新春特別企画『SONY』『Canon』『Nikon』使い比べレポート

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2020年、あけましておめでとうございます。

旧年中は大変お世話になりました。本年もよろしくお願いします。

さて、新春企画ということで今回はちょっと珍しい企画レポートをお届けしたいと思います。3強メーカーから出そろったフルサイズセンサー搭載のミラーレス一眼カメラを使い比べしてみました。画質比較などの詳細なレポートはできないのですが、ソニー“α”しか使ったことがないソニーショップ店員が他メーカーさんのカメラを使うとどういうことが起こるのか紹介したいと思います。

 

謹賀新年、店員佐藤です。

ちょっと面白いレポートを用意しました。ソニー、キヤノン、ニコンさんの代表的なフルサイズミラーレス一眼3機種をお正月期間中に利用させていただく機会が作れました。

誤解がないようにお伝えしたいのですが、ソニー“α”しか使ったことがない私にとってはキヤノンさんのカメラも、ニコンさんのカメラも非常に使いにくいです。単純に撮影比較するとソニー“α”に分がありまくる比較になってしまうので、どちらかというと、今回は私がソニーショップ店員としての知識、スキルを得るために挑戦しています。

キヤノンさんの「EOS RP」を使って使いにくいと感じる部分は、逆にキヤノンさんのEOSユーザーさんが“α”を使うときに反対のことを感じるはずで、そういう部分を紹介したいと思います。

 

■“α”ユーザーが初めて使う「Canon EOS RP」

こちらがキヤノンさんの「EOS RP」というモデルになります。この上に上位機種の「EOS R」があり、その廉価版で軽量コンパクトなモデルになります。

ボディの価格や機能面をソニー“α”と比較すると“α7II”が近いモデルになるかと思います。レンズは24-105mm F4ズームレンズということでソニー“α”レンズのベストセラーモデル「SEL24105G」に相当するでしょうか。

さて「使いにくい」と感じる部分ですが、キヤノンさんのEOSについては電源の入れ方からわかりません。

見れば、こうして左肩の部分に電源スイッチがあるのですが、これはキヤノン機の伝統なんだとか。ソニー“α”では電源スイッチはシャッターボタンのところにあります。

キヤノンユーザーさんからするとシャッターボタンにある電源スイッチは見つけにくいんでしょうね。

そして、ソニー“α”との違いは多数あり、この液晶モニターの引き出し方も違います。レンズ軸上でチルトするのではなく、ボディサイドに引き出して使います。

縦位置のローアングル撮影については、こういうことができます。これは現在のソニー“α”機ではできない点です。この機能を多用するキヤノンユーザーさんからすると“α”の使いにくい点、となってしまうんでしょうね。

さらにまだあります。数人の方に試してもらったのですが、すべて私の身の回りの人なのでソニー“α”ユーザーさんばかりですが「シャッターボタンがどこにあるのかわからない」というもの。

見ればシャッターボタンはあるんですが、かなり前方についています。うちの妻もどこでシャッター切るの?と、聞いてinfoボタンを押していました。

ちなみにソニー“α”だとこんなデザインになります。写真は最新モデルの“α7R4”になるのですが、グリップ部を長くするため、シリーズ中、もっとも天面の高いところに位置しています。

シャッターを押し込んだ時に上から下に押さえつける形だとカメラボディが下にシフトしてしまいますが、キヤノンデザインのようになっていると前方から後方に押し込む形になるため、ブレについては合理的なのかもしれません。

そして、もっとも違うのがズームリングの向きです。ソニー“α”レンズでは反時計回りにワイド端→テレ端になるのですが、キヤノンRFレンズでは時計回りにワイド端→テレ端になります。

EOS RPを持って、さぁ、ズームして使うぞ、と思ってリングを回すとカチッとして全く回らないので「あれ?これでテレ端だっけ?」と勘違いしてしまうところなんですが、回す方向が実は逆、というわけです。

お正月期間中、1週間使いましたが、これには全然なれることができませんでした。

キヤノンさんからソニー“α”に乗り換えられたお客様が昨年は多かったんですが、そうか、これを皆さん克服されているんですね。こうしてちょっと手にしただけでもいろいろ勉強になります。

あとは、実際に撮影してみて困ったのがフォーカスのポイント指定です。EOS RPに十字キーはついているのですが、スポットフォーカスやゾーンAFのエリア変更ができず困っていたのですが、エリアを移動させる際はボディ右サイド上から2番目にあるエリア変更ボタンを押してから操作、という2アクションになっています。

