【レビュー】APS-C望遠ズームレンズ『SEL70350G』で撮る「横須賀軍港めぐりクルーズ」&開梱レポート
発売が前倒しになり10月11日から出荷が始まっているAPS-C専用ズームレンズ「SEL70350G」の開梱レポートと、試し撮りで行ってきた「横須賀軍港めぐりクルーズ」の模様をレポートします。
APS-C専用レンズではありますがフルサイズ“α7R4”と組み合わせて使うのも非常に魅力的なレンズなんです。いきなり変則的な使い方になりますがボディに“α7R4”を利用しての撮影レポートです。
■APS-C望遠ズームレンズ『SEL70350G』開梱レポート
こんにちは、店員佐藤です。
消費税はあがるは、台風はやってくるは、ラグビーワールドカップの日本代表が快進撃を続けるは、ウォークマンは40周年記念モデルを発表するは、10月になってからの猛烈な忙しさの中、なにか忘れてるなー、と、思っていたのが新発売の”α”レンズの開梱レポートでした。
忘れていたわけではないのですが天候も良くなくて、なかなかレンズを持ってのお出かけが出来ませんでした。先週末も天気は思わしくなかったのですが、一度行って見たかった横須賀の「軍港めぐりクルーズ」に参加出来たので、持ち出してみました。
これがなかなか使い勝手の良いレンズだったので撮ってきた写真を見ながらご案内してみたいと思います。
まずは、その前に開梱レポートから。
こちらが新発売の「SEL70350G」の同梱品になります。通常、Gレンズなどのブランドレンズにはレンズポーチが付属するのですが、このSEL70350Gには珍しくレンズポーチが付属しません。前後のレンズキャップとレンズフードのみが付属します。
サイズはSEL90M28Gとほぼ同じで、望遠レンズのSEL70300Gより一回り痩せたレンズという感じです。
APS-Cレンズということで、このサイズで“α6400”に装着すると画角的には525mm相当の超望遠レンズとして利用ができます。
写真左がSEL200600G+“α9”です、フルサイズレンズだとこのサイズになるところがSEL70350G+“α6400”のAPS-Cレンズう&ボディにすると写真右の、このサイズダウン感になります。半分以下のサイズで使える様になります。
これで画角はほぼ同じくらいになります。
持ち運ぶときのサイズで比較してもSEL200600GとSEL70350Gのサイズはこれだけ違います。
「今日は野鳥を撮りに行くんだ!」と、心に決めて野鳥だけを撮りに行くのであれば、ザックがレンズ1本だけでいっぱいになってしまう「SEL200600G」でも頑張って持ち歩けるのですが、山歩きをしにいって「撮れれば野鳥も撮ろうかな?」程度の覚悟では「SEL200600G」は持ち出せません。いいとこ「SEL100400GM」くらいまでになりますが、割り切って「APS-Cでクロップしてもいいや」という使い方ができるなら「SEL70350G」を超望遠レンズ代わりに持って行ってしまう、というのアリ。
特に新発売の”α7R4”であればAPSーCサイズにクロップしても2600万画素あります。スナップ撮影や広角レンズを使っての風景撮影は6100万画素で撮影して、万一の予備の望遠レンズ撮影は2600万画素でも全然OKでしょう。
この使い方を試してみたかったんです。
■イベント撮影で威力を発揮するサイズ
それと、こうした小型の望遠レンズが必要なシーンというのが実はイベント撮影などにあります。先日、台風19号のおかげで土曜日の予選がなくなり、日曜日に予選と決勝を一緒に行ったF1日本グランプリですが、このイベントでは持ち込めるカメラに制限があります。
チケットについてのご案内があり、通常の観戦エリアでは望遠レンズ・25cm以上の長さのカメラを持ち込んでの撮影はご遠慮ください、という記述があり、それらの超望遠レンズを持ち込む際は「カメラマンエリアチケット」を購入する用に注意書きがあります。
実際にF1中継を見ていると一般観戦エリアに超望遠レンズを持ち込んで撮影している方もいらっしゃいますが本来はマナー違反ということになりそうです。
ちなみに25cmまでのカメラサイズというとかなり条件が厳しくなります。これはレンズの長さが25cmではなくて、カメラシステム全体の長さなので、レンズフードの先端からファインダーアイピースまでということになります。ズームレンズで全長が延びてしまうカメラの場合は25cmの長さまでになるようにして使ってください、ということになっています。
実際に長さを測ってみると、サイバーショット「DSC-RX10M4」がレンズフードまで入れて600mm状態で27cmになります。レンズフードを外して使う分にはOKですが、レンズフードを使う場合は焦点距離550mm相当まででしか使えなくなります。
SEL200600G+“α9”の場合は、インナーズームになっているので全長が延びることはないのですが、レンズフードを外した状態でも全長37cmになります。これはアウトです。
