【レビュー】まいにち使う、ずっと使える新シリーズ『VAIO F14』実機レビューレポート
VAIO(株)のVAIOに新シリーズが発表になりました。「VAIO Fシリーズ」としてパーソナルユース向けに思い切り振り切ったモデルが登場します。早速、実機の様子をレポートします。
こんにちは、店員佐藤です。
ソニー時代は多数のバリエーションモデルがあったVAIOシリーズですが、VAIO(株)製になってからはビジネスモバイルユースに特化したVAIO SX14/SX12シリーズと、ホームノート向けの強力なプロセッサーを搭載したVAIO S15シリーズ、そしてビジネス向けのVAIO S13シリーズというラインナップになっていて、ホームユース向けのライトなモデルがなかなか出てこなかったんですが、ついにそうしたラインナップも加わることになります。
ソニー時代でしたらVAIO EシリーズとかCシリーズ、もしくはVAIO Fitに相当するようなモデルになるでしょうか。
パーソナルユース向けの「愛される定番向けWindows PC」としてVAIO Fシリーズが発表。モデルは16型ディスプレイと、14型ディスプレイを搭載した「VAIO F16」「VAIO F14」シリーズとして登場します。
兄弟シリーズとして本体性能・仕様はほぼ同様のスペックとして用意されていて、本体カラーはサテンゴールド、ネイビーブルー、ウォームホワイトの3色展開。
ここではネイビーブルーの「VAIO F14」の実機を紹介いたします。
ボディサイズ、画面サイズはVAIO SX14とほぼ同様になります。ハイエンドモバイルノートと、これからのスタンダードモバイルノートの主なスペックの違いは下記の様になります。
CPU | 第13世代インテル Core Uシリーズプロセッサー |
第12世代インテル Core Pシリーズプロセッサー |
LCD | 14インチ 16:9 FHD | 14インチ 16:9 FHD/4K 高輝度 |
駆動時間 | 約16時間 | 約14.8~27時間 |
質量 | 約1.34kg | 約1.046~1.1167kg |
厚さ | 19.5-19.7mm | 13.3-17.9mm |
サイズ | 322.9 × 221.5 mm | 320.4 × 222.9mm |
WLAN | Wi-Fi 6 | Wi-Fi 6E |
USB | type A×3、type C×1 | type A×2、type C×2 |
ACアダプター | 専用アダプター | 小型USB type C |
素材 | パームレストアルミ それ以外樹脂 |
パームレストアルム カーボンなど |
.
こうして仕様を比較してしまうとどうしてもSXシリーズの廉価版モデルという風に見えてしまうんですが、静音キーボードや、VAIO Zで採用された打ちやすい0.3mmのへこみのあるキートップ、ワイヤレス接続で差が出やすい液晶上部へのWi-Fiアンテナの配置など、VAIOのこだわり設計はほぼそのまま踏襲した、使いやすさを目指したモデルになっています。
最軽量モデル、最小モデルなどのスペックを追わずに使いやすいPCを目指していて、こうしたスペックにはでないところに違いがあります。
たとえばバッテリーの配置ですが、片側に寄せず本体中央分に配置することで、持った時のバランスの良さを感じられる様にできていたり、え? 今時のVAIOっそんなことになっているの?という進化をしていたりします。
周辺機器から見ていきます。
こちらは専用のACアダプターです。VAIO SX14ではついに専用ACアダプターを使わずにUSB type Cを使うようになりましたが、VAIO Fシリーズでは専用のACアダプターに戻っていました。
端子形状はまったく新しいモノで、以前のSX14やS13シリーズ、S15シリーズ、Zシリーズで使っているモノともまた違ったものになっています。
詳細はわからないのですが基板を破損から守る構造にするため採用しているようです。
なお、USB type Cの充電器での駆動も可能で、VAIO SXシリーズで使っている大容量 USB type Cアダプターで利用する事も可能。
ただし、この場合はひとつしかないUSB type Cアダプターを使ってしまうことになります。
搭載しているUSB type CはPower Deliveryによる受給電サポートをしているのと、DP Alt Modeによる映像出力もサポートしています。
最近、ちまたではモバイルモニターというものが流行しているようで、ノートパソコンでもデュアルディスプレイ環境を構築しやすくしてくれています。
画面サイズ、解像度などもいろいろ選べるのと、接続方法もいろいろ選べるんですが、2019年モデルのVAIO S15などはまだUSB type CにDP Alt Modeが搭載されていないため、HDMI出力とUSB type A端子からの電源供給で2本のケーブルを使って接続しています。
USB type CがDP Alt Modeに対応しているVAIO F14なら、type C to Type Cのケーブル1本で電源供給と映像出力を行うことが可能。
テレビ会議の際も本体全面に画面共有の画面を出しておき、モバイルモニターに資料を表示しながら作業や会議を行うことができます。モバイル環境でもこうしてデュアルディスプレイ作業ができるのって良いですよね。
割り切った感が感じられるのが、こちらのmicroSD端子です。以前のVAIOシリーズにはSDカードスロットが装備されていましたが、VAIO Zや最新のSXシリーズでは省略されていて、カメラ本体をUSB接続するか、メモリーカードアダプターなどを使って写真や動画データの取り込みを行っています。
αユーザーの多い、当店のお客様からすればSDカードスロットの搭載復活を願う声が多いのは承知しているのですが、microSDカードスロットの搭載という、新しい形で搭載復活です。