これがなかなか使いこなせなくて、タッチパネルばかり利用していました。

ちなみにソニー“αR4”ではコントロールセレクターが搭載されていて、1アクションでセレクターを操作すればすぐにフォーカスエリアの移動ができます。α7R3、α7Ⅲなどの一世代前のモデルから、こうした仕様になっていて、α7Ⅱ世代までは、キヤノン EOS RPと同様になっていました。

“α7Ⅱ”では、フォーカスエリアの選択をしたときに十字キーを使ってエリア移動をしていたので、専用ボタンがあるEOS RPの方がまだ良いかも。

その他、メニューUIなどはソニーとは全然違っているし、機能の名称もことごとく全部微妙に違っているのですが、私が見たところでは大体、同じような機能が搭載されているのがわかりました。

4K動画撮影やHDR撮影などはEOS RPには搭載されていませんが“α7Ⅱ”もまだ4K対応にはなっていないモデルでした。価格レンジが違うので“α7R4”とは比較ができない部分です。

お休みに入って、すぐのときに、まずは「EOS RP」を持って、年末の高尾山へ遊びに行かせてもらってきました。機能をひとつひとつ試しながら使わせてもらいましたが、ソニー“α”とは全然違った感覚が味わえました。これはカメラボディのせいではなくてレンズの違いなんでしょうけど、盛大にフレアがでます。

これはソニー“α”レンズでは味わえない体験。ただ光学性能が劣るとかではなく、コントロールできるようなフレアという感じ。

うまくコントロールすれば写真に光の通り道、みたいなものが表現できそう。なるほど、こういうレンズがあるんですね。

ちなみに、この時の高尾山の登山ルートですが「びわ滝道」というのを通りました。6号路の琵琶滝から1号路に上るルートがあるんですが、おそらく高尾山山頂への最短ルートになると思います。高尾山に通って14年になりますが、これだけ通ってもまだ新しい発見があるってすごい山ですね。

☆YAMAP『高尾山 最速ハイキングなら「びわ滝道」』

 

 

■“α”ユーザーが初めて使う「Nikon Z 7」

続いては「ニコン Z 7」です。ラインナップにZ 7とZ 6があるのですが、こちらは上位機種になります。

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ニコン Z 7は4575万画素という多画素機です。ソニー“α”シリーズで比較すると“α7R3”相当になるモデルかと思います。

使ってみると、電源スイッチやズームリングの回転方向など、ソニー“α”と共通部分も多く、αユーザーからすると使いやすいボディになっています。

マルチセレクターも搭載しているのでスポットAFやゾーンAFにしたときも直感的にAFポイントの移動ができました。

唯一、おや?と、思えるのが露出補正ダイヤルで、Z 7ではダイヤルを回しても露出はすぐには変わりません。シャッターボタン右側にある露出ボタンを押して、その後にダイヤルを回すことで露出補正を行います。露出補正を行うのに2アクション必要になります。

マニュアル露出でしか使わない方には関係ないかもしれませんが、絞り優先や、シャッタースピード優先、プログラムオートを使用する頻度が高い方にはちょっと使いにくいかも。

ソニー“α”では1アクションで操作ができます。

それと面白かったのが動画の切り替えです。ソニー“α”の場合はモードダイヤルに動画モードが用意されていますが、ニコン機ではディスプレイボタンのところにスイッチがあり、切り替えで動画、静止画モードをセレクトします。

動画撮影時に写真の絞り優先、シャッタースピード優先からすぐにスイッチできるのは面白いですね。(ソニー“α”ではRECボタンを押すとモード切替なしで動画撮影ができますが)

そして、私には使いこなせませんでしたがレンズの根元のところにスイッチが2つ用意されていてファンクションを2つ設定できるようになっています。ここでAFエリアの切り替えとかをするようにできるですかね。

この機能はソニー“α”にもキヤノンEOS RPにもありませんでした。

それと、これも変わった点なんですが、メモリーカードがXQDカードのみの対応となっています。SDカードは使えません。アダプターなどもないのでXQDカードを購入しないといけないのですが、当然、私はもっていません。

1週間だけのお試し用なので、安い低容量のカードを1枚用意しようと思ったのですが、ソニーからしか販売されていないんですね。これが割といい値段します。信頼性の高いメモリーカード規格なんだとは思いますが、他で流用できないのは注意。PCでの取り込みもXQDカードのアダプターが必要になります。