「SEL70350G」+“α7R4”の場合はレンズフードを外すとちょうど25cmです。レンズフードをつけてしまうと29cmくらいまで長くなってしまうのですが、なるほど、F1レースの観戦席からちょっとだけ撮影したい、であれば、この組み合わせも良いかも。
ちなみにラグビーワールドカップの撮影の際にも持ち込めるカメラには制限があるそうで、長いレンズは持ち込めないんですよ、と、応援に行かれた方からお話しをうかがいました。
ワールドカップラグビーのホームページで持ち込み制限について記述を探したのですがF1日本グランプリの様にカメラの全長については記載がないものの、他の方の迷惑にならないように、という事になっているみたいですね。三脚や一脚などの関連器具の持ち込みができないので、こちらもF1に準ずる考え方、というところでしょうか。
目安として全長25cmまでというのに合わせるなら、ラグビーの観戦時の撮影も「SEL70350G」はベストレンズになるかもしれません。準決勝、決勝戦のチケットをお持ちで望遠撮影をお考えの方は、まだSEL70350Gのオーダー、間に合いそうですよ♪
■『SEL70350G』で撮る「横須賀軍港めぐりクルーズ」
さて「横須賀軍港めぐり」ですが、これは割と有名なクルーズで、当店のお客様からも「感動するから一度は行った方が良い」と何度かオススメいただいています。
この日、神奈川に用事があったので午前中に寄ってきました。チケットは事前予約制で、Webで予約を入れておき、当日受付でチケットを購入するという流れになっています。
京急の汐入駅から徒歩5分ほどのところに受付があり、横断歩道を渡っていくと、その途中から潜水艦が見えてきて胸がときめきます。
30年くらい前の話になりますが映画「レッドオクトーバーを追え」が大好きで国家機密の塊として知っていた潜水艦が、こんな風に見えてくると、それだけでワクワクしてきます。
こんな秘密基地が駅前の歩道橋から見えて良いんでしょうか!?
朝10時から1時間毎に横須賀港の1周クルーズが行われます。時間予約をしてあるので名前を告げると、それでチケットが発行されます。大人一人1,600円でした。
出港15分くらい前に受付まで来てください、と、なっていますが、その時間に行くとこんな長蛇の列です。平日の月曜日の朝なんですが、ほぼ満席状態。180名の乗船になっているそうです。
席は自由席で乗った順番に好きな席に座っていきます。人気があるのは2F席の方で座って見学できるベンチが並んでいて、乗船した人から座っていきます。
船首の方のベンチに座るためなら、だいぶ前から並んでいないといけなさそうですが、結果的に船の左舷、右舷に移動して撮影することになるので写真撮影が目的の方だと順番はあまり関係ないかも。
船尾に開けたところがあるので、ここで撮影をしつつ、右舷、左舷の船を撮るときは左右に移動するのと2Fデッキに移動して撮影をしたりできます。
“α7R4”+SEL70350G F6.3 1/1000 ISO640 焦点距離350mm(画角525mm相当35mm判換算)
出発前に船尾から525mm相当の望遠をすると出発前のそうりゅう型潜水艦がこんなにクローズアップして撮影できます。国家機密がこんなに鮮明に撮影できちゃって良いんでしょうか!?
鉄のくじらが間もなく出港するようです。
こちらが広角側いっぱいの70mmです。APS-Cでクロップされているので35mm判換算で105mm相当になるのですが、“α7”シリーズならこの状態でAPS-Cクロップを外してフルサイズセンサーで撮影する事ができます。
こちらがSEL70350Gをフルサイズセンサーでワイド端いっぱいで撮影したときのものになります。若干周辺光量落ちがありますがケラレはないので「もうちょっと広角が撮りたい!」という時に、最悪、APS-Cサイズ撮影をオフにすることで挽きの画が撮れます。
ちなみに単焦点レンズの絞り開放のときと違って、この状態から絞ってみても周辺光量は落ちはなおりません。それどこrかF22など絞り込むとわずかですがケラレが見えてきます。メーカー側でフルサイズセンサーでの撮影は保証していませんから仕方がありませんが、いざというときの撮影方法として覚えておくとよいかも。
ちなみに70mmからちょっとでもテレ側にズームするとケラレます。350mmのテレ端いっぱいでフルサイズ撮影した場合はこういう画になります。なにもメリットはありませんのでこの撮影方法を使うコトはないと思いますが、これがフルサイズとAPS-Cセンサー専用レンズの違い、ということになります。
目の前に潜水艦の出航があったおかげで、クルーズ船は潜水艦の後ろを追従することになり、今回のクルーズは予定航路ではなくコース半周になりました。それでも見られる船の数は同じだし、むしろ大好きな潜水艦がじっくり見られてよかったかも。
先ほどまで遠くに離れていた潜水艦のすぐ近くまで寄ってきました。
“α7R4”+SEL70350G F4.5 1/1000 ISO200 焦点距離70mm(画角70mm相当35mm判換算)
