【レビュー】HDR対応動画編集ソフト『VEGAS Edit 19』試用レポート
先週オンラインで行われていた「CP+ 2022」のソニーブースセミナーですが、多くの写真家の方が写真だけではなく動画撮影にもチャレンジしていました。真似してみたいな、自分でもちょっと撮ってみてもいいかも、と、思われた方もいらっしゃるかと思いますが、現像して仕上げることができる写真と違って動画作品の場合は編集作業が必要になります。
そこの敷居がとても高く、なかなか挑戦する気になれないかたもいらっしゃるかと思いますが、私の知る限りもっとも簡単で本格的に安く編集出来るのがソースネクストで販売している「VEGAS Edit」です。買い切りソフトで毎月サブスクとかで料金がかからないところもポイント。
今回は当店では2年ぶりになりますが「VEGAS Edit 19」を手に入れてみたのでレポートしたいと思います。「17」以来の試用になりますが、なかなかのパワーアップ具合です。
こんにちは、店員佐藤です。
ここ最近は「Adobe Premiere Pro」を利用しており昨年も店頭での動画編集セミナーでは「Premiere Pro」のご案内をしていました。昨年末のアップデートでHDR映像の扱いが非常に楽になったこともあって、すっかりVEGASにはご無沙汰してしまっています。
「VEGAS 17」でHDR動画の対応がはじまったはずだったんですが、安定性が悪くグラフィックドライバーとの相性が悪いのかソフトウェアの起動すらできなくなっていたため、VEGASを使うコトがすっかりなくなってしまっていたのですが、最新作では安定性もあがっているという話なので、先週末からまたまた使い始めてみたのですが、なるほど、ちゃんとHDR対応もしているし、Premiereと比べてウイークポイントになっていたところも補ってきていました。
そしてなによりも「編集が簡単」です。
「VEGAS Pro」は以前はソニークリエイティブ製のソフトウェアでハンディカムにバンドルされていたこともあり、ソニー製のカメラとは相性が抜群に良いんです。(現在はドイツのMAGIX社から提供されています)
最小の操作で基本的な編集ができるように工夫されているのと、ソニー製のカメラ、音声フォーマットなどに全部対応しているのでメディア変換するツールとしても使えます。動画編集に挑戦してみようという方に最初にお勧めしたい編集ソフトであることに変わりはありません。
さて、以前からVEGASシリーズをお使いの方に、その変更点を紹介すると。。。
「自動シーン検出」なるものが搭載されました。シーンの変化を検出して自動で素材をカットしてくれるそうです。
一眼動画を撮影する方だと長回ししておいた動画のシーン検出をしてもらいたい、なんていうことはないと思いますが、編集済みの動画を再度加工するときなどに使えそうです。
そして色補正機能の強化となっています。VEGAS 17からHDR対応になっていたのですが、カラーグレーディングについて知識もなにもない私には扱いにくいモノになっていたんですが、そこの機能改善があるとのこと。確かに操作してみるとド素人にもいじりやすくなっていました。
早速、ソフトウェアを実際に操作してみます。
まずは起動した画面がこちらです。動画編集ソフトのレイアウトって基本的にどれもこんな感じになりますが、画面左上に素材置き場があって、右上にプレビューモニター、画面下にタイムラインとなっています。
ここでは「自動シーン検出」機能を試してみたいと思うので、以前、編集して完成させてある5分ほどの動画ファイルを読み込ませてタイムラインに置いてみました。
「自動シーン検出」の利用は簡単で素材の上で右クリックしてメニューを出して「シーンの検出と分割」をクリックするだけです。
これでちょっと時間をかけて動画のシーン検出を行い、シーンを分割していきます。
このときはフライングホヌ3号機の撮影会の様子をまとめたものなんですが、シーン切替にディゾルブとか使わずにカット編集だけで仕上げています。超正確にしっかりとカットを判別して切り分けてくれました。
たまにありますが1年前に編集した動画でテロップに間違いがあったり1カット差し替えたいところがあるんだけど、素材はもう全部なくなっているし。。。という時とかに、完成品があれば最小限の編集がこれならできそうです。
ディゾルブをかけているところはどうなっているかというとシーンの切り替わりはじめと切り替わり終わりでカットを入れてくれています。どうやらこれはシーン検出の感度設定で調整ができるそうです。
Vegasのことは「山梨の飯田」さんに聞け! ということで、ググってみるとすぐに飯田さんの「Vegasのお作法」blogが見つかります。
こちらでVEGAS19の「シーン検出」について詳しい検証記事がご覧になれます。
「山梨の飯田」さんはソニーストア名古屋や、当店も参加していたソニーフェアなどで講師を務められている方です。VEGASを使ったパーソナルレッスンなどを行っており、こちらのblogでVEGAS 19のお勧めポイントもすべて詳細を案内されているので、わからないことがあったら、まずはこちらで検索されると良いと思います。
そして「色補正強化」についてですが、ソニーαに搭載されているピクチャープロファイル10のHDR「ハイブリッド・ログ・ガンマ(HLG)」で撮影された動画素材の編集で試してみます。
