【レビュー】野鳥観察にオススメ! サイバーショット『DSC-HX99』開梱レポート&ファーストインプレッション
2018年11月9日発売のトラベルハイズームモデル、サイバーショット「DSC-HX99」を先月、自腹購入しました。
光学30倍ズームをポケットサイズで持ち歩けるという、超便利カメラなんですが、RXシリーズやデジタル一眼“α”シリーズと比べるとさすがにそこまでの画質には及びません。そのあたりを割り切って使うことになるのですが、なんのなんの、実際に使ってみるとかなり頑張ってくれます。
弱点を補う使い方が出来れば、これはかなりの武器になるかもしれません。使い始めて2週間ほどになりますが製品版実機の様子をレポートしたいと思います。
こんにちは、店員佐藤です。
12月にドコモさんがおこなっていた魔法のキャンペーンで大量のdポイントをもらいました。PayPayキャンペーンも全力投入していたのですが、ドコモのdポイントキャンペーンもかなり利用をしていて、おかげさまで2月の支払いは大変なことになっていました。
3月に戻ってきたdポイントをここぞとばかりにソニーストアさんへツッコんだわけですが、そのひとつがこちら、サイバーショット「DSC-HX99」でした。ジャケットケースとセットで購入させていただきました。
今年は「日本野鳥の会」の探鳥会に3度ほど参加させていただいて、現在は東京支部の方へ仮入会させてもらっています。3月以降、タイミングが合わず参加していないのですが、今年はこのまま、何度か探鳥会へお邪魔させてもらおうと思っています。
日本野鳥の会のイベントに、望遠ズームレンズを装着したデジタル一眼カメラを持ち込まれる方もいらっしゃるのですが、正直言って、探鳥会で野鳥の作品撮りをするのは無理です。団体行動で大人数で移動しているので野鳥は警戒しいてみんな逃げて行ってしまうし、観察ポイントで自分の都合の良いように時間をかけて撮影することもできません。
なので、野鳥を探しながら探索して、見つけた野鳥を双眼鏡で見ながら鳥の情報を教えてもらう場というのが探鳥会。そのときにメモ代わりに画質は二の次でとにかくコンパクトなカメラがあると便利なんだ、ということは最初の探鳥会で感じました。
そこで、店員よねっちが使っていたハイズームサイバーショット「DSC-HX90V」(販売終了モデル)を借りて、探鳥会に参加してきたのですが、光学30倍ズームで35mm判換算で画角が焦点距離720mm相当まで使えるのはすごい便利。
探鳥会では8倍程度の双眼鏡を使って野鳥探しをするのですが、それとほぼ同じ画角での撮影ができるので探鳥時のメモ代わりに使うのにぴったりなんです。
こうして野鳥の会に入会させてもらって、探鳥会に参加させてもらうなら、双眼鏡とコンパクトなメモ代わりのカメラがあるといいぞ。そんなカメラが手元にあれば通勤時にも毎日持ち歩いて、見つけた野鳥を記録するのに使えるかも。
もっと言うと、用事のない日曜日に通っているシマリス撮影の時のサブカメラにするのも良いかも。
ということで、購入したのは最新モデルの「DSC-HX99」です。
こちらがパッケージの内容になります。カメラ本体の他にハンドストラップとUSBケーブル、バッテリー、ACアダプターがあります。
バッテリーはACアダプターをマイクロUSBケーブルで本体に接続して本体内充電して使うことになります。ACアダプターを使わなくてもPCのUSB接続をすれば充電ができます。
先代のDSC-HX90Vと比較すると、キープコンセプトながら細かいところで変更がいろいろあり、利用するメモリーカードがmicroSDカードになっている点なども気をつけたいポイントです。
DSC-HX99はmicroSDカードでないと利用ができません。メモリーカードを抜いてPCにデータを移している方はSDカードアダプターを利用する必要がありますのでご注意ください。
バッテリーはRX100シリーズなどと共通のNP-BX1を利用します。
撮影するデータですがDSC-HX99ではRAW記録ができます。兄弟機種として「DSC-WX800」や「DSC-WX700」も発売されていますが、これらの機種ではRAW記録はできません。EVF(電子ビューファインダー)の有無と同様に違いがあります。
DSC-HX99 |
DSC-WX800 |
DSC-WX700 |
|
発売日 | 2018.11.9 | ||
ソニーストア価格 | 59,880円 | 49,880円 | 47,880円 |
光学センサー | 1820万画素 1/2.3型 裏面照射CMOSセンサー | ||
画像処理エンジン | 新世代BIONZ X +フロントエンドLSI | ||
レンズ | ZEISS 24-720mm レンズ | ||
ISO感度 | ISO6400(拡張) | ||
RAW記録 | ○ | × | |
4K動画記録 | ○ | ||
瞳AF | ○ | ||
ファインダー | 63万画素OLED | × | |
グリップ& コントロールリング |
○ | × | |
タッチパネル | ○ | × | |
質量 | 242g | 233g | 233g |
.