こちらは大みそかに行ってきた富士吉田のドライブ旅の一コマです。大みそかに富士山が見られる観光名所とか空いているかな?と、思いきや、外国からのツーリストさんで大変な賑わいでした。

ミシュランガイドの表紙で有名になった新倉山も続々と人がやってきていて、川口湖畔にあるカチカチ山ロープウェイも長蛇の列になっていました。

どちらも駐車料金は無料で利用できるので長時間滞在ができるといえばできるんですが、人気のないところを狙っていたので拍子抜け。カチカチ山は歩いて40分くらいで登れるとのことだったので歩いて登ってきてしまいました。

☆YAMAP『大晦日のカチカチ山ハイキング』

天気の良さそうな日であれば、富士山ががっつり見られる2大ポイントです。

新倉山の方で空いているスペースを見つけて3台のカメラで撮り比べしてみたのがこちらです。絞り優先でやや絞り気味にして、あとはほぼ全部カメラ任せで撮ってきました。

DSC04489
Sony α7R4+SEL24105G F11 1/160

 

IMG_0003
Canon EOS RP RF24-105mm F4 L IS USM F13 1/100

 

DSC_0012
Nikon Z 7 NIKKOR Z 24-70mm f/4 S F11 1/125

 

 

■つくばわんわんランドで「動物瞳AF」撮り比べ

1月3日には筑波までドライブに行ってきました。動体の撮影テストと行きたかったんですが、ワンちゃんたちがあまりにも動きが速いのと、同時に3台の撮影はできないのでとっかえひっかえ使うことになるんですが、カメラを持っているときのタイミングでワンちゃんたちのいい表情が撮れるとそれが一番なんですよね。


Sony α7R4

2度目の訪問になる「つくばわんわんランド」なんですが、お正月時期は開園時に30分だけ正装したお正月犬がお出迎えしてくれます。たった30分だけのイベントで、ここぞ、という撮影になると、使い慣れた“α7R4”を使いたくなってしまうんですよね。


Canon EOS RP

なんとかEOS RPと、Nikon Z 7も使いました。当たり前の話かもしれませんが、どれもホワイトバランスや露出はオートのままで使っているんですが、あとからまぜこぜに写真を使っても違和感ないですね。


Canon EOS RP

その後、小型犬のふれあい広場に移動して10分毎にカメラを交換しながら撮影していたのですが、可愛いワンちゃんをゲットできたのはCanon EOS RPのときでした。


Nikon Z 7

この日は、夏に来た時と比べると来場客数が少なめで、ふれあい広場でも人間よりワンちゃんの方が多い状況でした。そうするとワンちゃんの方からこっちに寄ってきてくれるんですね。


Canon EOS RP

こちらはCanon EOS RPで撮影したショットです。EOSには動物瞳AFは搭載されていません。AFエリアはワイドを使っているのですが、普通はこうしてコントラストの高い鼻のところにフォーカスがいってしまいます。

それでもかわいい顔をしているショットが撮れていたらそれがナンバーワン。

ちなみに動物瞳AFは搭載していないはずのNikon Z 7ですが、ワンちゃんについては頻繁に瞳AFが発動していました。しかも左右瞳選択までできる状態で。

Nikon Z 7でのペット撮影、意外と良いかも。

それぞれのカメラでのベストショットがこちら。

 

DSC05580
Sony α7R4+SEL24105G F4 1/250

 

IMG_0899
Canon EOS RP RF24-105mm F4 L IS USM F4 1/400

 

DSC_0365
Nikon Z 7 NIKKOR Z 24-70mm f/4 S F4 1/60

 

 

今回はにゃんこハウスにも入ることができたので、α7R4の動物瞳AFの猫撮影にも挑戦。猫は飼ったことがなくて扱いがわからず惨敗でした。瞳AFはちゃんと効くんですが猫との付き合い方をもうちょっと勉強してからまた再挑戦です。

 

 

■インターバル撮影も試してみました

機能を調べてみたところ3機種ともインターバル撮影の機能を搭載していたので、こちらもテストしてみました。

上記の写真は撮影中の様子なんですが、Nikon Z 7は撮影中に画面が真っ暗になりインフォメーションがなにも出ないんですね。ソニー、キヤノン機はともに撮影画像がモニターできるようになっています。

液晶モニターを消した方が消費電力は下がるんですが、本当に撮影出来ているのかどうかのチェックのしようがありません。今回はもろにそれが結果に出てしまって、Nikon Z 7だけ設定を間違えて5秒間隔にするつもりが5分間隔にしてしまっていました。慣れていないカメラを操作すると、本当にこういうことが起こりますからね。

ということで、参考程度に設定画面だけ紹介です。

こちらはEOS RPのインターバルタイマーです。撮影回数は上限が99枚になってしまっていて、これでは動画として3秒程度のものしか撮れないため、事実上回数制限なしにして撮影することになります。

初日の出の撮影に挑戦してみました。露出追従にしていたのですがカットにより露出にばらつきが出ています。なにかしら設定項目があるのかな?