あれですかね。時代はデジタルカメラからのデータ取り込みよりもスマートフォンのメモリーカードからのデータ取り込みの方が要求が多いのかもしれません。microSDカードをSDカードアダプターに入れてカメラで使って、取り込むときだけmicroSDカードを抜いて。。。って、それはやらないか。デジタル一眼カメラαと連携して使うようでしたらSDカードアダプターが必要になります。
タッチパッドは2ボタンが省略されているモノの大型の解像度の高いタッチパッドを装備しています。
バックライトキーボードは非搭載になっていますが、キートップは文字が消えにくいレーザー刻印の耐指紋、防汚処理がされたキートップになっています。
静音キーボードはタイピングでカチャカチャした耳障りな音がしない設計になっていて、今は周りの人への配慮もありますが、テレビ会議のさいのノイズ低減にも配慮したものになります。
こうして横からの光があるとわかりますが、キートップは0.3mmのくぼみがあり、打鍵しているときに感触でキーの中央を指先が感じて、キー入力を続けていても指の位置がずれていかず、いつまでも快適な打ち心地を実現してくれます。
こうした配慮もVAIOならでは。
パームレストはVAIO SXシリーズと同じでアルムパームレストになっています。細かいヘアラインは傷に強くなる表面処理により、永く使っても質感はそのまま。
カメラにはシャッターがついていて、アプリのオンオフにかかわらず、見た目にシャッターを下ろしてプライバシーを確保することができます。
お客様によってはカメラに絆創膏を貼っている方とかもいらっしゃるんですが、そうしたことをしなくても物理的にスライドスイッチでシャッターでカメラを塞ぐことが可能。動作時はLEDランプが点灯する仕様にもなっています。
また、VAIO Fシリーズではカメラの角度を下向き5度にすることにより、ディスプレイを傾けてもカメラに映る顔が切れにくくなる工夫がされています。ディスプレイを直角にして使うコトはあまりないので、このカメラ傾き実装はコロンブスの卵のようです。
搭載されているWindows 11をセットアップします。
今のWindowsはローカルアカウントでの運用はできずマイクロソフトアカウントを作って、ログインをします。VAIO F14ではカメラを使った顔認証と電源ボタンに搭載された指紋認証でのログインに対応しています。通常のセットアップでは顔認証を最初のセットアップで行うので、その後はカメラに顔を見せるとログインができるようになります。
さすがにマスクには対応していないので、これまでであればログインの際にマスクを外す必要があったんですが、これからはそういうのは必要なくなりますかね?
指紋認証はあとからWindowsの設定から行うことができます。
デフォルトのホーム画面です。壁紙は本体カラーに合わせてVAIOのオリジナル壁紙が用意されています。
私も最近知ったんですが「Clipchamp」という、かなり本格的な動画編集アプリがWindows 11には標準搭載されています。無料版でもほぼ制限無しで利用可能。残念ながら解像度はハイビジョン解像度までの編集しかできないのですが、簡易的な動画編集だったら、これさえあれば他に編集ソフトは必要ないかも。
PowerPoint Mobileなども入っています。
以前はホームユースのPCでもOfficeのインストールが不可欠でしたが、今はモバイル版のアプリを使えば読み込みだけは可能です。ファイルを確認するだけ、であればOfficeの必要はありません。
と言っても、どうしても書き換えが必要なケースもあると思いますが、そういうときはマイクロソフトOffice Onlineを使うという手があります。
機能に制約があったり、OneDriveにファイルをアップロードしないとファイルが開けないなどの制限があるものの、これならブラウザでファイルの編集が可能。
良い時代になりました。
VAIOならではの「VAIOの設定」も今回は一項目新しい機能が増えています。「バッテリー節約設定」というものでこれだけでバッテリー駆動時のプロセッサーの動作モードをVAIO独自の方式で制限し、CPUとファンの動作モードを静かさ優先に設定。ディスプレイの輝度を制限し、Windowsのバッテリー節約機能も常時オンにすることで、ビデオ会議での消費電力で約10%の消費電力低減ができるとのこと。
各種設定を細かく変更しなくても、このスイッチ一発で節約モードに入れます。
そしてVAIOならではのカメラ設定機能はドロップされることもなくVAIO F14にも搭載されています。VAIO Zからこうした機能が搭載されているんですが、すごいです。「自動フレーミング」を使うと、やや広角気味のWebカメラなんですが、ズームアップして自分の顔を追尾してくれるので、テレビ会議中に資料を取ったりするのでPCの前を移動しても常に追いかけてくれます。
逆光補正機能なども、照明を背景にしがちなので、見た目に顔が暗くなっているときに使うと明るい画像にできます。
背景ぼかしも会議ツールの機能を使わなくてもカメラ側で設定ができるので、TeamsとZOOMを行ったり来たりしている方などもカメラ設定一発で済むので重宝するはず。
背景ぼかしと逆光補正など、全部スイッチをいれてみました。
うん、ますますいい男になっています。
マイク入力のAIノイズキャンセリング機能もSXシリーズのものがそのまま搭載されています。指向性を高めてマイク正面の音しか拾わないようにしたり、相手からの音声信号のノイズキャンセリングを行うなどの機能まで搭載されています。
2019年モデルのVAIO S15などにはこれらの「カメラ」とか「サウンド」なんていう項目はVAIOの設定にはありませんでした。この3年に渡るコロナ禍の間に繰り広げられたVAIO(株)さんのテレビ会議技術の集大成的な機能になっています。