コントロールリングも搭載しているのはDSC-HX99だけです。これらの違いだけでサイバーショットWXシリーズがかなり“α”スタイルに近くなっている感じがします。
その他、お気に入りのポイントを紹介すると。。。
4K動画撮影が出来るサイバーショットになっています。ピクチャープロファイルを搭載していないのでRX100M6の様にHDR撮影はできませんが、センサーが小さく、そこまでダイナミックレンジは広くないので、ここは割り切ってSDR専用で使うことになります。
使い方を覚えると超絶使いやすくなるのが「ズームアシスト」機能です。メニューの中に「ズームアシスト範囲」というのがありますが、これがその設定になります。
この機能を利用する際はどこかのキーにカスタムで設定をする必要があります。ボタンの少ないサイバーショットシリーズの場合、どこに割り当てるか迷うところですが、野鳥撮影の場合は割と頻繁に使う機能になるので、中央ボタンに割り当ててしまうのがオススメです。
さて、この機能はどうやって使うかというと。。。
こうして焦点距離720mm相当で被写体を追っているときに「あれ? これってどこを映してるんだ? 被写体はどこに行った?」というのは望遠レンズでよく起きること。
ズームレンズの場合は一旦ワイド側にズームを戻して、ああ、ここだったか、というのをヤルのですが、それをズーム操作無しで実現してくれるのが「ズームアシスト」機能です。
こうして最大ズームになっているときに中央ボタンを押すと自動でズームを戻してくれます。
その際にどの範囲を自分で狙っているのか枠をつけて表示してくれるんです。
野鳥撮影の基本は双眼鏡と一緒で、まずは裸眼で野鳥を見つけて、そこに双眼鏡を持ってきて、そのまま狙っている画角に導入ができるように練習をするのですが、望遠ズームレンズ搭載のカメラも同様です。
その練習をしつつ、こうして見失ってしまった被写体探しのアシスト技があるというのは便利です。これはデジタル一眼“α”にはない機能ですね。
その他、4Kで撮影した動画ファイルから静止画を書き出す機能も搭載しています。この機能に頼るならmicroSDカードも100Mbps書き出しに対応した高速タイプのものを揃えたいところです。
そして、ソニー”α”、サイバーショットユーザーさんでしたらおなじみですが、スマートフォンにインストールしたPlayMemories Mobileアプリ(現在はImageing Edge Mobileアプリ)を使うとサイバーショットで撮影したデータをWi-Fiで転送することができます。
転送する画像は2Mサイズかオリジナルサイズか選べるのですが、Instagramの解像度も2Mあればぴったりなんです。
Instagram用のカメラとして使うなら撮影時に最初から1:1のスクエア画角での撮影も出来る様になっています。
スマートフォンとの相性もバッチリです。
サイバーショット「DSC-HX99」と一緒に私はジャケットケースの「LCJ-HWA」も購入しました。
いろいろなカメラケースを試したことがあるのですが、最終的に一番本体の保護に便利なのがジャケットケースなんだという結論にRX100シリーズを使っていて達しました。
「LCJ-HWA」のライトブラウンを購入しましたが、こうしてジャケットは上下に分かれて使えます。持ち歩く際はジャケットを被せておいて、ちょい撮りの時はボタンを一つ外してカバーをめくって使用。長時間撮影に入るときはジャケットのボタンを全部外して上部カバーはカバンにしまって使います。
ジャケットの下部ですが、グリップ部に厚みを作っていて右手でつかみやすい形状にしてくれているのもグッドです。
付属するストラップは長めのものなので、詰めずに使えば肩に斜めがけして使うこともできます。ソニーストア価格で4,250円(税別)とリーズナブルな設定になっているのも二重丸です。
カラーはブラックとブラウン、ライトブラウンの3色があります。好みで使われると良いかと思います。
さて、実際にDSC-HX99を使い始めると、いつも使っているRX100と感覚的に大きく違う点がいくつか出てきます。
まずはこれ。
広角側での接写シーンなんですが、1インチサイズのCMOSセンサーを搭載してF値1.8から使える大口径レンズを採用しているため、絞り開放で撮影すると背景がもっと大きくぼけるのですが、それがDSC-HX99ではなかなかできません。
普通に撮影すると、どれもパンフォーカスな写真になってしまい、一眼カメラっぽい、背景ボケの写真がなかなか撮れません。
そして、これがかなり違和感を感じるのですが「テレマクロ」という、望遠ズームをしているときの接写ができないんです。
望遠ズームを使うと最短撮影距離がドンドン伸びていってしまう感じがします。望遠ズーム200mmくらいにすると相当先まで最短撮影距離が伸びます。
こんな小型ボディに24~720mm相当のズームレンズが搭載されているんですから、かなり凝ったギミックでレンズを動作させているので仕方がないのですが、利用する上でどれくらいの焦点距離ズームで使うのが良いのか調べておく必要があります。
ということで、焦点距離ごとの最短撮影距離を調べてみました。ワイド端だとレンズ前面から被写体までのワーキングディスタンスは約4cmとものすごい接写が可能。
300mmズームとかにすると被写体をかなり遠くまで持っていかないとフォーカスが合わなくなります。