Nikon Z 7ではインターバルタイマー撮影と、タイムラプス動画撮影の2つのモードが用意されています。インターバル撮影では静止画データが記録され、タイプラプス動画では、動画ファイルが書き出されるというわかりやすい構造。

後から画像加工ができるように静止画のインターバルタイマー撮影を今回は使ったのですが、ここで撮影間隔の設定を失敗しました。5分毎の撮影になってしまったので、全然タイムラプスな感じではないのですが、どうも明るくなってからのショットがどれも白飛びしてしまっています。露出平滑化が強く効きすぎているのかも?

EOS RP、Z 7、α7R4で撮影したインターバル撮影の写真を動画にしたものがこちらです。ついでなので新倉山で手持ちで撮影した動画もつけてみました。EOS RPだけはハイビジョン解像度になります。

 

 

■スマートフォンへの画像転送機能の比較

そういえば、今回、とても助かったのが充電です。α7R4はmicroUSBと、USB type Cを搭載していますが、他の2機種もUSB type C端子を搭載しています。おかげでスマートフォンの充電器でどれもバッテリーチャージをすることができました。

その代わり、HDMI端子がソニーはMicro HDMIなんですが、そのほかはMini HDMI端子になっています。ソニーでもはるか昔はMini HDMIを使っていたことがあるんですが、ソニー製品では現在Mini HDMI端子を搭載している製品がないので、こちらの対応がちょっと厳しいかも。

充電は全機種できるのですが撮影中に給電できるのはソニー“α”だけになるそうです。

さて、本題です。カメラからスマートフォンへの画像転送ですが、どのモデルも専用アプリを用意していてそれをスマートフォンにダウンロード&インストールすることでWi-Fiを使っての画像転送ができる仕組みになっています。

Nikon Z 7ではWi-Fi接続をしてからアプリを起動。これでカメラ内の全画像のサムネールが表示されて、そこから1枚1枚の画像を選んで転送する仕組みになっています。

この最初の画像のサムネールの転送に時間がかなりかかるのと、画像の転送も1枚につき30秒ほどかかるようで、ちょっと大変な感じ。画像を20枚くらい選んで転送したら10分以上かかってしまったので、大量に撮影する人は要注意。

EOS RPも同様にWi-Fi接続をして、専用アプリを起動することで画像転送を行います。こちらでは自宅のWi-Fiのアクセスポイントを指定することができて、それを使うと自宅内での接続が速くできるみたいです。

こちらもカメラ内の画像をスマートフォンからのぞいて選択して転送する仕組みになっています。

こちらはそれほど転送に時間はかかりません。割とサクサクと転送ができます。

ということで、αユーザーさんでしたら、こと、画像転送については圧勝感を得られると思います。ソニー“α”の場合は転送したい画像を再生している状態で、NFCタッチをすると、それだけで専用アプリを使って1枚だけの画像転送をしてくれます。

まとめて画像転送する際もカメラ側で再生しながらチェックをつけていき、まとめてNFCタッチでの転送ができます。Wi-Fi接続の設定は最初の一度だけで、毎回行う必要はありません。

この手軽さは自慢できそう。キヤノンさん、ニコンさんユーザーさんの“α”乗換のご相談の際はご案内しなければ!

以上、Sony、Canon、Nikonのフルサイズデジタル一眼カメラ比較でした。今回は私の他社カメラユーザーさんへのご案内のための勉強のつもりで試用したカメラのレポートです。ソニー“α”との違いをピックアップしてご紹介させていただきました。

カメラ選びの参考にしていただければ幸いです。

 

当店は1月6日から営業を再開いたします。

1月も店頭ガチャガチャプレゼントキャンペーンを開催します。店頭にて1万円以上のお買い上げでガチャガチャにお一人様1回チャレンジ。お買い物券他のプレゼントが当たります。

店頭展示処分セールも年末の大掃除で出てきてしまった在庫品がラインアップに加わりました。こちらも早い者勝ちです。

 

2020年もよろしくお願いします。

 

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