さて、プロセッサーですが昨年登場したVAIO SX14/SX12/S15が搭載した第12世代インテルCoreプロセッサーが大きな技術革新をしており、大幅にパフォーマンスをあげています。第13世代のインテルCore プロセッサーもさらにパワーアップをしており、すごいことになっています。
第11世代までのCoreプロセッサーと違い、12世代以降ではパフォーマンスを上げる「P-Core」と省電力で働く「E-Core」という2種類のプロセッサーが内蔵されるようになりました。これらが別々に動作するため、バックグランドでレンダリングさせるのはE-Coreで、フォーカスしているテレビ会議のアプリなどは快適に動作するように「P-Core」を充てるということをしています。
今回も簡単にベンチマークソフトを使って比較をしてみたのですが、パフォーマンスは下記の通り。
CineBench | VAIO Z | VAIO S15 | 新型VAIO F14 |
発売時期 | 2021年3月 | 2019年4月 | 2023年4月 |
CPU | 11th Core i7 11375H |
8th Core i7 8750H |
13th Core i7 1355U |
CineBench multi | 5454 | 4926 | 7117 |
CineBench single | 1448 | 1054 | 1790 |
CineBench MP Ratio | 3.84 | 4.67 | 3.97 |
Premiere Pro 8:29 4K 60P演算 |
49分 | 66分 | 45分 |
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たった?4年前の標準電圧版のCore i7プロッサーよりも超低電圧版のCore i7プロセッサーの方が高いパフォーマンスを示しています。
こうしたベンチマークソフトだけではアテにならない!ということで、Adobe Premiere Proをインストールして、実際に編集した8分ほどの4K 60P動画をレンダリングさせてみたところ、2019年モデルのVAIO S15よりも、2021年モデルのVAIO Zよりも演算が速かったりするんです。
モバイルノートのスタンダードモデルではありますが、おうちのメインPCとして使いつつ、あるときはこうした本格的な動画編集作業もしたり、モバイルモニターを使って作業スペースを広げてみたりすることも可能。
ちなみにディスプレイはフルHD解像度のみで4K解像度へのアップグレードはできませんが、こうしたモバイルモニターが使えることを考えると、このほうが効率も良さそうです。
価格はCore i3/8GB/SSD256GBで131,800円~となっているので、キャンペーン価格になっているVAIO SX14の189,800円(3月29日現在)よりも約6万円ほど安価な価格設定になっています。これにVAIO F14でもキャンペーンがあるとさらにお買い得なモデルになるかも。
令和時代の新たな定番PCとして「VAIO Fシリーズ」がやってきますね。
■VAIO F14
パーソナルコンピューター VAIO F14 VJF141シリーズ |
ソニーストア価格: 131,800 円税込~ |
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発売日 | 20223年6月2日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
長期保証 サービス |
3年ワイド:7,700円(税込) 3年ベーシック:無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
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テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
テックスタッフ店頭ご利用特典のご案内 |
■VAIO F16
パーソナルコンピューター VAIO F16 VJF161シリーズ |
ソニーストア価格: 136,800 円税込~ |
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発売日 | 2023年6月2日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
長期保証 サービス |
3年ワイド:7,700円(税込) 3年ベーシック:無償 |
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ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
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テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
テックスタッフ店頭ご利用特典のご案内 |
ワイヤレスマウス VJ8MS1A |
ソニーストア価格: 3,850 円税込 |
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発売日 | 2023年5月20日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
ソニーストア 購入特典 |
ソニー提携カード決済で3%オフ |
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テックスタッフ 店頭ご利用特典 |
テックスタッフ店頭ご利用特典のご案内 |
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