【レビュー】『Imaging Edge』アップデートのHEIF対応を試してみました
一昨日アップデートがあった「Imaging Edge Desktop」ですが、HEIFファイル再生に対応したとのことですので、早速試してみました。
いろいろ、やってみないとわからないことがあるんですが、これで最新のソニー“α”の画像管理方法の将来が見えてきたかも。
こんにちは、店員佐藤です。
ソニー“α”ユーザーの多くの方が利用されていると思うんですが「PlayMemories Home」がながらく更新をストップしています。2019年2月14日に公開されたVer.6.0.00を最後に更新がなく、新しいファイル形式を採用している『α7S3』以降に発売された『α7C』や最新モデル『α1』については対応機種ではない、という案内が出ています。
最後の最後に64ビット対応になり安定感が抜群に良くなった「PlayMemories Home」なんですが、2年間更新がなく、最新モデルのが対応がないので、このままソフトウェアの更新はなくなりそうですね。
代わりにPCでの画像管理ソフトとして利用することになりそうなのが「Imaging Edge Desktop」になりそう。
JPEGファイルに続く、次世代フォーマットと言われている「HEIFファイル」(ヒーフと読むそうです)もα7S3の発売時に登場したモノのPCやスマートフォンの対応もなかなか進まず、現在もカメラ本体からHDMI出力で画像を見るのみとなっていました。
ここに来て、ようやくHEIFファイルにちゃんとPCで対応&閲覧できることになります。
アップデートに関しては「Imaging Edge Desktop」のアップデートをした後に、さらにImaging Edge(Remote/Viewer/Edit)本体をアップデートする、という2段階アップデートが必要になります。
2回のアップデートを行い、α7S3で撮影してきたHEIFファイルを読み込んでみると。。。
なになに?「HEIF形式のファイルをViewerやEditで閲覧・編集するにはHEIF拡張機能をインストールする必要があります。」とのこと。
なんと、まだインストールするプログラムがあるんですか。ヘルプから呼び出してインストール作業を行います。
このHEIF拡張機能というのは、従来の「HEIFコンバーター」とはまた別物です。改めてダウンロード&インストールする必要があります。
ちなみに従来の「HEIFコンバーター」は6月3日をもって配布を終了しています。新たにダウンロードすることはできません。絶版ソフトウェアになりましたが、特に使いやすいモノでもなかったので、忘れていいかと思います。
HEIF拡張機能をインストールしようとすると、ここで対応製品のシリアルナンバーの入力を求められます。
シリアルナンバーを入力してからダウンロードを行います。ダウンロードしたファイルをダブルクリックしてインストールしようとすると。。。まだ、なんかあるんですか?
案内にちゃんと書いてあるんですが、インストールする前に「Imaging Edge Desktop」を終了しておく必要があります。
プログラムを閉じてからでないといつまで経ってもインストールできないので、それに従ってプログラムを終了後にHEIF拡張機能をインストールして、これでやっと使える様になりました。
USB接続した『α1』のメディアの中を直接読んでみると、これで「HEIF + RAW」で撮影してきたファイルが見事、閲覧できました。
今までは「HEIFコンバーター」を使ってJPEGかTIFFファイルに変換しないと見られなかったものが、ついに、つ・い・に! 直接、PCディスプレイで閲覧できるようになりました。
いやー、ここまでα7S3の発売から長かったですね。他のソフトウェアからはまだ閲覧はできませんが「Imaging Edge Desktop」からであれば、普通に画像が見られるようになりました。
Imaging Edgeの閲覧は「Viewer」でサムネールを見たりファイルの書き出しを行い、EditでRAW現像や画質調整を行います。
「Viewer」ソフトには一括でファイル処理をする機能も搭載されていて「HEIFファイルの書き出し」というコマンドも用意されています。ファイル選択をしてから、このコマンドを使うことでHEIFファイルをJPEGファイルに変換して使うコトができます。
HEIFファイルの書き出しコマンドを使うと、上記の様なウインドウが表示されます。色空間を元のままで書き出すか、sRGBにするか、そしてsRGB書き出しの際にHLG静止画のハイライト階調を残すガンマを適用するか、という3択ができます。
HLG静止画というのは撮影時に「ピクチャープロファイル10」を使ってHDR撮影を行い、ハイブリッドログガンマでの記録をしている写真データです。
HDR(HLG)の映像は、そのまま見ても破綻無く見られるHDR映像です。ややあっさりした画像にはなりますが、大きな不自然さはなく見られます。本来のHDR映像で閲覧するためにはαからHDR対応テレビにHDMIケーブルで直接投影するしかないのですが、それをJPEGでも見られるというのはありがたく、HLG対応になっているのも嬉しいところです。