これこれ、こういうときです。APS-Cクロップ機能をオフにしてSEL70350Gをフルサイズセンサーで撮影するシーンです。潜水艦の全景がバッチリ6100万画素で撮影できました。
こちらは船首部分です。列の一番前に並んで2F席の一番前のベンチに座った方がこの場所を陣取っています。ですが、こうして船首ではワイヤーなどが邪魔するし視界は自分の前方部分しかありません。あちこち移動できた方が良さそうです。
潜水艦の後について港内のクルーズがスタート。
案内の方のマシンガントークが休みなく続いていて、係留されている船について一隻一隻解説してくださいます。こういう解説トークを記憶しておくのが私は得意なんですが情報量が多すぎて半分以上は聞き流してしまいました。
このトーク内容、録音しておけば良かった。
係留されている船は毎回違っているので、解説も同じ内容になることはまずないはずです。
“α7R4”+SEL70350G F4.5 1/1000 ISO160 焦点距離70mm(画角105mm相当35mm判換算)
こちらのマンションみたいな船は南極観測船の「しらせ」です。間もなく南極に向けて出港するそうで普段は見られない船とのこと。ふねの科学館でみた初代しらせよりもずいぶん大きな船に見えます。
“α7R4”+SEL70350G F5.6 1/500 ISO100 焦点距離70mm(画角105mm相当35mm判換算)
こちらは護衛艦のたかなみと、ゆうぎりです。
ワイド端70mmでいっぱいに撮れました。こうして艦船の真正面から写真を撮れる機会というのは普通はなく、この角度で写真が見られるのは船に激突してしまう危険があるときだけです。迫力あるカットが撮れます。
よくみると「たかなみ」の手すり部分に白いモノが見られます。これは電飾だそうで、おめでたいことがあるときなどに艦体を飾り付けることがあるとのこと。
翌日の火曜日は「即位の礼」が行われましたので、そのための電飾なんだそうです。令和に入ってから初めて飾り付けをしているとのこと。
こちらは艦橋部分です。こちらも全体に電飾されています。525mm相当の望遠レンズだとここまで寄った写真が撮れます。この自由な感じの撮影は快感ですね。
ゆうぎりの方はペンキ塗装をしているようです。日本の護衛艦は世界でもっとも綺麗な船体と言われているそうで、こうして小まめに手入れをすることで美しい船体を保っているんですね。
プラスチック製の掃海艇や、特務艇「はしだて」なども見学してグルッと戻ってきました。吾妻倉庫地区の島をグルッと一周する間にアメリカ海軍基地の見学もできるはずだったのですが、今回は海上自衛隊だけの見学ツアーです。
帰りに少しだけアメリカ海軍基地に寄ってくれて整備中のイージス艦などを見ることもできました。
“α7R4”+SEL70350G F6.3 1/500 ISO250 焦点距離350mm(画角525mm相当35mm判換算)
整備中は木製のフタなどをしているみたいですね。望遠レンズでの撮影でこれだけの解像感を味わえるのはやはりGレンズならではですね。
“α7R4”+SEL70350G F5.6 1/500 ISO100 焦点距離135mm(画角202mm相当35mm判換算)
こちらはドライドックに入っている艦船です。大幅な改修工事がされているみたいです。
“α7R4”+SEL70350G F6.3 1/500 ISO400 焦点距離350mm(画角525mm相当35mm判換算)
朝一番で出港した「そうりゅう型」潜水艦に続き、「おやしお型」潜水艦も出て行きました。どうやら潜水艦が見られたのは朝10時便だけだったみたいです。潜水艦のおかげで周回コースが半分になってしまいましたが2隻の潜水艦の出航シーンが見られてラッキーでした。
40分のクルーズが終わると、また次の回のお客様を乗せて出航していきました。
ということで「SEL70350G」をフルサイズ“α”で使ったときのフォトレポートでした。この夏、SEL200600Gのレビューがあったので毎週の様に週末はザックに入れた「SEL200600G」を持ち帰っていたのですが「SEL70350G」は大変楽でした。
いつもの肩掛けカバンに普通に入れて持ち歩けます。
APS-Cセンサー採用の“α6000”シリーズユーザーさんだけではなく、フルサイズセンサー搭載”α7”シリーズをお使いの方も検討されてみてはいかがでしょうか?
デジタル一眼カメラα [Eマウント]用レンズ SEL70350G |
ソニーストア価格: 99,000 円+税 |
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発売日 | 2019年10月25日 | メーカー商品情報ページこちら | ||
長期保証 サービス |
5年ワイド:10,000円+税 3年ワイド/5年ベーシック:5,000円+税 3年ベーシック:無償 |
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