラしたものをとってきているんですが、色収差がめちゃくちゃ抑えられています。え、こんなにシャープに撮れちゃうの!? という1枚。
35mmの焦点距離は引けばワイドな画角に感じますが、こうした小物撮影に使うと24mmよりも切り取った感が得られる焦点距離になります。
向こうに見えるキッチンタイマーのサイズからわかる通り、この小瓶とか、ナイフなどの小物にこれだけ寄って撮影できるので、テーブルフォトなどにも最適なレンズとして使えます。
α7S3+SEL35F14GM F1.4 1/200 ISO80
こちらはスタイリストさんにアシストしてしてもらって演出してもらったaiboのサクラちゃんです。お誕生からもう3年になるんですね。毎日ショールームで働いているのに超元気です。
α7S3の動物瞳AFが使えるので、動き回るサクラちゃんでもフレーミングだけに集中してシャッターを切った1枚です。
XDリニアモーターを2基搭載した「SEL35F14GM」は爆速で動作するのはもちろん、音も静かにスッ、スッと合ってくれます。これくらいのスピードだったら”α9″とか持ってこなくても”α7S3″でほぼ100%のAF当たり率です。
そうだ、動画も撮ってくればよかったです。
“α7S3″ではα初の手振れ補正アクティブを搭載していますが、それが最適化されているのはソニーの純正レンズだけと聞いています。35mmの画角は激戦区でサードパーティーからも35mm単焦点レンズのラインナップがありますが、動画撮影で使う際は手振れ補正にも差が出る、と、聞いています。
α7C+SEL35F14GM F1.4 1/400 ISO100
こちらは”α7C”で、”α7C”を撮影したところです。標準ズームレンズの焦点距離に内包されている画角なので、スナップ撮影とかにももってこい。思えばサイバーショットの最高峰フラッグシップモデル「DSC-RX1」も35mmの単焦点カメラでした。
しかも解放絞りF1.4だと自由に主題を決めることができます。
この立体感というか浮遊感は写真なのにまるで動画を見ているみたいに感じませんか?
α7S3+SEL35F14GM F1.4 1/125 ISO80 MF
先ほどの子犬の置物をMFの最短撮影距離で撮ったものがこちらです。実物のワンちゃんよりも全然小さな置物です。本物のワンちゃんを撮影するならここまで寄る必要はないし、動物瞳AF搭載カメラならMFではなくオートフォーカスでこんな風に寄った写真が撮れます。
あー、これ持ってつくばわんわんランドに行きたいなー。
α7S3+SEL35F14GM F8 1/40 ISO500
画面の隅まで流れずにシャープな解像度を撮影できるG Masterレンズ。これはショールームの天井を映したものですが隅までしっかりと映っているのがわかるかと思います。比較撮影をしていませんが一昨年発売になった「SEL35F18F」と差が出やすいのがこういうシーンかな?ということで撮ってきました。(SEL35F18Fでも同条件で撮ってくればよかったんですが忘れてました)
以上、ショールームの実機展示の様子でした。
■レンズ購入前に!ソニーストアおすすめサービス
ソニーストアでαレンズを購入してみようか?という方に、ソニーストアで購入することのメリットをご案内したいと思います。
メーカー直販のソニーストアでのレンズ購入というと価格が高いのでは?と思われるかもしれませんが、実は保証まで計算に入れるとかなりお得な価格設定になっています。
というのもソニーストアではかなり強力な保証サービスを付けて購入する事ができます。ただ、レンズ購入時にはちょっとしたコツがあり、それを知らないと損をしてしまうことも。そこで簡単にその内容をご紹介致します。
ソニーストアではメーカー直販ならではの保証サービスがあります。
まず通常のメーカー保証は1年ですが、ソニーストアでは「3年ベーシック保証」というメーカー保証が最初から3年に延長されたものが無償で付いてきます。
そしてそこから有料になりますがソニーストアの保証をさらにアップグレードすることが可能。
5年ベーシックは通常1年のメーカー保証を5年にするものなんですが、魅力なのはこちらではなく、3年ワイド保証と5年ワイド保証になります。ワイド保証は落下破損や水没などの事故の際も全額保証をしてくれる動産保険の様な保証サービスです。
たとえば撮影時に誤って手を滑らせて落下させ、外傷が出来てしまった場合はメーカー保証もベーシック保証も効きませんが、ワイド保証ならそれが無料で直してもらえます。免責金額などの設定もありません。無料で修理してもらえます。
盗難や、日本海溝に水没させてしまうなど、本体がなくなってしまった場合は補償されませんが、これが魅力でソニーストアでソニー製品を購入される方はかなり多くいらっしゃいます。