操作の詳細案内については省略させていただきますが、まずはVEGAS19で新規のプロジェクトを開き、プロジェクトのプロパティを設定変更します。4k 3840 × 2160ドットにしてフレームレートを29.970に設定、そしてHDRモードを「HLG」に変更すると、これでαのHDR動画編集ができるようになります。
読み込んだ動画素材をタイムラインに入れて右クリックからプロパティをチェックすると色空間は「Rec.2020 HLG」になっていて、これでちゃんとHDR素材と言うことが認識されて編集されていることがわかります。
すべてPP10で撮影してきているのであれば、もうあとは何も考えずに、普通にタイムラインにならべてショートカット「S」キーでバンバン切ってつなげていくだけ。ディゾルブでのシーンチェンジなども素材をドラッグして重ねるだけという超簡単操作。そうそう、これがVEGASなんですよね。超快感&超快適です。
短いファイルですがこれをテストで書きだしてみます。
プロジェクトのプロパティがHDRモードになっていると、書き出しの際のフォーマットも自動でHDR出力ができるものだけしか選べないようになっています。
ここでは4K HDRの一般的な動画の書き出しをすべく「HLG UHD 2160P 59.94fps Intel QSV」を選んで、テンプレートのカスタマイズを行い29.97fpsなどに変更して書き出します。
フレームレートでは120fpsや240fpsの選択もできるようになっています。VEGAS 17の時はこの選択はできなくて最高で59.940fps止まりになっていたかと思います。
α7S3やα1の120fps撮影にも対応できそうです。
書き出しの際はレンダリング中の情報をこうして詳細表示してくれます。レンダリング時間と完成予定時刻の表示の他に、パフォーマンスとして1秒で何フレームの処理をしているとか、CPUの使用率やメモリー使用量まで表示してくれています。
レンダリングに際してPCの能力が足りているかどうかがわかりやすくなっています。
なるほど、細かいポイントですがいろいろ使いやすくなっています。思えば「VEGAS 17」はHDR編集に本格対応するなど大きなモデルチェンジをしたバージョンでした。そこから2回のマイナーチェンジを行い、ソフトウェア全体が良い感じにシェイプアップされてきたのかも。
「VEGAS 17」で新搭載になった「カラーグレーディング」のツール切り替えもそのまま残っています。ツールバー下のRGBの色づけされたボタンがそれで、これをクリックすると画面が一気にカラーグレーディングモードに切り替わります。
こちらがそのカラーグレーディングモードです。
画面下にカラーチャートがあり、以前はこれをいじると一気に色が崩れてしまい操作が全然できなかったんですが、VEGAS 19ではそのスライダーの動きが超のろくなっています。言い方を変えると微調整ができるようになっていて、そうそう簡単に色が崩れません。
これならちょっと明るくしたい、ちょっとコントラストをあげたい、という操作ができそう。以前はちょっと動かしただけでドバッと変化してしまっていて微調整ができなかったんですが、これは使いやすそうです。
操作アイコンなどもデザインが変わっているのですが、中には「自動調整プリセット」というのもあるので、これで簡易的に補正をしてくれるようです。
「Look LUT」というタブも見えますが、ここにLUTテーブルの読み込み機能もあり、ソニーのSlog3→HLGなどのLUTもありました。使い方がわからないのでVEGASではS-logの編集はしたことがないのですが、これなら挑戦できそう。
そして、Premiereと比べて超見劣りするのがテロップで、昔のバラエティ番組でしか使わないようなセンスの悪いタイトルプリセットしかなかったところが、VEGAS 19ではややまともなタイトルプリセットが用意されるようになりました。
タイトル文字は1色だけしか用意されていませんが、今時風のアニメーションでシンプルなタイトルが使える様になっています。
従来の使い物にならないタイトルプリセットもそのまま残ってはいるんですが、新しいタイトルプリセットだけ選んで使えば、それなりにおしゃれなタイトル表示ができるようになると思います。
以上、駆け足でシンプルな動画編集をする部分の機能しか試していませんが、最新作の「VEGAS 19」のご案内でした。
VEGASシリーズにはもっともシンプルな「VEGAS Edit」の他に、音声編集やストリーミング配信などソフトがセットになった「VEGAS Pro」や、VFXや画像合成までできる「VEGAS Post」などが用意されています。
まずは動画編集のとっかかりが欲しい、という方でしたら編集ソフト本体のみの「VEGAS Edit」を購入するのが良いかと思います。
「VEGAS Edit」は標準価格15,400円となっていますが、ソースネクストさんのサイトをチェックしておくと、ちょくちょくセールを行っています。
本日時点では15,400円→9,980円という35%割引きのセールを行っていますが、昨日2月28日までは割引き率50%で7,700円の割引きフェアを行っていました。狙いは50%割引きのセールです。数ヶ月に一度、割引きフェアを行っていますので、そのときがチャンスです。
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