いい加減な手動計測なので目安程度にしかなりませんがDSC-HX99の焦点距離別のワーキングディスタンスは下記の通りとなりました。
計算してみると50mmズーム近辺で使うのがもっとも撮影倍率が高くなりそうです。100mmまで使うと一気に最短撮影距離が伸びるので、これは覚えておくと良いかと思います。
小物の接写をしたいときは焦点距離50mmくらいがベストです。
ということで、大体の使い方がわかったところで昨日今日の出勤前に日比谷公園で野鳥探しをしてきたときの写真をいくつか掲載します。画像をクリックしていただくとFlickrでオリジナルサイズでご覧頂くことができます。
ヒヨドリです。桜の花がよっぽど好きみたいで必ず見かけますね。これはかなり木の高いところいたのですが、720mm相当のズームを使うとご覧のサイズで撮影できます。
シジュウカラです。それほど近い距離ではないのですが、かなり大きく写すことができます。
RX100M6も200mm相当のハイズームモデルなのですが、野鳥撮影で200mmだとちょっと厳しいというか、自分が野鳥に相当寄らないと撮影ができません。
野鳥に接近すると野鳥にストレスをかけることにもなるし、逃げていってしまうのであまり良いカメラとは言えなくなってしまいます。720mmあると見つけた野鳥に接近せずに、自分の身を隠しながら観察することができます。そうすると撮影チャンスもたくさん作れるので、結果、良い写真がたくさん撮れる可能性があがります。
野鳥撮影において焦点距離は長ければ長いほど良いんです。
日比谷公園にもネモフィラが咲いてしました。小さな花壇なんですが焦点距離が長いレンズだと切り取り方を工夫して余計な物を入れずに撮影ができます。
スズメはなかなか桜の木にとりついてくれません。これは奥に桜の木があるところを狙って背景に桜を配した写真です。
焦点距離が長く、また背景と被写体の距離が離れていると、こうしてボケを作ることはできます。
手振れ補正の効きについては、サイバーショットRX10M4や“α7Ⅲ”シリーズと比較するとちょっと弱い感じがします。細かいブレは撮れるのですが大きな揺れはあまり吸収してくれません。焦点距離がかなり長いのでブレが目立つ、というのもあるかもしれません。
ただ、こうした野生動物の撮影の際にはシャッタースピードを1/1000以上に早めるのであまり手振れは気にしなくても良いかも。(明るいところであれば)
こちらは「ニシオジロビタキ」です。今朝、やっと日比谷公園で見つけられました。2月頃に他のバーダーさんからうかがったのですが、インターネットで話題になっているらしく、私もこの日初めて観ました。
スズメよりも小さな野鳥です。
こちらは日陰の暗いところで撮影したカット。こういうシーンで撮影するとRXシリーズや“α”とのセンサーサイズの違いを感じます。暗所でのノイズはやはり全然のりやすいので、こういうシーンでは“α”やサイバーショットRX10M4にはかないません。
ただ、ボディサイズが全然違いますからね。ここが割り切って使うところです。
これらの写真は全部RAWで記録していてあとからImaging Edgeで仕上げています。デジタル一眼“α”だとCapture OneでRAW現像することもできますが、あいにくDSC-HX99は対象モデルではないみたいでCapture Oneでは使えませんでした。
Capture Oneが使えると、よりダイナミックにいじることができるんですけどね。
ということで、サイバーショット「DSC-HX99」での野鳥撮影の実際でした。また今度、日本野鳥の会さんで開催する探鳥会に参加させてもらう予定ですので、そのときに野鳥メモに使ってきたいと思います。
デジタルスチルカメラ DSC-HX99 |
ソニーストア価格: 59,880円+税 |
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発売日 | 2018年11月9日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
延長保証 |
5年ワイド:6,000円+税
3年ワイド/5年ベーシック:3,000円+税 3年ベーシック:無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
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My Sony ID 新規登録 特典 |
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☆当店blog 2018.10.31「トラベルハイズームモデルの決定版!サイバーショット『DSC-HX99』予約販売開始!」
☆当店blog 2018.10.26「世界最小ボディに24-720mm高倍率ズームレンズを搭載したサイバーショト 『DSC-HX99』『DSC-WX800』『DSC-WX700』3機種発表!」
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発売日 | 2018年10月20日 | メーカー商品情報ペーこちら | ||
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