ということで、撮ってきたピクチャープロファイル10を使ってHEIFファイルで撮ってきた写真データをJPEGに4つの方法で書きだしてみました。3つは上記の書き出しオプションを使ってみたもの。そして4つめは同時記録したRAWファイルから、設定そのままでHDRだけはずしてスタンダード画質で書きだしています。
こうしてみると、元の色空間とどれもあまり大きくは変わらない画質で書き出しているみたいです。RAW現像した写真だけ、白飛び、黒つぶれをしていますが、これが本来のSDRの階調ですね。コントラストがきいていて、これが一番「自然な写真」に見えるかと思います。
HDRで撮影してきた静止画を普通にSDR映像として見るのであればちょっと手を加えるか、RAW現像する必要はありそうです。
ではImaging Edge Editを使って写真データを編集してみたいと思います。Viewerで写真データをダブルクリックすればEditで開きます。
なるほど。RAWデータではないので、それほど大きな編集はできず、JPEGファイルをImaging Edge Editで開いたときと同じくらいの調整幅しかないようです。
ということで、ホワイトバランスやDレンジオプティマイザー、クリエイティブスタイルの変更などはできず、ヒストグラフを見ながらトーンカーブをいじるくらいの微調整ができるのみ。
RAW現像の様な調整幅の広い画像編集を期待していると、それはちょっと違うみたいです。RAW現像するなら、やはり同時記録などでRAWでも撮っておく必要があります。
微調整したHEIFファイルですが、書き出しができるのはJPEGファイルかTIFFファイルのみです。編集してからHEIFファイルに記録したり、RAW現像したモノをHEIFファイルに変換するなどのオプションは今のところ用意されていません。
ということで「HEIF」ファイルの扱いがかなりこれでラクにはなりますが、RAWファイルと同等のものではないのでご注意を。
じゃ、HEIFファイルのメリットってなんなのかというと。。。高圧縮で高画質な点です。まだ、取り扱いが大変ではありますが、あと5年くらい経つと、もっと一般的に扱えるようになっている、かもしれません。
ちなみに、RAWファイルからJPEGファイルに書き出したモノと、HEIFで撮ってきたファイルと画質を比較してみるとこんな違いがあります。等倍よりもちょっと大きめに拡大して比較したものがこちらになります。
↑ HEIFファイル(撮影時にHEIF + RAWで撮影してきたモノ)
↑ JPEGファイル(RAWで撮影してきたモノをJPEG出力したもの)
JPEGファイルの圧縮は低い方から2番目くらいのものです。その差は圧倒的です。ちなみにファイルサイズはHEIFが3.6MBで、JPEGは3.0MBでした。
画質差は一目瞭然で、こういうのは画像編集したときに差が出るんですよね。JPEGファイルは開いて編集して保存するときにはすでに大きく劣化をしますが、HEIFは編集耐性が高そうです。
Instagramくらいの解像度であれば、こんな差はわからないと思いますが、これからスマートフォンでも画素数が増えて解像度が上がっていくと、もっと高解像度フォーマットでのデータ保存にシフトしてくるかもしれません。
今は、“α7S3”もしくは“α1”で撮影してきたHEIFデータを、そのまま撮って出しでブラビアに映すしかありませんが、RAWファイルからHEIFファイルに現像出力できるようになったりすると、一気に普及がすすむかもしれませんね。
“α7S3”+SEL14F18GM F1.8 1/1000 ISO1600
なお、こちらの写真は新発売の超広角G Masterレンズ『SEL14F18GM』で撮影してきた写真です。(これはCapture Oneで現像しました)
絞り開放ですごい解像度です。端まで全部しっかり解像しているしこのレンズは楽しい! HEIFでも撮ってきているので、この写真は永久保存版で、“α”からブラビアを直接出力して見られるようにしておこっと。
「HEIF」+「RAW」撮影、楽しいかも。
☆ソニー「Imaging Edge」公式ホームページはこちらから
14mm超広角単焦点レンズ SEL14F18GM |
ソニーストア価格: 199,100 円税込 |
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発売日 | 2021年5月28日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
長期保証 サービス |
5年ワイド:20,900円(税込) 3年ワイド/5年ベーシック:11,000円(税込) 3年ベーシック:無償 |
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