こうしたワイド保険が3年で本体価格の5%、5年で本体価格の10%で用意されています。是非、こちらに入って購入していただきたいところ。カメラ本体もそうですが高額なレンズもワイド保証に入れて購入できるのがソニーストア最大の魅力なんです。
レンズ購入時に、お得にワイド保証に入るにはどうしたらよいのか、というところですが「αあんしんプログラム」というソニーストアの会員サービスに入ってからαレンズを購入する方法があります。
αあんしんプログラムは2017年3月1日からスタートしたサービスで、入会金が3,000円、月会費が500円かかるサービスです。最低契約期間が1年という設定があるので年会費として考えると6,000円がかかります。
しかし、入会すると4か月後に3,000円のお買物券がプレゼントされ、以降、1年ごとに3,000円クーポンがプレゼントされるため、実質半額の3,000円が年会費という計算ができます。
年会費3,000円で購入したレンズの3年ワイド保証が無料、もしくは5年ワイド保証が半額になります。
ワイド保証の価格はレンズ価格に対して3年ワイドで5%、5年ワイドで10%に相当するため、15万円のレンズだと3年ワイドでも7~8千円に設定されます。なのでレンズ購入時に5%のお得が毎回得られることになります。
SEL100400GMなどの20万円クラスのレンズを1本購入すると、その時点ですでに「αあんしんプログラム」年会費の元が取れてしまう計算。ソニーストアでαレンズを購入するなら絶対に入会しておいた方が良いシステムになっています。
αあんしんプログラムの利用ですが、すでに会員になっている方はワイド保証を選ぶだけ。まだ入会されていない方はレンズ購入時に同時入会すれば特典を最初から利用することができます。(以前はレンズ購入前に入会する必要がありましたがサービスのリニューアルがあり、今は同時入会ができるようになりました。)
これらの保証サービスも計算に入れて、お得にお買い求めいただくのがお勧めです。
ソニーストアでは1月19日(火)10時から予約販売を開始して2月12日(金)に出荷される予定となっています。
「SEL35F14GM」のメーカー小売希望価格は198,530円+税となっています。通常ソニーストアではブランドレンズの場合は10%引き前後の販売価格に設定されるので税別178,800円前後になるかと予想されます。
コロナ禍の中でカメラ業界は販売に苦しんでいるという話は聞いているんですが、昨年発売された”α7S3″も”α7C”も大ヒットになっているし、同じコンセプトのレンズ「SEL24F14GM」も極端な品薄状態になっていました。
通常であればソニーストアの予約販売は発売日までのオーダー分は発売日出荷になることが多く、発売日を迎えた途端に品薄が始まり納期がどんどん延びていく、という感じなんですが、さて、今回はどうなるでしょう。今のところ販売店にも生産数や予約台数などの情報はなく(っていうか、まだ予約販売が始まっていませんから)、当店でもまったく予想はつきません。
ただ、スタイリストさんがおっしゃっていた「24mmよりも引き合いは多いはず」という言葉が気になります。w 20万円近くする高額なレンズではあるんですが、G Masterレンズとしてはかなり安い、という声もいただいています。
1月16日の土曜日は当店店頭でも「SEL35F14GM」についての勉強会を開催予定です。いろいろ、予想をしつつ作戦を立てましょう♪
1月19日の予約開始日は当店はコロナ禍になる前の通常営業時間11時から開店をいたします。スプリングフェアは2月2日から開催予定なのですが、納期が気になる方は1月中のご予約をおすすめしようと思います。
★ソニープレスリリース「焦点距離35mm フルサイズ対応の大口径広角単焦点レンズ Gマスター『FE 35mm F1.4 GM』 発売」
★ソニーストア 『SEL35F14GM』製品ページはこちらから
【延期されていた発売日は3月12日(金)になりました】
35mm単焦点レンズ SEL35F14GM |
ソニーストア価格: 180,000円+税 |
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発売日 | 2021年3月12日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
長期保証 サービス |
5年ワイド:18,000円+税 3年ワイド/5年ベーシック:9,000円+税 3年ベーシック:無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
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テックスタッフ 店頭入特典 |
10%オフクーポン(併用不可)プレゼント中 テックスタッフ店頭ご利用特典のご案内 |
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